機動戦士ガンダムSEED C.E.81 LEFTOVERS   作:申業

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PHASE-02 迫り来る脅威(2/7)

敵戦艦のハッチは左右に2つずつあり、

交互にモビルスーツが送り出され、計3機が急接近してくる。

相手の機体は《ZGMF-R09SS リックドムインフェントリーS改》。

蕾のような曲線を描く両肩が特徴的な、通称《SS型》。

2色の濃さの違う暗い青紫色のボディと装甲、

そして赤い十字の縁の内側、

黒いゴーグルの中に明るい黄緑を光らせた彼ら3機は、

やや後方に立つ2機がバズーカを、

比べて前方の1機がビームサーベルを、それぞれ構えつつ、

いずれも確実にハサンの方へと近付いてくる。 

《リックドム》たちによる攻撃は間もなく始まった。

後方に立つ2機が肩に乗せたビームバズーカが火を吹き、

Im/A-Pはその片方は避けたものの、

避けた場所に飛んできたもう片方は回避しきれず、

着弾、放たれたビームが花火のように飛び散った。

もっとも、Im/A-Pも左手にビームシールドを貼り、

左側を前に出すように半身に、かつ少し屈み、

被弾面積を小さくすることでこれに耐えたが。

それでも無傷とはいかず、

飛び火したビームが機体の頭頂部を軽く削った。

そんな間にも、残る1機の《リックドム》が隙間を抜いて接近してくる。

左手にビームシールドを展開しつつ、

ダランと下げる形で右手は右足の腿(もも)の裏辺りに置き、

ハサンに右手が握るビームサーベルを見えないよう工夫している。

他方、ハサンとてただ見ている訳ではない。

後ろにやっていた右肩を今度は前に突き出す素振りを見せた。

次の瞬間、右肩の上に乗った3発のミサイルが発射された。

それはわざと、正面に立つ《リックドム》を"外す"ように。

ミサイルを格納していたポッドは間もなく機体からパージされ、

明らかに軌道の反れたミサイル弾に、

この《リックドム》はわざわざ反応しなかった。

それが大きな誤算だった。追尾機能を持つミサイルたちが、

《リックドム》を認識して方向転換し、襲いかかる。

それでも、《リックドム》はフェイズシフト装甲を採用したモデル。

ミサイルのような実弾兵器ではダメージを与えられない。

そう、それが"ただのミサイルだった"なら。

《リックドム》の左側に襲いかかったミサイルは、

着弾と共に自ら破裂した。周囲にビームを拡散しながら。

1発目が左肩と二の腕の間辺りに側面から命中。

2発目は左肘の辺りに命中。その衝撃が肘より下を吹き飛ばす。

そうして出来た隙間に、3発目が炸裂。

コクピットのある腹部に命中し、横腹を大きく抉った。

この一撃が大きく、同時にバックパックのスラスターまでも壊され、

《リックドム》の動きは止まった。

この時点で《リックドム》はほとんど戦闘不能だった訳だが、

そこはパイロットの意地か。

辛うじて動く右腕を力強く振り上げると、

ハサンめがけてビームサーベルを投げつけた。

とはいえ、そこまで。投擲されたサーベルはあっさり避けられた。

続いて、《Im/A-P》の背中についた大型ビームライフルが動く。

バックパックのアームにより接続されたこのライフルは、

射角を調整し、その銃口を傷付いたリックドムへと向けた。

こうして放たれた一撃は、

動かぬ的となったリックドムの腹部を正確に撃ち抜き、

まもなく機体は爆発し、パーツは四散した。

そのいくらかは、《Im/A-P》にも当たった。

『敵機撃破!……流石です!』

パーディはそう無線で彼を讃(たた)えるが、

「いや……」

敵のビームバズーカを避けつつ、左肩のミサイルで反撃。

敵も学んでいる。今度はもう1機がバズーカで1発は撃ち落とし、

もう1発をビームサーベルで切断。

どうにか3発目は命中したものの、左胸から展開された、

スクリーミングニンバスというビームの膜に守られ、

ダメージを与えられない。

「……まだ2機」

ハサンが言いかけたところで、

別のモビルスーツの反応がレーダー上に現れ……

 




戦艦《フレイヤ》のブリッジに戻ろう。
アナウンスから1分が経過。室内は暗いままで、
形態もイスが何席か増えた程度に変わっていた。そんな中で、
アレハンドロはなおもパーディの傍らにいた。
彼もまたマイクつきのヘッドホンを頭にしながら…… 
戦艦《フレイヤ》のレーダーが新たな反応を捉えた頃、
背後の自動ドアは開いた。
ドアの前には数名の男女が並んで立っている。
帽子を被った一人の女性を先頭にして。淡い水色の髪の上に、
ペンで線を引いたように見えるネイビーのメッシュが入り、
毛先が後ろ向きに跳ねた女性だ。
「待ってましたよ……ハビエル副艦長!」
アレハンドロが一礼。
背後にいた隊員たちが右へ左へそれぞれ違う向きに進み、
イスに腰かける中、
ハビエルと呼ばれたこの女性はそそくさと彼に歩み寄る。
「……状況を教えて?」
ハビエルの言葉だ。
「領空を侵犯する戦艦がいて……ですね」
そう言うアレハンドロの言葉を遮る形で、
「《2号機》、ロスト……」
とのパーディの声が響いた。 
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