ゴッド★ロックシューター   作:榊 樹

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(少し早いけど)メリィィクリスマァァス!
同居人が今日明日は仕事だから、結局クリぼっちだぜ!
そんな作者からのクリスマスプレゼントだ!
( ゚∀゚)o彡゚ソイヤソイヤ(∩゚∀゚)∩ドッコイショ


(八つ当たり気味に書いたので)後半エロ注意。
完全な蛇足になるので苦手な方は前半だけでバックしても問題無いよ。


第17:今更ながらに紙装甲

「・・・こう来たら・・・こう」

 

「・・・ごめん、参考にならない」

 

 

極東では『ヴァジュラを単独で倒せば一人前』と言われている。そんな訳で数年ゴッドイーターをしているエリックもそろそろいいんじゃないか、との事でヴァジュラの倒し方を見せたが・・・・・・むぅ。

 

 

「・・・出来れば・・・その、()()()()んじゃなくて、銃としての立ち回りを教えて欲しい」

 

「・・・それもそっか」

 

 

憐れみの目で地面にめり込むヴァジュラを見るエリックに言われて気付いた。殴れるどうこうの前に人は神機でないとヴァジュラ━━━━アラガミを倒せない事に。

 

ソーマが牽制で何の違和感も無く殴り飛ばしてたから、普通に忘れてた。

 

 

「・・・で、近付いて来たら・・・こう」

 

「いや、だからなんで殴るの!?途中までそれっぽかったのに!」

 

 

新しく見付けたヴァジュラに対して、遠距離用の立ち回りを教えて、トドメにヴァジュラを“★Rock Cannon”で殴り倒したらツッコミが入った。

 

動きとしては(あなが)ち見当違いって訳でもないと思うんだけどなぁ。

 

 

「・・・でも倒せるよ?」

 

「いや、そうだけど!それだと整備士の方々に怨まれるよ!!」

 

 

ふむ、成る程。確かにそれは盲点だった。俺のは自己再生するからいいけど、神機はそうはいかないのか。そういう想定をされていない銃なら尚更だな。

 

 

「・・・ん?・・・まだやってたのか?」

 

「・・・あ、ソーマ・・・終わった?」

 

「あぁ・・・かなり回収出来た」

 

 

続いて新しいヴァジュラを探そうとしたら、沖の方から戻って来たソーマと合流した。少し水に濡れた彼から、自身の釣り竿と数個のコアを受け取る。

 

釣りという物を知識としては知っているが経験は無いみたいで、やってみたそうな目で見ていたソーマに渡してみたらドハマりしたらしく、ここ最近の彼のマイブームとなっている。

 

実はあのコートの下、シレッと自身の服に似せた釣り用の服だったりする。細胞の侵食に関しても指貫きでは無い釣り用の手袋をしてるので、短時間なら問題は無いから特に気にする事も無い。それに趣味の片手間にアラガミを駆除出来て、コアも回収出来るという一石三鳥なので何かと生産的なのである。

 

その内の数個を俺が貰えるので、働かず手に入る食事は個人的にも色んな意味で美味しいから、その趣味は大変賛成だ。

 

 

「ソーマ!聞いてくれ!ステラちゃんがヴァジュラを殴り倒せって言うんだよ!?君からも言ってあげなよ!もうちょっと普通の倒し方を教えてって!厚かましいのは理解してるけど!」

 

「・・・・・・。・・・そうか」

 

 

周囲を一瞥して事情を把握したソーマはこちらに近寄って来ていたヴァジュラの前に立つ。恐らく、説得するよりも代わりに教えた方が早いと判断したのだろう。まっこと遺憾だが否定出来んな。

 

そして、未だに十数メートル距離が空いているのに神機を構え━━━━

 

 

「ふんッッ!!」

 

 

チャージクラッシュで消し炭にした。

 

 

「・・・・・・こんな感じだ」

 

「しまった・・・同じ人種(例外)だった・・・」

 

 

膝から崩れ落ちるエリック。そんな彼に俺とソーマは一緒に小首を傾げる。普通じゃね?と。

 

 

「あー・・・取り敢えず、次は僕が対峙してみるから、おかしな所があれば指摘してくれないかい?」

 

「・・・分かった」

 

