ゴッド★ロックシューター   作:榊 樹

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まさか、今月になって3話いけるとは思わなかった。
ちょっと事情があって、急ぎ足気味での投稿なので後から修正が入るかもです。
誤字脱字などの修正でなければ、その時は活動報告にてお知らせします。


あ、それとUAが1万超えてました!
このUAって、You○ubeの再生回数的なものって認識で大丈夫ですかね?


第7話:ぅゎょぅι゛ょっょぃ

幼女と海に行くようになって、それなりに時間が過ぎた。今も普通に引っ付いて来るし、我慢してるようだけど奮闘虚しく到着した時には眠ってしまうのも変わらない。最近は、魚達も学習し始めたのか、それとも取り過ぎたのか、それなりに泳がないと大きな魚を見る事は出来なくなってきた。

 

遠くに行く程、泳いでいるアラガミとの遭遇率が何故か高くなるから難易度は結構高くなる。

 

 

そんなある日の事。かなり深い所まで泳いで、いざ水面へ戻ろうとした時にマグロの如くグボロ・グボロの大群が押し寄せて来た事があった。

 

アイツらって水中だとビックリするくらい速いからな。基本的に停止せずに泳いでない時も波に乗ってたりいきなり急角度の旋回とかするから、お前らなんで陸に上がってんの?っていつも思う。

 

気付いた時には既にロックオンされて、逃げようにも頭上に結構な数が既にスタンバっていたから息苦しい時に戦わざるを得なくなった。マグロ・マグロなんてアホな事考えてるんじゃなかったよ、全く。

 

水中でも戦えるしそれなりに慣れていると言っても、使う得物は本来は陸用のものばかりだ。

 

だから、どうしても威力が落ちてしまうが時間が掛かるだけで倒せない事は無い。ただ、今回はその時間が問題となってる訳で、あと数メートルの所で体内の空気を全て吐き出してしまい、おまけに動きが鈍くなった所をグボロ・グボロ達が水面から飛び上がり、ハイドロポンプみたいなあの技を連射してきて海底まで叩き付けられた。

 

どう足掻いても海上までは間に合わず、諦めて意識が失うのをただ待つだけとなり、ここで終わりか、と一人シリアスになっていた。

 

 

だが、いつまで経っても意識が消える事は無く、少々気まずくなってくる中、気付けば死ぬ所か寧ろこの状況に慣れてきた。流石にここまでくると自分でも死なないのか?と疑問に思ってくる。

 

 

試しに身体を起こそうとすれば普通に起き上がったし、息苦しくはあるものの、身体は若干鈍いが思うように動く。

 

 

そう言えば、とここである事を思い出した。それはアラガミがオラクル細胞入りの攻撃?とかじゃないと死ぬ所か傷一つ負わないという事。そして、シオが月に行って普通に生きているという事。

 

 

つまり、アラガミ(推定)であるこの身体には呼吸そのものが必要無いのではないかと思うわけですよ。うん、そう考えれば割と納得できる。今現在も苦しく感じるのは単純に慣れていなから、とかかな?まぁ、その辺はどうでもいいや。

 

 

死体蹴りをしようとこちらへ泳いでくるグボロ・グボロ達を"★Rock cannon"で一掃するのもよかったが、生憎水中だと余波が凄い事になるし、何より"★Rock cannon"で倒すとグボロ・グボロ程度なら大抵の場合はコアまで吹き飛んでしまう。

 

ここまで散々コケにされて、倒して終わりでは割に合わない。 コアを飽きるまで食べ尽くしたい。出来る事なら満腹になりたい。

 

 

そんな思いを胸に抱いて、ブレード一本でグボロ・グボロの大群に突撃して行った。

 

 

結果は分かる通り、全滅させた。ただ、コアは取り除く前にアラガミが消えたり、抱えきれないから食べようとした最中に襲われたりで総数の半分ちょっとしかなかった。

 

それでも相当な数はあったが、満腹に成る事は無かった。腹が膨れて動けなくなるよりはマシだが、食べても食べても満たされないのは、なんだかなぁ、と思ってしまう。

 

 

最後の一つを食べた時に身体の中で、何がが詰まった様な、喉に小骨が刺さったかのような違和感があったので、一先ず陸に戻った。上がった時、息をしようとすると身体の穴という穴から海水が大量に出てきて、暫く跪いて全て吐き出すのを待っていた。

 

人の体内って思った以上に容量があるらしく、水槽程度なら一杯になるんじゃなかろうかってくらいまで出ると漸く治まった。さっきまで食べていたコアは既に身体が取り込んだのか出てくる事は無かった。

