ビリビリ少女の冒険記 作:とある海賊の超電磁砲
それはそれとして、クマドリの口調が本当に分からなくてそこが本当に無理だった。何だこのキャラ、何なんだこの凄いのにこのキャラ本当に面白いし強いのになんなんだこの、なんでこんな口調なんですかぁぁぁ!ごめんなさぁぁあああい!(泣
暴走海列車が突撃して数秒後、ゴムの拳がドゴンッと強い打撃音を響かせドアをぶち抜いた。
「おぉぉおお!!着いたー!」
「「「死ぬところだ!!!」」」
「ンマー、あの野郎、無茶しやがる……」
ゴム人間で打撃無効のルフィは元気だが、残りは……驚くことに軽傷だった。
全く以てふざけている。物理的に人間を辞めているのはこの中でルフィだけのはずなのだが。
「っし、いくか!」
偶然だろうと必然だろうと気合だろうと根性だろうと、何はともあれ全員揃っているのだ。
後はもう動くだけ、走るだけ。止まらずに邪魔するものをぶっ飛ばし、略奪するだけ。
「む、麦わらのルフィとその一味だ!!」
「か、かかれぇええ!!!」
海賊『麦わらのルフィ』が本格的に動き出した。
唐突な飛来に驚きながら、海兵たちは彼らに殺到する。
「「「「邪魔だァ!!!」」」」
ゴムの拳、飛ぶ斬撃、黒い脚、獣の蹄が武装した海兵たちをなぎ倒していく。
まるで塵芥の様に吹き飛んでいく彼らにアイスバーグが同情する程、一味は圧倒的だった。
「お前ら、無茶苦茶だな」
「そうでもねぇさ。フぅー……」
走りながら煙草に火をつけたサンジが思い出すのは、今この瞬間に世界でもトップクラスの相手と戦っている少女。
戦闘音も電撃の閃光も瞬いていることから、未だ無事なのが分かる。
しかしそれだけ。サンジが意識を向けてもわかるのは、自分たちとは
「――ん?」
サンジは下の階から海兵が迫ってくることを、
数秒遅れて騒がしい足音が響いてくる。
前方を見ると、ルフィは正面しか見ておらず、この短い時間でゾロはどこぞへと行方不明。
チョッパーが横に
アイスバーグは非戦闘員の為、このまま背後を無視しておくわけにはいかない。
「チッ、あぁくそ!しょうがねぇ!!」
サンジは舌打ちをして一人下の階へ降りていった。
――
その戦いはもはや個人で行う規模ではなかった。
電撃が迸り、冷気が爆裂し、鉄の塊が地面を砕き、それ以上に巨大な氷塊が全てを叩き潰そうとする。
一発落ちれば地面程度ならば余裕で砕く氷塊も、少女が放つ電撃で砕かれ一瞬で解けて蒸発してしまう。
片や冷気、片や磁力で重力を無視し、両者ともに縦横無尽に動き回るため広範囲に破壊の波がばら撒かれていく。
(なにが、どうなってるのかしら)
ニコ・ロビンは悪魔の実の能力者であるし、実力者だが目の前の光景を追えずにいた。
瞳を増やせばある程度は分かるかもしれないが、この戦場に身を晒すわけにはいかない。
(………そういえば、彼は)
ふと、自分同様盾に守られている彼はどうなっているだろうと気になったロビンは、そちらの方へ瞳を生やした。手錠の所為で力が抜けるが、この程度なら問題ない。
重傷を負いながら守ってくれた海兵さんは、ロビンの想像通りそこに……いなかった。
「どこに――キャッ!?」
この激戦の中移動したという事実に驚き、あの傷でどこに向かったのだろうかと疑問を抱いた。
しかしその疑問も驚愕も、目の前の激化していく戦闘の前にあっさり霧散していった。
能力のぶつかり合いだけではない、目の前の二人は強大な『覇気使い』でもある。
「「ッッッ―――!!!!!」」
両者ともに歯を食いしばり、力を振り絞っている。
海軍大将の全力は一つの島を容易に破壊できるのに、少女は生き残っている。
体格差など比べるまでもない、年季の差など確かめる必要はない、本来ならあり得ない光景。
しかし彼女の細く小さな拳が大将の拳とぶつかりあうだけで、物理だけでは説明できない凄まじい衝撃波が島中を駆け巡った。
(………)
ニコ・ロビンはこの戦いから抜ける術など持たない。
彼女はただ、自分の行方が決まる瞬間を待つことしか出来なかった。
――
走りながら、彼―――アイスバーグは気づいた。
……あいつら、何処行った、と。
「オイ麦わら」
「ん?」
「剣士とコックの兄ちゃん、それとトナカイだったか?何処行った?」
「んー?あれ、あいつら迷子か?」
いや列車からここまでどうやったら迷子になるというのだ。
というか普通もっと早く気付くべきだろうに、目の前の船長が敵をなぎ倒していく姿に魅入ってしまっていた。
時折、視覚外からの攻撃を避けていたようにも見えたが、アイスバーグには自分の視認速度が追い付いていないだけかもしれないと疑問を隅に置いた。
「まぁしょうがねぇよ。あいつ等なら大丈夫だ」
「……」
アイスバーグがルフィと邂逅したのはほんの数日前だ。
