ありふれた職業で世界最強  魔王を支える者達   作:グルメ20

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どうもグルメです。 
前回の話しと一つにまとめたものを投稿するつもりでしたが長くなりそうなので二つに分けました。それの続きとなります。

それでは、どうぞ。


黄金の吸血姫 ユエ

金髪の少女ユエは身体を必死に動かそうとするが動くことはなかった。先の攻撃で最愛のパートナーを重傷に負わせた首長竜の一撃の余波の影響でユエが持つ特有の’’自動再生’’が遅いからだ。

 

「うぅ……………うぅ……」

 

いつしかユエは涙を流していた、悔しくてて仕方がないのだ。自分ではハジメを守れないのかと、ようやく見えてきた自由の兆しがこんな所で終わるのかと、

 

グゥラァアアアアアアアアアアアア!!

 

首長竜は倒れ伏すユエに勝利を確信したように叫ぶと、光弾を撃ち放った。光弾が迫る時、ユエは目を閉じることなく睨み続けた。心は負けるものかと、意志を示すために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな時、ふと昔の記憶が蘇った。走馬灯というものだろうか。

ハジメと運命との出会い、短くもここに来るまでのハジメと過ごした日々、それだけにとどまらず女王として王国をまとめていた時も蘇ってきた。十七歳で国を治める女王となり、そこから毎日毎日、国の業務に追われる日々で大変だったが周りがそれを支えてくれた。特にあの二人の存在は大きかった。

その二人は時に大切な臣下であり、親友であり、そして頼れる兄と姉でもあった。もう300年も経つが、あの二人は生きているのだろうか、特殊な種族のため寿命は長いはず、生きているなら二人は今でも私を探しているのだろうか、それとも、もう諦めてそれぞれ自分に合った生き方をしているのだろうか。どっちにしたってもう分からないが、せめて最後に一目会いたかった。

 

「クロウ兄、サラ姉…………さようなら……………………ハジメ、ごめんなさい……。」

 

息がきれそうな声を出すユエ、クロウとサラに最後の別れを口にし、ハジメに守ることが出来なかったことを謝罪し、死を受け入れようとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ロリアンの海!!」

 

刹那、声と共に何かが横から迫って来て、気がつけばユエは自分が抱き寄せられ光弾が脇を通り透けて過ぎていく光景を見ていた。そして自分を支える人物を見上げた。それはハジメではない知らない青年だった。

 

「さよならを言うのは、まだ、早いですよ…………姫。」

 

「えっ………えっ?」

 

そう優しく言う青年。ユエの記憶の中にこの青年と知り合った覚えはなかった、知らない人物なのに何故か懐かしい気分でいっぱいだった。それにこの青年はこう叫んでいた。’’ロリアンの海’’と

’’ロリアンの海’’は大切な人が使っていた、その人だけが使える能力だ。5~10歩程度の距離を高速で移動することが出来る。これを使えるということはクロウ、彼一人しかいない。

でも彼とは姿があまりにもかけ離れていたことから、ユエはますます困惑するのだった。

 

「あなたは………いったい?」

 

「話しは後で、まずはこの場を切り抜けましょう。」

 

ユエの問いに答える士郎の身体を借りたクロウ。首長竜は問答無用と思えるほどの光弾を浮かべて士郎に放った。

 

「……遅いですね。」

 

そう言って士郎(クロウ)は’’ロリアンの海’’を使って掻い潜るように避けていった。それも余裕の表情を作って、

 

グォオオオオオオオオオオオオオオオオー!!!

