ゴッド★ロックシューター   作:榊 樹

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執筆中の全てのデータが何故か消えて心が折れてました。自動保存に少量ですが、データが残ってたのでそれを元にある程度復元しての投稿。

これまでの努力が一瞬で水の泡。新作も書いてたのに・・・はは。


それでも感想を見返して、テラ子安アバドンの反響が凄くてやる気出た。
今回は説明回みたいなものです。


第15話:アバドゥン

〔離せと言うのが聞こえ━━━ぶへっ!〕

 

 

アバドン(?)を食べようとしたら、まさかまさかの優男ボイスで喋るという中々ぶっ飛んだ事態に陥った。取り敢えず、色々と不明瞭な点が多過ぎるので噛むのを止めて思いっ切りその辺に投げ捨てる。

 

ゴロゴロと転がって行くアバドン(?)から目を離さず、“★Rock Cannon”を呼び出して照準を合わせる。

 

 

〔痛てて・・・全く、離せとは言ったが誰が放り投げろと言ったのだ。このお転婆娘め〕

 

 

漸くアバドン(?)が止まり、のそのそと起き上がりながら何やら失礼な事を呟いていたが、こちらが構えている事に気が付くと俊敏な動作で浮き上がり、両方の(ひれ)のような部分を手の様に使って見るからに慌て出した。

 

 

〔ま、待て待て撃つな!私は決して怪しい者ではない!〕

 

 

と言ってはいるが、俺からしたら怪しさ満点この上無い。そもそも人型でも無いのに喋っている時点でどうかしてる。

 

 

〔ええい、銃口を近付けて来るな!危ないだろ!全く、近頃の若い者はそんな礼儀もなっとらんのか・・・はぁ、嘆かわしい嘆かわしい〕

 

 

人が腕を組むように鰭で再現し、全身を使って首を振るかのように左右にフリフリしている様は傍から見たら可愛らしいのだろうが、何を思ってそのような動きをしてるのかが分かれば無性に腹が立ってくる。

 

なので自分が今どういう立場にあるのかを分からせる意味も込めて一発お見舞いしてやった。

 

 

〔いいか!この見るからに可愛らしいフォルムと美しいデザインを併せ持つ私に銃口を向けるのがど━━━れぇええ!!?〕

 

「・・・ちっ」

 

 

外したか。

 

 

〔『ちっ』じゃねぇえ!!今、私が避け無かったら直撃していたぞ!〕

 

「させたかった」

 

〔何ドヤ顔で言ってるんだ、このジャジャ馬娘が!!その本物のロリっ子にすら劣る悲しすぎる程に無い貧相な胸、いや胸と呼ぶのも烏滸がましい。まな板と同じくらい無い脳ミソでもう少し知的生命体らしく思考という物をしてみた━━━らぁあああ!!?〕

 

 

よし、取り敢えず全弾ぶち込むか。

 

 

 

 

〔ぜぇー・・・はぁー・・・〕

 

 

眼前には無数のクレーターと見るからに満身創痍なアバドン(?)が浮いている。それに向けて引き金を何度引いてもカチカチと空かした音がするばかり。

 

コイツ、あの数十発もの弾丸を全て避け切ったのか。中々やるな。

 

 

「・・・何者?」

 

〔そ、それは・・・はぁはぁ・・・最初に・・・聞く、べきだろ・・・はぁはぁ〕

 

 

アバドン(?)が息を整えている間に弾切れになれば鈍器みたいなものなのでさっさと“★Rock Cannon”を仕舞い、寝床にしていたトライクのフロントカウルを外して一応警戒しておく。

 

戦闘力は皆無そうだが、何か搦手のような手段を持っているかもしれない。例えば、周囲のアラガミを呼び寄せたり、新しくアラガミを生み出したり。まぁ、そんな事はほぼ無いだろうが警戒するに越した事は無い。

 

 

そう言えば、いきなり俺の後ろから現れたな。もしかすれば瞬間移動の類か?よし串刺しにするか。コアをズラせば死なんだろ。

 

 

〔うぉ!?今度はいきなりどうした!?〕

 

「動かないで・・・下手したらコアを突き刺すよ」

 

〔いや、まず突き刺すのをやめんか!そもそも私にはコアなど存在せんから、そんな気遣いは無用だ!〕

 

「じゃ、遠慮無く」

 

〔ギャーッ!!?っていい加減にしろ!!〕

 

 

