○月×日□曜日
今日は学校が休みということもあり昼からバイトをする予定だった。
だが今の時刻は午前11時。因みに俺が出勤したのは1時間前で本来俺が入るのは12時からだった。
こうなったのには理由があり、本来くる筈だったバイトの葛城さんがこれなくなりその代わりに俺に早めに出勤するように頼まれたのだ。しかもバイト上がり時間は変わらず。
別にどうでもいいが店長俺の扱い少々雑じゃないか?というのは胸の奥に閉まっておこう。
「静かだなー。」
因みに今レジにいるのは俺1人。もう1時間もすればモカが来る。
「そういや俺の昼ご飯どうなるんだ?ちょっと店長に聞いて来ようかな…。」
と、呑気なことを言ってるうちにお客さんがレジにやってくる。
「いらっしゃいませー。」
「あれ?遼?」
レジにかごを持ってきたのはひまりだった。しかもかごの中身は相変わらず山のようなスイーツを入れて。
「今日って確かバイトは昼からって言ってなかったっけ?」
「いつもこの時間に来る葛城さんが急遽休んだから俺が早めに来ることになったんだよ。」
「なるほど。」
「というか相変わらずの中身だなこれ。」
「いや~。新作のスイーツがネットでかなり評判でさ…。どうしても食べたくなっちゃって…。」
「まあ、気持ちはわからんでもない。」
「ところで今日モカは来てないの?」
「いや、あいつはいつも通りの出勤だからな。何か用事でもあったか?」
「そうじゃないんだけど…前のスイーツ買いに来たときのことでね…。」
ひまりが苦笑いしながら呟く。そういやこいつ前に同じようにスイーツ買いに来た時にモカに会計でカロリー計算されたんだっけ。
「成る程。大体察した。」
「じゃあ遼…会計お願い。」
「かしこまりました。今ならお値段と共にカロリーの合計をお伝え出来ますがいかがいたしましょうか。」
「いや待って!?私の話聞いてたよね!?」
慌てて止めようとするひまりを見ながらなんとなくモカが弄る気持ちがわかった気がする。
「申し訳ございませんお客様。ちょっとしたコンビニジョークでございます。」
「ちょっと待って?遼そんなキャラだったっけ?」
「いや、他にお客さんいないから少しはめはずしてみようかなって。」
「本当に突然やられるとびっくりするからやめて?」
そこからは真面目に会計をしてひまりが帰っていくのを見届けながら業務に戻る。
「………ふう…。」
「おお常乃。元気にやってるな。」
「あ、店長。いたんですか。」
奥からこのコンビニの店長が出てきて俺に缶コーヒーを投げ渡す。それをキャッチした俺は「ありがとうございます。」とお礼を言った。
「ちゃんと真面目にやってんのか?ん?」
「やってますよ。まあ、いつもより早く出勤した上に突然の連絡だったので疲れてますけど。」
「まあ、そう言うな。昼飯にサンドイッチ置いといたから後で食っとけ。」
「ありがとうございます。」
「ただし、賞味期限切れのやつだけどいいか?」
「やっぱりか。」
まあそうそう腹を下すことはないし大丈夫だろうけど。
「それにしてもお前、以外と冗談通じるやつだったんだな。」
「いきなり何ですか…。」
「さっきのやりとりだよ。」
「見てたんですか。」
「おう、もうバッチリと。」
見られてたのかい。まあ、うちの店長そこまで気難しい人じゃないから特別ヤバいことしなけりゃ………あれ?そう考えると幼なじみのノリと周りにお客さんいないからあれやっちゃったけど大丈夫なのかさっきの。
「安心しろ。青葉のケースもあるしあれじゃクビにはしねえよ。」
「あ~すみませんでした。」
「謝らなくてもいいっての。それより意外だったからな。」
「と言いますと?」
「ぶっちゃけるとさ、お前って俺の中でさなんか堅物というか…冗談が通じないタイプだと思ってたからな。」
言われてみればそうだな。
「確か…お前が来たすぐ後で青葉が来たっけな。」
「そうでしたっけ?」
「そんときのお前、それまで凄く堅苦しかったのにあいつ絡みになると結構喋るようになるからな~。正直、見てて面白かったよ。」
確かに。あいつは無自覚でいつものようにやってるけど以外とそのお陰で俺も上手くやってこれたと思う。
多分モカもバイトをやってなかったらさっきのひまりに対する接客もただくそ真面目に行っていただろう。
俺は知らず知らずの間にモカの影響を受けてると思う。モカと出会う前の俺は一部の人からは『面白くないやつ』と言われて中々輪に入れなかった。
その後もちゃんとした友達が誰一人出来ないままそのまま引っ越しをすることになった。
新しい土地に来ても周りの環境に馴染めず、意見の食い違いで1人になってしまいモヤモヤした状態で歩いてると川原に出た。
そこにいたのがモカだった。そこから成り行きで友達になったような感じだがそこから俺は変われたのかもしれない。
「まあ、堅苦しいのはしょうがないですよ。これが自分なんで。」
「でも青葉相手には凄く砕けてるけどな。」
「正直あいつにはくそ真面目に対応してたらついていけなくなるので。」
「とか言いながら本当はあいつといるのが楽しいんじゃないのか?お前自分では気づいて無いだろうけどあいつといるとき良い顔してるぞ。」
「そーですか──」
「こんにちは~。」
後ろから聞きなれた声が聞こえて振り向くと凄く眠たそうなモカがいた。髪の毛が若干ボサボサで起きてから間もない間にきたのだろうと推測できた。
「あれ?モカのシフトって30分後じゃなかったっけ?」
「俺が呼んだんだよ。これからオーナーと会わなきゃいけなくて出なきゃいけないから。」
「店長からの電話で起きました~。」
気持ちはわかる。この店長何気とギリギリで予定組んでくるし。
「そんじゃ俺は出てくるから後は二人で頑張ってくれよ。」
「チャオ」と言い残しお偉いさんのもとへ向かう店長。……というか今気づいたけどうちの店長って雇われ店長だったんだな。
「遼~。背中貸してもらっていい~?」
「なにする気だ?」
「おやすみなさ──」
「いするなよ?ここコンビニのレジだから。」
「は~い。」
そのまま自分の持ち場につくモカを見ながらなんとなく思う。
モカが、Afterglowがいるだけで俺は救われているのだろうと。
「ん~?どうしたの~?」
「いや何も。」
「もしかして~モカちゃんに改めて惚れちゃった~?」
「さて、昼でも食べてくるかな。」
「スルーしないでよ~。モカちゃん泣いちゃうよ~?」
こうしていつものように俺とモカのコンビニバイトは始まっていくのだった。
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