ーー病院ーー
「モルスァ……」
謎の奇声を上げ、体を起こすと、それに気付いた女の人は俺に少し声をかけた後、小走りで部屋を出て行く。
なるほど、わからん。身の周りを見ると、体が小さくなっているところ以外不自然な点……あれ?何かがおかしいぞ?十年生きた記憶もあるし、死んで生き返ってここに至る記憶もある……。
一体全体どうなって……?
ふと、何かが繋がった感覚がし、頭に声が響く。
<<やぁっと繋がったわい……おーい、ワシじゃワシ。元気じゃったかー?>>
俺俺詐欺は間に合ってます、出直して来やがれヴぁかめが!
<<酷くね!?今の状況教えてやろうと思ってたのに……>>
ならさっさと教えろゴルァ。
<<お主言葉遣い荒くなっとらんか……?なら、さっさと教えるとするか。>>
おう、理解できなくて困ってたんだ。
<<その世界のお主は十歳で車に轢かれて死ぬはずだった。その運命を使っている。……ああ、今のお主が乗っ取ったわけじゃないから安心せい。まぁ本来の運命はそこで死んで、終わり。だったんじゃが、お主が丁度よく十年前って言うたじゃろう?つまりは運命を操作して大怪我、死と近付けて記憶封印を解いたというわけじゃ。もちろん多少は回復処置をしておるが……回復し切って、起きるのが三ヶ月後……の筈だったんじゃが……>>
予定だったのに……なんだよ?
<<お主はサイヤ人か!?死に掛けて、一気に回復して強くなる。一体全体どこにそんな人間がおるんじゃ……。普通なら三ヶ月かかっていた重体を一ヶ月半じゃよ?誤魔化すのに苦労したわい。一応意識不明の状態は一ヶ月半続かせといたからの。>>
まあそこらへんはどうでもいいんだ。で?
<<気にもしないのかお主は……。で、ここは病院、お主は入院、一ヶ月半意識不明の重体で一時期心停止しとったからのぉ。人呼びに行ってるんじゃ無いかの?……というより、ホレ、もう来るぞ。>>
あ、ちょ、どうすんの、俺演技出来ねーよ?重体患者の演技とかしたことねーよ。
<<別に体治ってるんじゃし別に良いんじゃね?ワシ忙しいから帰るわ。>>
え、あ……ちょ?!
ーガチャリという受話器を置いた音がして、頭がクリアになる。
家族の対応を考えようとした丁度その時、病室の扉を開ける奴がいた。親父だ。
とりあえずーー
「よっす。今起きたところだ、親父」
普通に挨拶してみた、あーダメだ親父完全に固まってる。
「そんなに変か?筋トレしながらの挨拶……」
乱暴に扉を開ける音がし他の家族が病室に入ってきて、その事でようやく我に返り、
「か……かあさん……源治が起きた……起きたんだよぉ……」
泣きながら姉御っぽい外見した女の人に喋りかけるのは見るからにヘタレっぽい男ーー親父。
「んなこたぁ見れば分かるだろっこのバカっ!あんた一体どれだけ心配かけたと思ってるんだい?!こんのバカ源治ィ!」
んで俺に叫んできているのが、親父が言っているように俺のお袋で、その後ろで椅子に座ってこっちを見ている(正直睨んでいるようにしか見えない)のが祖父、爺さん(神じゃないほう)だ。
「源治ィ……ようやっと起きよったかァ……」
地獄の底から響くような声、慣れちゃいるけど少し恐怖を感じる。
「おう!あ、爺さん、俺が庇った奴無事か?」
ーーまぁ普通車には轢かれない身体能力持っているんだが、言った通り、庇ったから轢かれたのだ。
「擦り傷だらけやったけどのぉ……。源治ィ……お前ならァ無傷で行けた筈やぞ……。どうしてあの子に傷つけるようなマネをしたァ?」
ーー庇ったのは織斑千冬。それも、子猫を庇った織斑千冬、なのである。恐らくは4歳。産まれる十年前じゃねーじゃん……。
「あの娘ーー猫庇ってたんだよなぁ……。」
その言葉に、爺さんは眉一つ動かさずに、言葉を繋ぐ
「んなこたぁ分かってる。それも含めて、お前なら……出来た筈だって言ってんだァ……!」
珍しく、ほんの少し怒っている爺さん、こぇぇ。
「いやぁ、逃げちまった猫追おうとしててよぉ、あの娘……後は全力で体当たりしか止める方法が無かったんだよ。」
その言葉に顔を顰めた爺さん。口を開こうとして……ここでお袋(激おこ)の体当たりが俺に炸裂。
「うおっと、お袋一体どうし『源治ィ……!あんたぁ覚悟出来てんでしょうね!』か、覚悟……?」
「源治ィ!今日から一緒に寝てもらう!私に心配かけた罰だ!」
「ええぇ?僕は何処で寝るの?!」
「あんたも一緒に寝るんだよ!」
………お袋は外見とは裏腹に、とても寂しがりなのだーー
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「昔の夢を見た……」
八頭島 源治ーもうすぐ20歳です☆
安定感のある夢オチ。
てへぺろ☆