原作に関わらないようにしたいけど神がそれを許してくれないみたい 作:ヨーグリー
「えぇなにあのモンスターデカくないですか?」
モンスターフィリアから数日後一人でダンジョンに向かう途中アイズさんと出会いどこかで会った時に一緒にダンジョンに行くという約束をしていたのを思い出し一緒にダンジョンに潜っていた。そして今俺は初めて10階層まで降りてきていた。
そして俺たちの目の前に巨大な緑色のモンスターがいた。
「あれはオークだね」
「へぇ、あれがオーク」
目の前にいるオークはそこら辺に生えている枯れた木を掴んで抜いた。すると枯れていた木が抜けたとたんボロボロと崩れていき棍棒のような形になる。
「ランドフォーム...」
「ランドフォーム?確かエイナさんの最初の講習で聞いたような...」
「来る...!」
オークが俺たちに向かって武器を振り下ろす。
お互い左右飛び避けると挟み込む形になり武器を構えて一度目線だけを合わせる。そして二人でオークを横切ると同時に一閃。あっという間にオークは灰になって魔石が落ちる。
「やっぱりエルとは戦いやすい」
「戦いやすい?」
「うん。次どうやって動くかとかそういうのが頭に流れ込んでくる」
「あー確かに言われてみれば俺もそうかもしれないですね。さっきのオークも避けてから一瞬目を合わせただけでどう動くか思いつきましたし」
「それに」
「それに?」
「すごく楽しい」
「っ...!」
そう言って微笑むアイズさんにドキッとしてしまう。
「そ、そうですかアイズさんが楽しいならよかったです」
「どうする?もう少し進む?」
「いや、今日はここまでにしましょう。この後行ってみたい場所があるので」
「うん」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
場所は変わって現在俺が居るのはバベルの塔の武器屋。
アイズさんは自分のホームに戻ると言ってダンジョンを出てから解散した。ちなみにまた今度一緒にダンジョンに行く約束をしました。
そして俺が今回ここに来た目的はただ単に武器屋に来たことがないからだ。
(へぇ、色んな物が置いてあるんだな。それにこういう所って掘り出し物とかがあるから探すのも醍醐味だと思うね)
店内をゆっくり歩き武器や防具を一つ一つじっくり見ていく。正直こうやって見てるだけでも楽しいから一日武器屋にいられる気がする。
(なんか違う武器も使ってみようかな?でも使うって言っても何を使えばいいかわからないな)
気づくと店内の一番奥まで来ていたようで引き返そうとするとどこかから声が聞こえた。
『だ......わ...は...こ...に...』
(うん?今声が聞こえたような...)
「エイナさん僕これにします!」
今度は反対側の棚の方から聞き覚えの声が聞こえた。
(この声って...)
反対側の棚の方に行ってみると案の定ベルがいた。しかも私服姿のエイナさんと一緒に。
(チッ、リア充かよやっぱりベルなんか爆発しちまえ)
「あ、エル!」
「ようベル奇遇だなこんなところで」
「うん今日は防具を買いに来たんだ!」
(そうだ!)
