もし、女神官ちゃんが○○の神を信仰していたら   作:ネイムレス

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短編集にしようとしてたのに気が付いたら単品になっていたと言う悲劇。
インフルエンザに罹った頭で創作してはいけないと、この作品ははっきりわからせてくれた気がします。


三仏神

 水の都から小鬼退治の依頼が来た。報酬は出るので一緒に行かないか。意訳するとその様な内容の言葉で、小鬼殺しが一党を誘った冒険の旅。

 依頼主の話もそこそこに切り上げて、何時もの一党は地下迷宮めいた都市の下水施設へと降り立って居た。

 

 そうして時折遭遇する小鬼を駆逐しながら突き進めば、水路と見紛う様な大きな下水の流れの向こうからゴブリンが乗った船がやって来るではないか。

 何者かが小鬼に造船技術と武装を与えたゴブリン海賊船である。

 

「準備はいいか、野郎ども!」

 

 そんな勇ましい言葉と共に、先陣を切ったのは何と女神官であった。彼女は手にした銀の短銃を立てつづけに発砲し、船長気取りの小鬼と周囲に居る小鬼弓手をたちどころに始末してゆく。

 硝煙くゆる銃を中折れさせて、排された薬莢が石畳みを打つ中で悠々と装填をこなす。実に熟練された淀みの無い技術であった。

 

「……ねえ、オルクボルグ。あの子ってあんな性格だったかしら? あのへんてこな武器も見た事ないし、なんかいきなり人が変わった様な気がするのだけれど」

「知らん……。俺に聞くな……」

 

 むしろ誰か俺に教えてくれ。小鬼殺しは飛んで来る小鬼のまばらな矢を斬り払いながら、兜の奥で人知れず苦悩していた。

 そう切り返されては妖精弓手も二の句が出ない。仕方ないと諦めて、女神官に倣って小鬼弓手を優先的に狙い矢を射かけ始めた。

 

「どれ、ワシらも参加しようかの」

「これもまた、父祖の道に通ずる苦行なれば……」

 

 鉱人道士も投石紐で遠距離攻撃を行い、蜥蜴僧侶と小鬼殺しが後衛達を守る。先制で射手を減らす事が出来たので、船上と橋上の射ち合いは小鬼殺し一党に利が在った。しかし、一方的になったとしても船いっぱいの小鬼を駆逐するには威力が足りない。

 

「木造船ならば、燃やすのが一番早いのだが……」

「火は禁止!!」

 

 小鬼殺しがちらりと妖精弓手を見やれば、件の美姫は縛りプレイをお望みだ。だとすれば頼れるのは、残りの術師の内でまともな方の――

 

「オン、マニ、ハツメイウン……。『魔戒天浄』ーーッッ!!」

 

 蓮華手菩薩に極楽往生を唱える呪が紡がれて、いつの間にか女神官の肩に掛けられていた経文がぶわりと勝手に広がって、まるで蠢く無数の触手の様に小鬼の船に群がって行く。

 神秘の体現の様に襲い来る経文によって、小鬼の船は縛られ砕かれ中身の小鬼ごと下水の流れにぶちまけられた。

 

「……これは小鬼退治に使えるな」

「アレを見て言う事がまずソレ!? 何処まで思考がゴブリン中心なの!?」

 

 何時も通りに騒ぐ小鬼殺しと妖精弓手を傍目に、女神官は不機嫌そうに顔を顰めて懐を探る。そして取り出したのは、真新しい紙巻きタバコの箱であった。

 

「うるせぇ、殺すぞ……。ったく……」

 

 愛らしい顔以外はもうほとんど別人と言った態度で、女神官は悪態を吐きながらタバコの箱から一本取り出して唇に乗せる。

 堂の入った仕草でそのまま百円ライターで火を点け、すぅっと深く煙を吸い込み――

 

「ゲホッ! ゴホッゴホッ! ゲヘッゲフンゲフンッ! ふぇぇ……」

「「「「そこまでやっといて吸えないのかよ!?」」」」

 

 その場の全員から総突っ込みが入ったのは言うまでもない。

 

 

 【真実】「不良坊主にはなり切れませんでしたとさ。やー、せっかく仲間達も同じような構成だったのになぁ」

 【幻想】「え、でも人数的に一人余っちゃわない?」

【地母神】「(´-ω-`)トカゲサンハ、ハクリュー」

 【真実】「ほら、同じ竜だしね。無理があるって? なら仕方ない、次、いってみよう」




最新のアニメは2017年にやってたからそんなに古くは無い、筈……。
誰か健康をください。
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