アニメ放送に先駆けて声優発表とかありました。ティオはもちろん、雫の声優も決まって益々楽しみになってきました。しかしティオの声優が日笠さんとは、てっきり某ドM騎士経験のある茅野さんかと思っていたばかり………日笠さんも色々危ない所を踏まえたら適任かもですね。
さて、雑談はこの辺にして、
今回のお話しは、奈落の底に落とされたスバルは親友とはぐれ迷宮の中をさまよいます。そんな中、自分の運命を大きく変える、ある出会いを果たすのでした。
それでは、どうぞ。
「ハァハァハァ………」
暗闇の中、周囲の緑光石の発光を頼りにスバルは走っていた。そして、その後ろから
「「「「グルルルルルルゥゥゥゥ!!!」」」」
二尾狼が四匹が追いかけてくるのだった。
「クソッ、こんな所で追いかけっこしてる場合じゃないってのに…。」
愚痴りながら二尾狼から逃げるスバル。あの後スバルは奈落の底に落ちていく中、横から噴き出していた鉄砲水のような勢いで出ていた滝にぶつかっては壁際に押しやられて、偶然にあった横穴に入ってウォータースライダーのように流されたのだった。スバルが気づいた時には川の浅瀬で浮いており、特に大きな怪我もなく、まさに奇跡と言っても過言ではないだろう。
だが、その奇跡は長く続くことはなく、スバルが意識を取り戻して起き上がった時、運悪く水を求めてやってきた二尾狼に鉢合わせてしまい、一息入れる間もなく追いかけられる羽目になったのだ。どれぐらい走ったかスバルは知らない、だが、川の水温で体力を奪われ休憩なしの二尾狼のの追いかけっこに疲労のピークがすぐそこまで来ているのは確かだった。
「まだ…追ってきやがる。しかも増えてる…」
ふと走りながら後ろを振り向けば二尾狼は相変わらず追いかけていた。しかも二匹増えて、六匹の二尾狼が追いかけてくるのだった。再び正面を向いて当てもなく暗闇の中、走り続けるも既に体力の限界が来ており、走るスピードは落ちていき足の感覚もすでになく、何度かつまずきそうになった。スバルの限界を超えてから百歩目の時に、
「あっ…………。」
一瞬、身体が宙に浮くような感覚に陥った。道の窪みに足を取られてつまづいたのだ。スバルはそのまま地面にダイブ、顔を上げていたので何とか顔面強打だけは免れた。急いで立ち上がり後ろを向くと、すぐそこまで迫ってきており、とっさに腰に備えてあった剣を抜いて構えるも、
「グルルルゥゥゥ…………………」
襲ってくることはなかった。5、6歩前で立ち止まって唸り声を上げるだけだった。むしろ、二尾狼が1歩ずつ下がりながら距離を空けていき、1体ずつ来た道の方に走っていくのだった。
「助かった……のか? はぁ~。」
緊張していた身体が緩み構えを解いた。正直6匹相手にして勝てる自身がなかった、最悪’’死’’を覚悟していたので何もせずに戻っていった時、狼が逃げていった疑問よりまず安心が勝ってしまった。だからすぐに気づかなかった、後ろに何かいることを、
最初のソレに気づいたのは首元に生暖かい風が当たったからだ、次に生物が呼吸する音、また今思い返せば狼が立ち止まった時、目線はこちらではなく少し上を見ていた。このことから狼は自分より強大なソレに怯えて引き返していったのだろう、そしてソレは今自分の後ろにいる。
スバルはゆっくりと振り向いた。
「…………ッ!? ハァ…ハァ…ハァ…」
それを見た瞬間、思わず尻餅をついて少し下がった。心臓の鼓動が早くなり、過呼吸のような呼吸をして再び死の恐怖が押し寄せて来た。スバルが見たもの、それは鬼だった。
身長は二メートル以上、全身若紫色の皮膚で覆われ、髪は銀色のきれいな髪色をしており腰の所まで伸びていた。身体はボディビルのような筋肉質で手足の爪はそれだけでも武器になりそうなくらい鋭かった。そして鬼の象徴とも言える二本の漆黒の角は頭から少し出て髪に隠れそうで隠れない大きさを持っており、そして、ただ黙ってスバルを見下ろしていた。
「ハァハァハァ………ッハァハァハァ…。」
スバルは一刻も早くこの場から逃げ出したかった。だが、身体が恐怖に支配され動くことがままらなかった。仮に背を向けて逃げ出しても鋭い爪で背中を切り裂かれると思うとゾッとして行動に移せなかった。
スバルは思った、「俺はこのままあの鬼に無惨に引き裂かれて、肉の塊になるだろう。あっけない最後だな…」と、そして走馬灯なのか色々なことを思い出していた。保育園の頃、小学校の頃、大好きな父と母が死んだこと、ハジメと初めて友達になった時など、様々な思い出が駆け巡り最後に思い出したのは。
トータスに来て初めての夜、月の下で親友達と誓いを立てたこと。
迷宮に入る前夜、月光に照らされながらしたレムとの約束。
この二つの思い出が出てきた時、ふと思った。’’このまま黙って死を受け入れて良いのかと……’’