 

 

身なりを適当に整えて本題の方をいろいろと解決方法を模索していると、ブレードのような感じで棒状のようなものが出てきた。そのフォルムはトライクのように尖った印象を受け、持っている装備と同じく基本的に黒で所々に蒼の線が入っている釣り竿であった。

 

 

釣り竿であった。

 

 

 

 

 

 

いや、うん。

まだ防具とかの方が納得出来たけど、これは関連性が分かんねぇ。ゲーム所か二次作品とかでもこんなの無かったぞ。原因としてはタイミング的にコアを食べ過ぎて武器化?したとかだと思うんだけど、なんで釣り竿?しかも、腹立つくらい俺好みに仕上がってるし、蒼色の糸の艶が凄く、妙にテカってるような気さえする。

 

そして、擬似餌の如く先端にぶら下がってる蒼色の球体。色は違うものの、思いっ切りコアである。

 

・・・これで一体何を釣れと?アラガミか?アラガミを一本釣りしろってか?

仮にも神様だぞ?そんな存在が釣られるなんて無様を曝す筈が━━━━━━

 

 

ザッパーン!

 

Guaaaaaaaa!!

 

 

━━━━━━曝しやがった・・・。

 

 

試しに思いっ切り遠くに放り込んでみたら早速当たりやがったよ。お前・・・お前さぁ。そう言う新喜劇みたいなノリはいいから、水中で大人しく泳いどけよ。グボロ・グボロ、あれだけ狩ったのにまだ居たのか。

 

てか、なに空中で左右のヒレを翼の如くはためかせてんだよ。カッコよくもなんともねぇよ。てめぇは自分が釣られたという事実をもっと自覚しろ。あと、さっさと餌から口離せよ。サラッと口を閉じながら叫ぶなんて妙技を披露してんじゃねぇよ。

 

・・・よく良く考えればコレと俺って同族なんだよな。

・・・・・・うわー、ないわー。

 

お?なんだ?その状態で撃ってくんのか?させねぇよ面汚し。

 

 

勢い余ってかなり高くに釣り上げたマグロを"Rock cannon"で正確に撃ち抜き、爆散した。

 

 

フッ、キタネェハナビダ

 

 

とまぁ、余韻に浸ってから魚を捕って来てない事を思い出して、幼女がまだギリギリ寝ているらしい事を確認して、急いでアラガミが激減した海底に泳ぎに行った。

 

あ、採る量は幼女が食べる量より少し多め程度まで自重するようにしました。

 

 

 

 

なんて事があったんだよな。その日以降、やけにゴッドイーターと遭遇するようになったから、多分この辺に居るって特定されたな。

 

そろそろ幼女を向こうに渡すチャンスが来るだろうかと思ったが、何言ってるか分かんないし、アラガミを一掃してる時に来るし、出会い頭にスタングレネードやら弾丸のオンパレードでもう諦めたよ。俺の腹部が盛り上がってる事に疑問を持たないのだろうか?

 

ゲームやアニメのゴッドイーターだと、名前からしていろんな国籍の人が極東にいたりするから日本語が喋れないなんて事はある筈が無いんだけど、まさかゲームだからとか言わないよな?

 

 

あ、あと偶にゴッドイーター達が何言ってるのか聞こえる時があるんだけど、それが明らかに俺を探してる時とかに耳に手を当てて「ブラックロックシューター」っぽい事言ってるんだよね。

 

一度聞こえた時に気になって、強化状態の聴覚でも確認したから間違いない。人間って一度そう思ったら、脳が勝手に補正する場合が結構あるから正しいとは言い切れないけど、これに関しては高確率で当たってると思う。

 

なんだろ、個体名とかかな?それとも、実は人体実験の素体だったから名前があったとか?

 

どちらにせよ、凄いな。俺と同じようなあっちの世界出身者だったりしたら、ちょっと萎えるけどそうじゃない場合、何か知らない力が働いてるような感じがする。修正力的な何か。

 

まぁ、変な名前よりはマシだからいっか。真っ黒くろすけとかだったら、確実に怒鳴り込みに行ってた。

 

 

 

 

半年くらいは過ぎたかな?最近になって、幼女の依存具合が少しずつ緩和されるようになってきた。

 

抱き着くのはいつも通りだが、離して欲しい時はすぐに離れてくれるし、先日には魚を捌こうとしてくれた。離れた時はコートの裾を掴んでるし、魚を捌く時は少し離れようとすると途端に中止して抱き着いてくるが、良い傾向だと見て問題は無いと思う。

 

捌く時にブレードしかないから何も考えずに渡したんだけど、よく良く考えればかなり危険な事をしてたよな?