 

これ、自分がなんとかしないと駄目だ、と悟ったエリックの提案により、いつでも援護が出来るように意識を張り巡らせつつ、取り敢えずヴァジュラと立ち会う事となった。

 

 

「・・・居たぞ」

 

「・・・走って来てる・・・エリック、構えて」

 

「こ、この華麗なる神機使い、エリック・デア=フォーゲルヴァイデが━━━━」

 

「・・・・・・あ」

 

「エリック上だ!」

 

「■■■■■■■■!!!」

 

「━━━━━━え?」

 

 

緊張故か、声が震え気味のエリックが悠長に名乗りを上げ、髪をサラリと払う。理性が獣畜生と殆ど変わらない相手に対してはあまりにも無謀であり、隙を作る事になってしまうその行為。いつもならしないであろうミスも根本的には割とヘタレの部類に入るエリックはしてしまった。

 

しかし、これでも数年はアラガミと戦い続けて来たし、ヴァジュラの平均的な身体能力も攻撃方法も頭に入っている。故に本来なら髪を払うだけの時間的な余裕があったのは確かだ。

 

ならば何故、こうしてエリックはピンチに陥っているのか。それはヴァジュラが想定よりも遥かに速い速度で一心不乱に突撃して来た為に他ならない。故に最悪のタイミングになってしまった。

 

ヴァジュラから目を離した訳では無いが認識は出来ておらず、飛び上がったヴァジュラに脳が追い付いていないみたいだ。そして、完全にエリックの死角へと入ってしまった。

 

一瞬、敵の姿を見失ったエリックは呆けた顔で()()()()()()()()ヴァジュラを立ち尽くしながら見送る。

 

 

「・・・あれ?」

 

「・・・ん・・・やっぱり・・・・・・ソーマ」

 

「・・・分かってる」

 

 

状況に付いていけないエリックは一先ず置いといて、ソーマと共に迎撃に入る。ロンを右腕として変化させつつ、跳び掛かって来たヴァジュラに対して迎え撃つ様に跳び上がり、それに反応したヴァジュラが爪を振るって来た。

 

そんな安易な攻撃は予想済みなので身体を軽く捻って、股下をすり抜ける。そのまま振り向き様に右腕(ロン)を伸ばして尻尾を掴み、右腕を引いて地面に叩き落とす。

 

その後、ヴァジュラには構わず、そのままエリックの下までダッシュで向かい、担いで端に避ける。

 

瞬間、今居た所に赤紫色のオーラが大地を裂いた。

 

 

「・・・ふぅ、なんとかなったな」

 

「・・・エリック・・・大丈夫?」

 

「ん゛んッ!・・・あ、あぁ・・・大丈夫だよ、ありがとう」

 

「・・・?どうしたの?」

 

「い、いや、なんでもない・・・それより、その・・・早く降ろしてくれるかい?・・・流石に・・・これはちょっと」

 

 

エリックの神機が壊れないように一緒に持って来ないといけなかったから、必然的にエリックを横抱きにしてしまった。神機を手で持てたら良かったんだが普通に痛いんだよな。

 

だから、エリックの身体の上に乗せて一緒に運んだって訳だ。

 

 

〔おい、私もエリックの意見には賛成だ。いつまでも男の尻の支えに使うな〕

 

「ん・・・ごめん」

 

「いや・・・うん、いいんだ」

 

 

エリックを降ろして後ろを見る。そこには神機を振り抜いたソーマと彼のチャージクラッシュで粉々に砕け散ったヴァジュラだったモノがあった。

 

エリックが巻き添えを喰らう恐れがあったが、イレギュラーが起きた為にそうも言ってられなかった。実力があっても予想外の事態に陥れば、下手をすると命を落とす。(まぁ、今回は完全に俺のド忘れだけど・・・)

 

だからこそ、ソーマに一撃で確実に倒すように指示を出したけど・・・・・・やり過ぎたかもしれん。ま、相手はアラガミだし、別に気にする事も無いか。

 

 

「それにしても、どうして僕はスルーされたんだろうか?」

 

「・・・ごめん、私の所為」

 

「あ!・・・あー、そっか・・・そうだったね」

 

 

