やっぱりからかわれる遼くん
遼「あらすじ雑だろ!」
「美味しかった~♪」
先程のパフェでお腹を満たし俺の隣を歩くモカは満足そうな顔をしていた。
店員さんには申し訳ないがあのままカップル割を使いパフェは完食した。とはいっても3分の2はモカが食べ尽くしたから俺はあまり食べてないけどな。
「ねー次どこ行くー?」
「どこ行くって…というか今何時だ?」
腕時計を見ると時刻は12時を回っていてちょうどお昼時なのだが…先ほどパフェを食べたからあまりお腹は空いてない。というかさっきのパフェが昼飯みたいなものになってしまった。いや、パフェが昼飯ってどういうことだよ。
「おお~ちょうどお昼時か~。よし、お昼ご飯食べよ~!」
「…正気か?」
いやさっきのパフェ食べときながらまだ食べたり無いのかお前は。
「え~?まだまだモカちゃんはいけるよ~?」
「正気の沙汰でない…」
「なんなら今からやまぶきベーカリー行く~?」
「…もうそれでいいわ。」
今度からこいつのことはブラックホール青葉と呼ぼうか…?
それから数分歩いて俺はモカとやまぶきベーカリーに来た。まあ昼飯がパフェというのもなんだしここで1つか2つパン買っておけば軽く食べることも出来るし良いだろう。
「これお願いしま~す。」
………相変わらず尋常じゃ無いほどのパンを持っていくなあいつは。
「はい。合計1200円です。」
「はいは~い。」
財布から1200円を払い自分の分を買うモカ。紗綾は苦笑いしながら採算を済ませた。………彼女は苦笑いしてるがこれより前にでかパフェ食べたことは知らない。
「じゃあ俺はこれで。」
「あれ?今日は1つなんだ。」
俺のお盆の上に塩パンが1つあるだけだ。それを不思議に思ったのか紗綾は聞いてきた。
「実は数分前にパフェ食べたからな。あまりお腹空いてないんだ。」
「そうだったんだ。」
「因みにモカは俺より食べたけどな。」
「…………流石だね…。」
そりゃ驚くわな。パフェ食べた後でパンを5個以上買うとか相当だぞ。
この後俺たちは買ったパンを持って近くの公園に行き2人でベンチに座りながら食べた。………なんか犬を散歩している人がこっち見て微笑ましいものを見るような目で見てたけどそんなんじゃ無いからな?
10分で完食した俺たちは公園を離れてショッピングモールの中にあるファッションストアに来ていた。
「遼~?これどう~?」
モカは俺にパーカー等を持ってくる。そして俺がそれを試着室で着る。この繰り返しなんだけど…。
「いやなんで俺ばっかり?」
「だって~遼この間リサさんに言われたじゃん?『もうちょっとファッションには興味を持った方が良い』って。」
「別にそんなに色々着ること無いけどな…。」
「でもさ~遼の普段着って大体似たようなものの着まわしだよね~。」
「それを言うな。」
それ言ったらお前も似たようなものだろ。と言いたいところだがここは一先ず堪えよう。
「というか俺よりもお前は自分の選んだら良いんじゃないのか?」
「え~?遼の服選んでた方が楽しいんだけどな~。」
「そんな楽しみなんか捨ててしまえ。」
「じゃあさ~遼があたしの服選んでよ~。」
ニヤニヤしながら提案してきた。うん、嫌な予感しかしない(何回目)。
「というか俺女物の服全くわからないんだが…。」
「いやいや~意外と男の子が選んだ方がいい線いくかもよ~?」
というわけでモカの服を選んでみることに。……そういや今思ったけどこの光景ってモカいなかったら周りの人から変な人と思われそうだな。
「これは?」
とりあえず無難な無地の黒いパーカーを選んでみる。
「うーん…これはモカちゃんポイント低いですな~。」
「駄目なのか。じゃあこれは?」
次に目をつけたのはチェック柄のカーディガン。
「え~。」
「そんな露骨に嫌そうな顔しなくても…。」
「だってさ~遼のセンスってなんかちょっとずれてるんだよね~。なんかこう地味というか…おっさんっぽい?」
「誰がおっさんだ。まだ16だぞ?」
なんとなく気にしてることを言うんじゃない。
「じゃあ……これはどうだ?」
次に目をつけたのはスカートだ。
「おお~遼にしては良いところついてきたね~。」
