その男蜻蛉の如く(仮)   作:新参者基本読み専

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戦闘訓練弍

最初の戦闘訓練はAチームがヒーロー側、Dチームが敵側。ちなみにAチームは緑谷と麗日でDチームは爆豪と飯田だ。

 少なくとも爆豪が敵側というのは納得である。あの面構えや言動からしてヒーローとは言いにくい。

 

 さて、訓練を見るため俺達はモニター室へ移動し、開始を待っていた。

 

 (さぁどんなのになるのやら)

 

 そう思いながらモニターを見てると

 

 「なぁなぁ前田」

 「ん?どうした上鳴?」

 

 近くにいた上鳴が声をかけてきた。

 

 「ぶっちゃどっちが勝つと思う?」

 

 …上鳴の一言で視線がすごい集まってきた。何気にオールマイト先生もこっちを見ている。

 

 「俺の独断と偏見しかないが良いのか?」

 「そんなの別に気にしねぇよ!なぁどっちだ?」

 「ハァ~…」

 

 何でか知らないがため息が出た。まぁ、良いか…

 

 「実力的にはDチーム、連携という点ではAチームかな?」

 「というと?」

 「爆豪は少なくとも連携するタイプとは思えない。むしろ我が強いタイプ。飯田とは真逆と言っても何ら問題ない。Dチームは実力はあるがまず連携はしない」

 「ふーん…で?」

 「連携をしないって事は個人で動くし作戦をたててもあまり意味がない。多人数戦で一番大事なのは連携。個人の実力も大事だけど場合によっては互いの足を引っ張りかねない。逆に実力的には弱くても連携すれば勝てる見込みがあるってこと」

 「なるほどねぇ」

 「緑谷の個性はパワーは凄まじいがそのぶんダメージの心配が問題点。麗日は相手、又は物に触れられれば良いけどそう簡単には触れさせられないだろうし。ゆえに実力的には劣ってるがそのぶん連携はとれるだろうからこれからとる作戦次第では勝てる見込みがある。だが現状は敵側かな?」

 「………」

 「…ん?どうした?」

 

 全員が無言でこっちを見ている。何か変なこと言ったか?

 

 「いや…よく見てるなぁと思ってさ」

 「そうか?…って爆豪単独で動き始めてるぞ」

 

 音声は聞こえないのでどんな会話をしてるのか分からんが飯田を振り切って核兵器の場所から離れた。対して緑谷と麗日はよく会話をしている。作戦を練ってるのだろう。

 

 『ではぁ~スタート!』

 

 そしてオールマイトの開始の合図が鳴った。

 

◆◆◆◆

 

 「ああ!爆豪のやつ、奇襲とかズッケェ!」

 「奇襲も立派な戦略さ!彼らは今、実戦の真っ最中なんだぜ?」

 「オールマイト先生のいう通りだよ切島。実戦に卑怯もなんもねぇよ」

 

 切島が爆豪の行った奇襲をずるいと言ったがそれは大間違いだ。オールマイト先生が言った通り不意討ち奇襲は戦略の1つなのだから。オールマイト先生と俺の言い分を聞いてしぶしぶと発言を控えた。そして緑谷が爆豪を引き付けている間に麗日が核兵器を探しに行ったが爆豪は一切見ず飯田に連絡するそぶりすら見せなかった。

 

 「爆豪…あいつ馬鹿なのか?」

 「前田少年!クラスメイトの悪口は関心しないがどういう事だい?」

 

 思った事が口に出てしまったためオールマイト先生から注意を受けたが質問もしてきた。

 

 「いや、麗日が移動したの知ってるはずなのに飯田に連絡しない点と緑谷を放って置いて麗日を追いかければ挟み撃ちに出来るのにそれをしない点が気になって…それに奇襲を仕掛けた割には誰も倒せていませんし…」

 「言われてみればそうですわね」

 「奇襲は確実に相手を倒せるって時にやるのがセオリー…爆豪はただ暴れまわってるとしか見えませんし」

 

 俺自身が感じた事を言ってると

 

 「うぉっ!!すげぇな!」

 「やるな緑谷!」

 

 緑谷が爆豪の右ストレートを避けて掴み、そのまま一本背負いを決めたのだ。それによってクラスメイト達が歓声を上げたが、俺は他の事が気になった。

 

 (緑谷のやつ、もしかして誘ったのか?それとも右ストレートが来るのを予測してた?)

