ありふれた職業で世界最強  魔王を支える者達   作:グルメ20

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どうも、グルメです。何とか新しい話を書くことが出来ました。
待たせてしまって申し訳ございません。

それでは、どうぞ。


大樹へ到着、そして迫りくる最恐の足音

深い霧の中、ハジメ達一行は大樹に向かって歩みを進めていた。先頭をカムとシアに任せて、これも訓練ということでハウリア達は周囲に散らばって索敵をしていた。油断大敵を骨身に刻まれているので、全員、その表情は真剣そのものなのだが、先の騒動の事もあり全員がコブか青あざを作っているので何とも締まり悪い結果となっていた。

それでも歩き続けること30分、濃い霧が晴れて視界が広がると共に周りが樹木に囲まれた広場に出た。そして、その中心には一本の大きな大樹が聳え立っていた。

一行は歩みを止めて、それぞれ大樹を見上げた。

 

「これが、大樹か…」

 

「すごく…大きい…」

 

ハシメ、ユエが率直な感想を述べた。

 

「…生まれて初めてです。こんな大きな木を見るのは…」

 

「…だな。一生にあるかないかだもんな……だけど、」

 

「この木…なんか変じゃね?」

 

<…………うむ。>

 

当麻、士郎も大樹の大きさに圧巻されるも少し違和感を感じており、それを代弁するかのようにスバルが疑問を投げかけ、レオンが頷くように反応した。

 

『枯れていますね……どう見ても。』

 

幽体になって見上げているクロウが呟いた。クロウの言う通り今、一行が見上げている大樹は見事に枯れているのだった。広場を囲む樹木はこれでもかという程、青々とした葉を盛大に広げているのにもかかわらず、この中心の大樹だけが枯れ木となっていた。

 

『ですが幹を見る限り腐敗は進んでいませんね。まだ、生命を感じます……季節外れでまだ葉をつけてないだけなのでは?』

 

サラもまた幽体になって大樹を見ていた。しかし、他が上を見上げているのに対してサラは大樹の幹に注目しており、腐敗もなく他の樹木と比べて大差がないので「単にこの木だけ季節が違うだけなのでは?」と考えを述べるのだった。

 

「大樹は、フェアベルゲン建国前から枯れていまして、聞くところによりますと誰も葉が生い茂る所を見たことがないのです。しかし、朽ちることはない。枯れたまま変化なく、ずっとあのまま…周囲の霧の性質と大樹の枯れながらも朽ちないという点からいつしか神聖視されるようになりました。まぁ、それだけなので、言ってみれば観光名所みたいなものですが……」

 

一同が疑問顔にカムが解説を入れた。それを聞きながらハジメはあるものを見つけて大樹の根元まで歩み寄った。それにつられてスバル達もハジメの後に続いた。

 

「これは……オルクスの扉の……」

 

「……ん、同じ文様」

 

石版には七角形とその頂点の位置に七つの文様が刻まれており、オルクスの部屋の扉に刻まれていたものと全く同じものだった。ハジメは確認のため、オルクスの指輪を取り出す。指輪の文様と石版に刻まれた文様の一つはやはり同じものだった。

 

「ハジメ、やっぱりここが大迷宮の入口じゃね?」

 

「だと思うけど、ここからどうするかだよな。」

 

スバルの問いかけにそう答えるハジメ、ここで当麻が「何か変わった所がないか、一回大樹の周りを回って来ます。」と言ってそれに賛同するかのようにスバル、士郎もついていった。残ったハジメ、ユエがそれぞれ大樹の根本、石版を観察していると、

 

「ハジメ……これ見て」

 

「ん? 何かあったか?」

 

ユエが注目していたのは石板の裏側だった。そこには、表の七つの文様に対応する様に小さな窪みが開いていた。

 

「これは……」

 

ハジメが、手に持っているオルクスの指輪を表のオルクスの文様に対応している窪みに嵌めてみる。

すると石板が淡く輝きだしたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「……結局、何もありませんでしたね。」

 

「だな。大樹の中に入れそうな穴も無かったし…やっぱりあの石版が怪しいよな、当麻。」

 

その頃、スバル、当麻、士郎の三人は大樹に沿って歩いているも、特に変わったこともなく、もうすぐ一周に差し掛かろうとしていた。すると、ここで、

 

