ゴブリンもいいけどオークもね!   作:misuta

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オークハンターはゴブリンスレイヤーとは違い、割と喋ります。


豚は出荷する。それだけだ

 

「ありがとうございます、おかげで娘が無事に…!」

「本当に、ありがとうございます!」

 

村へ戻ると住んでいる村人達がオークハンターと娘を出迎えてくれた。

背負っているシーツに包まれた娘を駆け寄ってきた父親に渡すと一緒に来た母親と共に頭を下げて感謝の言葉を述べた。

最初に来た時はこの姿、特に豚頭のせいか不気味な奴だと思われていた。

しかし、オークを始末して娘を救い出したオークハンターはここで初めて冒険者として見られただろう。

 

「せめてお礼に食事でも…!」

「いや…すまんが、預けていた馬と荷車を引き取りたい。俺にはまだ仕事が残っている」

 

オークハンターは村人にそう伝えると馬と荷車を引き取り、またオークが出たら呼んでくれと言い残して去っていく。

村の男の子達にはその去り際が大変クールだと評判になり、将来冒険者になりたいと思う子は少なくなかったが…やはりあの豚頭はウケが良くなかった。

 

 

 

「さーて、お仕事お仕事」

 

先程までの冷酷にオークを仕留めたあの雰囲気から一転、明るく楽しそうな声で洞窟に戻ると首の無いオークの死体とその首を掴んでずるずると引き摺る。

そのまま外まで引き摺るとロープで縛り、思い切り深呼吸してロープを掴んで叫ぶ。

 

「あーら、そいやっさ!!」

 

奇妙な掛け声と共に巨体なオークの身体を持ち上げて荷車へドスンっと音を立てて載せる。そしてバックパックから丸めた羊皮紙を取り出し、オークの死骸に向けて開くとそこから冷気が放たれて死骸を凍らせた。

スクロール…魔法を封じ込める書で封印を解くことでその魔法を使う事が出来る。

 

「お高いけど必要不可欠なんだよなぁ、これ」

 

そう呟きながらオークハンターは凍らせた死骸に布を被せて隠すと、荷車と馬の綱と繋いでいく。

後はこのまま帰るだけだと言わんばかりに、意気揚々と馬に跨って帰路に就く。

 

 

 

辺境の街に着いたオークハンターはギルドに向かう前に少し離れた小さい家に立ち寄る。

その家の隣には倉庫みたいな建物もあり、そこへ馬をつけたオークハンターは先程凍らせた死骸を持ち上げて倉庫へと運んでいく。

布越しとはいえ凍らせたのだから冷たい、我慢だ。

 

「あーら、そいやっさ!!」

 

再び奇妙な掛け声と共に作業台みたいの所にそれをドサッと置くと布とロープを取って死骸をチェックする。

切り口…良し、さすが俺と自画自賛。

血抜き…良し、俺すげぇと再び自画自賛。

保存状態…良し、あの人には感謝だと手を合わせて拝む。

 

「んじゃあ、ぱっぱとやるか」

 

そう言って背中の巨大な包丁と腰の包丁を抜くと、器用にオークの死骸を解体していく。

皮、内臓、骨とそれぞれ分けて、肉は丁寧に脂身と肉を分けて部位によってさらに分けていく。

普通はこうも大きいモンスターの解体は複数人でやるが、オークハンターの解体はまるで熟練した職人のように手際良く行う。

 

「解体終わり!さて出荷よー」

 

皮と骨は木箱に入れ、内臓と肉は塩漬けにして樽へと入れる。

それを再び荷車に積んで再び馬に跨ると今度こそギルドに向かう。

何か大事な事を忘れている気がするが大丈夫だろう!

 

 

 

冒険者ギルドに着いて入るとまずは冒険者達がオークハンターを見る。見慣れた人はなんだお前かと言わんばかりに酒を飲んだり談笑したりと先程の行動を続け、新人冒険者達はモンスターが来たのかと思いびっくりしているとそれを見たベテラン冒険者達が笑って諭した。

彼にとってはそれらは日常茶飯事なので全く気にしていない。

 

「あ、おかえりなさい。オークハンターさん」

「毎度、受付さん。依頼のオークをぶっ殺した報告と、外にある物品の買い取りをお願いしたい」

 

カウンターから受付嬢が声を掛けてくれたので、そのままオーク討伐の報告と外にあるオークの素材の買い取りを頼んだ。

オークの骨や皮は武器や防具の材料として使え、内臓は錬金術や薬の材料、肉は意外にも美味な為ちゃんと加工していれば買い取ってくれる。

因みにオークが美味いのを発見したのは彼である。

オススメはワインで煮込んだもの。

 

「はい、では査定しますのでお待ち下さい…あと一ついいですか?」

「な、何か?」

 

すると素敵な受付嬢の笑顔がだんだん影を帯びてきた事に対してオークハンターは豚頭の中で冷汗を感じた。

単身でオークに特攻かける彼でも怖い時はあるのだ。

大体こうなる時は彼が何かしらやらかした時である。

 

「ギルドに来る時はせめてエプロンくらいは綺麗にして下さいって私言いませんでしたか?」

「あ、いっけね」

 

この冒険者ギルドは綺麗に掃除をされていて、冒険者達も自分をよく見せる為に鎧や武器などは綺麗にしてある者が多い。

だが、そんなの知った事か言わんばかりに血塗れ、泥塗れ、ボロボロで汚したままギルドに入ってくる者がいる。

最初は優しい受付嬢はやんわりと注意するがあまりに度が過ぎると…。

 

「貴方は何度言えば理解してくれるんですか?最近はあの人だって少しはマシになってくれたんですよ?」

「すいません、オーク狩りに夢中でした」

「オークばかり狩ると忘れてしまうのなら、ある日突然貴方へのオークの依頼が無くなってしまうかもしれませんよ?」

「それだけはご勘弁を…本当にすいません」

 

オークの依頼は他の冒険者でもこなせるし、ゴブリンよりも稼げるので中級冒険者達にはそこそこ人気はある。

それでも仕事が早く、解体や加工も出来るからオークハンターに回りやすいのだ。

だからもし受付嬢を敵に回したらオークの依頼が他の冒険者に斡旋されてしまう。

受付嬢、恐ろしい子!




閲覧ありがとうございます。


アニメの受付嬢の冷たい声で「は?」を聞いた瞬間、怖っとなりました。
絶対に逆らってはいけない←
次回はあの人を出そうと思ってます。


それでは、また。
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