もし、女神官ちゃんが○○の神を信仰していたら   作:ネイムレス

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これのどこがギャグなんだと、お思いの方もいらっしゃるかもしれません。
大丈夫、私もそう思います。


炎上神

 小鬼殺しが弓を引き絞り、炎の灯る矢を目標目がけて打ち放つ。一射二射と続けるうちに、枯れた木製の砦は面白い様に火の手を上げて行った。

 その様子を眺めながら、女神官は火打石で予備の矢に次々と火を灯す。火を点けてから鏃を地面に突き立てて、小鬼殺しが弓矢を円滑に連射出来るように手伝うのだ。

 炎を纏った矢が撃ち出され夜空に尾を引くのを、女神官は複雑な心境で見送る。心の奥底では叫びたいほどの衝動が、彼女の胸を焦がしていた。

 

 そう、この程度の炎では物足りない、と。

 

「あの、ゴブリンスレイヤーさん。良ければ私の奇跡で、もっと大きな炎上を起こそうと思うのですが……」

「……構わん。出来るのならやれ」

 

 普通ならば、地母神に仕える神官に炎上の奇跡など、備わるはずが無いと一蹴する物。今の女神官の言葉など、狂人の戯言と思われても仕方のない事であろう。

 だが、この子鬼殺しもまた狂人。小鬼を殺す為ならば、ありとあらゆる手練手管を使うのに躊躇いはしない。欠片も迷わずに、やれるのならばさっさとしろと女司祭の提案を受け入れた。

 

 許可を得た女神官は、余りある嬉しさを零れさせる様に微笑を浮かべる。だが、その笑みを浮かべる顔は、限り無く気狂いのそれであった。

 瞳に光は無く、まるで何度も何度もゴブリンのはらわた汁をぶっかけられ慣れた後の様な目をして、口元は耳まで避けているのではないかと幻視する程につり上がる。

 間違いない、今の女神官のSAN値はゼロだ。正しく狂信者の姿がそこにはある。

 

 誰も止める人が居ないので、冒涜的な詠唱が始まった。

 

「ふんぐるい むぐるうなふ くとぅぐあ ふぉまるはうと んがあ・ぐあ なふるたぐん いあ! くとぅぐあ!」

 

 聞く者に、どこか怖気を感じさせる言葉の羅列。遥か古より定められた祝詞によって、異界の門は今開かれり。呼び出された神格が、ゴブリン達の根城である枯れた砦の上で産声を上げた。

 

 そして、世界は炎に包まれた。あらゆる生きとし生けるものすべてが平等に焼き尽くされ、信仰の名の元に世界の全てが灰となり一つとなる。只人も、森人も、鉱人も、蜥蜴人も、圃人も、ゴブリンさえも。一切合切区切り無く。

 そこには、全ての争いの無くなった炎のみの世界があるだけだった。

 

 ゴブリンスレイヤー、完!!

 

 

 【真実】「いや、まさか終わってしまうとは予想外だったな」

 【幻想】「ちょっとちょっと! これどーすんの!? どーすんのこの惨状!? こんなの絶対おかしいよ!?」

【地母神】「(´;ω;`)シクシク」

 【真実】「次、行ってみよう」




やっぱり筋肉が足りないのかな……。
続きはもちろんありません。
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