俺の言葉で察したのか、「あちゃ〜」みたいな表情で空を仰いでいる。気合いが入ってるらしかった所に水を差してしまったので申し訳無い気持ちになってしまう。

 

だが兎に角、今はエリックが無事で良かった。ソーマがあのセリフを横で叫んだ時はマジでビビった。オウガテイルからヴァジュラって・・・幾らなんでも格が上がり過ぎでしょ。

 

 

「・・・大丈夫か?」

 

「・・・ん」

 

 

周囲が安全だと確認したソーマが寄って来る。チャージクラッシュ直後だからなのか、それとも単に冷や汗なのか、額に少しだけ汗を掻いているみたいだ。

 

 

「そうか・・・今日はどうする?」

 

「僕は構わないけど・・・」

 

「駄目」

 

「え、いや・・・ステラちゃん?」

 

「駄目」

 

「・・・ステラ?」

 

「今日は駄目」

 

「・・・・・・」「・・・・・・」

 

 

おい、どうした二人とも。そんな呆けた表情で顔を見合わせて・・・何か言いたい事でもあるのか?

 

え、そんなにおかしな事を言ったかな?いや、ただちょっとソーマのセリフの所為で不安なだけだし。そんな変な顔をする事も無いじゃん。

 

 

「・・・どうしたの?」

 

「・・・いや、なんでもないよ。うん、ステラちゃんの言う通り、今日はやめようか」

 

「・・・ふっ、そうだな」

 

「・・・?」

 

 

なんだ二人揃って、その「しょうがないなぁ」みたいな態度は。おい、やめろ。生暖かい視線を向けるな。ソーマ、お前だって滅茶苦茶焦ってただろ。エリック、お前に至っては死に掛けてたんだぞ?・・・俺の所為だけどさ。

 

なんでそんなホンワカオーラをに出せるんだよ。

 

 

「あ、そうそう。ステラちゃん、エリナが会いたいって駄々を捏ね始めてね。良ければ、会ってくれないかな?」

 

「ん?・・・うん、いいよ」

 

 

気を使ってくれたのか、少し強引だがエリックが話を変えてくれた。実を言うとエリナとはあんまり会っていなかったりする。

 

いや、エリック達と会う度に割とエリナにも会いに行くんだが、そもそもエリック達とも平均で週に一回くらいしか会っていない。

 

今はエリナとは二ヶ月と数週間くらい会っておらず、過去最高で期間が開いてしまった。・・・会う度に拗ねながら何かしら要求されるから、ちょっと怖いな。前なんて、普段のお兄ちゃんを教えて、なんて言われたし。

 

エリックは教えてくれないらしく、だから俺に聞いたらしいんだが・・・。俺が知ってる普段のエリックは、強いて言えば戦闘面が多くて・・・それなりに強くはなったんだろうけど、多分いつもエリックがエリナに聞かせてる俺の奴に比べたら見劣りするんだよな。

 

なんか俺、エリナの中で神格化されてるみたいだし・・・お兄ちゃんの事が大好きなんだろうなぁ。うん、なんとも微笑ましいね。だけど、俺に山を斬る所を見せてと強請(ねだ)るのはやめなさい。吹き飛ばすくらいなら出来るけど、斬るのは無理だから。

 

因みに普段のエリック云々については仕返しの気持ちも込めて、エリックの武勇伝をかなり脚色して大袈裟に伝えて上げた。キラキラと目を輝かせるエリナの後ろで凄い慌ててるエリックはとても見物(みもの)だった。

 

ふふふっ、俺が帰った後に大好きな妹からの純真無垢な尊敬の眼差しと悪意無い無茶振りを受けて、見栄を張って自ら墓穴を掘るエリックが容易に想像出来る。

 

今度はどんな話をしてあげようかな。凄く楽しみだ。

 

 

「・・・変な顔をしてるぞ」

 

「そんな事は無い」

 

「・・・・・・そうか」

 

 

 

 

はい、そんな訳で特に苦労する事も無く、アナグラ内のエリナの病室へとやって来ました。相変わらずのザル警備でなんか安心するわ。

 

 

「んー♡んふー♡・・・スンスン♡・・・ほわぁぁ♡♡」

 

 

だがなんだ、この状態は。

 

 

「・・・・・・エリック」

 

