「…よし、覚悟は出来た。」
先ほどの謎の借り物競争が終わり今は匡の番となった。そして借り物として選手たちはなかなかめんどくさそうなものを借りている。ホントなんなんだよこれ。『ネコミミカチューシャ借りてこい』とか『るんって来るもの』とか『瀬田薫』とか…いや、最後比較的簡単だわ。だって今あそこで相変わらずシェイクスピアがどうの言ってるし。
「それでは準備が整いましたので次の選手の皆さんは指定の場所についてください。」
アナウンスに従い俺もスタートラインに立つ。もう先のレースが先のレースだから緊張よりもまともな借り物であることを願ってばかりだ。
「頑張って…遼。」
「遼ー!頑張れー!」
「遼!気合いで行け!」
「遼くん!ファイトだよ!」
「遼~。つぐってこ~!」
幼なじみたちの応援が聞こえた。うん、ここでかっこよく気合い入ればいいんだけどね。今の俺には気合いよりも不安が大きい訳で。まあ…応援してくれてる訳だし後は俺の運に丸投げしますか。
「いちについて…よーい…」
先生が銃みたいなものを持ち空に向けて…
「ドン!」
バァン!と言う発砲音と共に一斉に走り出す。走ることに関しては特に問題はない。問題は…。
「さあ、選手の皆さん借り物が書いてあるテーブルのところに到着しました!」
これだ。とりあえず特定の人物つれてこいだとマジで詰みだからそれだけはさけたい。
「ペンギンのぬいぐるみかよ…。」
「私の借り物…えっ!?スクール水着!?」
「スーパーファミコンとか誰が持ってんだよ!?」
「誰かー!ワールドクラスの人はいませんかー!」
うん、不安しかないわ。しかもまた最後誰かの欲望混ざってるぞ。それと誰だよスーパーファミコンとか書いたヤツ。くっそ懐かしい響きだな。何年前のやつだよ。
「……こうなったら…あたって砕けろ!」
俺も遅れないように紙を見る。
「はあ?」
紙を持ったまま固まること数秒。いやどうすんのさこれ。というか誰連れていきゃいいんだよ。むしろ年収600万の男性探してつれてった方が楽かもしれない、精神的に。
「……しょうがない。」
俺はとある人物の元に向かう。その人物とは…
「モカ、ちょっと手伝え。」
モカだ。
「え~?あたし~?」
「えっ?遼、何引いたの?」
「聞くな。」
ひまりの質問をあしらい俺はモカの手を引きゴールに走って行った。幸い他の選手はまだ借り物に手間取ってるみたいだ。
「よーし、紙を見せてみろ。」
「この事は絶対内密にお願いしますよ?」
「うん?……ほほう、そうかそうか。」
紙を見ると先生は全てが解ったかのように頷いた。うん、なんか優しい視線向けてくれてるけど今はそれがイラッとくる。疲れてんのかな俺(今更)。
「安心しろ!先生とて漢だ!約束は破らないさ!」
「もし約束破ったら末代まで呪いますからね。」
「しれっと恐ろしいこと言うなお前は。」
先生と契約を交わし、合格が出た為晴れてゴールテープを切る。
「サンキュー。もういいぞモカ。」
「ところでさ~何であたしだったの~?何が必要だったの~?」
「それは…のんびり系女子を連れてこいってお題だったからさ。お前なら最適だろ。」
「……ふ~ん。怪しいな~。」
「…なんだよ。」
「教えてくれたら今日泊まりに行ってあげるけど~?」
「俺にメリットがないんだが?」
このようにモカからは完全に不審がられてる。まあ嘘ついてるのは本当だし仕方ないんだ。なんせ…
借り物が『あなたの大切な人』だったからな…。
「あ、遼お帰り。」
「あ~疲れた…。」
「そう言えば借り物は「聞くな」あっうん。」
「……って匡お前何持ってんだ?」
「あ、俺借り物が『ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲』だったからさ。似たようなもの借りたらどうにかなったんだよ。」
「マジか。というかこれがネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲か。完成度たけーなオイ。」
まだまだ未知の借り物があったみたいだ。
◆ ◆ ◆ ◆
その後なんやかんやで午前の部の種目は一通り終わり昼休みが過ぎ、午後の部の種目が始まった。えっ?他の種目の様子が見たいって?仕方ないだろ。全部やってたらキリがないんだよ。
「それではこれより1年生によるパン食い競争を始めます。」
さて、この種目名で誰が出るのかわかった人も多い筈。そう、我らがパン魔神…青葉モカだ。モカは今もスタートラインに立っているがその姿は丸でサバンナの草原でシマウマを見つけたライオンそのもの。目に映るものすべてを食らいそうなオーラまで纏っている。
「それではいちについて…よーい、ドン!」
一斉に走り出す走者達。最初の方は普通のリレーのようにただ走り続ける図となっている。
だがこのリレーの本題は後半にあるパン。ランナー達の身長よりも少し高いところに設置されている為、食べるためにはジャンプ力も必要となる。