「…?…何か光っているな…」

 

ハジメ、ユエ辺りが光っていることに気づいた士郎。顔を見合わせた三人はすぐさまハジメの所に駆け寄った。さらに周囲を見張っていたハウリア達も集まってきた。集まってきた一同で輝く石板を見ていると、次第に光が収まり、代わりに何やら文字が浮き出始めた。

 

そこにはこう書かれていた。

 

 

 

‘’四つの証‘’

 

‘’再生の力‘’

 

‘’紡がれた絆の道標‘’

 

‘’全てを有する者に新たな試練の道は開かれるだろう‘’

 

 

 

「……どういう意味だ?」

 

ハジメがみんなが思っていることを代弁するかのように呟いた。

 

『四つの証は……おそらく、他の迷宮の証のことではないでしょうか?』

 

それに答えるようにクロウが考えを述べた。それに続くかのようにサラが、

 

『再生の力……これは絶対お嬢様のことを指す指しているはずです! ほら、お嬢様の固有魔法の自動再生のことを!』

 

「えっ? 私?」

 

その考えに少し驚くユエ。試しにと、薄く指を切って自動再生を発動しながら石板や大樹に触ってみるが特に変化はなかった。

 

「…違うみたいですね師匠。」

 

『うぅ…お恥ずかしい…』

 

絶対合っていると自信があったための発言、しかし、実際は見当違いだったのか反応は無く、これにはサラも恥ずかしさのあまり少しだけしおらしくなった。

 

「それじゃ、紡がれた絆の道標ってどういうことなんだ?」

 

スバルが首を傾げていると、ここでシアが「はい、は~い」と元気よく手をあげた。

 

「紡がれた絆の道標…それは多分私たち…‘’亜人の案内人を得られるかどうか‘’ということではないでしょうか? 亜人は基本的に樹海から出ませんし、ハジメさん達みたいに、亜人に樹海を案内して貰える事なんて例外中の例外ですし。」

 

<………その線が濃厚かもしれん。>

 

シアの考えにレオンは静かに共感した。他のみんなも何となくそうかもしれないと思っていると、ここで士郎が首を傾げて眉をひそめながら口を開いた。

 

「枯れ木に…再生の力…四つの証……もしかして、四つの証って七大迷宮を四つ攻略してこいってことじゃないかな? なおかつ再生に関する神代魔法を手に入れてないとここの迷宮は開かない…」

 

「…そうかもしれないな…………はぁ~、面倒くさいが他の迷宮から当たるしかないか……」

 

士郎の推測に納得を示すハジメ。それと同時にここまで来て後回しにしなければならないことに落胆して大きなため息をついた。他のみんなもどこか残念そうにしていた。

とりあえず、ここを後回しにして、他の大迷宮を攻略しつつ、三つの証と再生に関する神代魔法を手に入れることに方針を固める一同であった。

 

ハジメはハウリア達に集合をかけて、集まったのを確認すると口を開いた。

 

「いま聞いた通り、俺達は、先に他の大迷宮の攻略を目指すことにする。大樹の下へ案内するまで守るという約束もこれで完了した。お前達なら、もうフェアベルゲンの庇護がなくても、この樹海で十分に生きていけるだろう。そういうわけで、ここでお別れだ。」

 

そして、チラリとシアを見る。その瞳には、別れの言葉を残すなら、今しておけという意図が含まれているのをシアは正確に読み取った。いずれ戻ってくるとしても、三つもの大迷宮の攻略となれば、それなりに時間がかかるだろう。当分は家族とも会えなくなる。

 

シアは頷き、カム達に話しかけようと一歩前に出た。

 

「とうさ「ボス! お話があります!」……あれぇ、父様? 今は私のターンでは…」

 

シアの呼びかけをさらりと無視してカムが一歩前に出た。ビシッと直立不動の姿勢であり、横で「父様? ちょっと、父様?」とシアが声をかけるも真っ直ぐ前を向いたまま見向きもしなかった。

 

「あ~、何だ?」

 

嫌な予感をしつつ、ハジメはカムに聞き返した。カムは意を決してハウリア族の総意を伝えた。

 

「ボス、我々もボスのお供に付いていかせて下さい!」

 

