いつも通りの日常に夕焼けを   作:キズカナ

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苦労人三銃士を連れてきたよ

 

「あ~…きつい…。」

「私もです…。」

「本当あの人達は限度というものを知らないのかな…?」

 

上から有咲、美咲、俺の順番で喋っている。しかも三人とも机に伏せたままの状態で。

 

何故こうなっているのか軽く説明しよう。まず俺たちAfterglowはいつものようにライブハウス『CiRCLE』で練習しようとしてた。そこに弦巻こころ率いる異色バンド『ハロー、ハッピーワールド!』と戸山香澄率いる『poppin party』が現れ練習場所の問題が発生し、遂にこころが「ならみんなで練習すれば良いじゃない!」と言い出しそれに乗っかる香澄とひまりにより3バンドによる合同練習が始まったのだが…俺は忘れていた。

 

 

 

 

 

 

 

弦巻こころの思考力は俺の予想以上にぶっ飛んだものであるということを…。

 

 

 

 

 

 

とりあえず話をしよう。あれは約40分前のこと…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあさっそく作戦会議にいくわよ!」

「「「イエーイ!」」」

 

弦巻さんの掛け声により部屋に入った俺たちは人口密度が凄い状態で作戦会議をやることになる。そしてそれについていくのが瀬田先輩、北沢さん、戸山さん、ひまりといったはっちゃけメンバー達。まあ、練習するのは彼女らだけで俺は記録しその改善の発見だからあまり出番は無いだろう。そう思っていたのだが…。

 

「あら?遼は何か楽器をやらないの?」

 

ここでその考えをぶち壊すトリガーを引いたのがこの弦巻さんだ。

 

「ああ、俺が入るとガールズバンドじゃ無くなるからな。」

 

「そうなの?でもせっかくいるんだし一緒に演奏しましょう!」

 

「いや、そもそも俺の楽器ないし」

 

「そう言えばそうね。あなたはなんの楽器が出来るのかしら?」

 

「あ~その~………っておいちょっと待て。今扉の開いてた隙間から逃○中のハンターみたいな奴覗いてなかったか?」

 

俺は話を中断し扉の辺りを見たがその辺りに人はいなかった。いや、確かにいたんだよ。サングラスかけた黒いスーツの逃○中のハンターみたいな人が。因みにその時の美咲と松原さんは凄く「御愁傷様です」と言いたそうな顔してたな。うん。

 

「こころ?とりあえず今度のライブの話でしょ?」

 

「あらそうだったわね!じゃあ遼のことはその後にしましょうか!」

 

あ、逃がしてはくれないんですね。でも時間に猶予が出来ただけよしとしよう。美咲ナイス。

 

「とりあえず練習しない?まりなさんの親切で時間延長してもらってるし、せっかく複数のバンドの共同練習ならお互いの音を聞きあってもいいんじゃないかな?」

 

「おお…。沙綾、天才?」

 

「じゃあ…最初は何処から始めようか?」

 

山吹さんの提案に花園さんが反応しその横でつぐみが進めようとする。

この後俺が適当に作ったくじの結果で1番にポピパ、2番にアフグロ、3番目にハロハピがやることになったんだが…。

 

 

 

 

 

 

この選択ははっきり言って最後に爆弾を持ってきたような感じだった。貶してる意味ではなく、何が起こったかと言うと弦巻さんがライブ最中に考えてた新しいパフォーマンスをぶっつけでやろうとした結果ギリギリ危ない所でどうにか美咲ことミッシェルがフォローしたりまたしてもハンターみたいな人が出てきたり、俺も巻き込まれそうになり…まあ、噂通りの暴走っぷりでした。いや、特に俺や美咲は精神的にダメージ受けまくったという。

えっ?じゃあ有咲はなんなのか?彼女曰く「香澄の相手してた。」とのこと。

 

 

 

 

 

 

 

以上。

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっほー。お邪魔しま………ナニコレ?」

 

そこにやって来た人物、今井匡は今の俺たちの状況を見て困惑していた。

 

「匡…お前おせーぞ…。」

 

有咲が遅れてきた匡に対して不満を口にした。

 

「ごめん。朝ベースの弦が一本切れそうだったから楽器店に行って修理して貰ってたんだ。でもこれは一体何が…」

 

「弦巻のやべーやつによる被害者の会。」

 

「ごめん、ちょっと何言ってるか分かんない。」

 

「あ、3人ともちょっと来てもらっても良い?」

 

俺たちは沙綾に呼ばれて匡と共にスタジオへと戻る。………いや、なんか嫌な予感がするんだけど。

 

 

 

 

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~つぐみ視点~

 

 

「ねえ。ここでオッちゃんをバーンと登場とか出来ない?」

 

「それは面白そうね!ならマジックみたいにしましょう!」

 

「おお~。いいねこころん!」

 

「はぐみもそう思う!」

 

