短いですが、どうぞ。
晩餐会が終わったその日の夜、ハジメの部屋にスバル、ハジメ、士郎、当麻の姿があった。
晩餐会が終わった後、ハジメは部屋に案内されて今日一日の怒涛の展開で疲れが出たのか早々に休もうとした所、スバルが士郎、当麻を連れて「話がある」とやって来たのだ。ハジメも疲れていたのか一度は断ったが、何度も頼んできたので渋々入れた。
ちなみに士郎も当麻もスバルに無理矢理連れて来られたのか、どこか不機嫌そうだった。
「で、話って何なの?」
どこか不機嫌なハジメがスバルに問いかけると、
「えっ? いや、話って言うほど話しはないんだけど……こうして4人集まった事でホッとしたというか、緊張が解けたというか……」
「用がないなら帰ってよ。」
「ひどい!?、せっかく親友が合いに来たのにそんな態度取るなんて。」
スバルの言葉に素っ気ない対応をするハジメ、そこに普段大人しいハジメはなく物事をハッキリ言う姿があった。最も友達の前だからこういう姿になっているかもしれないが、
「でも、スバル君。トータスに来てから大人しいかったですよね、いつもなら来た瞬間「うお~スゲー。」と言って走り回ってそうだし、メイド見ても「うおー生メイド!」と言ってそうなんだけど言ってなかったし。」
「それに光輝が戦争に参加するって言った時も嚙みつかなかったよな? いつものお前なら嚙みついてそうだし………。」
当麻と士郎が今日の出来事について、また、やけに物静かだったスバルの様子を思い返すのだった。
「当麻……俺を犬かと思ってないだろうな? まぁ、俺だって最初は色々期待はしたさ。でもイシュタルとこの世界の現状を知ってから、どうも素直に喜べなくて…むしろ危機感を感じたぜ。」
「危機感?」
スバルの言葉に当麻は聞き返した。
「ああ、この世界の人間はエヒトっていう神を崇めているだろ? 別に神の一つや二つ、崇めるのはいいんだけどよ…このトータスの人間は異常までに崇めている。あのイシュタルって奴も「神託だ」と言って全く疑うどころか信じ切っていた。この調子だと、もし、神託が来てクラスの連中に「アイツらは異端者だ、すぐ殺せ」っていうのがきたら周りの連中は何の迷いもなく実行するだろうな…」
スバルが言う危機感に驚愕し、ハジメも「ありえるね…。」と言って苦々しい顔をするのだった。
「あと、士郎。光輝の件だが、俺だって最初は不満はあったさ。でも、あれはあれで良かったと思う。」
「ええっ!? 戦争することに賛成だっていうのか?」
「ちげぇよ、戦争することは反対だけどよ、あの場の混乱を止めたことにだよ!」
士郎の勘違いに勢いよく否定するスバル、そして、一呼吸おいて話を続ける。
「いいか、俺達は別世界から召喚された。それがエヒトなのか分からないが何らかの魔法や術、未知なる力がこの世界にあるってのは確かだ。そんな世界だからこそ人を操る力が一つや二つあってもおかしくないんだ…もし、あのまま全員で抗議を続けていたら………」
「操られていた……。」
「そういうことだ、流石はハジメ君。オタクの知識と発想が生かされているよね~」
「それ、褒めているの?」
「俺は褒めているつもりだぜ。」
スバルの言葉がどこか小馬鹿にされたような感じがしてシド目でスバルを見るハジメ。
「なるほどね。色々考えていたんだなスバルは…というか普段から何故その落ち着いた様子を見せないんだ?」
士郎は意外にもスバルの思慮深さに感心するも、何故それを普段からしないのか尋ねると、
「そりゃあ、安心できているからだよ。元の世界は少なくとも安全な場所だろ? だけどこの世界…トータスは俺らにとって知らない所で未知なる所、元の世界より危ない所かもしれない………危ない所ではしゃいでも危ないだろ?」
スバルの言葉に「何だよそれ」と言って笑う士郎。ハジメ、当麻もつられて笑っていた。
「そして、俺にとって安心する場所、それは……………ここだ。」
そう言ってスバルはハジメ、士郎、当麻を見渡した。このトータスに来てスバルが一番安心する場所、それは他ならぬハジメ、士郎、当麻、そして自分を含めて小学校の幼馴染四人が集まるこの場所なのだ。それは三人にも言えたことだ、もちろんクラスにも信頼できる人物はいる。だが、今一番に信頼できる人物は、目の前にいるのだ。ここにいる誰もがそう思った。
そして、四人は一言も喋ることなく、どこか嬉しそうにお互いを見渡した後にスバルが勢いよく立ち上がった。
「まぁ、せっかく異世界に来たことだし、何か異世界っぽいことするか。ということで今から中庭に行かないか?」
「中庭? 中庭で何するの?」
ハジメは首をかしげるとスバルは「やってみたいことがあるんだ。」と言って先に部屋のドアの前に立った。
「お前ら先に中庭に行っといてくれないか? 俺は少し準備をしてくるぜ。」
そう言って先に部屋から飛び出すのだった。
いかがだったでしょうか?
次回で、ようやく長い一日が終わります。