もし、女神官ちゃんが○○の神を信仰していたら   作:ネイムレス

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これはギャグなのだろうか。
きっとシュールギャグと言う奴だろう。


漫神

 小鬼達が住み着いていた遺跡の中に入り込んだ小鬼殺し達の一党は、小鬼退治よりも先に汚物溜めに捕らわれていた生き残りの森人の救出に成功していた。

 

「とにかくまずは治療を優先せねば。巫女殿、奇跡をお願いいたしますぞ」

「はい、お任せください」

 

 一番体格の良い蜥蜴僧侶が酷く痛めつけられた森人の女性を抱き上げ、汚物溜めよりもとりあえずは清潔な通路へと運ぶ。その後に追従していた女神官が、任せてくれとささやかな胸を張り両手を組んで奇跡を祈った。

 そう、祈ってしまったのだ。

 

「いと慈悲深き――」

「ちょっと待った。そのオペ、私にメスを執らせてはもらえないか?」

 

 女神官が正に神への祈りを言葉にしようとした時、通路の暗がりから一人の男が現れそれを遮った。一党の視線がその男に集まり、中でも一番気の強い妖精弓手が食って掛る。何よりも同族の惨状を目の当たりにしていたために、不信感よりも先に突然邪魔をしてきた男に怒りが沸いたのだ。

 

「何よアンタ! いきなり現れて、何訳わかんない事を言ってるの!?」

「見た所、右半身にかなりの数の裂傷と擦過傷。劣悪な環境に置かれていたせいで感染症も酷い。寄生虫の心配もある。ちまちまとした奇跡に頼って居たら、間違いなく手遅れになるだろう」

 

 その怒りに対して男は全く取り合わずに、怪我人の現状を的確に見抜いた発言をしていた。手遅れになると言う言葉で、勝気だった妖精弓手も流石に鼻白む。それ位に、男の言葉には自信と威圧感があったのだ。

 

 奇妙な男であった。全身を黒いマントで包み、顔には禍々しい縫い痕を顕わにしている。しかもその縫い痕を境にして、くっきりと肌の色が違う。まるで異なる人の皮膚を繋ぎ合わせたかの様だ。

 

「アンタになら、助けられるって言うの……?」

「私なら確実に助けられる。ただし、タダではやらない。そうだな、金貨で三千枚は貰おうか」

「なあっ!?」

 

 人満々な言葉とともに放たれた男の要求に、妖精弓手どころかその場の全員が驚愕した。

 それが途方もない額なのは、幾ら世間知らずでも解る。だからこそ妖精弓手は葛藤した。幾ら銀等級と言えども易々と手放せる額ではないだろう。

 

「どうした? アンタに取っちゃこの同法の女性の命は、金貨三千枚の価値も無いのかね?」

「っ!? いいわ、払う! どんな事をしたって絶対に払ってやるわよ! その代り完璧に治せなかったら承知しないわよ!!」

 

 嘲るような調子で放たれた男の言葉に、妖精弓手は激高した。

 激高しながらも、それでも冷静に資金の事を考えて男の要求を呑む。しっかりとした決意を宿した瞳で男を見返して、その脳裏では既に資金繰りについて目覚ましく検討を繰り返してた。

 

「その言葉が聞きたかった!!」

 

 妖精弓手の強い言葉を耳にして、男は不敵に笑いマントを翻す。直ぐにオペの準備だと言って透明な膜の様な物を膨らませ始め、その中に患者と共に入り込む。そして、神の様なメス捌きの執刀が開始されるのだった。

 

 程なくして、手術は無事成功。傷跡は人工皮膚を移植したので残らなくて済むだろうと言い残し、男は現れた時と同じようにふらりと居なくなってしまった。

 まるで奇跡の様な手腕で、深く傷ついた森人の娘は治療されたのである。

 

「ちなみに、こういう方もいらっしゃいます」

 

 女神官の隣に突然、巨大な鳥が現れているのに一同は気が付いた。

 キラキラとした黄金の眩い光を放ちながら、女性めいた優し気な瞳を持つその姿は正に荘厳。不思議な事にその孔雀に似た鳥は、翼から尾羽に至るまで、全身が煌々と炎を揺らめかせている。

 生きながらにして、永久に燃え続ける美しい鳥であった。

 

「ダメ!! この鳥だけは絶対に頼っちゃいけない様な気がする!! お願いだから元いた場所に返してきなさい!!」

「まあ、それは残念ですね。きっと輪廻転生させてくれたはずなのですが」

 

 得体のしれない恐怖を覚えた妖精弓手の反発にあい、女神官は残念そうに薄く微笑んだ。

 女神官に申し訳ないと頭を下げられて、燃える鳥は去って行った。ただ一声だけを残して。

 

「アナタは死ぬのです。次に生まれ変わるのはゴブリン。その次はホブゴブリン。その次はゴブリンシャーマン。そして、チャンピオン、ロードと続く事でしょう……」

「それ鳴き声なの!? とんでもなく不吉な事言って、本当に帰って行っちゃったわよ!?」

 

 そもそも一言ではないと言うオチ。

 この後はもちろん、みんなで仲良く小鬼退治に戻りました。頑張れ妖精弓手、手術費用は膨大だ。

 

 

 【真実】「いやー、漫画の神様はやっぱり偉大ですね。皆も一度読んでおくと人生が豊かになりますよ」

 【幻想】「い、良いのかな……。これ本当にいいのかな……? 訴えられたりしないかな!?」

【地母神】「ヽ( ´ー`)ノ オコガマシイトオハモワンカネ?」

 【真実】「次、いってみよう」




ゴブリン成分が足りない。
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