イリヤと不死身のサーヴァント【完結】   作:水泡人形イムス

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第七話 Welcome 幻想郷

 

 

 

 反英雄異変から半月が過ぎた。

 7月も下旬を迎え――外の世界の学生も夏休みシーズン! 全国の少年少女がワクワクを高まらせている頃だろう。

 一方、八雲紫は死にかけていた。

 過労死寸前だ。

 冥界、白玉楼にて親友の西行寺幽々子に膝枕されながら、ぼんやりと庭を眺めている。

 桜の木々はすっかり緑の葉に彩られ、冥界らしく空気もひんやりしているので居心地もいい。

 

 反英雄異変で新たに追加されたサーヴァント三騎――それが八雲紫を過労死寸前に追いやった原因である。別に、身勝手に暴れ回った訳ではない。むしろ三人とも落ち着いて話のできる相手だった。それはいい。いいのだけど。

 

 冬眠中、結界にちょっと外の世界と繋がる綻びができてて。

 そこにハマった藤原妹紅が外の世界で聖杯戦争なんかやって来て。

 大聖杯経由で幻想郷に戻ってくるなんて意味不明な荒業をした挙げ句。

 外の世界の元マスターから強く想われているサーヴァント三騎も連れ込んで。

 冬眠明け、結界にエラーが生じてないか総チェックしたはずなのに。

 7月の頭、ほんの僅かな縁をたどってバゼットが幻想郷に迷い込み、アンリマユもついてきた。

 そのせいか結界が『聖杯戦争を再現』しようとする誤作動を起こしてしまった。

 シャドウサーヴァントとして出現したアサシン、キャスター、ライダーを打倒。

 バゼットとアンリマユを送り返して一安心――と思いきや、なんか、バグった。

 アンリマユと入れ替わりに、シャドウサーヴァントの残滓を触媒に英霊が再召喚。

 冬木の記憶を持ったままのアサシン、キャスター、ライダーがこんにちは。

 その後も結界は異常をきたしており、下手したらアラヤに介入される恐れもあった。

 人間ばっかり贔屓するアラヤなんか大嫌いだ。

 それからもう連日連夜の結界修復作業をしつつ、不安なサーヴァントの監視もしている。

 そして今日、過労死寸前となりながらも作業を終えた紫は、親友に癒やされに来たのだ。

 

「英霊なんてもうイヤ……いっそ"影の国"にでも送りつけてやりたいわ……。あそこの女王なら喜んで引き受けてくれるはずよ、少なくとも一人は確実に」

「はいはい、お疲れ様」

「幽々子ー、もっと撫でてー」

「はいはい、今日は甘えん坊ねえ」

 

 冥界の涼風が心地いい。幽々子の冷たい手も心地いい。

 いっぱい苦労をしたのだから、今はたっぷり夢心地を楽しんでいいはずだ。

 しばらく英霊なんか見たくもない……。

 

「あっ、紫様。こんにちは」

「おお賢者殿。今日も良き日和よな」

 

 …………白玉楼の庭を、庭師の妖夢と、アサシンのサーヴァントが歩いていた。

 

「……こんにちは。ねえアサシン、なんで冥界にいるの?」

「これは異な事を。我等は過去の亡霊、冥界にいるのは当然であろう?」

「…………」

「いや、実を言えば妖夢殿に誘われてな、たびたび剣を交えておるのだ」

「…………アラヤも聖杯もマスターも無い貴方達にとって、妖夢の剣は特攻なんだけど……」

「すでに二度も朽ち果てた身。斬られたらそこまでというだけの事よ」

 

 これだから武士やら戦闘狂やらは面倒なのだ。

 平然と死の淵に飛び込んで、死の淵の世界を引っ掻き回した挙げ句、しれっと生還する。

 

「幽々子様、紫様。これからアサシンが燕を斬りに行くのです。よろしければご一緒しませんか」

 

 紫のテンション低下にまったく気づいてない妖夢が、元気いっぱいにはしゃぐ。

 あまりにもアホらしい誘いは、紫のテンションをますます下降させた。

 

「私は結構。燕、斬れるといいわね」

「はい!」

 

 妖夢はアサシンを連れて意気揚々と歩き出した。

 それらを見送って、紫は幽々子に訊ねる。

 

「ねえ。妖忌って燕を斬った事はあったかしら?」

「妖忌はそんな事しないわよ。食べもしないのに可哀想じゃない」

 

 

 

 冥界を降りて小高い丘の上にある一本桜の元にアサシンと妖夢が向かうと、そこにはもうポニーテールに半袖の妹紅と、相変わらず腰巻き一枚のバーサーカーが座り込んでいた。暢気におにぎりなんか食べている。

 

「ようアサシン。お前達の飯も持ってきてるぞ」

「かたじけない。これは、気合を入れて剣を振るわねばなるまいな」

 