「さーて、僕は少し用事があるからこの辺で失礼するよ」

 

「エリック」

 

「じゃ、時間になったら呼びに来るから、それまでお楽しみに」

 

 

脱いだヌイグルミを片手に途轍も無い程の満面の笑みで手を振っているエリックが扉の向こうへ消えた。あの野郎、押し付けやがったな。

 

 

「んふふ〜♡」

 

「・・・・・・」

 

 

さて、兎にも角にも今は上に乗って俺を抱き枕?にしているエリナをどうするか。病室に入って俺を認識した瞬間に着ていたヌイグルミを剥かれ、こうしてベッドに押し倒されてしまったのだ。

 

いつの日かの幼女よりも力は子供らしいそれだが、逆に壊してしまうんじゃないかと不安になって無闇矢鱈に抵抗出来ず、されるがままにアッサリと今の体勢になった。

 

俺の胸辺りに顔を擦り付けたり、鼻息が当たって擽ったいのだが下手に頭を押さえてしまえば、怪我をさせてしまうのでやられたい放題だ。ほぼ全裸のこの格好が仇となってしまった。

 

あ、そうだ。ジッパーを降ろせば少しはマシになるんじゃね?

 

 

「・・・少し離れて」

 

「〜♡・・・・・・ヤダ」

 

「・・・ジッパー降ろすから」

 

「・・・・・・ヤダ」

 

 

・・・変な所で頑固だなー。うーん・・・もうエリナの意見は無視して無理矢理降ろしていけば、勝手に退くだろうか?

 

そう思って、少しずつ降ろしたのだが━━━━

 

 

「はにゃ!?・・・スーーッ♡・・・ハァ〜〜ッ♡♡ぁぁ♡」

 

 

━━━━意地でも退かないエリナに焦っていると気付けば、彼女がすっぽりコートの中に入っていた。

 

・・・おかしいなぁ、なんだか途轍も無い程に既視感を覚えるぞ、この状態。それに割とすんなり降ろせたが、俺よりも少し幼いエリナでは割とギチギチな事に変わりは無い。

 

しかも、下の辺りでエリナがモゾモゾと動いたので勝手にジッパーが一番下まで降りて、手がジッパーに届かなくなってしまった。立ち上がろうにも片手しか無いのでそれなりに力が要るし、こんな不安定な状態ではゼロ距離に居るエリナがマジで危ない・・・・・・やっべ、どうしよ。

 

 

「・・・・・・」

 

「〜♡・・・スンスン♡・・・ゴクリ・・・・・・・・・ペロ♡」

 

「ッ!!?!?」

 

 

うわっ!?何!?なんか胸の辺りがヌルッとした!?ッ!?まただ!?今度は鳩尾か!おい待て、エリナ!今、お前何をしている!?

 

 

「ぺろぺろ♡・・・んふふ〜♡」

 

「んッ・・・んん・・・・・・んふッ」

 

 

ちょ、やめ!擽ったい!マジで擽ったいから!!あ、馬鹿!脇を(さす)るな!それにそこをそんなに(まさぐ)ったら!・・・・・・あ。

 

 

「・・・〜♡・・・・・・ん?・・・これは・・・」

 

「・・・・・・」

 

「・・・!?・・・・・・・・・あむあむ♡」

 

 

ほわっ・・・気付いたのか、スルスルと取られた・・・ヤバい、滅茶苦茶スースーする。でもエリナの体温が暖かいから寧ろ心地良い・・・これじゃ、完全にマッチポンプじゃねぇか。なんか悔しいな。

 

 

「んん〜ッ♡・・・んぐんぐ♡・・・」

 

「・・・・・・」

 

 

あぁ、やっと大人しくなった。なんか口に入れてるみたいだけど、俺に被害が無いならいいや・・・。あー、疲れたー。おーい、エリックー。怒らないから早く帰って来てー。そしてこのお転婆娘をなんとかして〜・・・。

 

 

「・・・はむはむ♡・・・ん〜ッ♡♡・・・〜ッ♡〜ッ♡」

 

「・・・ん・・・・・・んん・・・」

 

 

うっ、また弄り始めた。・・・うん、やっぱり何かモゴモゴしてるな。全部は口に入れ切れていないのか、頬を擦り付けて来る時に口からはみ出した紐みたいな物が一緒に身体の表面を撫でて来て、更に擽ったいなぁ。

 

 

「〜♡・・・んー・・・んん?」

 

「んひゃ!?」

 

 

おわっ!?ちょ、何処触ってんだ!?変な声が出ちゃったじゃんか!・・・あ、馬鹿!そこは駄目!