「えっ! 父様達もハジメさんに付いて行くんですか!?」

 

カムの言葉に驚愕を表にするシア、カム続けて言葉を発した。

 

「我々はもはやハウリアであってハウリアでなし! ボスたちの部下であります! 是非、お供に! これは一族の総意であります!」

 

「ちょっと、父様! 私、そんなの聞いてませんよ! ていうか、これで許可されちゃったら私の苦労は何だったのかと……」

 

「ぶっちゃけ、シアが羨ましいであります!」

 

「ぶっちゃけちゃった! ぶっちゃけちゃいましたよ! ホント、この十日間の間に何があったんですかっ!」

 

カムが一族の総意を声高に叫び、シアがツッコミつつ話しかけるが無視される。

このハウリア族の懇願にハジメは、

 

「却下」

 

「なぜです!?」

 

ハジメのあっさりした返答に身を乗り出して理由を問い詰めるカム。他のハウリア族もジリジリとハジメに迫る。

 

「目立つからに決まっているだろ。」

 

『『「「「「うんうん」」」」』』

 

ハジメがそう言うとスバル達はもちろん、ユエやサラ、クロウまでもが頷くのだった。それでもカムが「ですがっ!」と言って引かず、ハウリア達も同様に食い下がるのでハジメは仕方なく条件を出した。

 

「じゃあ、あれだ。お前等はここで鍛錬してろ。次に樹海に来た時に、使えるようだったら部下として考えなくもない」

 

「……そのお言葉に偽りはありませんか?」

 

「ないない」

 

「嘘だったら、人間族の町の中心でボス達の名前を連呼しつつ、新興宗教の教祖のごとく祭り上げますからな?」

 

「えー……!?」

 

「マジかよ……」

 

「お、お前等、タチ悪いな……」

 

当麻は引いており、スバルがすごく嫌そうな顔をして、ハジメは頬を引きつらせていた。

 

「そりゃ、ボス達の部下を自負してますから」

 

そう言って胸を張るように言うカムとハウリア達。これにはレオン、サラ、クロウの見守り組も次に樹海に戻った時が面倒そうだと思うのだった。

 

ちなみにシアは……

 

 

 

 

 

 

 

「ぐすっ、誰も見向きもしてくれない……旅立ちの日なのに……」

 

「…シアさん……改めて、別れの挨拶しような。」

 

傍で地面にのの字を書いていじけており、士郎だけが気にかけて慰めの言葉をかけているのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハジメ達、ハウリア達が大樹でしっちゃかめっちゃかしている頃、ヤツらは歩みを進めていた。

 

 

 

 

濃い霧が立ちこむ中、1歩、また1歩と歩み続け、確実に大樹に向かっていた。

 

 

 

 

そして、それは一人ではなかった。

 

 

 

 

100では収まらない何百の足音、装備している鎧が備えている武器に接触して出来る金属の音が静かな樹海に響き渡っていた。

 

 

 

 

それは、正しく軍であった。

 

 

 

 

そして、その軍が進む先の視界も少しずつ晴れて、大樹の前にいるハジメ達、ハウリア達、そして、ユエを捉えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「!!!!?」」」

 

「!?、師匠!!」

 

『ええ、わかっています。クロウ!』

 

『…来ましたね。』

 

最初に気づいたのはハウリア達と当麻だった。ハウリア達は後ろからくる大量の気配を感じ取ってハジメ達を守るように囲んで武器を構えた。それと同時に当麻も近づいている無数の気の流れを感じ取って構え、サラ、クロウはすぐさま当麻、士郎の身体の中に入り込んだ。

残りの者たちもハウリア達と同じ方を向いて身構えた。

 

そして、自分達が歩いてきた道だけでなく、そこから横一列になるように”ヤツら”は現れた。

 

「あれが、ウルク。」

 

「………………。」

 

ウルクを見たハジメはポツリと呟き、ユエは無言で見つめた。

 

”ウルク”、一見人間のような顔つきだが耳はエルフのような耳をもっており、肌の色も人と違って緑、茶色、黒、灰色等、様々であった。

身体の大きさにも違いがあり、細い者、筋肉質、でっぷり腹が出ているものなど個性が出ており、また装備にも個性があるのか、胴体を守るように寂れた鎧をつけている者おれば、上半身裸で腰巻きだけをしている者もおり、さらに武器も曲刀、棍棒、投げ槍、二刀流の手斧などそれぞれ違いが出ていた。

