もし、女神官ちゃんが○○の神を信仰していたら   作:ネイムレス

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今回はちょっと、自信がありません。
お目汚しにならなければ幸いです。


唯一神

 巨大な棍棒で殴られた小鬼殺しの体が宙を舞う。軽々と跳ね上げられて一度天井にぶつかり、それから立ち並ぶ石棺の一つに墜落して動かなくなる。

 

 そこからはもう、ありふれた冒険者の末路と言う奴だ。

 

「ひっ、ぎっ!? ああああああああっ!!!」

 

 動揺した女神官は聖壁を維持出来ずに、小鬼英雄に捕らえられ生きたまま腕に食いつかれ泣き叫ぶ。聖壁と言う守りを無くして、妖精弓手は小鬼達に群がれられて服を剥かれ、鉱人道士も蜥蜴僧侶もその物量に身動きが取れなくなった。

 

 賽子の出目一つで、どんなに調子づいていた一党もあっと言う間に瓦解する。これにて物語は終わり。さあ、次の冒険者を用意しよう。

 

「ああ……、あ、え……。え、エエエエエエエエエエィィィィッメェェェェェェェン!!!」

 

 そんな神々の気の移ろいを、事も有ろうに神の信徒が否定した。

 そうあれかしとの言葉と共に、愛らしい顔を狂気の笑顔に引き攣らせ、自らの血肉を咀嚼する小鬼英雄の顔面に向けて握った拳を突きさした。

 

 この場で今一番驚いているのは、他ならぬ顔面を殴り飛ばされた小鬼英雄であろう。思わず掴んでいた女神官を手放してしまい、彼女はすたりと石畳に降り立つ。

 

「我らは神の代理人。神罰の地上代行者……」

 

 言葉と共に払った腕の両袖から、滑り落ちる様にして二振りの銃剣が零れ落ちて小さな掌に握られる。その二振りを顔の横で交差させる独特の構えは、まるで小鬼達に向けられた手向けの十字のようにも見えた。

 

「我らが使命は、我が神に逆らう愚者を、その肉の最後の一片までも絶滅すること……。AMEN!」 

 

 そうして、女神官は小鬼達に躍りかかる。笑顔を絶やさぬままに刃を振るい、女一人と侮る小鬼の群れを、そのこと如くを轢殺するのだ。腕が食いちぎられかけていようとお構いなしに。

 

「まだ腕が一本千切れかけただけじゃねぇか!! 能書き垂れてねぇで来いよ、かかって来い!! HURRY!! HURRY!!」

 

 腕の一振りで無数の首が飛び、投擲された無数の銃剣が小鬼の全身を床に壁にと縫い付ける。ここに在るのは純粋な暴力だ。生まれながらの嵐であり、神罰と言う名の銃剣だ。

 

「貴様等は震えながらでは無く、藁の様に死ぬのだ!!」

 

 逃げ出す物にも容赦なく投擲で追い打ちし、一体どれだけ刃を隠しているのかと次々に取り出して小鬼らを串刺しにして行く。その攻撃の手は、仲間達を襲う小鬼達にも例外なく振るわれ、仲間達はさして被害も無く解放されていた。

 

「ふんっ! ふー……、まったく酷い目に遭ったわ。それにしても、毎度毎度すさまじい戦闘力ね。私達も負けてられないわ、援護しましょう!」

「涙目だったくせに、気位ばっか高いのな」

 

 女神官からの援護もあり、纏わり付く小鬼を撲殺した妖精弓手と鉱人道士も戦線に復帰。小鬼の気が反れた事で、蜥蜴僧侶も脱出して獅子奮迅の戦働きを見せている。

 

「ブルゥアアアアアアッッ!!」

 

 そして、右目を銃剣で貫かれた小鬼英雄が逃げ出したのを皮切りにして、生き残った小鬼達も我先にと墓所の出口に殺到して行った。頭目を失った烏合の衆が、暴力の嵐の様な女神官に立ち向かう事など在りはしない。

 

「なんとか、なり申したな。……巫女殿、怪我の具合はいかほどか?」

「ふしゅるるるるる……あ、はい。奇跡のおかげで、もうすっかりと再生しています」

 

 化け物に対抗する為に作り上げられた技術と神秘の結晶たる再生者にとって、腕が噛みちぎられた程度では痛痒には値しない。奇跡のトランス状態から抜けてしまえば、異端の僧侶とも普段通りに仲良しだ。

 

「あっ!? そう言えばオルクボルグの事忘れてた!?」

 

 全てが終わってから、唐突に妖精弓手が声を上げる。

 すっかりと忘れ去られていた小鬼殺しは、悲鳴によってトラウマを呼び起こされる事も無く死の淵から復活する程奮起する事が出来ず。そのせいで水薬を飲む事も出来なかったので、ひっそりとその小鬼を殺す一生に幕を閉じようとしていた。

 

「糞くらえだ……」

「お、オルクボルグー!? まだ早いわ! 終っちゃう、水の都編終っちゃうから!!」

「もう全部アイツ一人で良いんじゃないかな……」

 

 最後に、誰にともなく恨み言を呟いて。

 

 

 【真実】「うん、今回はオチが弱いな」

 【幻想】「声優はこれでもかって位強力なのにね」

【地母神】「('Д')キョウリョクワカモト」

 【真実】「要、精進。次、いってみよう」




キャラクター性が強すぎてギャグの入り込む余地が無い。
こういう弊害もあると言う事で、精進してまいります。
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