東方冴月録   作:弓山涼

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初の小説なので、文法など、滅茶苦茶な所があるかもしれませんが、ご理解の上、楽しんでいただけると幸いです。


幻想入りと妖精大乱闘

「ここは…どこだ…?」

 

突然だが、気が付くと知らない場所にいるという経験はあるだろうか。少なくとも俺は今までの人生で経験したことはなかった。今日までは…

 

俺の名前は赤月灯魔(あかつきとうま)、一応高校3年生で、今年卒業を控えていた。そのため、卒業旅行ということで、一人で秘湯巡りをしていた。本当なら仲の良い友人と二人で行く予定だったのだが、その友人が突然用事で行けなくなったため、一人で巡ることにしたのだ。

 

ということで俺は今3つ目の秘湯に訪れている…

 

「はずだったんだが、ここは本当にどこだろう…?森の中…のようだが、俺はこんなところ来たことないぞ…」

少し辺りを調べて見ようと、足を動かしたその時。

 

バシッ!

ヒュ!

ドーン!

 

明らかに普通ではない音がしたあと、続けて複数の叫び声や悲鳴が聞こえた。

 

「なんだ?今の音…」

 

嫌な予感がしつつも、俺は音のした方向へと向かった。

 

向かった先には湖があった。とても大きな湖で、奥の方に、館のような建物がある。そしてその湖に、数十、いやおそらく百すら超える何かが飛び回っていた。羽がついており、キラキラとした輝くオーラを出していることから、まず間違いなく人間ではない。

 

「なんだろうか…飛んでる時点で信じられないが…姿形からして、妖精かなにかだろうか…」

 

しかし…

 

数々のなにかが飛び交い、うめき声や悲鳴が聞こえるようなこの状況、あまり良い状況とは呼べない。

 

「さっさと立ち去って、別の場所に…」

 

立ち去ろうとしたその時…

 

「誰!?」

 

(まずい、気付かれたか?)

 

どうやら、一匹の妖精に気付かれたようだ。

 

「あなたは人間?それとも妖怪?どっちでもいいわ、この場に居合わせた以上、あなたには眠ってもらうわ!」

 

そういうとその妖精は、俺に向かって攻撃をしてきた。

 

「うわっ!」

 

驚きつつも、俺は咄嗟に右に飛び、攻撃を避けた。

 

「へぇ、なかなかやるのね、あなた。なら、アイツらにも手伝ってもらおうかしら」

 

妖精はそう言うと、飛び回っている他の妖精達を挑発するように、攻撃を飛ばした。

 

「突然なにすんのよ!」

「私に攻撃するとはいい度胸ね!」

「あなた、ただじゃおかないわよ!」

 

口々にそんなことを言うと、数十匹の妖精がこちらに向かって攻撃をしてきた。

 

(この数はまずい!)

 

しかしもはや手遅れ。四方八方から飛んでくる妖精達の攻撃を避ける手段はない。万事休す。

 

(くそ…もう岩でもなんでもいいから、防御できるものがほしかった…)

 

覚悟を決め、なるべく急所を守れる姿勢を取り、腕で防御をしたその時。

 

ガキンッ!

 

(なんだ、今の音?なにか硬いものがぶつかりあうような…)

 

「なんで…腕に…負け…」

 

(腕?なんのことだ?…て)

 

「なんだ…?これ…」

 

俺の視線の先には、まるで岩の如く硬化した、俺の右腕。

 

「これは…俺がやったのか…?」

 

そう思った時、右腕の硬化がとけ、普通の腕に戻った。

 

(どういうことだ…?まさかさっき、岩でもあればいいのにと思ったからか…?ならもう一度…)

 

そして、もう一度腕が岩のようになるよう、頭のなかでイメージすると、本当にまた岩のように硬くなった。

 

「はっ…はははっ…これなら…なんとかなりそうだ!」

 

そうして気合を入れ、俺は攻撃のために地上へ降りてきていた妖精達に一気に近づき、硬化した腕で何匹か殴り倒した。

 

「ぐっ…ただの人間じゃ…なかったの…か…」

 

妖精達は次々と倒れていったが、俺が飛べないことは気づいているらしく、やがて多くの妖精が再び空中に戻り始めた。

 

「なるほど…手加減はできないみたいね。でも、飛べないなら空から攻撃すればいいだけよ!」

 

そう言うと妖精達は、俺にむかって光る何かを放って来た。

 

(くそ…攻撃には耐えられるが、こちらから攻撃が出来ない…。俺も空が飛べれば…)

 

そう思った瞬間、俺の体はゆっくりと宙に浮いていた。

 

「えっ…?」

 

考えるよりも先に、戸惑いの声が漏れていた。

 

「飛んでる…?」

 

(なんでだ…?俺の力は腕を硬化させるだけじゃなかったのか…?まさか、俺が「空を飛べたら」と思ったからか?ならもしかして…)

 

試しに俺は、妖精達に手のひらを向け、手から炎が出るのをイメージした。すると、想像したのと同時に、手から熱い炎が放射された。

 

「なっ…!」

 

咄嗟のことで対応出来なかった妖精達は、数十匹がまともに攻撃をくらい、地に落ちた。

 

「あなた…一体…」

 

攻撃を避けた妖精達も、とても混乱しているらしく、こちらに攻撃をしようとせず、様子を見ているようだった。

 

(なるほど…これで確信した。俺の力は腕を硬化させることでも、宙に浮くことでもない。俺の本当の力は…)

 

「ははっ…」

 

俺はその時、自分の顔から笑みがこぼれていたことに気づかなかった。

 

数分後。湖に広がっていたのは、百匹はいたはずの妖精達が、たった一人の男に、ものの数分で全員倒された光景だった。




灯魔はもとの世界の記憶を持ったまま幻想入りしていますが、それは設定として後々効いてくる予定なので、お気になさらず(笑)。
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