 アサシン――長き修練の果て、燕を斬るに至った男。

 それを聞いた妖夢はなかなか信じようとせず、妹紅も妹紅で「嘘だとは思わないけど、やっぱり信じ難い気持ちもある」などと言うものだから、こうして実演のため集まったという訳だ。

 幸いこの辺りを燕が通るので、餌台を作って米粒もばら撒いておいた。

 こんな事しているとどこぞの夜雀にバレたら、焼き鳥撲滅運動の名の下に撲滅されてしまうかもしれない。でも雑魚妖怪だしほっといていいや。

 四人はしばらく、歓談をしながら燕を待つ事にした。一人は喋れないが。

 

「いやあ……しかし(まこと)、摩訶不思議な巡り合わせもあったものだ。聖杯戦争の次は幻想郷。魑魅魍魎が明るく楽しく跳梁跋扈し、剣を振るう相手にも事欠かぬ。何より自由なのがいい。自由に歩き回れるのがとてもいい!」

「紫様は色々仰ってますけど、私も剣を競えるサーヴァントが増えてとても楽しいです。弾幕ごっこも楽しいですが、純粋な剣の勝負こそ私の本分」

 

 意気投合してしまった侍ボーイ・ミーツ・侍ガール。

 アサシンは柳洞寺の山門を触媒にルール破りで召喚されたためあの場所から離れる事ができず、冬木の街を観光する事すらできなかったらしい。おかげで幻想郷に来てからは定住もせず、あっちへフラフラ、こっちへフラフラ。

 

「もぐもぐ……いやあ、妹紅の握り飯などいつ以来であろうな? いや、あの頃は粟飯だったか。うむ、塩加減も丁度いい。竹筒の麦茶も心強い援軍よ」

「まったく、お前こんな食い意地の張ったキャラだったか?」

「花鳥風月を楽しむ際、馳走と酒は欠かせぬものであろう?」

「こちとらここんとこ、ずっと金欠でそれどころじゃないよ」

 

 トホホと肩を落とす妹紅。

 バーサーカーがその肩を撫でて慰めようとし、ぐしゃりと押し潰しかける。

 妖夢はおかしくなって笑い声を上げ――アサシンが「静かに」と皆を制止する。

 

 空に、燕が。

 

 

 

 アサシンは音もなく立ち上がると、息を殺しながら餌台に近づく。

 気配は無く、彼は普段の着物姿のままだというのに景色の中に溶け込んでいた。

 燕が舞い、こちらに寄ってくる。

 アサシンの手が刀を抜き、構え――。

 燕が来る。

 

「――燕返し!!」

 

 三つの斬撃を同時に放つ、剣の極地。

 回避不能の絶対包囲網が燕に迫る。

 その流麗なる剣の姿に、妹紅と妖夢、そしてバーサーカーも息を呑み――。

 

 ひらりと、燕は剣をすり抜けるようにして餌台に舞い降り、米を一粒さらって飛びっ立った。

 

 沈黙が流れる。

 最初はその剣さばきに感心した妖夢だが、今は瞳が呆れによって曇っている。

 妹紅としては、まあ失敗する事もあるかと楽観に受け取っていたが――。

 

「クッ――ふふふ、ふはははは。そういう事か」

 

 なぜかアサシンは笑い出した。

 

「数十年の歳月を経て、燕を斬るに至った我が剣。されど燕はその後、さらに数百年も空を飛び続けていたのだ。ならば、私の古臭い奥義を飛び越えるくらいの芸当、やってのけよう」

「……おい、アサシン?」

「ならば私も再び剣を極め、進化した燕を再び斬り落としてみせよう! 今度は四本同時に剣を振るうか、それとも空間を切り取る? 時間をさかのぼる逆光剣の道もあれば、因果そのものを断つというのも――」

「おーい、聞こえてるかー?」

「幻想郷の燕ェ!! そなたは私にとっての新たな光だ!」

「いかん、アサシンがおかしくなった」

 

 困惑する妹紅達を置いてきぼりにして、アサシンの心は大空へと羽ばたいていた。

 燕の上をアサシンが行けば、アサシンの上を燕が行く。そのような切磋琢磨を繰り返すライバルとの再会に感謝しながら、アサシンの長く険しい修行の日々は始まるのだった。

 

 

 

「ただいま帰りました」

「おかえりなさい妖夢。どう? 燕は斬れた?」

「斬れませんでした」

「それは残念。まあ燕を斬るなんて、剣で出来る芸当じゃ――」

「燕って多重次元屈折現象くらいじゃ斬れないのですね。勉強になりました」

「……………………えっ?」

 

 いくら燕でも多重次元屈折現象を起こせば斬れるわという疑問と、燕を斬るために多重次元屈折現象を起こすなんて無理ではという疑問により、八雲紫の休息中の頭脳は再び加熱するのだった。

 

 彼女達は知らない。幻想郷で弾幕ブームが起こるや、ひっそりとそれに交じって弾幕の隙間を飛んで遊ぶ燕の存在を! 未だ難易度ルナティック初見ノーミスクリアを余裕で続けている燕の存在を!