 

 

「・・・・・・」

 

「んん゛ッ!・・・ぁ・・・・・・ひぅッ」

 

「!・・・ッッ〜〜〜♡♡」

 

「はぁあん♡・・・あ・・・いや、違ッ・・・・・・んんッ♡」

 

 

く、クソッ・・・俺が動けないのをいい事に(つつ)いたり、摘んだり、捏ね繰り回したりと好き勝手しやがって〜ッ!!もう怒っ・・・う、嘘です!嘘だからもうこれ以上はやめ━━━━ッ♡

 

 

 

 

「エリナー、ステラちゃーん。そろそろ・・・・・・何をしているんだい?」

 

「・・・・・・あぁ・・・エリック・・・」

 

 

エリックが帰って来たのは二時間後の事だった。それまで俺は・・・・・・エリナの玩具となっていたとだけ。精神がゴリゴリと削られたよ、ハハハ。

 

 

「えっ・・・と・・・エリナはその中に?」

 

「・・・うん」

 

「・・・新しい遊びかなんかい?」

 

「大人の遊び」

 

「え?」

 

「・・・なんでもない」

 

「え・・・あ、そう」

 

 

うん、思ったより相当参ってるな。これ以上はボロが出そうだから、さっさとエリナを出してもらうか。

 

 

「・・・エリック」

 

「ん・・・あ、あぁ・・・なんだい?」

 

「ジッパー・・・上げて。一人じゃ出来ない」

 

「ふむ・・・お安い御用さ」

 

 

ジジジとシレッと紳士さを感じさせる優しい手付きでジッパーを上げていく。やっと解放される、という安堵感からか、リラックスしていると途中でエリックがジッパーを降ろし始めた。

 

 

「?・・・どうしたの?」

 

「えぁ!?・・・あ、いや!うん、えっと・・・ごめん、これより先は自分でやってくれないか?僕は出ているから」

 

「・・・?別に出なくていいよ?」

 

「い、いや!そ、そそれは騎士として、何よりも紳士として許されない事であって」

 

「・・・私だとエリナを剥がせない」

 

「・・・・・・分かった。なら、あっちを向いているから、準備が出来たら声を掛けてくれ」

 

 

何をそんなに慌てふためくのか、全く分からんがもう自分で出来るのも確かなのでこちらに背を向けるエリックを尻目に大人しくジッパーを上げる。

 

そして、コートの下から出て来たのは俺に身体を預け、口端に黒い紐が出ているものの、何かを口一杯に入れて幸せそうにモゴモゴしているエリナだった。

 

 

「・・・エリック、いいよ」

 

「そ、そうかい・・・それじゃ、そちらに向く━━━━よぅ!?」

 

「・・・?」

 

 

エリックが奇声を上げながらおかしなポーズを取り、その勢いを利用してまた後ろに向いた。さっきから何をしてるんだコイツ?ブツブツと「変な扉が開きそう」とか、どういう事だ?そこの扉ならしっかり閉まってるぞ。

 

 

「す、すすすステッ、ステラッ・・・ちゃん!し、下!下をぉ!」

 

「・・・下?」

 

「服、服!見えちゃってるから!!」

 

 

言われてよく見てみる。・・・確かに今の俺はコートの下は何も着ていない。一体誰の所為だろうね。

 

エリックと反対側にあるアレはエリナにしっかり手で揉まれ(揉む程の大きさも無いけど)、エリック側のアレは頬を擦り付けて若干咥えられているような状態だ。

 

うん・・・。

 

 

「で、それが?(憤怒)」

 

「・・・え?」

 

「エリナを剥がして」

 

「え・・・いや、だから」

 

「エリナを剥がして」

 

「あ、はい」

 

 

明後日の方向を向きつつもチラチラとチラ見しつつ、優しく起こさないようにエリナを剥がすエリック。幼女程の力は無いので割と簡単に引き剥がせた。

 