「いや、よく考えたらお前私服でスカート履いてるところ見たこと無いなと思ってな。好きじゃないのか?」
「好きじゃない訳じゃないけど~ズボン系の方が動きやすいからね~。」
「なるほどな。」
まあスカート履いたこと無いからあまり理解できそうに無いが。履く気も無いし。
「お望みならば履いてあげようか~?」
「どちらでも。」
「そうかそうか~ならばお望み通り履いてきてあげよう~。」
「お前話聞いてなかったな。」
こんな感じで俺たちは更衣室の前まで移動した。
「もうすぐモカちゃんがスカートを履く。」
突然どうしたし。
「それを履いたらどうなる?」
「知らないの~?」
クルっと後ろを向きキメ顔でモカは言った。
「遼が尊死する。」
「くだらんことしてないではよしろ。」
「乗ってきた癖に~。」
そのままカーテンの向こうに消えた。
そして1分後…。
「お待たせ~。」
スカートを履いたモカが出てきた。…うん、若干違和感はあったけどこれはこれでありかも。
「どう~?キュンとした~?」
「まあ…悪くは無いんじゃないか?」
「以外と遼はこういうのか好みなのかな~?じゃあ今後も履いちゃおうかな~?」
「だから勝手に話進めるなよ。」
「言わなくてもあたしにはわかるよ~?モカちゃんパワーに魅了されちゃったんだよね~?」
「今度余計なことを言うと口を縫い合わすぞ。」
「おお~怖い怖い。」
笑いながら言われた為完全に透かされてるな…。と後ろを振り向いた時あるものが目に入った。
「モカ、お前ああいうのどう思う?」
俺が指差した先にはひとつのマネキンがあり、パーカーとデニムスカートが飾られていた。
「なるほど~遼の好みはあれ「その流れはもう良い」え~?まあ…せっかくだし試してみようかな~。」
モカの話をぶったぎりパーカーとデニムスカートを持ってきた。そしてしばらくするとモカがカーテンから現れた…。
「・・・・・・・・」
何ということだろう。思い付きで言ってみた一品が見事にモカとベストマッチしてしまった。さっきまで履いていたスカートよりもデニムスカートはジーンズ感あるからかモカが履いてもあまり違和感がない。素材1つで同じものでも雰囲気が変わるということを再確認させられた。
「おお~これはモカちゃんポイント高いですな~。似合ってる~?」
「まあさっきのよりは似合ってると思うぞ。」
「も~素直に可愛いって言えばいいのに~。」
「うるさい。」
その後、モカが俺に似合うだろうと推してきたパーカーとTシャツが結構気に入ったのでそれを購入。モカも後からなにかを買いファッションストアを後にした。
その後俺たちはゲームセンターに行った。まあ特にこれと言って目的は無いわけだがとりあえずゲーセン行くかという流れである。
「よし!パーフェクト!」
「おお~遼やるね~。」
今俺たちは洗濯機型の音ゲー『maumau』をやっていた。
「とーぜん。俺を誰だと思ってる。」
「常乃さんだぞ?」
「それ言うべきなのは俺じゃないか?」
「あたしは青葉さんだぞ?」
「というかお前もパーフェクトかよ。意外と音ゲー得意なのか?」
「いや~モカちゃんの才能ですかね~?」
「才能って…これmasterだぞ?」
こんな感じでダラダラと遊びゲーセンを満喫していた。その後、少し喉が乾いたので俺は自動販売機でドリンクを購入し、ついでにモカの分も買って行った。
俺が戻るとモカはあるクレーンゲームをプレイしていた。
「何やってんだ?」
「あ、遼~。なんかこれ取れないんだけど~。」
モカが指差した先にはフランスパン、コッペパン、ホットドックなどのパン型抱き枕があった。それは焼き色や切れ込みもリアルに再現されていて以下にもモカが気に入りそうなものだった。そしてこのクレーンゲームは輪っかを引っ掻けて穴に落とすタイプ。
「取れないのか?」
「うん~。」
「仕方ないな…。俺がやる。」
プレイヤー変わりまして、6番常乃。
とりあえず100円を入れてチャレンジする。先ずは小手調べだ。こういうのはアームの強さや揺れ具合等を見極める必要がある。全神経を集中して商品を掴む。が…
ストン…
たった数ミリ動いたか動いてないかぐらいだった。
いや、流石にアーム緩すぎでは?