 そしていつか燕は挑むだろう。

 紺珠伝や弾幕アマノジャクはもちろん、さらなる進化を果たす燕返しに――。

 

 

 

       ◆ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 紅魔館――霧の湖の湖畔に建つ、悪魔の住まう真っ赤な館。

 サーヴァント・ライダーはそこに就職した。

 

 他の英霊と違ってライダーは反英雄であり、英霊に敵対する魔物に近い存在である。通常の聖杯戦争では召喚されないのだが、なにせアンリマユのせいでバグっていたのと、間桐家の雰囲気がジメジメ陰湿的で暗かったせいで、彼女のような存在も召喚できてしまったのだ。

 そういう意味で他の純正な英霊より、幻想郷に馴染みやすい存在と言えなくもない。人に仇なす妖怪のための楽園なのだから。

 

 そんな訳で、今日も今日とてライダーは働く。

 先輩の小悪魔と同じ白いブラウスの上にネクタイをビシッと決めて、黒いベストとスカートで上下を整えている。目元は相変わらずバイザーで隠しているが仕事に支障はない。

 抱えているのは山積みにされた本。怪物の筋力の前では軽いものだが、ちょっとだけバランスを取るのが大変かもしれない。

 テーブルにて黙々と読書していた魔女、パチュリー・ノーレッジはそんな彼女を見てしみじみと呟く。

 

「まさか、うちであのメドゥーサが働くようになるなんてねぇ……」

「パチュリー。どうか私の事は、ライダーと」

 

 紅魔館の地下にある大図書館。そこがライダーの職場である。

 メイド服を着て家事とかはしない。

 司書としてパチュリーの小間使いばかりしている。

 

「本はいいものです。本に囲まれて仕事をし、休憩時や空き時間は本を読み放題。まさに楽園」

「気持ちは分かるわ。私も本の虫だもの」

 

 紅魔館の食客であるパチュリーは、当主の吸血鬼から地下図書館の管理を任されている。そのため食客ではあるがライダーの直属の上司と言えよう。

 

「それに、紅魔館は()()()()で美味しいですし」

「そう考えると、紅魔館で働くのは天職かもね」

 

 吸血種であるライダーは生き血を啜る事によって魔力を蓄えるし、血の味を悦楽とする。

 そしてここの当主は吸血鬼。普通の食事も楽しむが、新鮮な血液を確保する独自ルートを所有している。

 

「レミィったら、メドゥーサなんか雇ったものだからテンションが上がっちゃって参るわ。聖杯戦争に興味を持って召喚術式を調べてるみたいだけど、さすがに幻想郷でやる訳にもねぇ……」

「妖怪の賢者に叱られますよ」

「念のため、幻想郷の結界に影響を与えない召喚システムでも考えておこうかしら? アラヤの干渉を受けず、英霊の情報だけコピーする……うーん、無理ね」

 

 なんだかんだレミリアに甘いのがパチュリーだ。無茶なお願いをされても可能なら手を尽くそうとするし、無理だと思っても学術的好奇心から試したりもする。

 不可能だとは思うが、もしサーヴァント召喚がされたら絶対に妖怪の賢者がキレる。その辺の舵取りは恐らくパチュリーががんばってくれると信じよう。

 

 しかし――間桐の家と違い、紅魔館のなんと和気藹々としている事か。

 未だ新参者のライダーは疎外感を抱きながら、パチュリーの読み終えた本を本棚に戻しに行く。

 

 そもそも聖杯戦争においても、自分だけ微妙に疎外感があった気がする。

 戦いに深く踏み入らず、間桐慎二の命令に従って衛宮士郎に粘着していただけというか。

 そして道半ばにしてセイバーに敗れ――。

 気づいたら幻想郷にいた。

 

 間桐桜の事が心配だが、今の自分が幻想郷から出ても"座"に引っ張られて強制送還されてしまうだけ。幻想郷で細々と暮らしながら無事を祈るしかない。

 アヴェンジャーを名乗っていた不死人、妹紅が言うには――。

 

 

 

『ハゲ爺は叱りつけてやったし、桜ちゃんも元気そうにしてたから安心しろ。お前のマスターは焼き殺しちゃったかも、すまん』

 

 

 

 だそうだが、どうにも態度が軽く信用し難い。

 桜が人前で元気そうにしていた――というのは希望を感じられたが、もう少し、情報が欲しいところだ。

 図書館で働き出して気づいた事だが、紅魔館は独自に外の世界とのコネを持っている可能性がある。その伝手を利用できないかとも思案しているが……。

 

「……あっ」

「……どうしました?」

 

 パチュリーが本棚の上を見上げているのに気づき、ライダーもその視線を追ってみると――。

 空色の髪の小さな女の子がコウモリの翼を広げつつ、ライダーに向かって飛び降りてくるところだった。

 

「ぎゃおー! たーべちゃうぞー!」

 

 紅魔館当主、レミリア・スカーレットだ!

