機動戦士ガンダムSEED C.E.81 LEFTOVERS   作:申業

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PHASE-11 少年たちの戦い(2/7)

ダイは大剣クラレントを背中へと戻しつつ、

逆の手でショートライフルを抜き、撃ちながら後退する。

『……息巻いた割には、冷静なようで』

ホルローギンの声が小さくなる。

ただし、その弾道は盾を抜いてドミンゴを傷つけるには至らない。

『気が引けますがね……若い目を摘むのは。

しかし、これも、仕方ありませんね』

ホルローギンの呟きが終わる頃には、

彼の乗るドミンゴの体は若干の前傾を取っていた。

「……来る」

ダイも当然、それは察知した。

察知し、ただ逃げることは出来ないと判断したのだろう。

クラレントを戻した右腕が、今度はブーメランに手をかけている。

なお、ブーメランは背中に三角帽のような形で置かれており、

かつ左右とも端の部分に三角形の穴が空いていて、

手をこの穴の部分に入れて掴み、投げるのである。

また三角帽の形態は2つのブーメランが結合した状態であって、

投げる際にはこれが中央で割れて2個となった上、

三角帽の欠けたところをほぼ完全に補う形で、

ビームの刃が形成される。

……長々と解説したが、

要するにダイはブーメランを取り、投げつけたのである。横向きに。

しかし、

『……おっと』

ホルローギンも、そこはベテラン。腕がある。

飛んできたブーメランに絶妙な角度でぶつかり、

弾く程度はお手の物。

『ルートは悪くなかったんですがね……』

「……クッ」

歯軋りしつつ、第2球。もう一方のブーメランを投げつける。

今度は縦向きに回転させながら。

『生憎……私は大道芸人じゃありませんので』

そう漏らしつつ回避したホルローギンは、

そこから一気にダイとの間合いを詰め直すのである。

「受けて立つ」

と一瞬構えたダイだが、この男の強みはその視野の広さにある。

近付く相手を見つめながらも、

その周囲にすら気を配る余裕がある。

まあ、その分、近くが弱く、

間合いを見誤るミスで先程は首を刻まれた訳だが。

……とにかく、その視野がここでは活きた。

「……アレは?」

ダイには見えた。

近付くドミンゴの体の背後に浮かぶ、白く細長い物体を。

それがビームサーベルの柄と分かるまで、時間はかからなかった。

そうして思い馳(は)せる。近付く相手の体の角度を。

改めて確認して、直観は確信へと変わる。

右足のコンテナが正面のIm/A-Pから視認できない位置にあることを。

「……サブマシンガンか」

把握した瞬間、次の対応は決まった。

ダイはあえて前に踏み出した。それは相手のリズムを崩す為。

それも武器も持たずに。

『……ほぅ』

思わず感嘆の言葉を漏らしたホルローギン。

相手の左腕を自身の右手で掴み、やがて肩と肩とがぶつかり合う。

「これで……マシンガンは使えないな!」

とのダイの表明通り、

ホルローギンのシールドが邪魔になってマシンガンは撃てない。

撃てば、シールドに防がれてビームが飛び散り、

ドミンゴの体を傷つけてしまう。

これがダイのシールドなら、

マシンガンが飛び散った先がダイの機体を傷つけただろう。

加えて、仮にホルローギンがシールドをここで剥がせば、

Im/A-Pのショートライフルが動く。

ショートライフルの射角からなら、

かえってドミンゴのコクピットが狙える。つまり……

『私の動きを封じた、と……言いたいところでしょうか?』

ホルローギンは妙に嬉しそうにそう言うのだ。

これがビームサーベルなら、

ビームシールドの隙間からIm/A-Pを攻撃できたろう。

ただし、追い詰めたハズのダイの表情は硬い。

「いいや……そう上手くはいかないんだろ?」

『そこまで、お見通しとは』

ドミンゴより手を離したダイ。シールドを足場にして飛び上がった。

彼が投げたブーメラン2本が返ってきたのは、

それからすぐだった。

『ブーメランを手にする隙に攻勢へ出るつもりでしたが……

いやぁ、大したものですね。末恐ろしい』

ブーメランをキャッチするIm/A-Pの姿を見ながら、

ホルローギンが笑う。

『骨が折れそうだ』

笑い声を上げるホルローギンに、

「……舐めやがって」

と反論するダイ。

しかし、その顔はホルローギンの方を向いていなかった。

何せ、この2、3秒後には、

長距離射程のビームライフルがダイを襲うからである。

『流石に、気付きますか』

ホルローギンはなおも笑い続けて。

ビームライフルの弾道を辿れば、そこにいるのはクールカのアダガだ。

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