「…モカ、残念だけどこれは諦めた方が得策かもしれな…」
とりあえずモカには申し訳ないが現実をしっかり話そうと思った矢先、おれの言葉は途中で止まった。なぜなら隣でモカがパン抱き枕をじっと見つめていたからだった。
「やっぱり無理かな~?」
「ちょっと待ってろ。」といってそのまま両替機のところまで行く。とりあえず1000円を崩し再びクレーンゲームと向き合う。
「よし…。やるか。」
こうなったからには意地のぶつかり合いだ。俺が奴を仕留めるか。奴が俺を折らせるか。
「攻略してやるよ。」
さあ、
あれからどれだけだっただろうか。とりあえずお金としてはもうすぐ2000円が来そうだ。これだけやっただけはあり結構動き、上手く行けば後1・2回で落とせそうだった。
「遼~?大丈夫~?」
心配したモカが俺に訪ねてきた。だがこれはチャンスだ。後1回で終わらせる。
「安心しろ…。必ず手に入れてやる。」
「遼…。」
「おれに取れないものは無い!」
運命のアームが動く。さあ、景品がモカの元に行くか、俺の財布が更に軽くなるか。このゲームが創る未来はどっちだ!
場所を慎重に調節してアーム降下ボタンを押す。そのままアームは輪っかに引っ掛かり…
ガシャン
「よし…。」
見事景品獲得。俺の使命は果たした…。
「ねえ遼~。景品…穴に引っ掛かってる…。」
「マジかよ。」
はい。取れてはいるんですが出口の穴に引っ掛かり取り出し口のところまで届いていなかったら。
「……係員の人呼んでくるわ。」
係員さんのお陰で無事景品を獲得し、それをモカに渡したら満面の笑みで「ありがと~」と言われた。こんな笑顔でお礼を言われたら2000円近くかけて取った甲斐があるというものだ。
……まあ、最後なんかしまらない終わり方だったけど。
◆ ◆ ◆ ◆
あれから色々と回り、夕暮れ時となった為二人はそれぞれ帰宅することにした。そしてその夜、モカは自分の部屋で遼が取ったフランスパン型抱き枕を抱えながらベットの上で転がっていた。
「えへへ~。……なんか遼の匂いしてるな~。不思議~。」
彼女は抱き枕を抱いたまま夢の中へと入っていった。その寝顔はとても幸せそうだった。まるで大切な人が近くにいるかのように。
◆ ◆ ◆ ◆
後日、遼はAfterglowの面々と羽沢珈琲店にいた。
「あれ?モカ遅いね?」
「ああ、ちょっと遅れるってさ。」
「これはまた二度寝してたタイプかもね。」
今度のライブに向けての簡単な話し合いをするはずだがモカが遅れていていた。
「そういえば遼。この間モカとショッピングモールいたでしょ?」
「え?」
「実は巴とお買い物してたら二人の姿見たんだよね~。」
どうやらファッションストアから出るところをひまりと巴に見られていたらしい。
「まあな。モカに誘われて。」
「おっ?もしかしてデートか?」
「そんなわけ無いだろ。」
そんな話をしていると「遅れました~」とモカが入ってきた。だが面々が驚いたのはモカの服装だった。
「モカが…」
「スカート履いてる!?」
「え~なんか変~?」
「いや、変じゃないけどさ…何というか…。」
「モカちゃんってスカート履くイメージ無かったから…。」
各々が驚いている中でモカは遼の隣に座った。
「遼のイチオシみたいだったからね~。これは乗ってあげるしか無いなと思って~。遼からプレゼントも貰ったし~?」
モカの発言により一同の視線は遼へと移った。
「まさか…遼がコーディネートしたの!?」
「というか本当にその時何してたの?」
「プレゼントって何あげたの!?」
「てかお前ああいうのが好きだったのか?」
面々から質問攻めを食らう遼。
彼が答えた回答、それは…
「俺に…質問するなぁぁぁぁぁ!!」
今日もAfterglowは元気です。
個人的な考えですけどモカってデニムスカートとか似合いそうな気がするんですよね~。
それはそうとバンドリアニメ3期&映画化決定でスマホに通知来た瞬間1人でびっくりしてました!絶対見に行きたい!
そして新しくコメントをくださったリュウティス王子さん、ありがとうございます!
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