「....O、OH・・・・何事かネ・・・・その目の輝きワ・・・・」
・・・・やらかしたな....国際問題だ....
「....すげえ....あの爺さんまで黙らせるとは....流石チタンダの旦那....」
「確かに! あの目からは逃れられないんだよねー!」
「....私だけなのね、あの目のお世話になって無いの....」
「つまり、キミが気になるのはワタシの気になるコトだネ! ヨシ! 説明だけならしてみよウ!」
「わあ! ありがとうございます!!折木さんも! よく聞いて下さいね!」
「なんで俺が....」
「ワタシが気になるのは....これがいわゆる共鳴とは異なるのではないカ? と言う事だヨ。ここでの共鳴というのは....刀使と御刀との関係の事かナ。本来異質な物でも響き合う....説明が難しいネ....」
「なんとなく....わかります! 身体と御刀の響きが一致する! と言いますか....薫さんは?」
「オレは子供の頃からだからな....気がついたら出来てたという感じだ」
「ソう、ワタシは刀使では無いからその感覚は分からないガ、刀使達の聴き取り調査ではその様に表現する子が多かったネ。その共鳴感覚の関係が刀使や御刀双方の能力を相乗的に引き揚げ合う、ワレワレはそういう研究も行っているんだヨ」
「でも、このノロと御刀との関係はそうでは無いと言うのですか?」
「そうだネ。何せ初めて観察された現象だから研究所でジックリと研究しなくてワ! 腕が鳴りますヨー!」
「折木さんはどう思われます!?」
「....俺は霊能者でもなければ専門家でもない。管轄外だ!」
「でもキミはこの御刀とノロとの関係に気づいてこの探知機を発見したのではないのかネ。名探偵クン?」
「....あれは運だ! 勘だ! 湿布に膏薬だ....! 俺は知らん!!」
冗談じゃ無い....! 名探偵なんて風評被害....よし! 思い付きで俺の名誉に傷をつけてやろう....!
まってろ二人とも....!!
「コホ....じゃあ千反田....そこまで言うならしてもらいたい事がある」
「ハイ!!」
「OH! ナンナリト!!」
爺さんまで....この二人は似た者同士だな....
「さっきのように御刀を構えてくれ....薫、電気を」
「おう!」
「また消すのかい....」
「千反田特製の人体放光器があるだろう」
「折木....少しはチーちゃんに気を使いなさいよ....」
「ウフフ!!」
伊原が珍しく気弱だな....口数も減ってきたし....単に眠いだけか....もう深夜の二時だな....
「どうです?」
惚れぼれする様な幻想的な光景だが....まあ俺も試したかった事だ。短かったが名探偵の名誉もこれまでだな....
「爺....博士、この探知機を御刀に付けてみてくれませんか?」
どうせ思い付きだ。結果が出なくてもそれはそれで万々歳だが....ん!?
「・・・・これワ・・・・オレキ君! キミは大した大名探偵クンだヨ!!」
「どうしたの....! チーちゃんの光が....」
「....真っ暗になったじゃないかっ!! スイッチはっ!?」
「わたし、どうしたんです??」
「おう....」「ねね....」
ビンゴだ・・・・なんでだ・・・・俺の素朴な疑問がこんなことに・・・・
「オレキ君! コレはどういう事かネ!! ワタシにも理解出来るように説明してチョウダイ!!」
博士....その言い回し....もうヘンなガイジンですよ....それにアナタは専門家でしょう?
....まあ、しいて説明するなら....
「共鳴....では無く、中和....ですかね」
「・・・・ソウカ!! ワレワレが研究しているノロの無害化・・・・
コレがヒントになるかも知れない・・・・!
UNBELIEVABBBBBLEEEEEーーー!!!」
「折木さん....??」
「....どういう事だい....ホータロー....」
「俺にも....あの喜びようは理解できない....」
「アンタに聞きたいのはそうじゃなくて....!」
「千反田さんの光が消えた理由だな....ホウタロウ、心当たりは?」
「もう疲れた....」「ねね....」
....嵐のように現れたじい....フリードマン博士はノロと千反田家の御刀を携えここを後にした....