遼君たちが席を外して程たった。その間、こころちゃんや香澄ちゃん、たえちゃん達がライブをより面白くするために色々と案を出しあってるみたいだけど…。

 

「それで~うさぎと一緒にミッシェルもドーンッ!って出すのはどうかしら?」

 

「熊とうさぎが共に空を舞う姿…儚い…。」

 

「薫先輩、私もそう思います!」

 

正直もう私たちだけでは彼女達をどうにか出来そうになさそうです…。

 

「えっと…これどうすんの?」

 

「ふええ…。美咲ちゃん早く戻って来てぇ~。」

 

蘭ちゃんも花音先輩も困惑してるみたい。多分そろそろ沙綾ちゃんが呼んできてくれてるとは思うけど…。

 

「お待たせ~。」

 

「さ~や~?どこ行ってたの~?」

 

「とりあえず連れてきたよ。」

 

「えっ?連れてきたよって…誰を?」

 

「もしかして…」

 

蘭ちゃんと私が呟いてると沙綾ちゃんの後ろから遼君、有咲ちゃん、美咲さんが来た。

 

「苦労人三銃士を連れてきたよ。」

 

「「苦労人三銃士?」」

 

私と花音先輩の声が重なった。

 

「甘辛パーソナリティー 市ヶ谷有咲」

 

「おい、なんだこれ?」

 

「熊の中の常識人 奥沢美咲」

 

「えっと…。」

 

「アフターグロウのオカン 常乃遼」

 

「いや、俺の2つ名酷くね?」

 

こんなやり取りをしながら紗綾ちゃんは3人に事情を話した。するとたえちゃんが有咲ちゃんに近づいて行った。

 

「ねえ有咲、私がオッちゃん抱いて空を飛ぶのっていいと思わない?」

 

「いや、何でその発想に至るんだよ!?」

 

「私のうさぎと一緒にステージに出たいっていうのと香澄の空を飛びたいっていう意見を混ぜたんだ。」

 

「飛ばねーしうさぎをステージに出すな!」

 

「えー!良いじゃん有咲ー!」

 

「良くねーし引っ付くな!匡!香澄とおたえダブルで相手出来ねえからとりあえず香澄ひっぺがしてくれ!」

 

「香澄~。姉さんから貰ったクッキー食べる?」

 

「食べるー!たすくんありがとー!」

 

「ねえ美咲!ミッシェルを大砲に入れて空に飛ばすのはどうかしら?」

 

「いや、駄目だから。普通にミッシェル死ぬから。」

 

「大丈夫よ!ちゃんとクッションも用意しておくわ!」

 

「いや、そういう問題じゃないんだけど…。」

 

「もちろんはぐみも飛ぶよ!」

 

「それは後々収集つかなくなるから駄目。」

 

「ところでこの子猫ちゃんと話し合ったんだが私が空からみんなにチョココロネを配るというのは良いとは思わないかい?子猫ちゃん達に私の言葉と共に笑顔のお裾分けを…。」

 

「良案のように言ってるとこすみませんが食べ物で遊ぶの止めて貰えます?」

 

「かのシェイクスピアは言った。『行動とは雄弁である』と。」

 

「は?」

 

「つまり…そういうことさ。」

 

「いや、瀬田先輩言葉の意味理解せずに言ってないか?」

 

「もちろん理解してるとも。かのシェイクスピアは…」

 

「もういいわ」

 

 

こんな感じで三人のおかげで事態は上手く纏まっていった。その代わりに三人は皆のことを上手く纏めていた為なんだか凄く疲れているように見えた。

 

「有咲ー!私が星になってステージの空を飛ぶのはどうかな?」

 

「じゃあ私はうさぎ達と歯ギターやろうかな?」

 

「美咲!ここで花火と一緒にミッシェルを打ち上げるのはどうかしら?」

 

「ああ…なんて儚い…。」

 

「遼~。チョココロネ無い~?」

 

「だから一気にしゃべるな!後飛ばねーし歯ギターもやるな!」

 

「いやいや、死ぬから!あたし死ぬから!」

 

「ここには暴走特急しかいねえのかぁぁぁ!」

 

 

 

ふと隣を見ると蘭ちゃんはため息をついていて巴ちゃんとひまりちゃんは二人で会話して、花音先輩とりみちゃんはわたわたしていた。なんか…この三人って凄いなと思った1日だった。今度うちに来たら新作のスイーツご馳走してあげようかな?

 

 

 

 

 

 

 




☆10評価、コメントを新しくくださったアインシュタインさんいつもありがとうございます!

そして新しくお気に入り登録してくれた8名の方々、ありがとうございます!



さて次回なんですが方向性は決まってて後は文章にするだけなんですが諸事情によりしばらく間が空きそうです。まあ、こんな駄文でも良ければ気長に待ってくださると嬉しいです。



次回『ハッピーニューつぐ!?』

祝え!新たなるつぐみの誕生を!



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