ゴッド★ロックシューター   作:榊 樹

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テストが終わったー!
・・・・・・二重の意味で(´-﹏-`;)


今回は戦闘回


第3話:初戦闘

先頭に居た顔に傷が出来たオウガテイルが口を大きく開き、命の危険を感じて我に返った。取り敢えず、バックステップで後方数メートル程まで飛んで距離を取った。飛んだ瞬間にオウガテイルが口を閉じ、歯が噛み合う音が響いた。

 

後方に居た三匹の内、二匹が尻尾からニードルを飛ばして来た。距離があまりなかったが毎秒20発は伊達ではなく、“★Rock Cannon”を呼び出し、二発放って迎撃する。着弾すると爆風が上がり、ニードルは全て撃ち落とした。

 

煙から残りの一匹が飛び出して来て、喰らい付いて来たが“★Rock Cannon”で横顔をぶん殴り、怯んだ隙にまた距離を取る。

 

 

喰らい付いて来たオウガテイルは追撃してくる事は無く、その場で立ち止まった。煙が晴れ、隠れていた三匹が姿を現し、四匹が体勢を立て直して、向かい合った状態で互いに足が止まった。

 

 

さて、どうしたもんか。アラガミで確定なら普通にやっても勝ち目無いだろうしなぁ。オラクル細胞なんて俺にもステラにも無いから、傷が付くかすら怪しい。となると、適当に戦って隙を見て逃げるか。

 

 

少しの間、睨み合っているとあちらの二匹が飛び出し、残りがニードルを放って来た。到達するのはニードルの方が早く、横に飛び退いて前転して躱し、起き上がると同時に“★Rock Cannon”を構えて照準を飛び出して来た二匹の方に合わせる。

 

引き金を引こうとした瞬間に片方が上に飛び跳ねて、背後の二匹からニードルの追加攻撃が来た。跳んだ方に気を取られて迎撃に間に合わず、後ろに跳んでニードルを回避する。

 

着地地点に、跳ねたオウガテイルが上からニードルを飛ばして来る。反応が遅れ、“★Rock Cannon”を盾にして防ぐ。

 

衝撃で身体が仰け反るも、無傷で“★Rock Cannon”も壊れる事無く防げた。一息する間も無く、飛び出して来た残りの一匹が口を開いて近接戦闘を仕掛けて来る。

 

 

仰け反った力を利用して、そのまま身体を仰け反らして空いた手を地面に着き、バク転の要領で顎を蹴り上げて顎に罅が入り、敵が怯む。そのまま片手でバク転をしながら距離を取り、再び互いに対峙した状態になった。

 

 

む?バク転が役に立った。何事も出来るようになっておくものだな。それ自体が役に立たなくても応用なりすれば役に立つと言う事か。

 

てか、このオウガテイル達強過ぎじゃね?オウガテイルって確かあれだろ?初期の雑魚敵な立場のキャラとかじゃなかったけ?何でこんな歴戦の猛者みたいに強いの?反撃する隙が殆ど無いんだけど。

 

まぁ、でもこちらの攻撃が普通に効く事は最後の蹴りで分かったから何とかなりそうだな。“★Rock Cannon”でぶん殴った所もよくよく見れば欠けている部分がある。となると、理由は分からんがこいつらアラガミを倒せると言う事。

 

そうと分かれば、こいつらの強さ的に隙を狙って逃げるなんて事は難しそうなので作戦を殲滅に変更。生かしててもいい事なんて無いからさっさと始末してしまおう。うん、それがいい。

 

 

あちらが動き出す前に、“★Rock Cannon”を素早く構えて引き金を引く。数発撃つも、左右に一匹ずつ、上に二匹避けられて、カウンター気味に反撃を貰う形になった。

 

四匹それぞれがニードルを前方三方向に一瞬タイミングをずらして、別々に放って来た。適当に“★Rock Cannon”を横薙ぎに払いながら引き金を数回引く。

 

当たればいいなぁ程度の気持ちでやったので、どれもニードルに当たる事はなかった。だが、すり抜けて行った弾丸が丁度、左右のオウガテイルの所に向かって行った。ニードルを放った直後だったので、回避が遅れて二匹とも回避行動を取ろうとしたものの、半身に直撃して爆風を上げながら吹っ飛んだ。

 

こちらへ迫って来たニードルは跳んだオウガテイル達より上へ、思いっきり跳躍して回避。そのまま、降下中の二匹の背中に順番に照準を合わせ、引き金を引いていく。

 

上はオウガテイルの身体の構造上、見難いらしく、そのまま直撃して二つの爆風が上がった。撃ち終わり、自分も降下している最中に最初に吹っ飛ばした二匹の方を見て状態を確認する。

 