 

「じゃ、じゃあ・・・」

 

「エリック」

 

「僕は出ておくから・・・」

「エリック・デア=フォーゲルヴァイデ」

 

「は、はい!」

 

「そこに座れ」

 

 

逃げようとしたエリックが腰掛けた俺の眼下で正座をした。因みにエリナは俺の膝の上でスヤスヤと眠っている。おかしいな、さっき横に寝かせて居た筈なんだがな。

 

 

「・・・・・・」

 

「・・・あ、あのー」

 

「・・・何?」

 

「で、出来れば・・・前を閉じたり、あの下着?を着たり・・・責めて、腕を組むなりして・・・・・・その、前が・・・」

 

「こっち向け」

 

「え、で・・・でも・・・」

 

「こっち向け」

 

「・・・はいぃ」

 

 

観念したようにこちらに顔を向けるエリック。しかし、目は(せわ)しなくあちらこちらに動かしている。・・・まぁ、いい。

 

 

「ねぇ、なんでこんな格好か・・・分かる?」

 

「え、えっと・・・それは・・・そのー・・・」

 

「何処かの華麗な神機使いが華麗に退出して行きやがった所為だよね」

 

「あ、はい・・・そうですね・・・」

 

「・・・別にそこはいいよ。何か用事があったんだろうし。・・・問題はこの子だよ」

 

「・・・エ、エリナが何か?」

 

「その通りですが?」

 

「あ、はい。すみません」

 

 

・・・本当にこの子は気持ち良さそうに寝てるな。そこそこ五月蝿くしてるのに全然起きる気配が無いぞ。

 

 

「ねぇ・・・なんで前を開けっ放しか、分かる?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・そういう・・・ご趣味が?」

 

「殺すよ?」

 

「申し訳ありませんでした」

 

 

この野郎、綺麗な土下座を決めやがって。この服を着てるのは単にこれじゃないとしっくり来ないからだ。そういう趣味なんて無いに決まってんだろ。・・・・・・お前、さてはずっとそういう風に思ってたのか?

 

 

「・・・この胸の辺り、なんかキラキラと光ってない?」

 

「え、あー・・・と・・・そのー」

 

「誰のだと思う?エリナのだよ。ここで気持ち良さそうに眠ってる少女のだよ。・・・・・・ねぇ」

 

「・・・はい」

 

「この気持ちが分かる?こんな幼い少女に身体を好き勝手に弄ばれる屈辱が。純粋無垢だと思ってた子供に欲望のままに貪られる恐怖が」

 

「・・・・・・」

 

 

うん、分からんわな。俺だって分からなかった。分かりたくなかった。でも分かってしまったんだよ。そういう事態に陥ってしまったんだよ。

 

 

「想像してみて。血を分けた実の妹が同性の、それも人外を押し倒して、自分勝手に己の欲望を発散してる姿を」

 

「とてもエッチだと思います」

 

「あ゛?」

 

「いえ、なんでもありません」

 

 

・・・空耳という事にしておくか。

 

「・・・お陰でこの有様。前を閉じるのも腕を組むのもヌメってるからやりたくない。仕舞いには服」

 

「・・・そう言えば、どちらに」

 

「・・・・・・ん」

 

「え・・・・・・おぅふ・・・」

 

 

俺が指し示したのは膝の上。つまりはエリナの顔の頬や口辺り。それを見て全てを察したのか、なんかエリックが凄い微妙な表情をしている。

 

 

「・・・これが貴族のやり方か?」

 

「い、いや・・・そういう訳では・・・」

 

「・・・軽いホラーだよ。他者の衣服を口に含むなんて・・・」

 

「え」

 

「・・・え?」

 

「あ、あぁ!そうだね!うん、ホラーだ!」

 

「・・・・・・」

 

 

おう、なんだその反応は。なんか冷や汗ダラダラじゃないか。まさかとは思うがお前が教えた訳では無いよな?

