ありふれた職業で世界最強  魔王を支える者達   作:グルメ20

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どうも、グルメです。

いよいよ第1章、最終話となります。いや~、ここまで本当に長かった。

とりあえず、どうぞ。


旅立ち

鍛錬と装備の充実を図ることを決めて二ヶ月と十日が経った。今日この日、事前に皆で話し合い地上に出ようと決めた日だ。必要なものを宝物庫と呼ばれる指輪型の道具入れに、詰めるだけ詰めて三階にある魔法陣に向かおうとした矢先、スバルが「なぁ、その前にさ…。」と言ってある提案をした。それは……………

 

 

 

 

 

 

 

「「「「お世話になりました!!!!」」」」

 

「…ん」

 

ハジメ達とユエ、幽体姿のクロウとサラはオスカーの墓標で頭を下げていた。スバルの提案、それはここを使わせて貰ったオスカーに感謝をこめて挨拶をしておこうとのことだった。

スバル曰く「お世話になった人の感謝は忘れない、それは故人も同じ。」と親父の教えみたいで、その発言に士郎や当麻が賛同し、奈落に落ちて言動、考えが荒っぽくなったハジメでさえ一理あると納得し、こうしてオスカーの墓前までやって来たのだ。

ある程度、頭を下げていた一同は頭を上げてお互いを見た後、ハジメの「行くか。」という言葉に皆が静かに頷き、オスカーの墓標を後にした。皆が墓標を背にした時、ここで一つの風が吹いた。そよ風程度で大したことはなかったのだが、ここはある意味密閉空間、風が吹くことは考えにくいのだ。再び一同はオスカーの墓前の方を見た、変わらずオスカーの墓標が佇んでいるだけだった。

 

「何となくだけどさっきの風、オスカーが「頑張れよ」と言っているような気がした。」

 

<その通りかもな…。>

 

スバルの発言で何となくそう思えた一同は再び背を向けて魔法陣に向けて歩き出したのだ。

 

 

 

 

「それにしてもさ、ハジメのその姿もさまになってきたよな。」

 

「スバル、本当は今でも「中二病ww」って俺のこと馬鹿にしていないか?」

 

「いやいや、違げーよ。もうそんなこと思ってないって。」

 

「どうだか…。」

 

ジト目でスバルを見るハジメ。あらためてハジメの姿を見てみると、白髪の頭、失った右目は錬成で作った魔眼石と呼ばれる義眼(魔力感知など色々性能つき)をつけるも、それでも目立つので仕方なく黒の眼帯をつけ、失った左腕はオスカーが生前作った義手にハジメが改造を施し、様々なギミックが備わっている物を取り付けた。そして服装だがオスカーが持っていた服を改造し、黒のロングコートに中は黒のベストに白のカッターシャツと‘’ジェントルマン‘’という言葉が似合う紳士的な服装をしていた。

ちなみに初めてこの格好をした時、皆が「似合う」という中、スバルだけ「中二病全開だなww」とからかい、本人も気にしていたためか四つん這いになって全力で落ち込み、丸一日中部屋に引きこもる事件が発生し、ハジメはユエにあの手この手で慰められ、スバルは士郎に滅茶苦茶怒られるはめになった。

 

「でも、ハジメ君。お世辞抜きでその格好、似合っているよ。」

 

「…ん ハジメは何着てもカッコイイ。」

 

「ありがとう、ユエ、当麻。なぜだろう、お前らのその言葉…スバルよりも大分心に響くぜ。」

 

「ハジメさ~ん、俺だけ酷くありませか?」

 

ハジメのもの言いにどこか不満を漏らすスバル。ちなみに二人の格好だがユエは白のクリーム色のコートに中は白いカッターシャツ、膝まである黒いスカートで身を包み、当麻は黒のスーツに黒のネクタイ、白いカッターシャツを着込んでいた。

 

『それにしても、士郎殿の裁縫技術には驚かされました。』

 

『ええ、全くです。私も破れた所の修復はまだしも、一から服を作るのは流石に………』

 

「いやいや元の服があったから、そこを少し加えただけだ。そんな大したことはしてないって。」

 

サラ、クロウが関心するように言うなか士郎は照れ隠しなのか「いやいや」と手を振って笑っていた。二人が言うようにハジメ、ユエなどのここにいる全員の服を製作したのは士郎であり、多少の手伝いはハジメやユエも加わったがほぼ士郎一人で作り上げたのだった。そんな士郎は黒いフード付きのマントで身を包み、中は黒の動きやすい服装にハジメ製作の銀色の胸当てを装備していた。