 

 単にまぐれと言えば済むかもしれないが、それにしてはおかしい。なにせ最初の奇襲もまるで自分が狙われる事を分かってたみたいだった動きだった。

 

 (緑谷と爆豪…同じ中学とかか?)

 

 あまりプライベートな事だから聞かなかったが…聞くべきか?デクやクソナードの事も気になるし。

 だが一本背負いを受けて冷静?になったのか動きが良くなった。というのも自分の個性の爆破を使い立体的な動きを見せた。

 

 「めくらましを兼ねた爆破で軌道を変更している。…意外と繊細な動きをしてるな…」

 「左右の爆破の微調整も必要ですし…本当僅かに違えばあんな動きにはなりませんしね」

 「緑谷がカウンターを狙った動きをしても即座に対応しやがるよ爆豪」

 「うへえ…才能マンじゃねぇか」

 

 爆豪の動きを称賛したりぼやいたりしてる。まぁ確かにその動きは良いのだが、あの性格は色々と損をするな。…ん?あの野郎何かしようとして…緑谷を狙った?

 

 「先生!あいつ何かしでかそうとしてます!」

 「爆豪少年ストップだ!」

 

 オールマイト先生の静止も意味が無かったのか、あの馬鹿(爆豪)が行った攻撃で演習場全体が大きく揺れた。

 

 (あいつは馬鹿じゃねぇ…大馬鹿野郎(爆豪)だ!!洒落になんねぇぞ)

 

 「先生!今すぐ止めるべきです!あいつクレイジーですよ!」

 

 切島の切羽詰まった発言に俺も内心頷く。

 

 「いいや、続行する…爆豪少年。今の攻撃を次やったら強制失格とみなす」

 

 オールマイト先生の発言で爆豪は個性を使わずに殴り始めた。緑谷も防いだりして対応しているが、さっきの広範囲爆破のダメージか動きが鈍い。てか麗日は…あー飯田に見つかったのか。どう対応するのか…

 

 「あ!動き始めたよ!」

 

 芦戸の一言で見るモニターを戻すと爆豪と緑谷がお互いに走って近づき始めた。緑谷が何かを覚悟したような表情だったので何をしでかすのか見ていると爆豪を殴るであろう拳をアッパーに変えたのだ。

 

 (緑谷…何を考えてんだ?)

 

 その疑問の答えもすぐに出た。何と緑谷はその個性のパワーを使ったアッパーカットの衝撃波で建物の天井をぶち抜いたのだ。そして飯田と麗日が睨み合ってた場所もぶち抜いた瞬間、麗日が個性を使って攻撃したのだ。突然の事で飯田も反応出来ず、核兵器の回収に成功したのだ。

 

 「ヒーローチーム…WIN!!」

 

 オールマイト先生がヒーロー側の勝利を伝え、緑谷達を呼び戻した。だが緑谷はロボットで搬送された。…まぁあの怪我なら仕方ねぇわなぁ…

 講評も誉める所が少なすぎた。何せ誉めるとしたら飯田が敵側の役割をきちんと果たしてたぐらいで後は全部ダメ。八百万もそう言った。オールマイト先生が何故か悔しそうにしてたが…言いたいこと言われたのか?勿論俺も一言言わせてもらった。

 

 「さぁて気を取り直して。お次は~…ヒーロー側がFチーム!敵側がCチームだ!」

 「俺達の番だな」

 「ええ!腕がなりますわ!!」

 

 




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