初めて会ったときは、船を諦めきれず、どうしようもない現実に駄々をこねる子供のようだった。
しかしどうだ。仲間を信じ、前を見据えるその姿。
(なんだ、立派に船長出来てんじゃねぇか)
見直し思わず感心したところで、唐突にルフィが立ち止まった。
その視線の先には……二つの人影が。
「チャパパ、よくもまぁこんな無理矢理来たものだ」
「よよい!遠路はるばる、あっ!まいった狙いはぁ~~~フラァンキ~かぁ!?」
「お前らは?」
「チャパパパ、おれは噂が大好き音無しのフクロウ!そっちの五月蠅いのはクマドリ。
フランキーを追ってきたんだろうが無駄だぞ。スパンダムだけならともかく、ルッチが護衛についてるからな」
「えらい喋るやつだな……ま、いいや。俺はルフィ、よろしく!」
軽い挨拶と共に、ゴムの拳がCP9へ放たれた。
しかし彼の勢いある拳はあっさり避けられ、宙を蹴った両者から斬撃が放たれた。
「「嵐脚!!」」
「ッ、危ねぇアイスのおっさん!」
「うぉ!?」
乱暴だが蹴り飛ばすことで斬撃からアイスバーグを逃す。
並の海賊なら間違いなく揃って斬り飛ばされていたし、そこそこ腕が経つ程度でも怪我を負っていたであろうタイミングの攻撃。
しかし、無傷でしのいで見せたルフィを、感心したように見つめた。
「なるほど、そこそこ力はあるみたいだな」
「あっ、しか~~し!その程度では、――ハブベェ!?」
「……え?」
唐突に吹っ飛んだクマドリを思わず振り返ってみてしまうフクロウ。
吹っ飛ばした張本人、麦わらのルフィの攻撃はゴムによる伸縮自在の体術。
しかし、その速度はCP9には及ぶはずはない、はずなのだ。
だが事実としてクマドリはぶん殴られ、壁に叩き付けられている。『鉄塊』をギリギリ発動させたからか、どうにか起き上がった。
「お、まえ、それは?」
「ふぅーー……――ギア
全身からまるで
ルフィは一言、技名を告げると拳を構えた。
「俺からミサカに発破かけたんだ」
――俺たちは負けねぇ。だから、お前も負けんな。
青雉たちにロビンを連れ去られた時……いや、それよりもっと前から、ルフィはミサカの強さを見てきた。
だが、全力で戦ったのは。
空島での戦闘。神官やゲリラでは相手を殺さないように加減していた。
エネルと戦った時は傷ついた仲間が近くにいて、必然と拡散する技を使わないようにしていた。
そして青雉の時は、
「その俺が、負けるわけにはいかねぇ。お前らをぶっ飛ばすし、アイスのおっさんは守る」
確かに
だがまだまだ強くなるのだ。これから自分たちは強くなっていく。
その『覚悟』を『証明』しなければいけない。
「お前らが強いのは分かってるから、最初っから全力で行くぞ!!」
「「っ」」
ルフィの背後にいるアイスバーグは、とんでもないルーキーだと思っていた。
この実力は『1億』の枠を超えている。この戦場から生き抜けたのなら、また額が上がるだろう。
だが、真正面から睨みつけられたフクロウとクマドリは。彼らだけは、全く別の感想を抱いた。
(今、のは……なんだ、こいつ)
睨みつけられた瞬間、何かがフクロウとクマドリを襲った。
巨大な存在感とでもいうような
ルフィ本人も気づいていないその威圧は、二人の根底にまで届き、脚が震えていることに気付いた。
「は、え、な?」
何時も五月蠅いクマドリが二の句を告げれないでいた。
自然の中で生き、『生命帰還』という特殊な術を会得している、仙人のような存在になりかけている彼だからこそ、本能に強く響いたのだろう。
フクロウはクマドリの異常を責めはしなかった。なぜなら、自分もそれは感じていたからだ。
―――コイツには、勝てない。
精神状態というのは戦闘においてとても重要だ。
モチベーションの差はそのまま戦力の差に直結する場合すらある。
「ゴムゴムのJET――」
これまでに募った想い、覚悟を乗せた新技を放つルフィ。
心底に怯えを植え付けられ、思わず防御に回る二人。
数度の戦闘音がした後、分かりきった勝敗はあっという間に訪れた。
彼らの様子はアイスバーグから見てもおかしかったが、ルフィはまるで気にせず『ギア2』を解除すると、改めて走り出した。
――正義の門――
┃
――司法の塔――
スパンダムSAN値ピンチ! フランキー拘束中 ルッチ護送
ジャブラ カク カリファ 戦闘態勢
クマドリ&フクロウ戦闘不能
ルフィ&アイスバーグ
ゾロ&チョッパー別行動
サンジ下階処理中
┃
――裁判所――
青雉VSミサカ戦闘激化 ロビン戦闘不可 ブルーノ海兵たちによって避難
――本島前門――
エネル ウソップ ナミ フランキー一家 パウリー ルル タイルストン
┃
――正門――
海兵しかおらずあっさり突破
トウマ行方不明