とある指揮官と戦術人形達   作:Siranui

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 文字数が少なくて投稿できなければ、二つの話を合わせてしまえばいい。
何て言う事だ、そんな簡単な事に気付かなかったなんて……
(投稿的にはこちらの方が後ですが、こっちが最初であって前話はこの後に書かれたものでした)

 誤字・脱字の指摘や感想ありがとうございます。




指揮官から送られた指輪 ST AR-15の場合 / M4A1 もし私がそうなったとしても

 

「敵全滅! 各員残弾のチェックと損傷個所報告!!」

 

 雪山に轟いた銃声が止み、銃口から立ち上がる硝煙がゆっくりと空気中に消えてゆく。

視界に動くモノは自分達グリフィンの戦術人形だけとなり、ゆっくりと銃口を降ろし肩から力を抜いてゆく。

ここの鉄血人形達は今ので最後であり、司令部も占領できた。

後は回収用のヘリを呼んで帰るだけ……

 

「M4、少し周囲を見てくるから連絡をお願いね」

「了解AR15、ただあまり離れない様にしてね」

「分かっているわよ、あとSOPⅡからあまり目を離さない方が良いわよ……またバラしてる」

 

 この小隊指揮官であるM4A1に声をかける。

周辺警戒をしてくる事を伝えると、少し笑いながら忠告をしてくる。

分かっている と返事はするものの、気遣いは嬉しいので私も忠告を返しておく。

先ほどの戦闘で倒した鉄血人形周囲を、鼻歌歌いながら歩き回る姿はネコが獲物を定めている様にも見える。

M4が慌てて走り出すが、一歩遅かったか。

無造作に腕を振り上げたと思うと転がっているガラクタに手を振り下ろすSOPⅡ。

吹き出るオイルが彼女の体に降り注ぐが、それをまったく気にせず引きちぎったパーツを嬉しそうに眺めている。

……恐らく司令官への手土産にでもするのだろう。

まあ良い、事後処理はM4に任せてしまおう……それに、あまり時間はないだろうから早く周辺を見回ってしまおう。

 

 

 

 

 サクッ、サクッ……

自分のブーツが新雪を踏む音だけが森に溶けてゆく。

周辺を見回ってくる と言ったが、元より敵がいない事は知っている。

それでも何故周囲を見て回るなんて言ったのか?

まあ……誰にも見られたくない事の一つや二つはあるという事よ。

後方を確認、誰にも付けられては居ない。

木に背を預け、銃を落とさない様腕で固定してから左手のグローブを外す。

左手の薬指、銀色に輝く指輪を見て安心する。

 

 

 ああ、夢じゃない。 あの人と誓約できたのは夢ではないんだ。

 

 

 頬が少し暖かくなり、少し笑みを浮かべているのが自分でも分かる。

それは良い事なのだろうか、それを私は今判断する事は出来ない。

ただ、何が何でも任務をこなし生きてあの人の元に帰らなければならない と思える様になったのは良い事だと思う。

 

「指揮官……早く会いたいです」

 

 口付けを指輪にそっと落とし、またグローブを上から装着してM4達の元へ歩き出す。

そろそろ回収用のヘリも到着するだろう……さて、表情を引き締めよう。

雪を踏みしめる音がまた森に響き、そして消えてゆく……

 

 

 

 

「AR-15も澄ました顔してるけど、やっぱこっち側だよね~」

 

 

_______________________________________________________________________

 

 

 

 

 M4A1 もし私がそうなったとしても

 

 

 

 

「指揮官、一つお聞きしたいことがあります」

 

 書類を捲り、ペンを走らせる音だけが室内で聞こえる空間に、私の声は良く響いた。

採光用の窓を背に、執務机に置かれた書類を確認していた指揮官は私の声掛けに直ぐ反応してくれた。

書類越しに私の顔・・・・・・いや、瞳だろうか?

目線が合う という言葉があるが、それと同じであったと思う。

 

 どうかしたのかな?

 

 そう言いながら指揮官は書類を手元に置き、私の方へ体を正対させる。

俗に言う聞く姿勢に入った と言う状態でしょう。

他の人形に対してもだが、指揮官は私達を道具や人形ではなく、意思を持つ一人として見てくれている。

こうして声をかける時でも、他のカリーナさんやヘリアンさんと接するのと同じ様にしてくれます。

 

「個人的な質問で申し訳ありませんが・・・・・・その、どうしても気になりまして」

 

 どうしてこんな前置きを置くのか、恐らく指揮官は答えてくれるだろう。

口を慣らしておきたい? 違う、質問する事に問題点が無いかを確認する為?

答えを聞くのが怖い? エラー 肯定と同時に否定。

 

 ポン と頭に触れる温かい感触。

いつの間にか項垂れていた私の頭を、指揮官は優しく撫でてくれていた。

 

 

 ゆっくりで良いよ、私は落ち着くまで待っているから。

 

 

 逆に顔全体に熱を持った様な感じがしますが、とりあえずの決心は付きました。

 

「AR-15の事です。 彼女は自身が危機に陥ろうとも私達の為、組織の為に尽力します。

 指揮官はそれを理解しつつも、彼女に気づかれない様に色々と手を回している事も知っております。

 ……指揮官、それはAR-15だからですか?」

 

 指揮官の指揮は、常に犠牲を強いない……

偵察隊であろうと、戦闘部隊であろうと、どの人形であろうと十分過ぎる訓練を積んでから戦地へと赴く。

訓練などで消費する弾薬や糧食等の予算は決して少なくない筈だが、それを苦にしている様子はない。

だからこそ確認しておきたかった、指揮官にとってAR-15は特別なのかどうかと言う事を。

 

 

 んん……?

 

 

 どうも質問の意味を理解してくれていない様子です。

困った様にポリポリと頬をかく仕草は、指揮官が考え事をする時の癖だと覚えています。

ならば言い方を変えてみましょう……恥ずかしいですが、指揮官には遠回しな言い方は通じないと理解しました。

 

「指揮官、では質問を変えますが……仮定です、もし私がAR-15と同じ様な状態に陥った場合……

 もし私がそうなったとしても、貴方は私を助けてくれますか?」

 

 

 ああ、当たり前だ。

 

 

 真剣な顔、何時もの優し気な瞳のまま指揮官は即答しました。

そんな事を気にしていたのかい? とでも言いたげに指揮官は少し強めに頭を撫で始めました。

……良かった、まだ指揮官に特別な人も人形も居ない様です。

最も、士気を損ねない為に嘘を言っている可能性はありますが……指揮官はそんな事は無いと思います。

 

 

 さて、モヤモヤは無くなったかな? それじゃ仕事に戻ろうか

 

 

 温かい手が離れてしまう事に、少し未練がありますが……仕方ありません。

これ以上は我儘と言う物、少しでも仕事のお手伝いをして……また頭を撫でて欲しい と頼んでみましょうか?

 

 




 AR-15はこのくらい恋心を抱いて欲しいよね と試しに書いてみたら言われました。
指輪の話が初ドルフロSSで、M4が次の話だったりします。

 M4は淡々と自己分析と現状の状態を考察して判断して言葉にしていそう。
小隊長だから、報告書を出したり作戦の打ち合わせをしたりとちょくちょく執務室に来ては何だかんだ理由を付けて指揮官を手伝ったり、傍に居たりしてほしい……欲しくない?


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