何とか投稿することが出来ました。ヒドラ戦、決着です。
それでは、どうぞ。
「グラァアア!!」
<スバル君早い、目が全く追いつけない。>
<まさかアイツの天職が魔物になれる天職だったとは…天之河以上のチートだな。>
「…………まったく、ここに来るまで何があったんだアイツ?」
「……えっ?」
どこか聞き覚えのある声が聞こえユエは後ろを振り向き、サラ、クロウもつられて後ろを振り向くと、そこにはボロボロになりながらも立っているハジメの姿があった。
<<ハジメ(君)!>>
「ハジメ!」
真っ先にユエがふらつきながらも駆け寄り、ハジメに抱き着いた。
「…ハジメ……ハジメ。」
「悪いなユエ、心配かけて…もう、大丈夫だ。」
涙目になりながら愛しのパートナーの名を呟くユエにハジメは優しく頭を撫でた。するとそこに士郎と当麻が近づくが、ハジメは睨みつけるように二人は見た。
「…お前ら誰だ? 俺の知っている親友の姿にはなっているけど中身は全く別のように感じる…一体何が目的だ?」
「「……………………」」
警戒を高め長年の親友の付き合いからして見た目は一緒でも中身は全く違うことを見抜いたハジメ。二人は何もしゃべることなくハジメの顔を見続けた。
「待ってハジメ。この二人は私の臣下……ううん、大切な親友…悪い人じゃない。」
ここでとっさにユエが助け舟を出し、必死になって二人が敵じゃないことを訴えた。
「そうなのかユエ? でも、そうだとして何でユエの親友は俺の親友の姿になっているんだ?」
「それは…」
ハジメの疑問に言葉を詰まらせるユエ。自分でもよく分からないが、この二人は私の親友だということは確かだった。このことをどう説明するか迷っていると、ここで士郎と当麻の近くに青白い球が出てきて人の形を作り青白く透けている士郎と当麻の姿が現れた。
『ハジメ君、僕たちは大丈夫です。ちゃんと生きています。』
『正確には俺と当麻の身体を信頼する人に貸している途中なんだ。』
「お前ら一体!? …ったく二人も見ない間に随分変わっちまったな。」
二人の親友の姿に驚きつつ、「何かあったんだ?」と疑問に思ったが、それよりもしなければいけないことがあるので先ず保留にして
「……今、親友の身体を動かしている奴に聞く…………お前らは俺の敵か?」
鋭い目つきで士郎と当麻を見るハジメ、二人は顔を見合わせて頷くと
「私達は二人に身体を借り、姫を助けるためにここまで来ました。」
「お嬢様を助けて頂いた貴方に危害を加えることなど毛頭ありません。」
二人の言葉にハジメは黙り込んだ。その様子をジッと見守るユエ、そして士郎と当麻。クロウとサラも何も言うことなくただ、ハジメの答えを待った。数秒後、ハジメはゆっくりと口を開いた。
「……………ここに来るまでの経緯、後で聞かせてくれよな。」
そう言って警戒を解き、にこやかな笑顔を浮かべるハジメ。それを見て受け入れられた事を理解して安堵するクロウとサラ。士郎と当麻も「ふぅ。」と息を吐いて一安心。
「…ハジメ、ありがとう。二人を受け入れてくれて。」
「なに、親友達が身体を貸すぐらい信頼しているんだ。それに、ユエのあの真剣な顔を見て信じない訳にはいかないだろ?」
「ハジメ!!」
そう言っていっそう強くハジメを抱きしめるユエ。ハジメも先ほどの二人に対するユエの訴えに真剣な眼差し、それに身体を貸している士郎と当麻の様子から見て、クロウとサラは信頼に値すると判断したのだった。もっとも、ユエのお願いの一言であっさり解決していたかもしれないが………………さて、それは置いておいて。
「さっそくだが二人共、‘’アレ‘’足止め出来るか?」
そう言ってハジメは
「もちろんです。」
「お任せを…」
サラとクロウは迷うことなく一つ返事で引き受けた。ハジメは「よし」と頷くと抱きついているユエに顔を移して
「ユエ、決着をつけるぞ。お前が勝利の鍵だ! いけるか?」
「……んっ!」
ハジメの言葉に力強く頷くユエ。それを見たハジメは、笑みを浮かべてユエをしっかり抱きしめて‘’天歩‘’を使って上へと登っていった。
その様子を見ていたクロウとサラ、ここでクロウはポツリと呟いた。
「姫…いつの間にか名前を変えていましたね。」
「えぇ、でも名前が変わろうとお嬢様は、お嬢様です。」
そう迷いなく答えるサラにクロウは少し意地悪な事を尋ねた。
「私はてっきり姫があの男とくっついている所を見て、あなたが発狂するかと内心ヒヤヒヤしましたよ。」
「……それは最初は驚きました。でも、お嬢様のあの嬉しそうな顔を見ると何も言うことはありません…。」
そう言ってサラはハジメに抱きついているユエの笑顔、心の底から喜んでいる姿を思い浮かべながら「それに…」と前置きして、
「女はいつか恋をするものです。そして、それはお嬢様も例外ではありません。」
そう言って微笑みながらクロウに言うのだった。それを見たクロウは「フッ」と軽く笑った後、標的となる首長竜に目を向けた。
「行きましょうサラ、姫の未来、私達が切り開くのです。」
「もちろんです。アレを倒してお嬢様の新たな門出といたしましょう。」
そう言って二人は
あれからスバルは地を駆け抜け、光弾を避けていたが身体に違和感を感じていた。
「(さっきから…身体の力が入らない…。)」
先ほどから脱力感のような倦怠感を感じ、思い通りに身体が動かないのだ。やっとの思いで身体を動かしながら光弾を避けるスバル。この様子にレオンは、
<そろそろ限界が来たんだろ………変化しておよそ5分。それが今の限界だ。>
「……延長は出来ないのか?」
<無理だな、特訓すれば長時間の変化は可能だが……今は、あきらめろ。>
「そんなっ! 簡単に言うなよ!!