 

 

「・・・兎に角、その辺の教育はきちんとして。将来が不安過ぎる」

 

「はい・・・キッチリ言い聞かせておきます」

 

 

言いたい事も終えたので肩の力を抜いて溜め息を一つ吐く。そろそろ他に怪しまれそうなのでなんとか服(?)を回収して、綺麗にしなくては。少女とは言え、唾液(まみ)れになって喜ぶ趣味は俺には無い。

 

 

「・・・エリック、エリナから出して」

 

「え・・・僕が?ステラちゃんの方が・・・」

 

「・・・怪我させるかもしれない」

 

「うっ・・・そうだけど・・・じゃあ、失礼するよ」

 

 

渋々と言った感じに意地でもこっちを視界に収めないようにエリナに手を伸ばす。そんな時だった。背後の自動ドアがプシューッと音を立てて開いた。

 

咄嗟にエリックは振り向き、誰が来たのかを確認する。果たしてそこに居たのは━━━━━━

 

 

「おい、エリック。いつま・・・で・・・」

 

 

━━━━━━━何処か、焦っているソーマだった。

 

恐らく、中々出て来ない俺達を心配して来てくれたのだろうが、タイミングが最悪だった。エリックにとって。

 

コートを着ているとは言え、その下には何も着ていない俺に手を伸ばすエリック。しかも何処か挙動不審。ソーマの表情が一瞬にして抜け落ちた。

 

 

「・・・・・・」

 

「待ってくれ、ソーマ。君は今、洒落にならない勘違いをしている」

 

「・・・・・・・・・邪魔した」

 

 

エリックの弁解に答えず、一言だけ残して再びプシューッと扉が閉まる。しかし、ソーマは中に入って来ず、廊下から足音が遠ざかる音が聞こえる。

 

 

「待ってくれ、ソーマ!!本当に待って!誤解なんだ!」

 

 

血相を変えて、後から追い掛けるエリック。まるで浮気現場を見られた彼氏みたいな反応だな。・・・・・・いや、他意は無いよ?

 

ドアの向こうで言い合っているのが微かに聞こえて来るがアレはソーマが揶揄ってるだけだから、問題無いだろう。実際、俺の膝の上で眠るエリナをソーマはバッチリ見てたしね。

 

手持ち無沙汰になったので、エリックが部屋を出て行く時に然り気無く渡されたハンカチを使って身体を拭う。それから服なんだが・・・・・・どうしよっかね。

 

仮に口の中から取り出したとしても、それを着ようとは・・・流石に思えない。

 

 

〔・・・おい〕

 

 

本格的に困り果てているとロンが自ら出て来て、声を掛けて来た。どうやら、珍しく助言をくれるみたいだ。

 

 

「・・・どうしたの?」

 

〔服も武器の一種・・・正確には防具だと言う事を忘れてないか?〕

 

「・・・・・・あ」

 

 

まぁ、つまりは態々エリナの口から取り出さ無くても、換装を利用して仕舞えるという事だ。今まで服を変える、なんて事が無かったから完全に頭から抜けてた。

 

これ、服の紐が解けた時も使えば、手を使わずに着直せたのになぁ・・・・・・後の祭りか。

 

しかし、状態は壊れた武器と同じく少しの間、修理期間みたいなのがいるのでその間はエリナ汁塗れな訳で・・・・・・暫くはコート一枚とホットパンツオンリーという痴女仕様。

 

 

エリックには厳しく教育してもらわなければ。でないと俺の身が危うい。




ごめん、魔が差した。
本当はここまで過激にするつもりは現状無かったけど、筆が思ったよりも乗ってしまった。綺麗な百合を期待してた人はごめんなさい。作者の心は汚れ切っているので。

一応、明言しておきますと。
エリックは冗談で言っただけで列記とした騎士であり、紳士です。決して、単語の前に『変態』が付いたりはしません。

エリナを大事だと思ってはいるけど、飽く迄も兄として。妹の裸を見たとしても勿論興奮なんてしませんし、ステラに対しての反応は紳士として当然である。・・・ウチの上田さん、ちょっと初心なんですよ。


今回の話は所謂、日常回みたいなものであり、本来なら別に無くてもいい話です。そこを作者がなんか物足りないなぁ、と思って無理矢理挿れた話なので次回からは本筋に戻ります。なので次回は展開が一気に変わると思います。

このペースなら今年中にもう一本上げれるかも・・・?


次回も気長にお待ちください!
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