無強化状態とは言え、不意打ちの全力の突きが躱されて顔面に体当たりされた。とは言え、その程度は大した事無いので何とも思わんが、取り敢えず逃げたり敵対する意思が無いのは分かったので大人しくする事にした。

 

 

〔お、おぉ、漸く大人しくなったか〕

 

「・・・それで何者?」

 

〔産まれてまだ十分も経ってないのに、なんて小娘だ全く〕

 

「何者?」

 

〔分かった!話すから切っ先をこちらに向けるな!話しづらいだろうが!〕

 

 

話す気になったそうなのでフロントカウルを下ろして話を聞く体勢に入る。アバドン(?)もこちらが襲う気配は無いと確認出来たのか、態とらしくゴホンと咳払いをすると(ひれ)で腕組をして話し始めた。

 

 

〔私は・・・あー何て言えばいいか・・・うーん・・・〕

 

 

おい、いきなり躓いたぞ。

 

 

〔そうだなー・・・お前さんが持ってるその武器やさっき撃ちまくってた大砲がどうやって作られてるかは大方、見当が付いているだろ?〕

 

「体内・・・で作ってる?」

 

〔まぁ、そんな所だ。体内と言うと少し語弊があるが、細かい事は今はどうでもいい。話を戻すが私はその作られた武器の内の一つだ〕

 

「武・・・器?これが?」

 

〔おい、心の声が漏れてるぞ。まぁ確かにこの如何にもマスコットキャラクターのような愛らしい見た目からは想像も出来ッ〕

 

「早く話進めて」

 

〔悪かったから耳を引っ張るな〕

 

 

頭の二つの突起物、これ耳でいいのか。触感は大して柔らかくないな。機械みたいにガッチガチだ。

 

 

〔まずは武器を作る過程から説明しよう〕

 

 

纏めるとこんな感じ。

 

・コアを捕食

・捕食したオラクル細胞を俺の細胞で侵食

・それを基に体内(?)で各パーツを生成

・部品が揃えば完成

 

基本的には神機と似たような物だな。

 

 

〔分かったか?そうか、ま、当然だろう。この私がここまで分かり易く説明してやったんだ。まさか、分からないとは言わないよな?〕

 

 

まだ何も言ってないのに、どうしてコイツはここまで無意味に煽って来るんだ?

 

 

「話は理解した・・・質問が幾つかある」

 

〔よし、言ってみろ。今の私は月光蝶である。どんな質問にも答えてやろう〕

 

 

いきなりその場で空中をパタパタと旋回し始めたんだが、情緒不安定なのか?コイツ。

 

 

「お前は・・・どうやって作られたの?」

 

〔私か?私はお前が先日食べただろう?〕

 

「・・・アバドン?」

 

「あぁ、あれで材料が揃ってな。ついさっき完成した」

 

 

えーと、つまりアレか。瞬間移動したんじゃなくて、換装で俺から出て来たのか・・・え、こんなのが?俺から?・・・えー。

 

 

〔・・・おい、何故いきなり嫌そうな顔をしている〕

 

「・・・別に」

 

〔まぁいい。因みに他よりも早かったのはアバドンというアラガミの特性故だ〕

 

 

アバドンの特性と言えば・・・確か色が無色とか、だっけ?あ、色が無いから染めやすいって意味か。となると他のアラガミを捕食しても新しい武器が中々出来ないのは既に違う色だから染め難いとか?

 

 

〔何を阿呆みたいな顔をしている〕

 

「・・・他の武器が中々出来ないのはなんで?」

 

〔む?それは色があるからに決まっているだろう。それにお前さん自身の燃料にもしなければならない。そちらが優先され、残りを武器の方に回す。中々出来んのもその為だ〕

 

「そんなに・・・燃費、悪いの?」

 

〔正確には吸収効率が物凄く悪い。今までお前さんが喰らって来たアラガミから得た燃料はアバドン数匹分だ〕

 

 

アバドン凄ッ!?俺が喰らったアラガミって下手したら四桁いってるよ!・・・この場合は他のアラガミがショボいのか?