 

それにイラついた首長竜は、さらに光弾を作り、士郎に放った。光弾は隙間なくぎっしり詰められており、一見して避ける事が不可能と判断したクロウはその場に立ち止まった。首長竜は「勝った」と確信したのか勝利の雄叫びを上げた。

ユエは立ち止まるクロウを見て、もうだめだと思い思わず目をつむった。クロウは優しくユエにささやいた。

 

「大丈夫ですよ、あとは()()に任せましょう」

 

「…………えっ?」

 

そう言って目を開いた時、ユエとクロウの前に誰かが飛び込んで来て前に立った。それは金髪の青年でありユエ達に背を向けていた。当然、知らない人物だった。

 

「柔気 彩掌乱舞!!」

 

そう叫ぶと青年の両手が七色に輝き出し、迫る光弾を高速に触れていき、光弾は七色に輝く両手に触れた途端に弾かれ、ユエの直線上の光弾は瞬く間に四方八方に飛んでいった。ユエはこの光景に見とれて目を逸らさずに見ていた。

 

「……………あっ。」

 

ユエはあることを思い出した。それはかつて女王になる前のことだ。

吸血鬼の国を支配するために次の後継者ということもあってか幾度も命を狙われることがあった。そんな時、彼女はいつも身を挺して私を守ってくれた。時には無数の魔法の弾幕が私に向かって命の危機が迫る時も彼女は決まって私の前に立ち、七色に輝く両手を翳して、私を守ってくれた。そして、今でも鮮明にに覚えている。

七色に輝く両手の舞踊を見せる彼女(サラ)の姿を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつしか光弾の嵐はおさまり、辺りは当麻(サラ)の’’柔気 彩掌乱舞’’による光弾を弾いた後の凹凸(おうとつ)ができ、そこから煙が上がっていた。静寂に包まれる中、首長竜は三人を睨み付け、士郎(クロウ)当麻(サラ)も睨み返してお互い牽制をしていた。そんな中、ユエはある確信を持てたのか静寂を破るように二人に尋ねた。

 

「もしかして……二人は……クロウ(にい)と……サラ(ねえ)?」

 

その言葉に士郎(クロウ)当麻(サラ)は、

 

「ああ、クロウ兄だよ…姫。」

 

「はい、サラ姉はここにいますよ…お嬢様!」

 

ユエの問いに優しい笑顔で答える二人。

 

「…………………クロウ…にぃ………………サラ…ねぇ………。」

 

それを聞いて涙腺が緩み、静に涙をながすユエ。一目会いたいと思っていた大切な親友が目の前にいる。声、姿は違えど確かに二人はクロウとサラだ、間違いない。ユエはそう理解した。

 

グルァアアアッ!!

 

隙を見て、再会に水を差すように首長竜は叫び、三人の所に自分の頭を勢い良く叩きつけた。叩きつけられる前、瞬時に気づいたサラとクロウ、ユエはクロウにしがみつきクロウと一緒にその場を飛び引いた。

 

「まずはこのバケモノをッ!!」

 

「何とかする必要がありますね…。」

 

「(ゴシゴシ)………………ん!」

 

サラの言葉に静に応えるクロウ、目元の涙を拭いて力強く頷くユエ。’’まだ終わらない、こんな所で終わらせてなるものか’’と再び強い意志がユエの心に宿るのだった。




技・技術紹介

「ロリアンの海」
クロウが受け継いだ明王の力の一つ。最大10歩程の距離を瞬時に移動することが出来る。

「柔気 彩掌乱舞」
気には様々な種類と効果がある。その中の一つ’’柔気’’はとても柔らかく、弾く効果があり、それは魔法も例外ではない。正確には魔力を込められた物質(火や風など)であれば簡単に弾く事が出来る。ただし規模の大きい魔法や鋭利状態(緋槍など)の魔法は弾く事が出来ない。
彩掌乱舞は両手に気を纏って、無数の掌を高速に繰り出す。



いかがだったでしょうか?

クロウとサラの実力が見れる回でした。ここからスバル、ハジメも覚醒を終えて参戦し最奥のガーディアンを倒します。全員が活躍出来るように頑張って書いていきたいと思います。
アニメ7話を見ましたが、カット多くて面白みがかけていましたね。ただ、一瞬の映った菅原妙子が可愛かった…。


次回、時間を遡ってクラスメイトサイドの話しになります。
4人が落ちていったことで残された者達はどうなったのか、そしてレムは何を思ったのか、そんなお話しを送りたいと思います。


それではこの辺で、では…また。
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