 すでに500年を生きる吸血鬼だが、妖怪の精神年齢と外見年齢は密接な関係がある。成長する事をやめたレミリアの精神性はお子様のままであり、肉体的にも小学校低学年くらいの姿だ。

 そんな子供に飛びつかれ、ライダーは慌てて抱きとめるや全身を硬直させた。

 

「お、おお、お嬢様…………飛び降りるのは、いけません」

「アハハ。ライダーは本当に背が高いわねぇ」

 

 無自覚にトラウマをえぐりにえぐってえぐりまくるレミリア。

 ライダーは本来、二人の姉と同様に永遠の少女となるはずだった。しかし一人だけ成長する特性を持ってしまい、小さくて可愛い姉二人と違ってグングンと背が伸び、イジメられるようになってしまった。

 姉もこのように飛びついてくる事があった。石化させた戦士の像をよじ登って、その天辺からメドゥーサに向かって。

 もちろん最愛の姉を避けて地面にダイブさせるなどできるはずもなく、ライダーは律儀に姉に弄ばれるがままにしていたのだが、それでも毎日いびられてばかり。

 ――――そんな、幸せな日々を思い出す。

 

「クスクスクス。ライダーはお姉様なんかより、私を担ぎ上げればいいのよ」

 

 思い出していたから、地を這うように接近していた第二陣に気づけなかった。

 悪魔の妹、フランドール・スカーレットのエントリーだ! 金色の髪に宝石のような羽を持つ不思議な女の子である。

 ライダーの足にしがみつき、腰へとよじ登り、上へ上へと目指してくる。

 その行為は二人の姉を連想させると同時に、狂おしいほどの情動を湧き上がらせた。

 

(――――か、可愛い)

 

 小さくて可愛い。無邪気で可愛い。プニプニしてて可愛い。

 やはり女の子とは小さい方が良い。小さい方が可愛いのだ。

 それに引き換え自分ときたらどうしてこんなデクの棒に育ってしまったのか!

 吸血鬼の姉妹が左右の耳元できゃあきゃあ騒いでいる。

 パチュリーが呆れ口調で何か言っている。

 でもそんなの耳に入ってこない。

 

 まるで、上姉様と下姉様に弄られているみたいで。

 可愛い主と多数の本に囲まれたライダーは、外の世界に残してきたマスターに申し訳ないと思いつつもされるがままにされまくって思考を蕩けさせてしまう。

 楽園はここにあった――。

 

 

 

       ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 地獄はここにあった――。

 場所を変えて冬木市、深山町、衛宮邸にて、予想もつかぬ事態が展開していた。

 頼もしきサーヴァント達が勝ち取ってくれた日常はあっさりと崩れ去り、今後の冬木での生活は過酷なものになるだろう。

 玄関先で呆然と立ち尽くす衛宮士郎の隣で、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンも立ち尽くしていた。ショック度合いはむしろ彼女の方が大きい。一番の被害者なので。

 

「どうも。冬木教会に派遣されてきたカレン・オルテンシアと言います」

「こんにちは。教会でお世話になっているギルです」

 

 聖堂教会から派遣された新たな監視者であるアルビノの少女が、聖杯戦争の勝利者である士郎に挨拶へやって来たのだ。だが問題はカレンの隣にいる金髪の少年である。

 少年はイリヤよりちょっと年下くらいかなって年頃だが、なんか見覚えのある身体的特徴に、なんか聞き覚えのあるお名前だ。

 

「あははー、やだなぁ、そんな怖い顔しないでくださいよ。大人の僕がやった事を考えれば仕方ないかなーとは思いますけど」

「り、り……リズー! 賊よ、賊が来たわ! 今すぐ殺しなさい!」

 

 確信を得るやすぐに声を上げるイリヤ。

 一秒後、ハルバードを抱えたリズが庭側から回り込んで玄関までやって来た。

 そして子ギルを発見するやハルバードを振りかざす。何せこいつのせいでアインツベルン城は倒壊した挙げ句、セラとリズは死にかけたのだ。もはや論じる余地なく敵!