 

 

「・・・なら、アバドンから作るのは」

 

〔無理だな。アバドンから作られるのは私だけだ。さっきは分かり易く色で例えたが、細胞ごとにそれぞれが異なる進化を遂げている。それらを作り替える能力までは無い〕

 

「・・・同じのが二つとか出来ないの?」

 

〔それも無理だ。これは一種の進化だ。一つ完成した時点でその物の制作は停止する。それにその為の修復機能だ〕

 

 

あぁ、やっぱり修復されてたのか。

 

 

〔無論、この修復にも自身の色に染めたオラクル細胞を必要とする。仮に私が跡形も無く消し飛んでもアバドンを何体か喰らえば修復出来るという訳だ〕

 

 

ほぇー、案外制約があるんだな。やっぱり、そんな何でもかんでも出来る訳じゃないのか。

 

 

「・・・所で、何でそんなにも詳しいの?」

 

〔当然だ。私には知能があるからな。お前みたいな頭パッパラパーとは違うのだ!〕

 

「どうせ復活するから、その減らず口を引き裂いてやろうか?」

 

〔あだだだ!!ひゅ()ひゅまへぇん(すみません)はへにひひはふのやめへ(縦に引き裂くのやめて)!!〕

 

 

全く、一言多いんだ。誰が『頭パッパラパー』だ。コウタと同じにしないで欲しい。

 

 

〔てて・・・そもそも、お前にもその辺の知識はある筈なのだ〕

 

「え、そうなの?」

 

〔当たり前だ。私の知識に関する部分は全てお前を基にしているからな〕

 

 

んー?なら、なんでその辺の知識がまるで無いんだろう?思い出そうとしてもそれらしい記憶は欠片も出て来なかったし。

 

 

〔大方、精神が『人間』だからだろう。私はその身体を基にして作られたので、『人間』が入る前と後の知識と記憶をある程度持っているのだ〕

 

 

一見、かなり馬鹿に見えるけど、もしかしてそれなりに頭が良かったりするのか?てか、俺が人間だって事は初めから知ってたのか。

 

 

「・・・あ、知能があるから勝手に出て来れるの?」

 

〔勿論だとも。当然、その辺の主導権はお前が持ってはいるし、他の武器は出せないが自身をある程度好き勝手に出し入れするのは可能だ。他には何か聞きたい事は無いかね?〕

 

「・・・遠くに離れても武器とかならある程度、位置を感知出来るのは何で?」

 

〔アラガミの基本的な特性として、例え一つの個に見えてもそれは単細胞生物であるオラクル細胞の群体だ。そしてそれらの司令塔はコア。それは私達も同じだ。・・・お前、胸辺りから心臓の鼓動みたいな音が聞こえるだろ?〕

 

「え?・・・あぁ、うん。聞こえる」

 

〔おかしいとは思わないか?生前のゲームとやらで、それらしい描写はあったとしても人間の心臓のように定期的に脈打ち続けるなんて事は無かった筈だ。そもそもコアは心臓の全身に血液を送るなんて役割は持ってないからな〕

 

「・・・じゃあ、なんで」

 

〔電波のような信号を送って互いの場所を確認する為だ。始めの頃には無かったが、お前が色々と無くし物をするからそういう風に進化したんだ。全く、なんて情けない理由なんだ〕

 

 

ぐぅの音も出ない。

 

 

〔しかし、そこまで高性能と言う訳では無い。分かるのは方向だけだし数が少なければ当然、反応をキャッチする事も出来ない。そもそも基本的に放置しておけば他のアラガミによって喰い尽くされる〕

 

「あ、そう言えば、なんでこんなにも狙われるの?」

 

 

ずっと疑問だった。特異点であるシオですらここまであからさまに狙われたりはしなかった。それに幼女の時みたいに人間が近くに居ても俺を優先的に狙って来る。

 

 

〔あぁ、それは・・・何と言えばいいのか・・・一言で言ってしまえば、お前が裏切り者だからだ〕

 

「・・・裏切り者?」

 

 

裏切り者ってなんだ?他のアラガミを積極的に狩ったりはしてるけど、それは他のアラガミだって積極的云々は置いといて、結構している事だ。

 

 

〔これに関しては『人間』であるお前がその身体に入る前の話だからな・・・私の記憶も曖昧だし、推測も入っている。そこから導き出した答えは、やはり要因は『人間』であるお前が入ったのが大きい〕

 

 

うん、まぁそうだよな。人間の天敵の中に人間が入ったら、そりゃ色々とおかしくはなるだろ。

 

 

〔しかし、その身体自体が異端でもあったからでうん、やっぱりお前が入ったのは言わばダメ押しのようなものだ〕

 

 

えっと、話を聞く限りだと結局は俺が居ようが居なかろうが、似たような現象が起きたって事か?