<お前はよくやった、初めての変化で5分も出来れば十分だ。だからもう……あの二人に任せろ。>
「えっ?」
その瞬間、
「
「グルアア!!???」
サラは掛け声と共に首長竜の脳天に剛の気をまとった拳を放ち、そのまま地面に押し潰すようにたたきつけた。
「
左手に輝く蒼の光が増していき、その光を首長竜の頭に叩きつけた。すると、光が弾け周囲に衝撃が走ると同時に瞬時に
「す、スゲー……サラさんとクロウさん、めちゃくちゃ強えー。あれが二人の実力……」
<まぁ、あれで半分しか能力は出し切れていないだろうな…>
「えっ? あれで半分なの!?」
<本来ならあの竜に引けは取らないだろう……だが今のあいつらは元の身体で戦っているわけではない、それに…見ろ、身体が慣れてないのか顔色も良くない。もう、いっぱいいっぱいだろうな。>
元の身体に戻っていたスバルはサラとクロウの実力に興奮するも、レオンは二人が本来の実力が出し切れていないこと、限界が来ていることを指摘した。そこに影の移動を使ってクロウとサラがスバルの元までやってきた。レオンの言う通り限界が来ているのか顔に疲れが出ていて呼吸も肩でしていた。
「やはり本来の身体ではありませんから慣れませんね…こうも簡単に息が上がるなんて…もっと特訓が必要ですね。」
「それだけではありません、私達が使うとエネルギーの消費も倍激しいと思われます…ここぞという時に使うべきでしょう。」
サラとクロウが呼吸を整えながら新たに分かった自分達が戦う時のリスクを理解していると呼吸がままならないにもかかわらず直ぐに身構えた。スバルも直ぐに首長竜を見ると凍てついた氷を振り払っている姿があった。
「お前ら下がれ! あとは、俺とユエがする。」
そう言ってユエを抱きかかえながら空中を飛んでいるハジメが叫ぶと錬成で作ったリボルバー‘’ドンナー‘’を狙いを定めて放つもそのことごとく
「…………ん。」
そして、ユエは首元を嚙みついてゆっくりと味わいながら吸血を行い魔力を回復、スバル達が見ればハジメとユエはダンスをしているように見えたのだ。その様子に苛立ちを感じていた
「今だ、ユエ!!」
「んっ------蒼天!!」
蒼く輝く炎、‘’蒼天‘’。ユエが得意とする魔法をヒドラの真上に出現させ、ゆっくりと落した。
「グルアアァァァァァ!!!??」
「………………ついでと言っては何ですが‘’剛気‘’を流させてもらいました。剛気の特徴は‘’破壊‘’……今、あなたの身体の中で身体を動かす細胞を破壊され、麻痺してまともに動けないでしょうね」
そうポツリと呟くサラ。実は彼女が一撃を放つと同時に首長竜に少量の剛気を流しこんだのだ。幸いにも拳を叩きつけた場所は硬い鱗もなく、柔らかな肉の所なので難なく伝わり、ゆっくり全身に駆け巡り細胞を少しづつ破壊して、それが麻痺に繋がったのだ。
それを知ってか知らずか
「
そう宣言するかのように言うハジメ。感知系技能から
あれからどれぐらい時間が経ったのか分からない。だが、気づいた時には蒼天の蒼い炎は収まり、目の前には黒焦げの
「………終わったな。」
「ん……おつかれ、ハジメ。」
そう言ってハジメとユエがお互いを抱き寄せていると、
「ハジメーーー!!」
後ろから声が聞こえてきたので振り向くとスバルが走ってやって来た。そして、ハジメの背中にタックルするかのように抱きついてきたのだ。
「やったなハジメ、俺たちはボスを倒したんだ!! オルクス大迷宮を攻略したぞ!!」
「…………スバル、暑いし、苦しい、それとうるさい。」
「そう言うなよ、もっと喜ぼうぜ。」
「……………………むぅ。」
大いにはしゃいでオルクス大迷宮を制覇したことを喜ぶスバルにハジメは素っ気ない態度を取るも、迷宮をクリアしたこともあり、満更でもない顔をしていた。。そして、ユエはハジメとの余韻を浸っている中、スバルがやって来てせっかくの余韻を邪魔されたことにジド目でスバルを見ていた。