これを神機に類似したものだと考えれば、それを適正の無い者に持たせたんだから侵食する筈なんだが、特にそんな様子は無かった。

 

あれか、持ち主の俺が喰らおうと思ってないから大丈夫だったのか?確かアラガミには意志があるとかなんとか。あ、声か。意志云々はラケル博士の事だったような。

 

ん?でも、単細胞生物なアラガミが考える事ってそれ即ち本能のようなものだろうから、結局は意志のようなものか?

 

・・・駄目だ。混乱してきた。考えるの止めよ。

 

 

結果的に侵食しなかったのでオーケーとしよう。

 

 

あ、声と言えば、俺もアラガミであるんだし、聞こえたりしないのかな?今まで一度もそんな事は無かったけど、今度試してみるか。聞こうとしてなかっただけかもしれないし。

 

 

 

 

幼女の成長速度にビックリ。まだやり始めてから数日しか経ってないのにもう、ブレードを己の手足のように扱って捌いてる。その年でそこまで迷いなく身の丈に合わない得物で魚を捌くのか・・・。なんか、この世界らしいな。

 

 

ふむ、今まで考えた事なかったけど、ある程度身体の使い方を教えた方がいいかもしれんな。

 

アラガミ相手には通用しないだろうけど、人間が誰しも善人って訳でもないだろうし。

 

 

捌いてる姿を見てる限り、どうやら俺の真似みたいな感じがするから見て覚えたんだろう。これなら、言葉が通じなくても何とかなるかもしれない。

 

 

 

 

教え始めた事は超人的戦闘になると割と使用するバク転やらその応用。身体は結構柔らかかったので、蹴りの入れ方やらを教えた。

初めは頭に疑問符を浮かべられたけど、俺が同じ事を繰り返しては見詰めてをしてる内にこちらの意図を察したのか真似をし始めた。

 

 

この子、あれだな。運動神経が子供とは思えないレベルで凄いわ。バク転で躓くかなぁ、とか思ってたけど何度か失敗してすぐにくるくる回り出した。結局、大した怪我の一つも無く、殆どを習得しちゃった。

 

楽しくなって刀の振り方まで教えてたら、つい調子に乗っちゃって実戦形式で教えてしまった。あ、実戦ってのは俺とじゃなくてアラガミと、って意味な?

 

勿論、一対一じゃなくて、俺が仕留めてコアの位置を教えたり、相手の動きを身振り手振りで出来る限り教えたりとかしする程度だ。

 

 

今考えれば、流石にこれはやり過ぎだと反省した。俺とやってみようとしたが、本人がそんな発想すらないのか、かかってくるようにジェスチャーしてもとてとてと寄って来てギュッと抱き締めて下からこちらを覗くばかりだ。

 

冷静になって、何やってんだろって自問自答してしまった。

 

 

それ以降は基本的に基礎的な事を教えたりして、あとはいつも通りの日常を過ごした。だが、ある日のこと定期的に行う周囲のアラガミ掃討の時に、服の中にいる幼女がアクションを起こしてきた。

どうしたのかと、一度落ち着いてからチャックを開けてみると、なんと幼女が自分から離れた。赤ん坊が初めて立ち上がった時のような感動に打ち震えていると、幼女がこちらを指差した。

 

差して方を辿って行くと片手に持ったブレードへ至った。だから何だ?と思って幼女の方を見ると掌を上にしてこちらへ差し出していた。

 

 

・・・もしかして、殺る気?

 

 

首を横に振ったりして、渋ってみたがあちらも引く気は無く、段々涙目になってきたので、仕方なく幼女を担いで近くに居たアラガミの所まで跳んだ。

 

そこに居たのは一匹のオウガテイルで、俺が着地と同時にこちらに気付き、走って来た。そんなオウガテイルを見ても怯えた様子が無い所か、むーって感じに頬を膨らませてたのでお望み通りにブレードを渡してやった。

 

渡した瞬間にパァーっと顔に喜色を浮かべてそれを受け取った。

 

 

お前さん、随分と表情豊かになってきたな。昔は怯えた表情ばっかり浮かべてた癖に、この短期間で本当に逞しくなったな。

 

てか、この子はアラガミが怖くないんだろうか?俺がバッサバッサ倒してた所見てチョロいとか思って慢心してないよな?駄目、慢心の精神を忘れるな。俺が言えた事じゃないけど・・・。

 

 

俺のそんな心配を他所に幼女は迂回するように突っ込んでくるオウガテイルの横に回り、その身体を斬り裂いた。

 

 

・・・え?弱くね?

