もし、女神官ちゃんが○○の神を信仰していたら   作:ネイムレス

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ゴブリンスレイヤー+公式チート=ゴブリンは死ぬ。


大神

 それは唐突な始まり。

 冒険者ギルドの何時もの席に腰かける小鬼殺しの目前に、一匹の白い犬が鎮座していた。白くて毛むくじゃらで、どかこポアッとした表情の白い犬だ。あと、やけにドヤ顔をした女神官もその隣に寄り添っている。

 

「という訳で、こちらが私の信仰する神様です!」

「ワン!」

 

 どういう訳かは知らないが、彼女の隣に居るのはどうやら神らしい。尻尾を嬉しそうにパタパタ降って、間の抜けた顔でへっへっへっと舌を出している。

 それに対する小鬼殺しの答えはこうだ。

 

「そうか。ゴブリンでないのなら、俺はもう行くぞ」

「待ってください! 今日はそのゴブリン退治に、このお方も連れて行ってほしいのです。何でも、お手伝いをして報酬を頂きたいのだとか、仰られておりまして」

 

 元々小鬼退治の依頼を受ける為に、掲示板の混雑が収まるのを待っていただけである。小鬼ではない犬の為に割く時間など彼にはない。

 しかし、今すぐにでも掲示板に立とうとした小鬼殺しを、女神官は通せんぼして食い下がる。ワンコも後ろ足で立ち上がって、精一杯前足を広げようとしていた。

 どうもこの犬はゴブリン退治に同行したいようだ。

 

「…………。具体的には何が出来る?」

「はい! 穴を掘ったり、遠吠えしたりすることができます!」

 

 すんごい笑顔で言い張る女神官。それが小鬼退治にとって、どんな優位性を見せると言うのだろうか。流石にそれだけでは同行されられないと断られると、女神官は両手を組んでうーんと唸り始める。

 

「後は、『筆しらべ』と言う魔法の様な筆業で様々な現象を引き起こせる事でしょうか。遠くの物を触れずに切断したり、枯れ木に花を咲かせたり、壊れた物を直したり……。それから輝玉という爆弾を――」

「詳しく話せ」

 

 今までかなりどうでも良さそうに聞いていた小鬼殺しが、最後の言葉に反応してズズイっと身を乗り出した。兜の奥で紅蓮の鬼火が揺らめき、思わず女神官とワンコが抱き合って身を引く程に。

 

 

 結論から言えば、小鬼退治はとても捗った。白い犬改め、狼がとても優秀であったからだ。

 そもそも単身で小鬼どもを蹴散らす身体能力があり、小鬼殺しには見えないのだが神器と言う優秀な装備も持っているらしい。それから更に十三もある筆業まで持っているのだから、これはもう至れり尽くせりと言う物だろう。

 

 小鬼殺しは、特に筆業をいたく気に入っていた。無尽蔵に爆弾を出させて巣穴を破壊したり、入り口で焚いた毒煙を突風で巣穴に流し込んだり、近くの川から水を移動させて巣穴を水没させたりとやりたい放題。問題があるとすれば、倒した小鬼の死体が何故か花に変わる程度の事だ。もたらされる恩恵に比べれば些事ですらない。

 これには思わず、小鬼殺しも兜の奥でニッコリだ。

 

「素晴らしい狼だ。ゴブリン退治が捗る」

「はい! 大神様は素晴らしい神様です!」

 

 ご満悦の小鬼殺しの隣で、自信の信仰する神を誉められた女神官もまたニッコリ。多分、尻尾が有ればブンブンと振っていたに違いない。ワンコが二匹居る様だ。

 

 そして肝心の、大神が要求したお手伝いの報酬なのだが。それを渡す為に、一行は小鬼殺しが間借りさせてもらっている牧場へとやって来ていた。

 

「えっと、この子にチーズを渡せばいいの? あはは、可愛いねぇ。よしよし、よく頑張ったねー」

 

 小鬼殺しの幼馴染が何時もの作業着姿で、丸のままのチーズを抱えて持ってくる。そしてそれを手ずから大神に差し出して、がつがつとチーズに齧り付く様子に喜びその頭を撫で始めた。

 無邪気な笑顔を浮かべてお犬様を撫でる牛飼娘。そのバストは豊満であった。

 

「何でしょう、凄くイラッとしました」

「そうか。しかし、こんな事が報酬になるとは思えんのだが、良いのか?」

 

 何故かちょっとだけ怒っている女神官に、小鬼殺しは確認の為に声を掛ける。二人の視線は自然と、牛飼娘に撫でられながらチーズを貪る大神へと向けられた。

 なんと言うか、その表情はデレーっとしていて、とてもとても幸せそうである。視線がずっと牛飼娘の胸元に向いているのは、きっと気のせいではないのだろう。

 トボケ顔のワンコの周囲には、幸と画かれた玉が無数に湧きだしているに違いない。

 

「良いのです。あんなに幸せそうにしているじゃないですか」

「そうか。チーズなら幾らでも買い与えられるからな。これでゴブリン退治を手伝ってもらえるなら安い物だ」

 

 きっと大神が求める報酬はチーズ自体ではないが、小鬼殺しはこれからも気が付く事はないであろう。何故なら、彼の頭には小鬼を殺す事しか無いからだ。

 

 そんなこんなで、小鬼殺しは頼もしい助っ人を得る事になった。ゆくゆくは魔神王との大決戦で、なんか変なのを乗せた狼が大暴れしたとかしないとか。そんな未来が来るかもしれないが、それはまた別のお話である。

 ただ確実なのは、どんなに世界が暗黒に覆われようとも、大神の暴れた場所では太陽はまた必ず昇ると言う事だった。

 

 

 【真実】「おいおい、おっぱいで世界が救われちまったぞ。おっぱいには夢と希望が詰まってるんだな」

 【幻想】「チクショウ、なんだかとってもチクショウ……。みんなそんなにおっきいのが良いのか……」

【地母神】「(-人-) アリガタヤ」

 【真実】「次いってみよう」




辛に一閃で幸。この言葉が大好きです。
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