それでは、どうぞ。
月曜日。それは学生にしろ社会人にしろ憂鬱な始まりの日だと思う。学生の俺、影山スバルもそう考えているうちの一人だ。こういう日は登校時間ギリギリまで寝て通いたい所だが、生憎と日直の仕事があるため、仕方なく朝早くから学校に来ているのだった。
俺らの日直の仕事は、朝早く来て簡単な教室の掃除、授業後の黒板消し、日誌の記録など他の学校の日直とそれほど変わらない仕事を男女二人一組でするのだ。俺的には日直の仕事を「えっ、今日俺、日直なの?スゲー忘れてたぜ…」と言うつもりで学校ギリギリに登校するつもりだったが、それを許してくれなかった人物がいるのだった、それが、
「ふふふふふ~ん。」
今絶賛深夜のアニメの主題歌を鼻歌で歌いながら掃除している女性。身長約150㎝くらい水色髪ショートの彼女の名前はレム・クドリャフツェフ。
高校一年生の時にロシアから日本にやって来て、今では三大女神と言われ男女問わず絶大な人気を誇る美少女だ。その美少女がどうして今回学校を早く来て日直の仕事を真面目にする羽目になったかというと、朝早くから迎えに来てくれたのだ。
「おはようございます、スバル君。今日は私と日直の担当です。早く行きましょう!」
他の男子には見せないとびっきりの笑顔で「全くどこのラノベのヒロインだよ。」と思いつつ、ここで「眠たいから」「日直の仕事がめんどい」という理由で彼女の好意を無下にするのは大変失礼なので、眠気が残っている身体に鞭打って朝早く学校に来たわけだ。
「こちらの掃除は終わりました。スバル君の方は?」
「ああ、こっちも終わったぜ。」
「では、箒片付けておきますね。」
そう言ってレムは俺の前に手を差し出したので俺も自然に手に持っていた箒を渡すのだった。
レムは俺と一緒にいる時、凄く生き生きして献身的であり、さっきの掃除だって八割程、彼女のおかげだったりする。また一緒にいることも多く学校の登校や下校、たまに休み時間も一緒にいることがあり、俺としては色々役得で彼女といるおかげでそれなりに楽しい高校の青春を送れているからレムには感謝している。(まぁ、周りの男の嫉妬を含んだ視線は痛いけど…)何より彼女のブレザーに包まれているたわわな胸を間近で………
「ムッ、スバル君。今、変な所見ていませんでしたか?」
「いえいえ、レムさん…そんなことないですよ。」
ある一点を間近で見ていたのを悟られたのか、ジト目を向けるレムにスバルは白々しくそっぽ向くのだった。レムは仕方がなく「もう」と言って諦めると、
「おはよう。スバル、レム。」
一人の青年が二人に挨拶をして来た。
「おう、おはよう士郎。」
「おはようございます、士郎さん。」
二人に挨拶をしたのはスバルの親友の一人、望月士郎だ。
素朴で落ち着きがあり、困った事があれば手を貸すほど世話焼きでクラスで頼れるお兄さん的な立場だったりする。
「今日は珍しいな、スバル自ら進んで日直の仕事をするなんて…雨でもふるか?」
「いやいや士郎さん、俺だって日直の仕事くらい真面目にやりますよ。」
「そうでしょうか? この前の日直の担当の時、遅く来ていたような………」
「キノセイダヨ、レムサン。」
三人で談笑をしていると次々にここのクラスの生徒が入って来た。そして、また一人生徒が入ってきた時、スバルはぎょっとした。何と一人で五個の学校指定カバンを持っていたのだった。いや、一つは自分のカバンだから四つのカバンを持っていることになる。そのカバンを持っている生徒の後ろから四人の生徒が入ってきた。
「おい入江。これぐらい持てないと強くならないぜ、つーか遅い。」
そう言ってカバンを持っている生徒に話すのは檜山大輔といい、その後ろでニヤニヤ笑っているのは取り巻きの斉藤良樹、近藤礼一、中野信治だ。
「あははごめんね。今度はもっと早く持って行けるようにするよ。」
そう言って愛想笑いをする四人のカバンを持っている生徒の名は、入江当麻と言う。
スバルの親友の一人で、優しく大らかな性格だが体力がなく、ひょろひょろしており、檜山達からへなちょこ扱いを受け、毎日のようにちょっかいをかけられているのだった。
それを見たスバルはすかさず、
「カバンくらい自分で持てよ、もう、子供じゃあないんだからさ。」
