FGO二部二章・改「狂焔之巨人王と三人のセイバー」 作:hR2
「————こうして、その旅人達は帰っていった。
終わりを告げる巨人を倒し、本来ならば、
上書きされることも、漂白されることも、剪定されることも、無くなることもない。
「おー!」「おー!」「おー!」「おー!」「おー!」「おー!」「おー!」「おー!」
「すげー!」「すげー!」「すごー!」「すごー!」「すげー!」「すげー!」「ごすー!」
「おひげだ! おひげさんがやったんだよ!」「おひげはないよ、だっておひげだもの!」
「さむらい? お姉ちゃんじゃないの! ブシドーってやつで!」
「ブシドー」「ブシドー」「ブシドー」「ブシドー」「ブシドー」「ブシドー」「ブシドー」
「くわっ!」「くわっ!」「くわっ!」「くわっ!」「くわっ!」「くわっ!」「くわっ!」
「くわわ!」「くわっっ!」「くクククわっ!」「くわっっぱ!」「くーぅわっ!」「わっ!」
「すごい…………! すごい、すごい、すごい! マシュさま、すごい!!
そんなおっきくて怖いめらめら大っきいの、マシュさまたちが倒してくれたんだ!
すごい! すごい! すごいよ!
でも、
ちゃんと、お礼、いいたかったな…………」
「その人たち、どうしたの?」「いまどうしてるの?」
「その者達か?
ふふ、無論、救いに行った。
我らの世界には、もう、脅威はない。
しかし、苦しい運命にある世界は、他にもまだまだある。
だから、旅立ったのだ。
その世界の人々を、我らと同じように助けるため」
「おーーー!」「おーーー!」「おーーー!」「おーーー!」「おーーー!」「おーーー!」
「やっぱおひげだって!」「おひげなの!? おひげのじだい!?」「ないよ、おひげはない!」
「でもかっこいいよ」「それは、そうよね」「かっこいいよね」「ひげないほうがいいよ」
「みんな、おっきい丸もってるおねえちゃんのこといわないのへん!」「そうよ!」「そう!」
「きれいよ!」「びじんだもの!」「おっきいもの!」「でもさむらい!!」「さむぅらい」
「さむぅらい」「サムぅラァイ」「サムゥライ」
「あー、おひげごろくしてるー!」「またおひげー!」「くわっ!」「くわっ!」
「あ、あのね! ぼ、ぼく、あのひとが、めらめら、たおしてくれたと、おもう」
「だれ?」「だれ?」「おひげ?」「さむぅらい?」「ブシドー?」
「おひげでもなくて、くわっでもなくて、さむぅらいでもなくて、おおきいおねえちゃんでもなくて、………………その、さいごのひと」
「あーーーー! わたし知ってるもん! それはね、フォウちゃんっていうのよ!!」
「あー、見た見た見た!」「きゅうきゅう!」「きゅうきゅう!」「ふぉーぅ!」「ふぉー」
「うー、ちがうのに〜」
「あ! そうだ、そうじゃない!
言える、ちゃんとマシュさまへ、お礼!
マシュさまたちがこの世界にこれたなら、私だってマシュさまたちの世界へ行けるはず!
そうして、みなさんに、一人一人、ちゃんと! お礼を言うの!
決めた!
どうすれば、できるのかは、わからないけど…………うん、それでも!!」
「おはなしー」「ききたいー」「おひげのー」「かっこいいおひげのー」「ふぉー〜」
「ほーら、あまり無理言うんじゃありません」「女神様は他にも行かなきゃいけないところが沢山あるんだぞ」
「よいよい、よいよい。
時間はたっっぷりある。
さて、次は、何から話そうか…………」
「今のお話、なんていうの?」
「名か。
そう、これなるは、
————————カルデアの物語、である」
(Fin)