機動戦士ガンダムSEED C.E.81 LEFTOVERS   作:申業

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C.E.75年にL4に建設された都市グナイゼナウ。
その名前の由来がドイツ海軍の戦艦の方からか、
その元にもなったドイツの将校からかは俺には分からないが、
役割を考えるなら後者と考えるべきだろう。 
ナポレオン戦争での最終的な勝利に貢献した、
プロイセン王国(後のドイツ)の軍人、
アウグスト・フォン・グナイゼナウは参謀本部創設の功労者であった。
建設当時の最高評議会議長ルイーズ・ライトナーの提唱した、
大規模軍事制度改革に際し、
新設のグナイゼナウに参謀本部の創設を決定。
背景にあったのは、それ以前の軍事上の実質的な拠点だった、
ディセンベル市の諸問題と深い関わりがある。
ヤキン・ドゥーエ戦役において大量殺戮兵器ジェネシスを投入する等、
強硬策で知られるパトリック・ザラ元議長のお膝元でもあり、
ユニウス戦役末期にはレクイエムの放火で市の一部が破壊された。
戦後のライトナーによる平和協調路線に強く反発したのも、
同市の代表シャムロック・トラファであったぐらいで。
これを期に、アーモリー市と併せ、
以降の軍需産業の中心地はL4領域へと移っていく……
いや、より正確には軍需産業「も」というべきか。 
何にせよ、グナイゼナウが、
プラント本国における防衛の要に位置付けられていることは違いない。


PHASE-11 少年たちの戦い(4/7)

アレハンドロの砲撃を避けつつ、

「……意気込みは結構だが」

ヘルメットのガラス部分を上に入れ、

クールカは左目を眼帯ごと掻(か)いている。

『こうも隙間の大きい剣山では、刺さるものも刺さりますまいて』

そう評したホルローギンの言に正しく、

クールカのアダガは砲撃の隙間を抜いて地上まで降下。

すると共に、その両側に立っていたゲルググに刃を突き立てる。

片や喉元を突き、片や腹部を貫く。

後者は致命傷だが、前者はメインカメラを落とされただけで、

まだ死んでいない。

「……ズレるな」

ゲルググが爆発した右側にはビームシールドを展開。

左側に踏み出して追撃を加える。

その間に、視界の右の端、ビルの上に立つアビスが、

ビルからビルに飛び移り、

やがて視界の左側、煙の奥に消えていくのを確認している。

「……まずは、オマエからだ」

半ば馬乗りになり、ゲルググの上にビームサーベルを下ろす。

断頭台のように。

相手のゲルググも最期の抵抗と背中のキャノン砲を向けてきたが、

一足遅く、放たれたビームはアダガから大きく逸れてしまう。

「惜しかったな……もう少しで……」

そう呟くクールカの耳に、ある足音が聞こえてきた。

モビルスーツの足音が。

振り返れば、そこには4機のゲルググが取り囲んでいた。

ビームライフルを構え、アダガを狙う。しかし、

「威嚇するだけ無駄よ……撃てないことは分かっている」

右のビームサーベルを片付け、

その手で背後の高層ビルをポンと叩いた。

『卑怯者め!』

「卑怯?……冗談にセンスがないな」

アダガの体から力が抜け、地面へと尻餅をついた。

ビルを座椅子代わりにしてもたれながら。

踏み出せば、ビルへと命中するリスクが下がる以上、

ゲルググたちも砲撃を加えてこよう。

しかし、肝心のビルに座られてしまっては、かえって攻撃できない。

皆、一様に攻撃を躊躇する中、

「……迷った時点で、負けだと気付かんか?」

クールカは静かに笑い、眼帯の下に指を入れ、目尻を撫でる。

この際に、眼帯が少し捲(めく)れて、

真っ白になった眼球が垣間見えた。

「……さて」

クールカはビームガンを乱射した。

丁度、座り込んでしまったアダガの頭部が、

おおよそゲルググらの腹部の辺りと同じか少し低いぐらいの高さで、

そこから放れたビームガンはまず1機のゲルググを射殺。

また2機も撃墜されないまでもバランスを崩した。

そんな中、

『うおおおおお!』

という雄叫びを上げ、柄の両端に刃を形成するビームサーベル、

所謂ビームジャベリンを形成。

下の刃でアダガを突き殺そうとしたが、

2歩ばかり踏み出したところでアダガの背に火がつき、

座った姿勢のままに地面を削りながら機体が前進。

ジャベリンの刃の下に上手く潜り込み、

逆にビームサーベルで相手を刺殺した。

「……相手が悪かったと、思うことだな」

ゲルググの爆発をビームシールドでガードしつつ、

その衝撃をも生かして、アダガの体を空へと浮かび上がらせた。 

無論、スラスターの力で飛んだには違いないのだが。

こうして飛び上がり、大きく戦場を俯瞰したとき、

クールカは静かに呟いた。

「薄い……薄すぎる」

と。

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