NextDays   作:河野はるみ

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#01

 ーーー春、それは出会いの季節。

 新しい一年がまた、始まる。

 

 

 去年は様々な出来事があった。

 

 近所の幼馴染が後輩になったり。

 別の幼馴染が転校してきたり。

 クラスの委員長と仲良くなったり。

 負けず嫌いな女の子と勝負したり。

 ミステリ研でタマゴサンド食べたり。

 宇宙人と交流を深めたり。

 双子の仲を取り持ったり。

 深夜の学校で密会したり。

 生徒会長がアメリカに留学したり。

 近所の小学生と遊んだり。

 幼馴染の母親の養子になりかけたり。

 幼馴染の友だちとお好み焼き食べたり。

 謎の先輩に引っかき回されたり。

 メイドロボ姉妹が押しかけて来たり。

 委員長の妹とも知り合ったり。

 

 最後には両腕を骨折して、幼馴染二人にかなり世話になった。

 

 いろんな人と知り合って、笑いあって、時にはケンカして。

 嫌なこともあったけど、それ以上に嬉しいことがたくさんあった。

 

 そんな一年が過ぎ、今日から新学期。

 俺もとうとう最終学年。

 この学校にいるのも残り一年。

 一日一日を大切にしようと思う。

 

 

 

 

 

 

「タカくーん!」

 

「ああ、今行く!」

 

 家の玄関には、すぐ隣に住んでいる幼馴染、柚原このみが待っていた。

 

「早くしないと遅刻しちゃうよー!」

 

「まだ大丈夫だって」

 

 急かすこのみに応えながら、俺はゆっくり靴を履く。

 まったく、このみは忘れん坊だなぁ。

 今日は始業式で、普段より余裕のあるタイムスケジュールになっている。

 だからいつもより遅く家を出ても問題はないのだ。

 

「それは一般生徒だけでありますよ、生徒会長殿〜」

 

「……あ」

 

 生徒会のメンバーは普段通りに登校しないといけないのを、今のこのみの言葉で思い出した。

 思い出してしまった。

 

「急ぐぞこのみぃーーー!!」

 

「待ってよタカくーーーん!!」

 

 今日もまた、賑やかな一日が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

「はあ、はあ、なんとか間に合った…」

 

「まったく。ヒラの俺より遅いとは、自覚が足りないんじゃねーの生徒会長サマ?」

 

「うるさいな。少し俺たちより先を走ってた癖に偉そうにするなよ、雄二」

 

 この皮肉を言ってくるヤツは、このみ同様幼馴染の向坂雄二。

 俺と同学年で、クラス替えがあってもだいたい同じクラスになる腐れ縁の親友だ。

 

「それより早く行かないと、先生に怒られるよ〜」

 

「たしかに。それじゃあ荷物置いたら生徒会室に集合な」

 

「おう!」

 

「了解であります!」

 

 

 

 

 

 

 

「お。俺が一番乗りか」

 

 生徒会室に入ると、俺以外に人影はなかった。

 雄二はトイレに寄っていく、と途中で別れたのでいいとして、このみもまだ来ていなかった。

 

「まあ二人ともすぐに来るだろ」

 

 部屋の一番奥の席、生徒会長の椅子に腰掛ける。

 

「………」

 

 ここには去年の五月頃まで、別の人が座っていた。

 久寿川ささら先輩。

 母親と和解し、強制ではなく自らの意思でアメリカに留学していき、そのまま卒業した尊敬する先輩のひとり。

 去年の秋にはある人の策略により、再び会う機会があったが、今はアメリカに戻っており、某有名大学に合格したとの手紙が最近届いた。

 元気にしているようで何よりだ。

 

 

 ガタガタッ!

 

 

「うぇい⁉︎」

 

 変な声が漏れた。

 突然、掃除用具を入れるロッカーが音を立てて動いたのだ。

 ギィ、と軋みながら開いたロッカーの中からーーー

 

「……お久しぶり、河野さん」

 

 ーーー久寿川先輩が現れた。

 

 

 

 また今年も騒がしくなる。

 そんな予感がした。

 

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