現にパンのところに到達したのは良いもののなかなかパンに食いつけず何度もジャンプしては取り損ねて…を繰り返していた。そんな中、パンを見つめている少女が1人…
そう、
周りが必死でパンに飛び付いてる中モカはパンを見つめて目を閉じる。
そしてしばらくして目を開けると…
ザシュ
まるでクロッ○○ップしたかのような早さで一撃でパンを口に咥えそのままパンを食べ干した。
『B組の青葉さん、ゴールです!』
流石モカ。伊達にいつも食い意地張ってないな。モカに食べ物関連の問題をやらせると何とかしてくれるという謎の安心感がある。
因みにこの後モカが「やったよ~。」と言わんばかりにこちらにVサインを向けてきて隣にいた女子に「常乃くんと青葉さんって付き合ってるんでしょ?」と聞かれた。一応否定はしたんだけどこれが後々面倒くさいことになるとは…。
◆ ◆ ◆ ◆
『続いては1年生による騎馬戦です。選手の皆さんは入場してください。』
再び俺の出番がやってくる。この騎馬戦なんだがどういう訳か俺が上に乗ることになっている。
「頼むぞ常乃!俺たちの運命はお前に託した!」
「じゃあ俺と上変わってくれ。」
「それは無理だ!」
「何でだよ。というか運動神経なら俺よりお前の方がいいじゃないか。」
「この学校の騎馬戦…毎年誰かは怪我をするらしいからな。」
「穏やかじゃねえな。」
『それでは騎馬戦を始める前に一つ言っておきたいことがあります。』
グラウンドにアナウンスが流れる。言っておきたいこと?なんだよ。
『えー、昨年はその…なんか本当にすみませんでした。』
「いや何があったんだよ!?」
『今年はその…あんなことが無いようにこちら側も注意していこうと思います。』
「いやだから何があったんだよ!?」
という謎のアナウンスの後、『それでは選手の皆さんは騎馬を組んでください。』と言われた。いや、だから昨年何があったのか詳しく教えろよ。
「常乃、気を付けろよ。」
「何でだ?」
「なにやら1部のやつからお前に殺意が向いてるからな。」
岡崎の言葉に首をかしげる。いやどういうことだってばよ。と思っている間に試合開始のブザーが鳴る。
そして…
「よっしゃお前らぁぁぁぁぁぁ!常乃を狙えぇぇぇぇぇぇ!」
と、いう感じで敵チームの半数の騎馬が俺に向かってくる……って、え?ナンデ?テキサンナンデ?
「いつもいつも美少女5人とイチャコラしやがってええええええ!」
「リアル5○分の○嫁してんじゃねええええええ!」
「俺も蘭ちゃんとイチャコラしてええええええ!」
「ひまりひまりひまりひまりひまりひまりひまりひまりひまりひまり……」
「デーモンコアってゲルマニウムの塊だってこと知ってた?」
「ウ ン チ ー コ ン グって知ってる?」
なんか凄いめんどくさい奴らが纏めて来たしあからさまにかーなーりヤバい奴もいる…。うん、こいつらにあいつら渡すわけにはいかん、お父さん認めないからな(お前は父親じゃない?気にするな!)。それと最後の2人に至ってはまるで関係ないことだよ言ってるし。なんでいるんだよお前らは。それとなんでお前はデーモンコアを知ってるんだよ。
「おいこれどうするんだよ…。」
「やむを得ん!俺たちが何とか角のギリギリに立ち背後からの死角を無くす!だからお前は前からの敵に集中しろ!」
「すまねえ、そうしてくれ。」
「そうとなれば作戦開始だ!行くぞ!作戦名は『角に立って死角を無くす作戦』だ!」
「いやそのまま過ぎだろ!?」
「気にするな!」
一応これでも岡崎は全科目70点以上なんだぞ?信じられるか?ホント頭良いのか馬鹿なのかどっちだよ。
「行くぞ野郎共おおおおおおおおお!!」
逃がすまいと俺たちを追う敵チーム、その間に俺たちは何とか角に立ち作戦の第1段階が完了した。
「こうなりゃ実力行使だあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
それから俺はただ闇雲に遅いかかる敵の鉢巻きをひたすら奪い取る戦争をしていた。グラウンドがドンパチ賑やかになったんだ。もう殺りkillしかないさ♪(完全脳死)
「オマエヲ…ツブスウウウウウウウ!!」
「セ゛イ゛ヤ゛ーーーーーーー!!」
この時の俺はどういう訳か濁点が人間の限界値を越えていたとか(蘭談)
因みにその後、何故か俺に『騎馬戦の
それと完全な余談だが騎馬戦でこれ程の男子の恨みを買ったであろう理由がパン食い競争の時、クラスの女子がしてきた質問を誰かが聞いたらしくそれで嫉妬の炎を燃やしてしまったとか。
やっぱ人間ってめんどくせえ!
オチがないだって?オチはりみりんがチョココロネと一緒に食べちゃいました♪(りみりんどっから出てたんだよ!)
関係ない話になりますが最近シンフォギアのアニメ見始めました。クリスちゃん可愛い。
新しくコメントをくださった雷鳴滝さん、ありがとうございました!
コメントや高評価よろしくお願いいたします!
@kanata_kizuna