 

「…上にもいる、あれはクロスボウか?」

 

何かに気づき視線を上に向けて呟く士郎、ハジメがチラッと見上げると太い樹木の枝に矢筒を背負ったオークが立っておりその手にはクロスボウがあった。

 

「ん? ちょいちょい!? 右からやべぇデカ物が来ているんですけど!!?」

 

ハジメと同じく正面を見ていたスバルだが、ふと右側に視線を向けると約4、5メートルはある人型の生物が濃い霧からぞろぞろと現れ、オログと同じような個性ある肌色にその手には鉄で出来た太い塊の棍棒を手にしていた。

 

<あれはクロウが言っていたオログだ。並の人間なら簡単に手足を引きちぎられるぞ。>

 

「マジかよ、おい……というか、軽く100以上はいるぞ。」

 

そう言ってスバルは迫りくるオログ達に警戒を高めた。

スバルが右側からくるオログに気づいたとの同時に当麻が左側からくる何かに気づいた。

 

「こっちからも何か来ています…なんだろうアレは? 犬? ではないですね。ともかくかなりの数です。」

 

全長約4メートル、灰色の体色に強靭な筋肉に覆われ、爪は鋭く、口元は口外まで伸びた牙が並んでおり、特に犬歯が鋭く発達していた。見るからにヤバそうな四足歩行の獣が濃い霧からわらわらと現れたのだ。

 

『当麻、あれはカラゴル。トータスで生息する獰猛な獣の一種です。ウルク、オログ達はカラゴルを調教し、戦いに用いたり、あのように騎乗したりするのです。」

 

「へぇー、便利そうだけど、可愛くはないね。」

 

サラの解説を聞いて理解しつつ、率直にものを言う当麻。サラの言うとおり続々と出てくるカラゴルの近くには調教師なのかオログが控えており、ウルクに至ってカラゴルに跨って現れるのだった。

 

続々と自分達を囲むように現れるウルク、オログ達にハジメ達、ハウリア達に緊張が走る中、シアは

 

 

「あわわわ、ど、どうしましょう!?  ハジメさん、ユエさん!? 気配だけでも、ざっと1000、大樹の後ろからも来ています! 完全に囲まれてしまいました~!! いったいどうする…あぶっ!!?」

 

「…うるさい。ちょっと黙って。」

 

あたふたするシアを見かねたユエはおもいっきり脛を蹴り飛ばしてシアは黙らせた。シアは「す、すみましぇん~」と謝りながらその場で悶絶、ユエは気にせずハジメに問いかけた。

 

「ハジメ、これからどうするの?」

 

「ん? ちょっと考え中。」

 

周囲を見渡しながら即答するハジメ。慌てている様子も、悲観的な様子もなく妙に落ち着いていることに疑問に感じたユエ、するとここでカムが意気揚々と話しかけた

 

「ボス、ここは我らが先陣をきっで道を切り開きます! どうか、その隙に脱出を!!」

 

「ちょっと待て。俺が思うに…囲っている連中は俺たちの命が目的じゃないと思うぞ。」

 

ハジメの発言に近くにいたユエやシア、スバル達、カム達が「えっ?」と言いたげな顔でハジメを見た。

 

<ほぅ、その根拠は?>

 

レオンはどこか興味深そうにハジメに問いかけた。

 

「う~ん、クロウさんがオークについて説明したのを聞いたのと今、目の前にいるヤツらと色々当てあはまらないなと思って…暴力的かつ好戦的で残忍、悪知恵が働く…そう聞いていたのに今にいたるまで襲撃は全くないし、仮に今日襲うとしてもわざわざ霧の晴れた場所を選ばずとも、視界の悪い道中で襲うことも出来たのにそれすら無かった。現に今でも襲ってくるどころか、あんな高い位置にいるのに矢の一つ降ってこない。ここまでくると目的は俺たちの命じゃなく他にある…そう思っただけだ。」

 

そう言って今までの得た情報を照らし合わせ考察を述べるハジメ、その考察が当たっているのかハジメ達を囲っているオーク達は数十メートル距離を空けて止まっており、一向に動く様子がなかった。これを見たレオンはフッと笑って、