「薫....本当に大丈夫なのか? あの爺さん....」
「ああ多分な....組織への裏工作ならあの爺さんとはよく組んで暗躍していたもんだ」
「マーちゃん....それ機密事項じゃない....?」
「今はオレ達が主流だ....どおって事ない! ヒヒ!」
「千反田さんの処遇はどうなるだろう....」
「そのうち鎌倉から関係者がエルさんの家に来るだろうし一二回は鎌倉か美濃関にある研究所に脚を運んでもらうことにはなりそうだな。ま! 悪いようにはしないさ」
「そういや千反田は?」
「寝てる....」
薫のベッドの上で仰向けにスースーと....なんてまあ無防備なことで....薫と伊原はベッドに背を、
里志と俺は向いの壁に身を委ねて床に腰を下ろしていた。
「『写シ』や『迅移』は結構体力を消耗するからな。今日初めてにしてはな....」
「もう三時ぐらい....?」
「明....今日の学校どうしようかな....」
「あれほどの事があったんだ....休校だろう....」
「さて....そうは問屋が卸すかな....」
「どういう意味だ....薫....」
「知らん....オレももう寝る....」「ねー....」
それから俺の記憶が途絶え....ん....? いま何時だ....?
「おい....足音が....」
「話し声も聞こえるね....」
「ねえ今何時よ....」
「おう....7時45分ぐらいだな....」
「45分....? おい....」
「....ちょっと!? ホント? なに! チーちゃん起きて!!」
「お、おう....オレ外見てくるわ....」
結局一晩丸々ここで寝泊りか....計画では朝四時半頃を見計らって各々帰宅する算段じゃなかったのか!?
「....みんな普通に登校してるぞ....何事も無かったみたいに....」
「おいまて....! じゃ俺たち風呂も着替えも朝飯も無しに教室にいくのか!?」
「えー....今日は休校じゃ無かったのかい....?」
「そうなの....!? ....っ!! イヤ〜っ!! 髪の毛が〜っ!!」
「....どうしたんです? 皆さん....??」
皆遅刻することはなかったが....本当に何事も滞りなく今日もまた一日が始まろうとしている....
何故!?
「....益子君....はいいとしても、折木!! 千反田まで....!!何だ授業中その眠そうな態度は!!」
先生まで事情を知らないのか....? 俺たちは昨日何を見たんだ? あれは全部夢だったとでもいうのか....??
「ねーねー薫ちゃん! 何か夕べ荒魂がこの辺りで出たみたいだけどそれでそんなに眠たいのー??」
「お、おお....だがその事はシーッ! だな!」
「....キャー! 極秘任務!? なんかカッコいー!!」
....噂は流れている様だがもうこれじゃ天災か何かだな....地震雷火事荒魂....親父の威厳はどこへいった....!?
『マア今回の事ワ、このワタシが何とかシヨウ! 調査報告書にチョチョチョイッ! てネ! 全てが上手く行くはずダ!! このグランパーにマッカセナサーイ!!!』
....その結果がこれなのか....? 教室の連中はおろか、テレビ、新聞に至るまで昨夜の事は何事も無かったが如く当り前のように物事が進んでいる....
「....まあ、これがオレたちの遣り口だ....気にするな! そのうち慣れる!」
放課後ここ古典部の部室....昨日の一件の始まりは当にココだった! というのに....実感が湧かない....
「....よかった....! あれは夢じゃ無かったのねー!」
「ホントは夢の方がよかったんだけどね....」
「ここまで何事も無かった事になるなんて....俺は正気か!? て思ったぞ....」
「昨日はちゃんとあったんですよね??」
「ああ、校舎の破損とか目立った痕が残らなかったからな。ノロの回収も急がせたようだし」
「ねね!」
....これが薫の組織の『いつもの手』の威力なのか....購買部からの横流しといい刀剣類『管理局』の底知れぬ闇を改めて覗き込んだ気がする....