気の向くままに、短編集。   作:天道詩音

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その2

 

 今世で、小さな頃からの幼馴染の早苗はどこに消えたんだ?二柱の神が早苗を守って居たから、消えた原因については恐らく、あの二柱が関わっているのだろう。

 ただ、二人は信仰を失って、力も無くしてそこらの亡霊のような存在になっていた。

 恐らく、他の何者かによって今回のことは引き起こされた。

 

 そして……早苗も消えることを知っていたから、あの時の言葉はそれを伝えたかったのだろう。

 

 あの日ーー

 

『光麻くん……さようなら。ありがとうねーー』

 

 ーー泣きそうな顔でそう言った早苗は、すぐに後ろを向き、走り去ってしまった。あの時、声を掛ければこうはならなかったのか?そう思っても今は変えられないから。

 

 今はやれることをやろうーー

 

 早苗が消えた日から今日で一週間だ。この一週間で情報収集はある程度終わらせた。

 そして、早苗が居ると思われる位置も補足したーーその場所は大きな結界に阻まれており、内側を覗くことは出来なかったが、そこで早苗が生きていることは分かる。

 早苗に肌身離さず持つようにと言って、渡したお守りの効果が持続していることから、命の危機などにはなっていないのだろう。

 

 お守りには、大怪我を負うようなダメージを肩替わりするルーンを込めた。一年毎に魔力を込める必要があるが、4度までのダメージを無効化することができる。

 

『魔力』

 

 前世で手に入れた……万能な力ーー

 仕組みさえ作れば何にでもなれる力。それが魔力。それを自在に操れた俺は、あの世界で誰よりも強くなった。あの世界に連れてきた女神、○○よりも。

 

 今世では魔力の総量も変わらずに、自在に扱うことが出来ている。この力を使って、使い魔を作り、早苗の痕跡を集め出し、その間に俺は、物見の魔法を応用し、渡したお守りのありかを探る魔法を作成した。

 

 早苗の居る場所、そこを覆う結界の力は前世でも見たことの無いものだった。使い魔を飛ばして結界の効果を検証したが、使い魔は通れなかったが、雨や雲、使い魔に降らせて落とした木の枝などは結界を通過していた。

 結界の近くに居た兎を結界の方へ追いやると兎は中へと逃げていった。

 

 恐らく、結界へ通す物、通さない物の選別を行っているのだろう。外界をシャットアウトするこの結界は、恐らく内側に住む者の護りになっているのだろう。

 

 これは破壊しない方がいいか。何が起こるか分からない。

 ならどうするかーー俺自身も結界に阻まれるだろうから、俺が迎えに行くことは出来ないーーなんてことは無い。

 

 結界には入り口となっていると思われる場所があった。そこは結界が薄くなっており、唯一の入口になっていると思われる。

 

 だが、早苗は家の神社ごと転移していた。結界の内側には、転移させた、魔法のような力を使える存在がいるのだろう。

 

 この先になにが待っていたとしても、早苗に会いに行こう。どうして転移したのか、それを聞きに行こう。

 

 では行くとしようか。

 結界のその先へーー

 

 

 

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