 同時に、カレンの手から赤い布が伸び――あっという間に士郎を絡め取って告げる。

 

待て(ステイ)

 

 犬を躾けるような物言いだが、士郎を人質に取られてはリズも止まらざるを得ない。

 ホムンクルス二人は剣呑な眼差しを向けるも、シスター・カレンはひたすらマイペース。

 

「ご心配なく。このサーヴァントは不完全な霊基で復活したところを、さらに容赦なく破壊されたせいでもはや修復不能。大人に戻る事はありませんし、宝具を使う事も不可能です」

「そうなんです。いやー、参っちゃうなぁ。財を失った訳じゃないけど、蔵と繋がらないんじゃ無いも同然だし。まあ霊基がボロボロになったおかげで、こうしてカレンさんの魔力だけで現界できるんだけど……」

 

 二人の話を信じるなら、英雄王だったサーヴァントはもはや脅威ではない。

 無いけれど……イリヤとしてはアインツベルン城を破壊した怨敵だし、最終決戦の場でもこいつが余計な事をしなかったら、もしかしたら、あの場にいた三人のサーヴァントをこの地に繋ぎ止められたかもしれない。

 

 だというのに!

 なぜバーサーカーでも! モコウでも! セイバーでもなく!

 こんなクソガキが残っているのか!

 

 もしセラとリズが無事でなければ、会話すら許さず問答無用で殺していたに違いない。

 包丁で胸を掻っ捌いて心臓をえぐり出して一生懸命に握り潰したに違いない。

 

「そう怖い顔しないでください。力も宝具も失い、無力な子供になってしまった僕にできるコトなんて……」

 

 ヒラリと、子ギルは数枚のチケットを取り出した。

 

「僕が所有するレジャー施設『わくわくざぶーん』の優待チケットを人数分プレゼントするくらいですから」

 

 霊基ボロボロ再起不能になっても色褪せぬ黄金律――。

 その圧倒的パワーにより冬木市の経済は活性化し、遠坂凛の副収入も増え、ガス会社の株価も回復し、冬木教会は予算潤沢になったりするのはまた別の話。

 

「――まあそのうち霊基に限界が来て消滅しますから、それまでよろしくお願いしますね。イリヤさん」

「いっ……いやぁあぁぁぁあぁぁぁ!?」

 

 受け入れられない現実が押し寄せて、イリヤの絶叫が深山町に響く。

 カレンの持つマグダラの聖骸布に捕縛されたままの士郎は、鼻と口を塞がれているためモガモガと苦しげに呻いていた。彼にとってはギルよりカレンの方が難敵かもしれない。

 

 それはそれとして優待チケットはもらった。

 後日、家族水入らずで水遊びをした。

 

 

 

       ◆ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 幻想入りしたサーヴァントが各々の形で幻想郷ライフを楽しむ中、ただ一人、静かな日々を送る者がいた。

 契約が解除され、聖杯もマスターも存在しない今、外の世界に戻る事はできない。

 その一点に嘆き、生き甲斐を喪失した女が人里で暮らしていた。

 

「――慧音先生。おはようございます」

「ああ、おはようございます、キャスターさん」

 

 寺子屋の教師、上白沢慧音の家に居候しているサーヴァントが一人。

 冬木で人前に出る際はいつも着ていたローブを脱ぎ、洋装のまま生活している。不慣れな日本家屋での生活には苦労しているが、それでも掃除や洗濯はなんとかこなせていた。

 本来サーヴァントを人里に住まわせては妖怪の賢者が良い顔をしないのだが、他に引き取り手が無く、こうなってしまった。

 

 キャスター。コルキスの王女、裏切りの魔女、メディア。

 彼女が幸せになるためのモノは、幻想郷に存在しない。

 すっかり無気力になった彼女は、第二の生など興味も無いと、みずからの魔力を消費し切って消滅しようとした。だが――。

 

 

 

『お前のマスター、葛木宗一郎って奴だろ? 殺さず敗退させておいたから安心しろ』

 

 

 

 妹紅の言葉に、未練を抱いてしまった。

 結界によって隔絶された世界とはいえ、同じ国、同じ空の下で、あの人が生きている。

 そう思うと、自殺する気力すら萎えてしまうほど胸が苦しくなった。

 しかしだからとて外の世界に行く方法もない。英霊の中でも五指に入ると言われる魔術師であっても、すでに世界の理から外れ、幻想郷に入ってしまった自分では――。

 そんなキャスターの身を案じたのは妹紅とバーサーカーだ。妹紅にとっては実力を認めた強敵であり、バーサーカーにとっては旧友である。

 なんとか住める場所を探してやろうと気を遣ったが、妹紅は元々交流が狭い人間。

 妖怪の賢者も、キャスターに魔術工房を作られたら幻想郷を揺るがす行為をするのではないかと不信の念を抱いている有り様。

 

 幻想入りして、部外者のサーヴァント達が受け入れられているにも関わらず、自分だけは――。

 

 そのような自虐を抱いたキャスターに手を差し伸べたのが慧音だった。

 慧音宅、及び寺子屋の清掃など、ちょっとした下働きを条件にキャスターを自宅に下宿させ、衣食の面倒まで見ている。

 食事の支度は基本的に慧音が行っている。キャスターはあまり上手に作れないので。

 

