瑞穂さんに助けていただいた分、予定よりも行動が遅れてしまった。
その時間を取りもどすため、普段の1.5倍の速さで歩きつづけてかれこれ10分。ちょっと疲れてきた。でもその甲斐があって、余裕を保ったまま、櫂斗の約束予定通りに屋敷にたどり着くことが出来る。
犬が一匹朝日に近づき吠える。
何故か犬にスカートをめくられた。
「ちょ、ええっ……えええっ!?」
朝日は二回も二度見したが朝日のスカートを咥えた犬は、背伸びしようとしている。
一度目が合ったら、途端に強烈な力が犬に加わってこのままスカートを引っ張りあげられたら、転んでしまう。
「わあああっ! あの、誰か! 助けてくださいっ!」
朝日は周囲に助けを求めるも、その犬は思ったより大きくて、さらに凶暴な顔付きをしていた。助けに近寄ろうとしてくれた男性会社員が一睨みで追い返された。
「ひっ!」
朝日はびびる。
「いい加減にっ……!」
朝日は犬を行動でる前に少女の声がした。
「そこまでですわ!」
「モトカレ、何をしていますの!? 冗談では済まされませんわよ!」
どうやら飼い主みたいだ。彼女がリードを引っ張ると、犬は大人しく朝日のスカートから口を離した。
「大丈夫ですの? 私のペットが迷惑を掛けてしまって、申し訳ありませんわ」
少女はペットが迷惑かけたことを謝罪する。
「ありかとうございます……日本語お上手ですね」
朝日は少女に礼をいれる。
綺麗なブロンドだ。天然なんだろうな。
「洋服は平気ですの? 汚れてはいませんの? 破れていたら新しいものに買い直させていただきますわ。この通りにはショップも数多くありますし、見せてごらんください」
少女の発音なにか微妙に間違っている。ただこのままでも意味は通じるから、下手におしえたり、余計な真似はしない方がいいかな。
少女はスカートを調べ、やがて苦々しそうな表情を浮かべた。
「ああ、やっぱり……貴女のスカートに歯型の穴が空いてしまっていますわ。サーシャ!」
後ろから謎の人物が「ウイ」と言ってから出てきた。
灰色の髪でグレーの瞳してメイド服着ている。
謎の人物は、サーシャと言うらしい。
「この度は、美しい私の美始末でモトカレのリードを手放してしまい、大変な迷惑をお掛けしちゃったわね。美しい顔でおわ美するわ」
この人も日本語変だ。
「サーシャ。謝罪は主人である私がします。これから彼女への償いについて決めますわ」
少女とサーシャは小声で囁きあった後、申し訳なさそうな顔で僕に向けてきた。