誕生日。
特定の人や動物等の生まれた日、あるいは、毎年迎える誕生の記念日のこと。(wiki調べ)
さて、何故突然こんなことをいい始めたか察しのいい人ならわかるだろう。
明日、9月3日は俺の恋人であるモカの誕生日である。つまり俺にとっても大切な日である。何しろ大切な恋人の誕生日なのだからな。
「…と言うわけでショッピングモールに来たものの何を買うべきか…。」
しかし俺は肝心なところで行き詰まっていた。モカの誕生日プレゼントといってもどういったものを買えばいいのかわからない状態だった。「お前約1ヶ月前から付き合っていてそれは彼氏としてどうなんだよ」と思う方もいるだろう。うん、そういわれても仕方ない。
いや、これでも多少は候補とかはあるんだ。モカの好きなものと言えばパン。そこから導き出される答えで言えばやまぶきベーカリーの超人気パン、あるいはパンに関連したグッズ…クッションやキーホルダーなどといったものがある。しかし、誕生日にそれを贈るのはなんか違う気がした。
「かといって下手なもの買って好みじゃないとか言われてもな…。」
そう、一番怖いのがそこだ。
モカはとても優しくていい子だからそう言うことはまず言わないだろう。しかし、ここでそれを不安に感じてしまうのは人のサガなのかもしれない。
「さて、どうしようか…。」
「あれ?遼?」
「ん?」
誰かに呼ばれて後ろを振り向くとそこには俺のバイトの先輩である『今井リサ』がいた。
「ここで会うなんて偶然だね~☆それにしてもどうしたの?そんなしかめっ面で。」
「今人生で1、2を争うほどの悩みごとをしているのでね。」
「何々?相談ならお姉さん乗ってあげるけど?」
ここで相談したらなんか負けな気もしたが、このまま悩み続けても拉致があかない。そう思った俺は腹を割ってリサさんに聞いてみることに。
「なるほど。それで何を買えばいいかわからないと。」
「リサさん何か知りません?あいつの好きそうなものとか。」
「う~ん…パンとか?」
「それも考えたんですけどね…。なんか違う気もするんですよ。」
「じゃあ……漫画とかは?」
「うーん…モカの好きそうなやつってどれなんだろ?」
「というかさ……ぶっちゃけそこまで悩まなくてもいいと思うけどな…。」
酷く悩む遼に対してリサはこう言った。
「遼とモカは恋人同士なんだよね?」
「まあそうですが…。」
「だったら遼がモカが喜んでくれると思った物を選びなよ!ぶっちゃけ恋人同士なら好きな人が選んでくれたものって何であっても嬉しいもんだよ?」
「……そういうもんなんですかね?」
「そういうもんなの。」
「わかりました。アドバイスありがとうございます!」
「うん!頑張れ☆」
リサに一礼すると遼はその場から立ち去っていった。その姿を見ながらリサは微笑ましく思いながら「ふう」と一息ついていた。
「あ~あ、アタシもあんな青春してみたいな~。……な~んて。」
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誕生日当日。
モカを除くAfterglowの面々は羽沢珈琲店で集合して
pppp…
ピッ
「こちらひまり、モカが店前にいるのを確認しました。」
「よしわかった。計画に移せ。」
ピッ
俺とひまりの連絡が終わり遂に行動に移すことに。えっ?さっきのやり取りはなんだったのか?いや、1度はやってみたくなるだろこういうスパイみたいなやつ。
カラン、と店の扉が開く音がなる。それと同時に蘭達がモカにクラッカーを一斉放射した。
「「「「モカ(ちゃん)、誕生日おめでとう!!!!」」」」
4人の声で
「ハッピバースデートゥーユー…ハッピバースデートゥーユー…」
「いやいやいやいや待って待って待って待って」
ロウソクに火がついたケーキを運んでいたところをひまりに止められた。
「なんだひまり。せっかくいい感じに進んでたのに。」
「いやいや、怖いから!下からロウソクで顔照らしてたら怖いから!後歌声低いって!もうちょい声高くしてよ!」
「いやこういうもんじゃないのか?」
「軽く放送事故だよ!!?」
と、俺とひまりのやり取りを他の4人が苦笑いしながら見ていた。
「とりあえず…ケーキの火消そっか。」
つぐみが上手く空気を転換してくれた為、なんとか持ち直すことは出来たが……俺そんなに顔怖かったか?