 ――慧音の世話になりっぱなし。

 

 そう自覚しても、キャスターは下働き以上の貢献をできないでいた。ふとした拍子にこの世から消えてしまおうとさえ思ってしまう。そのたび、遠い空にいる葛木宗一郎を想うのだ。

 

「……ところで慧音先生。私なんかを住まわせて金銭面は大丈夫なの? 私はサーヴァントだから衣食住は必要ないの。……迷惑なら、放り出しても……」

「何を言う。妹紅だって不老不死だけど衣食住は整え……と、整えているし、他のサーヴァントの皆さんもその辺はしっかりしている。……バーサーカーさん以外は」

 

 一番親しい竹林組だけ評価が酷い。酷いけど事実だから仕方ない。

 ランサーとライダーはしっかり定住しているし、アーチャーとアサシンは気ままに放浪しているし、バーサーカーはバーサーカーだし。

 キャスターは自分だけ置き去りにされている気がし、いつか、自分は消えてしまうのだろうと予感した。ほんの短い間、自分の願いは叶っていた。ならばその想いを胸に世界を去るのが一番ではないかと……。

 

 

 

 慧音と共に寺子屋に向かったキャスターは、彼女が授業をしている間、縁側に座ってぼんやりと庭を眺めていた。

 柳洞寺を思い出す木造建築。しかしそれが人里としてたくさん並んでいるとなれば、そこはもう知らない国。異世界に迷い込んでしまった気分だ。実際異世界なのだが。

 聖杯から付与された日本の知識はあくまで現代のもの。明治前後から停滞している幻想郷文化ではたいして役に立たない。

 どこかで蝉が鳴いている。日本人は虫の音を風流と感じるらしいが、自分はそうは思えない。

 

 ――あの人も、風流と感じたのかしら。

 

 じっとしていると嫌な事ばかり考えてしまう。かといって授業中に掃除なんかして騒々しくする訳にもいかない。

 教室内からは慧音の声が聞こえる。日本の歴史についてあれこれ語っていた。幻想郷が成立する以前の、外の世界の歴史だ。

 

 ――あの人も、こんな風に授業をしていたのかしら。

 

 気が滅入る。こんな思いをし続けるために、自分は幻想郷に迷い込んだのだろうか。

 暗く沈んだ視界の端に、小さく動く影を見つける。

 

 猫が、木陰からじっとこちらを見ていた。

 

「…………別に、何もしないわよ」

 

 語気がつい強くなってしまい信憑性が欠けてしまった。

 猫はしばしキャスターを見つめていたが、ニャアと鳴いて寺子屋の垣根を飛び越えて姿をくらましてしまった。――尻尾が二本あったのは見間違いではないだろう。

 

 監視されている。妖怪の賢者を名乗る連中から、神代の魔術師が幻想郷でよからぬ企みをするのではないかと――裏切りの魔女が謀略を巡らすのではないかと――。

 狂気に落ちたバーサーカーも、怪物であるライダーも、いるというのに。

 

「どうして、私だけが……!」

 

 自分の味方なんていない。

 慧音の存在を頭から締め出しながら、そんな風に自分を呪ってしまった。

 

 

 

       ○ ○ ○

 

 

 

 てくてくてくてく。

 キャスターが博麗神社を歩いていると、アサシンが手水舎の前で暢気に歌っていた。

 ふんふんふーん。

 キャスターの魔の手から逃れ、すっかり自由となったアサシン。幻想郷ライフをエンジョイ。

 ムカムカして、腰を蹴り飛ばしてやる。

 ぎゃあと悲鳴を上げて、アサシンは手水舎に頭から突っ込んだ。ざまあみなさい。

 ところがおやおや、不思議な事にアサシンの身体は手水舎の中にズブズブ沈み続けていく。

 人が入れるほど大きくなかったはずだ。

 キャスターが手水舎を覗き込もうとすると、ザッパーン! なんと、手水舎からステキな女神が飛び出してきたではないか。

 頭に赤い星を載せた、赤い髪の女神。我が魔術の師、女神ヘカーティア様ではないか!