「………んなわけあるか。」
それは小さな声だった。スバルは恐怖に震える身体を抑えて立ち上がり剣を抜いて構えた。
「影山スバルは終われねぇ、こんな所で終わるわけにはいかねぇんだ!! 大事な親友との約束を果たすために、ここに突き落としたクソッタレな野郎をぶちのめすために生きなきゃならないんだ!!」
そう言って「うおおおぉぉ!!」という掛け声と共に剣を構え鬼に向かって走り出した。狙うは首元、首を跳ねるつもりで鬼に迫った。
「俺は……負けられないんだ!!」
そう言って鬼の懐前でジャンプすると同時に剣を振り上げて勢いよく下した。影山スバル一世一代の賭けに出たが、それはあっけなく終わった。
鬼は左手でスバルを振り下ろそうとしていた剣を掴んだ、宙ぶらりんになるスバル、それを気にせず簡単に剣を砕いた。
「あっ………。」
再び鬼の前で尻餅をつくスバル、そこに鬼の大きな右手が迫った。
「(やられる!)」
無駄かもしれないが思わず目をつむり、腕をクロスさせてとっさに防御をとった。歯を食いしばり痛みに耐える心構えもしたが………
「(………………あれ?)」
いっこうに痛みが来なかった。「もしかしてもう死んだのか?」と思ったが、また身体が動く感覚はあった。スバルは恐る恐る目を開けて目の前の光景を見た。
「………止まっている?」
目を開けるとそこには鬼の手の平が広がっており簡単にスバルの頭を包むことができる大きな手の平は目と鼻の先にあって動きが止まっている状態だった。「一体何がどうなっている……」と思っていると鬼のその凶悪な顔に似合わない行動を始めた。
ポン、なでなでなでなで…
鬼はスバルの頭に手をのせると、いきなり優しくなで始めた、鬼特有の皮膚なのかザラザラした感触が伝わるのだった。
「えっ………………えっ?」
スバルは当然困惑していた、てっきり引き裂かれて食べられるものだと思っていたからだ。それと同時に懐かしい感覚に包まれた。
この感覚は俺は知っている。
この懐かしい気分も俺は知っている。
この温もりもまた、俺は知っている。
そんなことを思いながら深い記憶の底からある事を思い出して思わず「あっ…。」と呟いた。
この感覚は……大好きな親父に撫でられている時と一緒だ。
生前、スバルの父はよく頭を撫でていた。褒めている時や慰める時など、色々な所で撫でていた。スバルはその撫でられることが大好きだった。
スバルはそれに気づくと困惑していた頭が徐々に落ち着き、こわばっていた身体を緩ませた、そして、
「うっ……………くっ…………うわあああああぁぁぁぁぁぁーー!!」
緊張の糸が切れたのか大きく泣き始めた。まるで子供のように、ここが危険な迷宮の中だということも忘れて泣いた。
実は言うとスバルの心の中はぐしゃぐしゃだった。
落ちていった親友は生きているのだろうか?
もしかして、もう俺を残して死んでいるのではないだろうか?
俺はこれからどうすればいいのか?
俺はここから脱出できるのか?
このまま死ぬのか?
そして、
レムとの約束をちゃんと守れるのだろうか?
不安や恐怖など様々な負の感情がスバルの心を黒く染めていた。だが、鬼にこうして撫でられ、昔を思い出し、大きく泣く事で黒く染めていた心が少しづつ洗い流されていった。それを知ってか知らずか鬼はスバルの頭を撫でる事をやめなかった。
※本編と何の関係のないお話です。
「「OTZ」」
「ちょっと妙子、仁村、二人揃って膝なんかついてどうしたのよ?」
「優花ぁ~、私、漫画版に出てこない…リストラされたよ~」
「同じく…」
「えっ……あっ!そういえばそうね…」
「納得いかないわよ! 仁村はともかく、私がリストラされるなんて! 本編終了後のお話で私活躍するのに! W〇k〇ped〇aでも紹介は奈々より先で多く書かれているのに!何で奈々じゃなくて私なの!?」
「菅原、ちょっと酷くないかそれ!?」
「そうだよ、妙っち。ひどいよ!」
「ちょっと落ち着きなさい三人とも!」
「そうです、優花さんの言う通りです、三人とも少し落ち着いて下さい。」
「「「レム(っち)(さん)」」」
「お二人の気持ちはよ~く分かります、出番がないことはとっても辛い事です……私も元ネタの作品の二期のアニメ化決まって喜びました、ですが……」
「「「「ですが?」」」」
「私、そんなに出番がないのです………OTZ」
「「「「「レム(っち)(さん)!!?」」」」
「レムがあんな風にへこむなんて初めて見たぜ……」
「スバル出番だ、レムを慰めこい。」
「いやいや士郎、ちょっと無茶ぶり過ぎませんか!?」
本編に出て漫画版でリストラ、よくあると思います。二人のリストラは少し残念でした。
次回、スバルの天職に大きな転機やってきます。