 

<短時間でここまで思考を巡らし的を射ているとは…流石はここのリーダーだ。>

 

そう言ってハジメの慧眼の高さを評価した。すると続けてスバルが口を開いた。

 

「そうなるとハジメ…結局のところ目の前のヤツらは何が目的なんだ?」

 

「…単純に話し合いだと思う。これだけのオークをまとめている以上、大将の一人や二人いると思って探しているのだが、どれもピンとこないな。」

 

そう言いつつハジメは周囲を見渡し大将らしきオークを探していると、急に正面のオーク達が左右に広がって道を開けたのだ。「なんだ?」と思って全員が注目すると、霧の奥からオログらしきシルエットがこちらに向かって来るのが見え、霧が晴れて姿がを現した。

 

現れたのは灰色の肌をもつオログ。獣の歯や牙をあしらった装飾品を身に付け、鉄の棍棒を持ち、威嚇するかのように歯を剥き出しながらゆっくりとこちらに近づいてた。

そして、このオログ最大の特徴は左肩辺りにオログが被るには少し大きな鉄仮面が乗っており、まるで自らの意志があるように動いていた。

 

これを見たカムは興奮して声をあげた。

 

 

「あれは…噂は本当だったのか!?」

 

「噂?」

 

首をかしげるハジメにカムは続けて口を開いた。

 

 

「はい、ボス! 実はヤツらの中に世にも珍しい双頭のオログがいるとフェアベルゲンで一時期噂になっていまして…平民どもは見てもいないのに大層恐れられてました。まさかこの目で拝むことが出来ようとは……どれほどのものか、確かめさせてもらいますか…」

 

そう言ってカムを筆頭に獰猛な笑みを浮かべて臨戦態勢にはいるハウリア達。一方シアはユエにしがみつきながら「や、やめましょ~父さま~」と情けない声をあげており、このシアの姿にユエは呆れてため息をついていた。

 

改めてハジメは眼帯を少しずらし、魔眼石を凝らして双頭のオログを見た。

 

「双頭のオログねぇ…」

 

すると何か分かったのか、みるみるうちに眉間にしわを寄せて胡散臭そうな顔で見るようになった。

そして、ユエも何か思い出したかのように「あっ」とつぶやいて、

 

「ハジメ、私アイツ見たことがある…」

 

「えっ、そうなのか? ユエ?」

 

「…ん。」

 

驚きの表情を見せるハジメ、それに対して静かに頷くユエ。すると全員の頭の中にクロウとサラの声が響いた。

 

『皆さん、この場は私とサラに任せていただいてもよろしいてしょうか?』

 

『あのオログは少々顔見知りでして……ハジメ殿、お嬢様ここはどうか…』

 

「…わかった。」

 

「…ん。二人とも気をつけてね。」

 

二人に対してハジメは静かに頷き、ユエはそう言って見送った。

 

「(なぁ、レオン。ユエやサラ、クロウが知っているということは、当然レオンも?)」

 

<(まぁ、知っているな…最も、片方はともかく、もう片方がこれだけの兵を従えさせているなんて、考えられないのだが…)>

 

「(えっ? どいうこと?)」

 

周りに聞こえないようにやり取りをするスバルとレオン、そんな最中クロウとサラは士郎、当麻に身体を借りる許可を得ると周りのハウリア達をかき分けて歩き出した。

 

 

 

オーク、オログの軍を従わせているであろうと思われる双頭のオログ、何か事情を知っており士郎、当麻の身体を借りて向かうクロウとサラ。二組はゆっくり歩みを進め

両者は互いに向かい合う形で対峙するのだった。

 

 

 

 





いかがだったでしょうか? 
あいも変わらず、スローペースで申し訳ございません。他の作品なら、この辺の話をササッと終わらせているのに、うちときたらダラダラ進めて、いや、本当に申し訳ございません。
本当はこの一話でもっと詰め込む予定でしたが読みにくいかなと思って、良いところで切り上げています。

さて次回は、双頭オログに対峙する、クロウとサラ。果たして、このオログの正体、ユエ達の関係とはいったい…?


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それでは今日はこの辺で、ではまた…
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