どうやら、“★Rock Cannon”の威力がかなり強いらしく、身体の半分近くが吹き飛んで確実に致命傷となっていた。あの傷なら未だに爆炎の中に居る二匹は大丈夫だと判断し、着地して警戒はしながらも瀕死の二匹の方へ、武器を刀に変えて瞬歩(笑)でオウガテイルが消えない内に近付く。

 

刀にした理由は少し、試したい事があったから。ここがGOD EATERの世界と言うなら、弾丸を撃ち出す時のあの喪失感は恐らく、オラクルポイントを消費したからだと思う。なら、弾丸での攻撃ではなく、近接武器での攻撃なら回復する筈。

 

手負いの獣は恐ろしいとか何とか聞いた事があるので、反撃を受け無いように慎重に近付いて刀を振るう。刀はオウガテイルの装甲を難無く切り裂き、オウガテイルは絶命した。同時に身体の中に空になっていた分が溜まっていくような感じがした。

 

 

うん、感覚的に仮説は間違っていなさそうだ。残量はかなり有るが、満タンにしといて不都合は無いだろう。

 

 

その後は、消えるまで死体蹴りをして失った分のオラクルポイントを回復し、爆炎が晴れて跡形も無く消し飛んでいた事から、四匹のオウガテイルが絶命した事を確認した。

 

 

はぁ、安全を確保して漸く緊張が解けた。身体的疲労は相変わらず無いが、やはり精神の方がだいぶ疲弊した。

 

もう一度、周囲を見渡して誰も居ない事を確認すると“★Rock Cannon”を仕舞い、地面へ寝転がった。

 

 

それにしても、勝てたのはいいが疑問も残った。まず、何故オウガテイルがブチ切れていたのか。襲って来たのは、たまたま目に入ったから襲った、と言えば納得はいく。だが、あれはたまたまにしては殺気が溢れ出過ぎていたと思う。

 

多分、あの顔の傷が原因だとは思うが、あれ俺関係無くね?完全に八つ当たりって事?・・・はぁ、いい迷惑だよ、全く。

 

 

次、アラガミに攻撃が通じた理由。普通に考えれば俺の身体にオラクル細胞があったり、武器が神機に類するものだったりとかの理由だろうが、腕輪が何処にも見当たらないからその可能性は低そうだし、仮にそうだとしたら現状は非常に危険だ。

 

俺自身がアラガミに成りかねん。GOD EATERは定期的に偏食因子とやらを注入しなければ神機に捕食される。俺の場合は“★Rock Cannon”やイクサ・ブレードに捕食されると言う事か。

 

・・・これ、収納してる場合、どうなるんだろう?あれ?そもそも今は腕輪が無いから既に捕食が始まっていても可笑しくないのにそれが無い。て事は、俺はGOD EATERでは無いと言う事か。

 

なら、どういう存在なんだ?

・・・・・・ふむ、考えても分からんし、別に何でもいいか。現状、アラガミに成る事は無い&アラガミを倒せる、と言う事が分かればそれで十分だ。

 

 

あぁ、それと一撃で死んでたりしてるから、恐らくゲームのようなシステム的な体力じゃなくて、リアルな体力だろうから、俺自身が受ける攻撃にも気を付けるべきだな。

 

 

 

 

移動しようと思ったものの、月が上の方にあったので、しばらくその場に留まって、月が動くのを武器の点検をしながら待った。ある程度、月が動いたのを確認して、動いた方とは逆の方向へ歩いて行く。

 

太陽が昇って来てから、移動する位置が合っていた事を確認すると刀で地面に矢印を掘って、トライクを呼び出す。何の為に呼び出したかと言うと、座席で寝る為。そんな気持ちで出したんだが、トライクは出ていた筈の煙が無くなっていた。汚れや傷も無くなっていて、まるで新品のようだった。

 

試しに、エンジンを掛けてみると普通に動いた。軽く走らせてみても何も問題無かった。理由はよく分からんが、直っていた事にテンションが上がって爆走しようとしたものの流石に自重した。太陽が昇る方向にトライクの進行方向を向けてエンジンを止めて、座席で横になった。

 

 

あぁ、うん。寝心地は地面よりはマシだな。ベットとどちらが良いかと言われると、ベットだな。運動後で熱を持った身体が冷たい風に当たって気持ちよく寝れた。 




オウガテイルの傷は前話で月に向かって撃った弾丸が当たった結果。
距離的に威力が落ちていたので、顔に傷が出来た程度で済みました。
射程は明確には決めてないですけど、取り敢えず凄く長いとだけ。

因みに、主人公がこの事実に気付く事は無いです。


それから、この世界のアラガミはアニメ基準なので、ゲームのように戦闘中に目の前で威嚇行動を取るなどの意味不明な行動は取りません。

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