気の向くままに、短編集。   作:天道詩音

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オリジナル
勇者パーティーの剣士は


 

「長い旅路になるだろう。君たちには辛い旅になるだろう。だが、どうか魔王を倒して世界を救って欲しい。勇者達よ、どうかよろしく頼む」

 

 この国の、その国王が私たちに頭を下げて魔王討伐を依頼した。パーティーの皆は感動して、必ず魔王を倒そうと言っているが、私は強くなれればそれでいい。

 

 誰よりも強くなる。

 

 そのついでに魔王を倒すーーそれだけだ。

 

「僕たちが必ず魔王を倒します。では皆、行こうか!」

「わたしも回復魔法で皆様を癒やします。魔王を倒して、全員で帰って来ましょうね!」

「なら私は立ち塞がる全ての障害を魔法で薙ぎ払うわ。ねえリオン。あなたは私の護衛をしてくれればいいわよ?」

「護衛をする必要は無い。魔法より先に私が全てを切る……」

 

「ふふっ、リオンは相変わらずね。まあ私が背中くらいは守ってあげるわ」

「よろしく頼む」

 

 何が嬉しいのか、レナはニコニコと笑っている。まだ剣を握っていない、小さな頃からの知り合いだが、よく分からないやつだ。

 

「では勇者アレス、僧侶ターニャ、魔法使いレナ、剣士リオンよ、このアストレア国でそのクラスにおいて最も強い者たちである、君たちなら必ずや魔王を倒せると信じている」

 

 国王は私たち一人一人の顔をゆっくりと、真剣な表情で見渡しながら、威厳のある声で話していく。私はフルプレートの鎧を着込んでいることから、顔は見られていないが、しっかりと目を合わせようと見てきた事は分かる。

 

「この国が人類の最前線であると考えると兵を出すことは叶わないが、国宝の【生きているモノ以外を際限なく収納できる魔具】に人間界から集められた、食糧、武具を詰め込んでおいた。目録も詰めておいたが、三年は補給無しでも戦える量の物資は入っている」

 

「それは……そんな量の物資を集めるのは国民の方たちに負担が掛かるのではないでしょうか?」

 

 アレスが感動で声を振るわせながら、王に向かって問いかける。……確かに四人分とはいえ、二年分の食糧と武具となるとかなりの量にはなるだろう。魔王領になった大陸に唯一面している、この国ではそれだけの食糧を集めることは用意では無いはずだ。

 

「我が国の勇者達を魔王討伐に向かうと伝えると、全ての国に伝えるとこれだけの量の食糧が集まったのだ。君たちは全人類の希望だと認識して欲しい。全ての者たちが魔王を倒し、世界に希望を与え欲しいと願っている。必ずや魔王を倒してくれ」

 

「はい。僕たちが必ず魔王を倒します」

 

 アレスの言葉に私たちは全員で頷いて、魔王を倒す事を誓った。

 私も強くなるためには、強者と戦う必要があると考えている。魔王を倒せば更に強くなれるだろう。

 

「ではそろそろ行きましょうか?」

「行きましょう! 勇者さま!」

「なかなか良い旅立ちじゃない。リオンも行くわよ」

「……ああ」

 

 戦う以外には興味ないが、祝福されながら向かうことは悪くないか。

 

 魔王領を塞ぐようにそびえ立つ巨大な壁、その中央の門に向かって続く大通りを歩いていく。道の左右には溢れんばかりに並んでいるこの国の皆が祝福の声を上げている。

 

 アレスとターニャは手を大きく振って、声援に応えている。

 

「まったく、リオンはもう少し愛想良く出来ないのかしら? 少しくらいは手を振ってあげたら?」

「……しない」

 

 アレスなら声援が力になると思うが、私では声援を力に変えることは出来ないだろう。強くなるため、自分の為に戦っていくのだから。

 

 銀の手甲に覆われた、手のひらを見て握りしめる。レナに言われたからではないが、気まぐれを起こしてみるのも悪くはないか。

 腰に差した直剣の柄を握りしめ、一気に引き抜いて頭上にかざす。周りの声援が更に大きくなり、大合唱のようになっている。

 

「ふふっ、リオンはほんと素直じゃ無いわねぇ。アレスそろそろ門を開きましょう」

「そうですね。それでは皆さん、僕たちが必ず魔王を倒します。それまでどうかこの国をよろしくお願いします」

 

 鳴り止まない声援を背に、アレスが開門の合図を門兵に送ると、軍隊を送り込む為に作られた大門が大きな音と共に開かれた。




なろうっぽいのを書こうとして止めたのでここに供養します。

主人公
リオン

勇者
アレン

僧侶
ターナ

魔法使い
レナ
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