「何言ってんだよ、俺達が入江を鍛えさせているんだよ。」
そう言ってスバルは檜山を睨み、檜山もスバルを睨み返した。
「本当かぁ~? 実は自分のカバンが持てないくらい筋力がないんじゃあないか? 全部贅肉だったり。」
「「「「あァ?」」」」
スバルがウザったい顔で檜山達を煽ると四人はスバルに眼を飛ばした。そして、ゆっくりとスバルの方に向かって歩き出した。スバルは動かずに檜山達が来るのを待った、もうすぐお互いの拳が届く範囲に来た時、待ったがかかった。
「ハイハイそこで終わり、喧嘩しない。」
スバルと檜山の間に入るように士郎が割り込んで来たのだ。そして、スバルの顔を見て
「スバル、相手を煽らない。そして、すぐに喧嘩しようとしない。」
「でも、『でも、じゃあない!!』……分かった。」
士郎の勢いに負け渋々納得したスバル、それを見た士郎は檜山達に向き直り、
「お前らも入江に変な事ばかりさせるなよ!」
「………チッ、分かったよ。」
檜山は小さく舌打ちした後、士郎を睨んでから、入江に持ってもらっていたカバンを乱暴に取り、席に向かった。残りの三人も入江からカバンを取って席についた。
残された入江は士郎に近づき、
「ごめんね、士郎君、スバル君……変なことに巻き込んじゃって。」
おどおどしながら士郎、スバルに謝る当麻、それを見た士郎は。
「いいって気にすんな。でも、檜山に変なことされそうになったら、ちゃんと断れよ。」
どこか心配そうな顔をする士郎、そして、スバルもまた当麻に対して、
「もし、断れなかったら、俺を頼れ。当麻は俺の大事な親友だからな。」
当麻に笑顔を向けて、ドーンと胸を張るのだった。
「ありがとう、士郎君、スバル君。でも、頼るのは士郎君だけにするよ。」
「何で!?」
当麻の言葉にショックを受けて口を開きぱなしのスバル、続けて当麻はこう言った。
「だってスバル君だと、すぐに喧嘩しちゃうし、収取がつかなくなりそうだから……。」
それを聞いたレムと士郎は笑いがこみ上げてきて口元に手を当ててこらえるのだった。
「ちょっとちょっと、そりゃあないですよとうま~そりゃあ確かに喧嘩しちゃうのは否定は出来ないけど、それは友達を思って………それと、そこのお二人さん。もう、笑うのは止めてもらえませんか?…………地味に傷つくんですけど。」
そう言うスバルに士郎は「悪い、悪い」と答え、レムは「ごめんなさい。」と軽く謝るのだった。
「(でも、士郎君もそうだけど、スバル君も感謝しきれないな……こんな弱弱しい僕なんかの親友になってくれて…。)」
あえて口には出さなかったが当麻は二人に対して感謝しきれない気持ちで一杯だった。何かあるたびに心配をしてくれる士郎に、どんなに体力がなく弱々しくても親友と言ってくれるスバル、いつか二人に恩返しが出来たら良いなと思うのだった。
さて、当麻を混じって四人で談笑をしていると始業チャイムがなるギリギリに教室に入ってくる生徒がいた。その瞬間、スバルや当麻、士郎を覗く教室の大半の男子生徒は教室に入ってきた生徒に対して舌打ちや睨みやらを頂戴し、女子生徒も無関心ならまだ良いのだが、あからさまに侮蔑の表情を向ける者もいた。ちなみにレムはその生徒に対して前者も後者もなくむしろ友好的だったりする。
スバルは他の生徒達がその教室に入って来た生徒に対して向ける舌打ちや睨み、侮蔑の表情はいつものことなのだが………その生徒はスバルにとって大切な親友の一人、やっぱり自分の大切な親友に向けられると腹が立たないわけではないが、「そんなに皆に迷惑をかけたか?」と逆に疑問を感じてしまうのだった。
いろいろ思うことはあるが、とりあえず、スバルの大切な親友が今日もめげずに来たので挨拶をすることにした。
「おはよう、ハジメ。」
いかがだったでしょうか?
オリキャラは別作品のアニメキャラをモデルに考えています。(と言ってもほぼパクリみたいなものですが………そこに設定を加えたり、消したりしてる感じです。)
参考までに元ネタのアニメキャラは
影山スバル→ナツキ・スバル
レム・クドリャフツェフ→レム
望月士郎→衛宮士郎
入江当麻→クウェンサー=バーボタージュ
こんな感じですかね、決して元の世界からやってきた転生や神様憑依ではないのであしからずに。