機動戦士ガンダムSEED C.E.81 LEFTOVERS   作:申業

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PHASE-12 狂った兵器(6/7)

爆発直後、背後からビームの音が聞こえてきた。

アダガがギリギリで避け、振り返れば、それはアレハンドロから。

先程破壊しなかった方のマグヌス・バラエーナの一撃だった。

『……食らえよ!』

射角を調整して第2射。だが、当たるハズもなく。

とはいえ、アレハンドロもそこは考えている。

後方に控えていたゲルググの、背中の砲2門の間隔が開いている。

無論、それは相手が上から下から、あるいは右から左か、

逃げた方向に間髪入れずに撃ち込む為。

ただ、クールカの対応も速く、あっさりシールドで防がれた。

『そう……上手くいかねぇか』

アレハンドロがため息を漏らしてから2秒経って、

第3射と射角を調整していたところで、

アダガが投げ捨てた何かに目を止めてしまう……

気付くのに1秒もかからなかったろう。それはゲルググの手。

そして、その手にはもうビームライフルは握られていなかった。

何時サーベルを戻したのか、それは分からない。

ただ、ゲルググのパイロットが確認したときにはもう、

アダガの右手にはビームライフルが握られていた。

元はゲルググのものだったビームライフルが。

咄嗟に両肩をすぼめて、左右に広がっていた肩のシールドが垂れて、

まるでカブトガニのような形態になりかけるアビス。

クールカへの備えであろう。

しかし、残念ながらクールカの狙いはそちらではなかった。

撃ち出されたビームの弾道はアビスの右肩の上を通り過ぎ、

ゲルググの右肩の砲を的確に撃ち抜いた。

辺りどころが悪く、派手に誘爆した挙げ句、その煙が視界を遮る。

『……ヤベッ』

アビスが前に出て、ゲルググより距離を取った。

煙を抜いて、進み出ること3歩ばかり。

クールカの第2射が飛んできた。

ゲルググの左肩のキャノンに命中。破壊されてしまう。

それでも、このゲルググ、ビームライフルにて反撃を試みた。

同じタイプのライフル。当然、速度なども同じ。

だが、技量の差であろう。

ほぼ同じタイミングにて放たれた、

向きを互い違いとする2本のこのビームは、平行線を辿り、

片やアダガの脇の下を軽く掠めるに止まり、

片やビームライフルを持つ腕の付け根を正確に撃ち落とした。

アレハンドロだって、この間、棒立ちという訳はなく。

上手く前半分だけ煙から突き出し、

最低限、後衛のゲルググのコクピット回りを守りつつ、

煙にマグヌス・バラエーナの砲門を隠し、その時を探っていた。

クールカのアダガが見せる隙を。

事実、ゲルグとビームライフルの撃ち合いをしていたときは、

自身の防御はいくらか疎かになり、動きも止まっていた。

そこを見逃さず、ゲルググの射撃から約1秒の時を経て、

放たれたマグヌス・バラエーナ。実に第3射。

『……やれる』

アレハンドロの口に出る程の確信を嘲笑うように、

クールカは高度を上げて、これを目前にて回避。

お返しとばかりにビームライフルで反撃し、砲を破壊してしまった。

「さて……」

とアダガの銃口がアビスのコクピット周辺、

シールド同士の間、僅かに開いた箇所に照準が合わされたとき、

一瞬、目が眩(くら)み、ピントがぼやける。

「頼む……もう少し。もう少しだけ、言うことを聞いてくれ。

32年、苦楽を共にした身体じゃないか。頼む。良い子だから」

苦笑するクールカ。間もなく彼の耳は、

『勝つには勝ったが』

という俺の言葉を聞くのである。




おおよそ時を同じくして、ホルローギン・バータルのドミンゴが、
地上へと降下。
「はてさて……どうしたものか」
糸のような細い目を更に細めて、呟くホルローギン。
『……逃がすか』
とばかりに、首を赤べこみたいに前へ後へ揺らしながら、
ダイのIm/A-Pもまた地上に降り立つが、
「何も、逃げた訳でもありませんよ?」
余裕しゃくしゃくのホルローギンは、
ビルを挟んで向かい側に着地せんとするダイに対して、
ビームサーベルをブーメランのように投げつける。
それも左腕で、ビルの陰に隠すようにして。
見えないものには対応し切れず、
かつ運悪くダイもまたビルの陰に身を隠すように歩いて、
角に接していた時であったから……
どうにかシールドの展開が間に合い、
横には動きつつ、サーベルに対してあえて前に出る形で、
勢いを殺し、弾いたのはよかったが、
衝撃が思いの他大きかったらしく、
前に出た拍子に足下が狂い、無様にも前へ倒れてしまうのである。
倒れて次の瞬間、
『うおおお……』
などとらしくもない声を漏らしたダイ。
見上げれば、目の前にはホルローギンのドミンゴが立っていた。
先程投げつけたビームサーベルは地面に刺さっている。
ドミンゴの右腕が手首を返してこれを掴み、もう一度返し、
竹刀を持つように左腕を添える。そして、
「……悪いが、これは戦争だからね」
そんな一言と共に、ダイの上へと落とすように降り下ろされた……
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