「おめぇもスゲーよ。最後に放ったあの魔法、よかったぜ!」
「……ん。もっと褒めるといい。」
ジド目を見ていたユエに気づいたスバルはユエの魔法を親指をたてて称賛、ユエもお世辞でもなく純粋に言っているスバルの言葉が嬉しかったのか誇らしげに胸を張ったのだ。そして、ハジメが「いつまで抱きついているんだよ!」と言いながら、スバルを背中から引き離していると、
「ハジメ君ーーースバル君ーーーー!」
「おーい、お前ら、大丈夫か!」
当麻と士郎がやって来た。二人も疲労が限界に達しているのか足がもつれていた。さらに二人の背後には、
『お嬢様ーー!』
『姫、無事か!?』
当麻と士郎の背後霊のようにサラとクロウがいたのだった。
「当麻………士郎……。」
「ん。サラ姉、クロ兄!」
ユエが手を振っている最中、ハジメは静かにもう二人の親友の名を呟いた。
「大丈夫ハジメ君! 痛い所は無いの!?」
「あれだけボロボロだって言うのに、よく動いたもんだな。倒れないかと心配したぜ……。」
ハジメの身体を本気で心配する当麻に、ハジメの無茶な行動に呆れながらもどこか心配してくれる士郎、そして、
「士郎、当麻も大活躍だったな、マジでカッコよかったぜ!」
「いやいや、僕達ただ見ていただけなんですよね。」
「当麻の言う通りだ。何もしてないぜ」
『そんなことありませんよ二人供、あなた達はあの戦場で確かに戦っていました。」
『サラのおっしゃる通り、あなた方は身体を貸してくれたのです…共に戦場を駆け抜けた事と同義でしょう。」
「…ん。サラ姉もクロ兄もカッコよかった。」
未だ興奮が収まらずいつものようにはしゃぐスバル。スバルの言葉に「待った」をかけるように否定する当麻と士郎だったが、さらにその会話に「待った」をかけるサラとクロウ、そして、さりげなくサラとクロウを称賛するユエ。その様子をハジメは、
「……………………。」
何も言うことなく静かに見ていた。いつも見る親友達の光景、ハジメが一番安心する場所が出来ており、さらに言うといつの間にか大所帯になっていた。
もう会えないと思っていた。
もういないと思っていた。
諦めて切り捨て生きようと思った。
ユエと共に生きようと思った。
でも、現実は違った。スバル、士郎、当麻は生きていた。しかも小説やラノベのように力をつけて、この深い迷宮の奥底まで来てくれた。そして、協力して
ハジメにとってこれほど嬉しいことはなかった。心の奥底から三人が生きていたことに、こうして再び会いに来てくれたことに感謝した。だから
「お前ら……本当に、ありがとう………お前らが無事で……本当に…よかっ…た…。」
無茶な身体の使い方をして疲労が限界に達し、スバルにもたれかかるようにハジメは気を失った。
「おい、ハジメ!?」
「「ハジメ(君)!!?」」
「…ハジメ!?」
親友達、ユエが必死に声をかけるがハジメは返事をすることはなかった。
技・技術紹介
雷走
雷の軌道を描きながら雷の速度で移動する、雷を纏った特定のものしか出来ない技。
気の種類の一つ剛気は破壊の気、気を一点に溜めることで剛気を作りあげ簡単に岩をも砕くことが可能。彩光豪震撃は拳に気を一点に溜めて相手に放つ技。
明王の力の一つ。
いかがだったでしょうか?
皆でヒドラを倒す回でした。戦闘のシーンは上手く書けて伝わっているでしょうか?
素人ですからそこが不安で仕方ありません。
ちなみに補足ですが、何故首長竜を‘’ヒドラ‘’と表現しているかと言いますとスバル達がやって来た時には6つの顔があったこと何て知らないからです。首の長い竜がいるだけ、だから‘’首長竜‘’となっています。
とりあえずここまで長かった、もうすぐ1章の終わりが見えてきました。
コロナウイルスで世間は大変ですが、読者の皆様もお気をつけください。
次回はギャグを入れれたら入れます。
感想、評価お待ちしております。
それでは、次回お会いしましょう。では、また…。