 

「士郎、また一緒に作ろうね…」

 

「あ~ユエさん。エッチな下着作りは堪忍してくれ// 俺も男の子だから////」

 

士郎はユエと一緒にハジメとの夜戦用の衣装も作っており、流石に出来た物を士郎の前で試着することはなかったが作るにあたって色々想像してしまうことも…士郎はそのことをふと思い出し少しだけ頬を染めた。

 

「それにしてもどこで覚えたんだ? 服の作り方なんて?」

 

「小さい頃、おふくろに教わったんだ。多分、優花の所に居候するにあたって迷惑がかからないように家事の一つとして教えたんだと思う。」

 

スバルの問いにそう答える士郎。士郎の両親は海外を飛び回っており年に1、2回しか帰ってこない。ほぼほぼ優花の両親にまかせっきりなので迷惑がかからないように、一人で何でもこなせるように家事全般を母親から学んでおり、その一つが裁縫と服作りだった。

 

「ちなみにスバルの服作りが一番簡単だった……お前、何でこの世界に来てまでジャージなんだよ。」

 

「おいおいジャージを馬鹿にするなよ。動きやすいし、暑かったらすぐに脱げる。服装のあれやこれで悩む必要が無いんだからな。」

 

どこか呆れたように言う士郎、彼の言う通りスバルの服装は黒と白のジャージに身を包んでいた。本人は戦闘での動きやすさを重視してこの服を士郎に頼んだのだ。

 

「ジャージの事をとやかく言うのだったら、何で当麻はスーツ何だよ?」

 

「えっ……いや、スーツで戦う人っているじゃない? それに憧れていて……言っておくけどこのスーツ見た目以上に動きやすいんだからね。」

 

そう言って当麻はシーツを着ている理由を述べていると、一向はいつの間にか三階の魔法陣の前まで来ていた。

するとここでハジメが皆の方に向き直り、どこか決意を決めた表情で静かに告げた。

 

「皆、聞いてくれ…………俺の武器や俺達の力は、地上では異端だ。聖教教会や各国が黙っているということは考えにくい…兵器類やアーティファクトを要求されたり、戦争参加を強制される可能性が極めて大きい。教会や国だけならまだしも、バックの神を自称する狂人共………いや…この世界の全てを敵にまわすヤバイ旅になるかもしれない………」

 

ハジメの言葉に皆、黙って聞いていた。この緊迫した状況に口をはさむ者などいなかった。ハジメは一呼吸おいて再び口を開いた。

 

「それでも俺は帰るために前に進む…例え障害が立ちふさがっても…目の前に魔物や人間、神、はたまたクラスメイトが立ちふさがるものなら…殺してでも前に進むつもりだ。」

 

「「「………………。」」」

 

その言葉にスバル、当麻、士郎に緊張が走った。ハジメの言葉に冗談が見受けられない、‘’決めたからにはやる。‘’そんな意志を感じ取ったからだ。

 

「皆が俺のようになれとは言わない……………ただ、敵対する者を殺す覚悟、前に進む勇気がないのなら…ここで申してくれ。安全な所まで送って、そこで全て終わるまで待てばいい。」

 

「「「「………………。」」」」

 

『『…………………。』』

 

<……………………。>

 

そう語り終えるとハジメは皆を見渡した。ユエ、スバル、当麻、士郎にサラやクロウ、スバルの中にいるレオンも口を開くことなく黙り込み、ただ真っ直ぐに決意に満ちた目でハジメを見つめていた。辺りが静寂に包まれる中、その静寂を打ち破ったのは彼だった。

 

「ハジメ、ここまで来て一匹狼になるだなんてそりゃあないぜ。俺は最後までお前の旅について行く、例え世界が敵に回っても俺はお前の味方だ!……それに俺たち4人、月下で親友の契り交わし、共に誓い合った仲じゃないか……忘れたのか?」

 

ニィと白い歯を見せて笑いつつ、あの日4人で誓いを立てたことを口にするスバル。

 

「僕もハジメ君の旅について行きます。親友を守るために…大切な人を守る強さを得るためにね。」

 

「正直言って他のクラスメイトの連中、優花達の事も心配だが………まぁ、帰るなら元の世界に戻る手段を持って帰った方がみんな喜ぶだろうな。」

 