「それじゃ改めて…」
「「「「「モカ(ちゃん)、ハッピーバースデー!!!!!」」」」」
俺たちがそういうとモカは一気にロウソクの火を消した。
「みんなありがとね~。」
相変わらずのんびりした口調ではあるがとても嬉しそうだ。
「それにしてもこのケーキ凄いね~。つぐとひーちゃんの共同作業かな~?」
「モカ…それ作ったの遼だぞ?」
「えっ?」
巴からその事を聞くと「うそーん」というような顔をされた。いや、一応『Afterglwのオカン』なんて名前つけられてたのお忘れなのか?
「遼くんが『これは俺に任せて欲しい』って言ってたからさ…。昨日からずっと頑張ってたんだよ?」
「遼~あたしは嬉しいよ~。よよよ~。」
「いや泣き方。」
「ねえ、どうでもいいかもしれないけど料理冷めるよ?遼が作ったやつ。」
蘭のお陰で再び軌道修正した俺たちはその後、それぞれが用意したプレゼントをモカに渡した。
ひまりはオシャレなネックレス、つぐみはモカに似合いそうなショートパンツとパーカー、巴はパンの座布団みたいなやつ、蘭はギターのピックと腕時計と色々なプレゼントがモカに渡された。因みに俺はモカが前から気になると言っていた漫画セット(初回封入得点つき)をプレゼントした。こんなものではあったが、モカは満足そうに受け取ってくれたので悩んだかいはあったというものだ。
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「ふう~食べた食べた~。もうお腹いっぱい~。」
「まさかあの量の料理をほぼ一人で食うとはな…。」
夕暮れになりパーティーはお開きとなって帰路についていた俺たちの間にはさっきまでの思い出話が飛び交っていた。
特に驚いたのが俺が沢山用意していた唐揚げ、ミニハンバーグ、サラダ、フライドポテト等は3分の2をこいつが平らげたことだ。結構な量作った為最悪余るかもしれないと思っていたのだが、その不安は意図も容易く解消されてしまった。
「やっぱり遼の料理は最高だよね~。結婚したら遼は主夫になればいいんじゃないの~?」
「それだと稼ぎ少なくなるだろ。俺も定職にはちゃんと就くって。」
そんな話をしていたのだが、人気の少ないところに来たとき、モカは足を止めた。
「ねえ遼…。あたしもう1つ欲しいものがあるんだけどさ…我が儘言っていいかな?」
「なんだよ?別に遠慮しなくてもいいぞ?パンなら今からやまぶきベーカリー行くし食べたいものあるなら帰って作るs」
俺がそう言っていた時、モカは俺に近づき背伸びをした。そしてそのまま顔を近付けて……
キスをしてきた。
「……えっ?……モカ?」
「ふふ~ん。モカちゃん大勝利ですな~。」
突然のこと過ぎて俺の思考は全く働いていなかった。
「えっ?欲しいものって…。」
「それは~遼のファーストキスだよ~。ほら~あたしたちって付き合い始めてから今までキスしてこなかったじゃん?」
「確かに。」
因みに付き合い始めたのは夏休み前…7月末だろうか。そして今は9月。つまり約一ヶ月ほどキスをしていなかったのだ。
「どうだった~?モカちゃんの唇の感触は~?」
「あーえーっと……柔らかかった…かな?」
「じゃあ~もう一回やる~?」
「いやいや、今ここ外だから!やるなら家帰ってからな!」
「つまり~家の中なら好きなだけキスしてもいいってことだよね~?」
「あーもう帰るぞ!」
「あ~。ちょっと待ってよ~。」
先を行く俺の後を追いかけるモカ。再び二人が隣に並ぶと俺たちの手は気付かないうちに繋がれていた。
何時もより少しだけ騒がしい1日になりそうだけど…やっぱりこの瞬間が俺は好きなのかもしれない。
モカ、産まれてきてくれてありがとう。
モカちゃんお誕生日おめでとおおおおおおおお!!!!!!
なんとか間に合ってよかったです!モカちゃんの誕生日は祝わなければ後悔する!というか推しの誕生日は祝わなければ後悔する!ということで急ピッチで書き上げました!
そしてようやくキスしましたうちのモカと遼!この為にここまで引っ張って来たのだよ!
それはともかくパーティー描写が殆どなかったのはマジですみません。本当に誕生日パーティーってやったことないし参加したこともないのでどういうものかわからないんです。ホントこれで勘弁してくださいm(_ _)m
良ければ感想や評価よろしくお願いします!
@kanata_kizuna