 

 

〔その身体は元々は数多居るアラガミの内の一つだった。しかし、進化の過程で人間に(くみ)するようになったんだ。どう言う過程を辿ればそうなるのかは、私にもよく分からんがな〕

「・・・それなら特異点(シオ)も似たような物じゃない?」

 

〔いや違う〕

 

 

え、違うの?

 

 

〔特異点にはこの世界を白紙に戻すかどうかの意思決定権のようなものがある。要はどちらの味方になろうが、その決定を他のアラガミも形はどうあれ、甘んじて受け入れる。従うかどうかは別としてな〕

 

 

それって受け入れてんの?

 

 

〔しかし、私達は違う。私達は特異点のような特別な存在では無い。人間に近い姿へと進化した唯のアラガミだ。特異点以外のアラガミは基本的に絶対君主制の兵隊のようなモノ。理由はどうあれ、敵である人間の味方をする事は御法度なのだ〕

 

「つまり、狙われているのは同胞を殺したからでも、『俺』が入ったからでも無く、完全に人間の味方をしたから?」

 

〔あぁ、細胞レベルでな。と言っても生来のアラガミの本能のようなものまでは未だに抑えられていない。微量ではあるが触れていれば他者に捕食という名の侵食をする。アラガミや人間と触れて互いに痛みを感じるのはその所為だ〕

 

「・・・私はあんまり」

 

〔それはお前が鈍感なだけだ〕

 

 

鈍感系主人公ってか。喧しいわ。

 

 

〔他にはもう無いのか?無いのなら別のステップへと進みたいのだが〕

 

「・・・聞きたい事では無いのだけど」

 

〔何だね?私達は一応は一心同体なのだ。何でも聞いてくれ給え〕

 

「・・・名前、何?」

 

〔名前?そんな物は無い。飽く迄も武器だからな。付けたければお前が付けるがいい〕

 

 

考えてみれば、そりゃそうか。他の武器だって俺が勝手に命名しただけで夢の中で聞いたとか、そんな選ばれし者みたいな現象が起こった訳でも無い。

 

となると・・・うーん・・・どうしようか。

 

 

〔・・・・・・〕

 

「・・・・・・」

 

〔・・・・・・〕

 

「・・・・・・」

 

〔・・・・・・まだかね?〕

 

「もうちょっと・・・・・・・・・非常食、なんてどう?」

 

〔あれだけ考えて出て来たのがソレか!!?お前、本ッ当に食い気ばッッかりだなッッ!!〕

 

「まぁ落ち着いて欲しい」

 

〔・・・なんだね?私を納得させるに値する言い訳でもあるのかね?〕

 

「お前は仮に消滅してもまた蘇る」

 

〔だから何度食べても無くならない、とか言うのは無しな〕

 

「・・・・・・ちっ」

 

〔言う気だったのかよ!!そもそも幾ら喰っても総量は増えはせん!!出した物をまた喰らってるだけだから、当然だろ!〕

 

「・・・・・・うんこみたい」

 

〔誰がうんこだ!?〕

 

「もう名前うんこでよくない?」

 

〔お前はそれでいいのか?一生を共に過ごす存在がうんこで本当にいいのか?〕

 

「・・・・・・いや、かな」

 

〔何故、そんなにも悩むのだ!〕

 

「いい気味だって思った」

 

〔そもそもアラガミは排泄なんてせんわ!〕

 

 

あぁ、そう言やそうだな。

 

うーん、でもなー・・・本当にどうしようか?普通にアバドンだとややこしい事に成り兼ねないだろうし・・・あ、そうだ。

 

 

「・・・『ロン』なんてどう?」

 

〔・・・・・・あぁ、お前さんとソックリな漫画に出て来るアレか。まぁいいだろ。今までにくらべれは何倍もマシだ〕

 

「ん、それじゃよろしくロン」

 

〔あぁ、よろしくなステラ〕

 

 

まさか鰭と握手する日が来るとは思わなかった。コイツ、鰭も硬いのになんであんなに滑らかに動かせるんだ?




名前、思い付かなかったので思い切って同じにしました。ま、原作を真似たからいいよね。ね?

ロン(アバドン)はそう言った知識が普通にあるのでメタイ?内容がこれから出て来ると思います。苦手な方はお気を付けて下さい。


次回はロン(アバドン)の性能お披露目回・・・に出来たらいいな。


次回も気長にお待ち下さい!
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