 ――Welcome Hellと書かれたTシャツはなんなのだろう。

 

「わよんわよんわよん。メディアちゃんが落としたのは、こっちの超絶美形なお侍?」

 

 ザッパーン。

 赤いヘカーティア様の右側に、黄色いヘカーティア様が手水舎から飛び出してきた。しかもご丁寧にアサシンを抱きかかえていらっしゃる。

 

「それともこっちの一見枯れてる落ち着いた所作の大人の男性?」

 

 ザッパーン。

 赤いヘカーティア様の左側に、青色のヘカーティア様が手水舎ら飛び出してきた。しかもご丁寧に葛木宗一郎を抱きかかえていらっしゃる。

 

 キャスターは瞳をキラキラ輝かせながら、祈るように手を組んで答えた。

 

「はい! そちらの一見枯れてる落ち着いた所作の大人の男性ですヘカーティア様ぁー!」

「わよんわよんわよん。嘘つきなメディアちゃんには、イアソンを与えましょう」

 

 ザッパーン。

 赤いヘカーティア様の前から、夢とかロマンとか追い求める感じの、金髪の好青年が現れた。

 女神アフロディテの呪いによって妄信的なまでに愛し、度を超した献身を捧げてしまったかつての夫、イアソンである。

 

「という訳で『Welcome 幻想郷☆ドキドキクイズ』は、博麗神社からお送り致しました。さよーならー」

「ま、待ってヘカーティア様! やり直し! やり直しをー!?」

 

 しかし三人のヘカーティアはイアソンだけを残し、アサシンと葛木宗一郎を連れて手水舎の中に戻っていくのでした。

 残念、バッドエンドです!

 

「…………む? キャスター?」

 

 悪夢の終わり際、葛木宗一郎はキャスターの姿に気づき、呟いた。

 

 

 

       ◆ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 悪夢から目を覚ます。…………なんだ、どういう夢だったのだ、今のは。

 師であるヘカーティア様が手水舎から現れて、変なTシャツを着ていて、葛木宗一郎を――。

 あまりにも頭の悪い夢を見た羞恥から、キャスターはぶんぶんと頭を振る。

 

 いつの間にかうたた寝をしていたようだ。

 教室からはまだ、授業の声が聞こえる。 

 退屈で怠惰で無為な日々は、いつまで続くのだろう。

 

 

 

       ◆ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 妙な夢を見てから数日後、寺子屋が休みを迎え、キャスターは退屈な一日をどう潰そうか思案していた。とりあえず慧音の家でぼんやりしていようとしたのだが……。

 

「こんないい天気なのに、部屋に閉じこもっていては身体に悪い! 少ないが、これは寺子屋の下働きを手伝ってくれた給金だ。せっかくの休日、存分に羽を伸ばしてくれ」

 

 と、慧音に追い出されてしまった。

 どうしたものかと困りながら、幻術で耳を隠し、服装も浴衣に見えるよう調整する。

 そうして当てもなく人里の散策を始めるキャスターだった。

 

 適当に人の流れに乗っていたら、色んなお店が並ぶ大通りに来てしまい、キャスターはさっそく疲れた気分になってしまった。

 誰もが活気に満ち溢れ、楽しそうに日常を謳歌している。

 

「いらっしゃいませー」

 

 通りかかった茶屋から、ランサーの景気のいい声が聞こえた。

 チラリと覗いてみれば着物の上からエプロンを着用し、接客に勤しんでいる。

 ――遠いと、キャスターは感じた。自分はあんな風に生きられない。胸に空いた穴を埋めない限りきっと、何もできないのだ。

 

 もうしばらく歩いていると、女子供が集まってきゃあきゃあと声を上げていた。

 何だろうと思って近づいてみると、通りの一角を使って人形劇が行われていた。

 人形を操るのはフリフリのドレスを着た金色の髪の美少女で、幻想郷で会ったどんな少女よりも可愛らしかった。

 そんな少女が操る人形もよく出来ており、少女と同じく金色の髪に青い瞳が美しく、キュートなエプロンドレスを身にまとい、数体並んで軽やかに踊っている。

 少女は糸を操るかのように指先を動かしているが、その実、人形との間に糸は無い。だがキャスターがちょっと目を凝らしてやれば、透明の魔力の糸で繋がっていた。

 

 人形遣いの少女も、優れた造形の人形も、どちらも、物凄いキャスター好みの姿であった。

 こういう金髪でちっちゃくて、フリフリしたものに弱いのだ。

 愛らしさのあまり胸の奥がキュンキュンし、身悶えしてしまうのだ。

 ――通常であれば。

 

 キャスターは口元に小さな微笑を浮かべると、その場を後にしてしまった。

 客観的に分かる。本来自分はアレに夢中になっているはずだと。

 しかしそうはならなかった。きっと心が死んでいるのだろう。

 ならば、もう生きていてもしょうがないのではないか。

 そう思いながら――人里を後にした。

 

 

 