それぞれ目的のためにハジメの旅について行く事を決意表明する、当麻と士郎。

 

『私達は常に…。』

 

『お嬢様と共にあります。』

 

ユエのいる場所が二人の居場所であり、例え身体を貸している当麻、士郎が旅について行かなかったとしても、魂だけになってもついていく覚悟があったクロウ、サラ。

 

<………スバルにも、ハジメにも力を貸すと約束した。その約束はキッチリ守るさ。最も今の俺に拒否する権利はないのだがな…。>

 

何を思い、何を考えているのか誰も分からない。ただ、スバルにもハジメにも約束を交わした。その約束を守るために動くレオン。

 

「………私の居場所はいつだってハジメの隣。それはどんな時も変わらない…。」

 

封印を解き、自分の命を顧みずに魔物から守ってくれた時から心に決めていた。‘’ハジメについて行く‘’と。そんな想いを胸に、ハジメの右側に立ち、愛おしそうに見上げながら腕に抱きつくユエ。

全員の決意と覚悟を聞いたハジメは「不要な問いかけだったか…」と苦笑を浮かべた後、高々に声をあげた。

 

「行くぞみんな!! 俺達は最強、全部薙ぎ倒して、世界を越えるぞ!!」

 

「「「おうッ!!」」」

 

「んっ!」

 

『『はいっ!!』』

 

<…ああ。>

 

ハジメの声に応えた者達は魔法陣に入っていった。するとハジメが持っているオスカーの指輪に反応してか青白く魔法陣が光ってハジメ達を包み込むように輝き出した。皆が久しぶりに外に出ることに期待を寄せている中、スバルはもう一人の大切な親友、‘’レム‘’のことを思っていた。

この二ヶ月間、ひと時も忘れることなく、ふと彼女の顔が浮かび上がっては「元気にしているだろうか?」とか「クラスメイトと仲良くやっているだろうか?」と考え、そして、「今でも俺達のこと信じて待ってくれているだろうか?」と想うことがあった。本当は早くにでもレムの前に現れて安心させるべきなのかもしれない…でもレムの周りには優花、妙子、奈々と仲良しの親友がいる。普段の彼女らの様子からして「彼女らがレムを支えてくれる。だから、大丈夫。」と、不思議な自信があった。

 

だからスバルは心の中でレムに言葉を送った。

 

「(悪いレム。約束を果たすのはもう少し先になりそうだ…俺が、いや…俺達が必ず元の世界に戻る方法を見つけてくる…だから、待っていてくれ! 必ず、帰る手段を持ってレムの元に会いに行くからな!)」

 

この言葉が、想いが、どうかレムに届きますようにと願い、スバルとハジメ達は魔法陣から姿を消し地上に旅立って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、この時、スバル達は知る由もなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(ハジメさん、士郎さん、当麻さん……スバル君。)」

 

一人の少女が白いローブを身にまとい、オルクス大迷宮を歩いていた。その少女の名はレム。スバル、ハジメ達の大切な親友の一人だ。

 

「(私が必ず連れて帰ります…………だから…………どうか、ご無事で…)」

 

4人の安否を願いながら、奥へ奥へと進むレム。この先、何があっても止まること無いだろう。

再び4人と再会するまでは…………………

 

 

 

 

 

第1章 完

 




いかがだったでしょうか?
自分でもここまでたどり着いたことに褒めたいと思います。
思えば、ありふれた職業で世界最強のコミック版をたまたま読んだことをきっかけに、なろう、ラノベを読んで妄想が膨らみ、二次小説を書くに至りました。
最初に投稿したのが2018年11月20日ですから、ここまでに約1年半くらいかかりました。ここまで続けられたのは、評価、感想、お気に入りに入れて下さった読者の皆様のおかげです。(欲を言えば、もう少し感想が欲しい所です…。)
本当にありがとうございます!


今後とも、地道に続けていくつもりですのでよろしくお願いします。


次回のお話しは番外編、クラスメイトが王国に戻った時のお話しを書きたいと思います。
今のところ多分、胸糞展開になると思います………。

ありふれ噂話しの続きは、あとがきの関係で次回に持ち越しとさせていただきます。
ノリで書いているのですが、読者から見れば面白いのでしょうか? 時おり疑問に思います。


とりあえず今日はこの辺で、ではまた…。

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