 

 

コアを忘れずに斬り裂いて取り出し、コアを空いた手に持ちながらぴょんぴょん跳ねて身体全体で喜びを表現する幼女を視界の端に置きながら、俺は妙な違和感を抱いていた。

 

 

明らかに、弱過ぎる所か幼女を見てすらいなかった。

一応、援護出来るように腰を低くして構えていたものの、"★Rock cannon"では幼女に被害が及ぶだろうから両手には何も持っていなかったし、攻撃をするつもりもなかったので殺気を出してすらいなかった。

それに加え、幼女は対象でない俺から見ても殺す気満々である事は見て取れた。いくら単細胞だからって、人間である幼女をチラ見する所か意識すらしてないなんて事があるのか?

 

 

思考に耽ってると掛けられた意味が分からない声と差し出された手に考える事を一時中断して、そちらを向くと幼女が喜びと不安を抑えきれてないような顔でコアを差し出していた。

手に取ってコアを見たが普通のコアだった。

 

不思議に思って幼女を見るとこちらを更に不安そうな顔で見ていた。

 

 

・・・食えって事か?まぁ、幼女が使い道を知ってるとしたらそれくらいしかないから、遠慮なく頂きます。

 

 

丸呑みして、幼女の方を見ていると、少し嬉しそうな顔になった。既に慣れたいつもの力が溢れる感覚に浸りながら、感謝の念を込めて頭を撫でてやると擽ったそうに目を細めた。

 

手を下ろすと「あっ・・・」みたいな外国語的な発音で寂しそうにしていたが、こちらの顔を見ると何やら驚いて、縋ってきた。

 

一体何事かと疑問に思い、落ち着くように膝を着いて目線を合わせると俺の左眼に手を伸ばしてきた。

 

 

暫く意味が分からなかったが、恐らくこの状態を見たのが初めてだったのだろうと気が付いた。何やかんやでこれまで、食べてる事は知ってたけど、顔を埋めてたりして俺の顔を見る事ってあんまり無かったんだろうな。

 

 

大丈夫だと、この世界で初めて笑顔を浮かべてみたが上手くできただろうか?表情筋が思った以上に動かないぞ、これ。

 

 

どうやら、幼女にも害はないと分かったらしく、さっきとは打って変わって眼をキラキラさせて俺の左眼を見だした。

 

あぁ、うん。綺麗だもんな。分かるよその気持ち。それにこの歳の女の子って綺麗な物が好きなイメージがあるし、この世界だと物が無いからそれが更に顕著になりそうだな。

 

うおっ、ちょ、眼を抉ろうとしないで!?多分だけど、これ眼から出てる訳じゃないから、取っても意味無いよ!?

 

 

 

その後、消えたので掃討を再開して、簡単な相手の時に任せて幼女がコアを食べようとしてそれを止めたり、俺にコアを毎回食べさせてそれを鑑賞したりしたけど、何とかその日の内に終わらせる事ができた。

 

 

あ、そうそう。アラガミの声の事なんだけど、聞こうと思えばそれっぽいのが聞こえてきた。

 

確か、殺せ、だったような。実を言うと曖昧でよく分かんなかったんだよな。聞こえたと言うよりも脳に直接響いてくる感じだったし。でも、なんか引っ掛かるんだよな。なんでだろ?

 

 

それから、幼女がアラガミを倒す時は何故か俺の時と違って、初めての時のように全て幼女が無視されていた。

 

なんか納得いかねぇ、とは思ったけど楽だからいいやと思い直した。




これ、オリ設定やオリ武器的なタグなどを追加した方がいいですかね?
正直な所、釣り竿はお巫山戯で出しただけなのでそんなに出番が無い予定なんですよね。
強いて言うなら話の途中や出だしで暇潰しに釣りしてるくらい。

それとグボロ・グボロの海に関しては今更ながら完全にオリ設定になります。
確か、水中で泳ぐのはゲームであったけど、どんな風に泳ぐとかは無かったはず。

呼吸が必要無いのもオリ設定というか、明言されている無いものの、本文中のようにアラガミの特性やらシオの現状を考察して考えたものなんですけど、こういった考察とかは公式設定って事になるんですかね?


コメ稼ぎって訳では無いんですけど、タグを追加した方が良かったり、追加して欲しいタグ等があれば上記のもの以外は出来れば理由も含めてお願いします。

検討した後、どうするかを感想と活動報告にてお知らせします。

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