 幻想郷で目を覚ました時、キャスターは博麗神社にいた。

 アサシンとライダーも困惑しており、妹紅とバーサーカーと、ランサーとアーチャーと、博麗の巫女と妖怪の賢者に囲まれていた。

 その場で幻想郷の説明を受け、迷惑をかけず大人しくしているなら存在を許容すると言われ、今の無為な生活に至った。

 それだけの場所だが、人里から出てしまったキャスターには他に行く宛もなかった。

 空を飛べば楽だけれど、目立ちたくなかったキャスターはわざわざ徒歩で神社に向かい、長い長い石段を登る。

 博麗神社は外の世界との境界でもある。

 そこで儀式を行い、外の世界に飛び出して、消えてしまおうか――。

 それも悪くないと思えてきた。見張りの猫がいたら、適当に追い払ってしまおう。

 石段を登り終え、鳥居を潜り、世界の質がわずかに変化したのを肌で感じる。

 監視は――分からないが、自分が博麗神社なんか訪れているのだ。その辺の木陰のどこかから見張っているのだろう。

 構うものか。ここで結界を破り、外の世界に出てしまおう。

 そう、思ったのだけど――。

 

 チャリンと、ポケットの中で巾着が金属音を立てる。

 慧音が渡してくれたお給金だ。外の世界に出てしまえば使い道が無く、この場に捨てていくのも行儀が悪い。――すぐそこには賽銭箱がある。

 博麗神社はお賽銭が少なく苦労していると聞く。

 迷惑料のつもりで、キャスターは賽銭箱の前まで行くと、巾着を開いて逆さまにした。

 有り金すべてが賽銭箱に飲み込まれていく。

 博麗の巫女は少しばかり驚くだろうか。

 そんな想像をしながら、自然と目を閉じ、手を合わせた。

 お寺でも、神社でも、日本での祈り方はこれで合っているはず。

 しかし、キャスターは祈っている訳ではなかった。

 

 ――ただ、想っていた。

 ああなったらいい、こうなったらいいという願いですらない。

 

 ひたすらに、ひたむきに。

 言葉はない。言葉にできない想いを。

 葛木宗一郎という男の姿だけを思い描いていた。

 

 

 

 ――意味の無い事をしている。

 そんな自覚を経て、キャスターは両目を開いた。

 神聖な霊地に来た影響だろうか、結界を破って消えてしまおうと考えていた自分が酷く愚かに思えてしまう。消えるなら、誰にも迷惑をかけず、ひっそりと消えるべきだ。

 胸に残った唯一の未練と一緒に、この空の下から――。

 

 

 

「…………む? キャスター?」

 

「…………えっ?」

 

 

 

 いつか、夢の中で聞いた声色を聞いて、キャスターは左を見た。

 賽銭箱の前に、自分と並んで、一人の男が立っていた。

 同じように手を合わせて祈る姿勢を取っており、同じように顔を見合わせている。

 枯れた印象を受ける、眼鏡をかけた男性。彼は、まさか。

 

「…………宗一郎?」

「消えたのではなかったのか。それとも――私も消えてしまったのか」

 

 宗一郎は周囲を見回し、奇っ怪な言葉を口にした。

 夢なのだろうか。賽銭箱の前で目を閉じている間に見ている、儚い夢なのだろうか。

 

「――――宗一郎様ぁ!!」

 

 夢でも構わない。

 キャスターは愛する男の胸に飛び込み、しっかりとその身体を抱きしめた。

 宗一郎の体温が伝わってくる。宗一郎の鼓動が伝わってくる。

 夢ならば覚めないで欲しい。そう、願うキャスターの背中に――。

 

「――――ッ」

 

 宗一郎の手が回され、優しく、抱き返された。

 そしてようやく理解する。

 夢でも幻でもない。

 葛木宗一郎が、ここにいるのだと。

 

 

 

       ◆ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

「――という事がありました」

「ほげっ!?」

 

 八雲紫は、式の式である化け猫の橙から報告を受けて賢者にあるまじき悲鳴を上げると、またもや幻想郷の結界チェックマラソンを開始する。

 しかし今回はバグが見当たらず『不要な人間』を幻想入りさせるシステムが葛木宗一郎を招き入れてしまったと判明した。

 いや、学校の教師とか、必要な人間でしょう。教育は大事ですよ?

 いったい誰が彼を『不要な人間』などと判断したのか。同僚の教師達? 生徒達? 同じ屋根の下で暮らす同居人達? それとも――彼自身なのか。

 八雲紫の心労は続く。

 

 

 




 幻想郷のサーヴァント六人が集まるのは初期プロット通りなのですが、イリヤはサーヴァントとお別れしたのに、葛木先生はいいの……? という疑問に苛まれ、中期プロットでは後発三人は幻想入りしない事にしながら本編執筆してました。
 しかしイリヤは冬木に捨てられないモノがあり、葛木先生は柳洞寺でお世話になってても、いつか何も言わず出て行ったりする人だよな――と思い、最終的にこのような形に落ち着きました。

 ライダー就職面接編は尺を取りすぎるし、アサシン旧地獄剣風録はまだ地霊殿始まってないし、そもそもアイディア不足で形に出来ないのもあって幻想の彼方に消えた。
 花映塚~風神録の合間な時系列のせいで、使えるキャラやネタも制限あったり。
 葛木メディア編は何とかなった。

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