俺は一度エイナさんの方を見て思いつく。
そしてベルに肩を組んで小声で言う。
「もしかしてデート?」
「デ、デートじゃないよ!ただ今日は防具を買いに来ただけだよ!」
「ふーんそっかぁ」
「ほ、本当だって!信じてないでしょ!」
すこし意地悪するとベルの顔がすぐ赤くなる。
(こんなことで顔を赤くするなんてベルもまだまだ子供だな)
俺はベルから一度離れてエイナさんの方を向く。
「エイナさんもこんにちは。今日はありがとうございますベルの防具選びに手伝ってもらって」
「ううん気にしないで私が言い出したことだから」
「よかったじゃんベル」
「うん」
(はぁ、俺も一人じゃなくて誰かと防具選びしてみたいなぁ)
「はぁ」
「どうしたのいきなりため息なんてついて」
「いや、ただリア充爆発しろなんて思ってため息なんかついてないよ」
「それ思ってるよね!?」
「ところでエル君はどうしてここに?」
「俺って自分の武器があるんでまだこういう武器屋とか来たことが無いから来てみようかなって」
「なるほど、それでなにかいい物でもあった?」
「いや、今のところはないですね」
「いつか見つかるといいね!それとベル君はそれでいいの?」
「はい!」
ベルが持っていたのは軽装の防具だ。
「ベル君って本当に軽装が好きなんだね」
「す、すいません」
「いいよベル君が使うんだもんね。君がこれって決めたならそれでいいと思う」
「ありがとうございます!」
「で、明日もダンジョンに行くの?」
「はい!」
「それならそろそろサポーターとか雇ってみたらどう?」
「サポーターですか?」
「うん何かと効率も上がると思うよ?二人がその気なら探してみるけど」
「どうするエル?」
(サポーターか、正直俺は今のままでもいいけどベル次第かな)
「俺はベルに任せるよ」
「うーんちょっと考えてみます」
「わかった!じゃあお会計済ませちゃおうか」
「はい!」
防具の入った箱を持ってレジに向かう。するとさっき聞こえた声がまた聞こえる。
『わたしは...ここに....る...』
(まただ、それにさっきより何言ってるかがわかる。わたしはここにいる?どういうことだ)
一回立ち止まり周りを見渡してみる。
「どうしたのエル?」
「いや、ちょっとね」
『わたしは...ここに、いる。早くわたしを...』
(また!)
今度ははっきりと言っていることがわかった。俺は声のした方に向かう。
『お願い、誰か私を使って...』
声のする方に歩くとそこはレジの前だった。
「さっきからどうしたの?止まって周りを見たりして」
「声が聞こえるんだ」
「声?」
「ああ、わたしはここにいる、誰かわたしを使って。ってこのレジの近くから」
「本当に?僕は何も聞こえないけど...エイナさんはその声って聞こえますか?」
「全然聞こえないよ...」
どうやら二人には聞こえてないらしい。
『ここ...わたしはここにいる。はやく見つけて...』
「ほら!聞こえた!ここにいるって言ってる!」
「え?全然聞こえないよ?エル疲れてるんじゃないの?」
「いや、そんなはずは......」
周りを見渡してどこから声が聞こえるのかが探しているとレジの壁に飾ってある一つの武器に目が止まる。
その武器は普通の剣よりは少し短くてベルの使っているヘスティアナイフよりは長い、とても中途半端な長さの武器があった。
そして俺はその武器に吸い込まれるように近づく。
「お、おじちゃんそこに飾ってある武器ってなに?」
レジの中に居るおじちゃんに飾ってある武器について聞く。
「こいつかい?こいつはね二年前に入ってきた武器でね。ある理由で売り物にならなくてこうやって飾ってあるんだよ」
「ある理由?」
「聞きたいかい?」
「はい」
(なんだろう目の前にあるあの武器から感じるこの気配みたいなものは...そして理由はわからないがこの武器について俺は知らなくちゃいけない俺の感がそう言ってる)
「こいつは『妖刀飛鳥』」
「「「『妖刀飛鳥?』」」」
俺とベル、エイナさんの声がかぶる。
「製作者は不明、二年前のある日突如こいつが現れたんだ」
「現れた?」
「ああ、まぁ現れたって言っても最初はこの店には無かったんだ」
「じゃあどこに...」
「俺が昔住んでたところの近くに洞窟があるんだ。その洞窟は八年前に俺の住んでたところの人たちが何があるかわからないから調査してくれってギルドに頼んだんだ」
「八年前?エイナさんは知ってますか?」
「私はわからないかな」
「続けるぞ?最初ギルドに頼んで調査したときは奥の方にただ湖があってその真ん中にただ何かを刺すような台座があっただけなんだよ」
「何かを刺す台座?それってまさか...!」
「お、感がいいな坊主!そう、この『妖刀飛鳥』を刺す台座だったのさ」
「あれ?けど今何かを刺す台座があっただけって...」
今度はベルが言う。
「その通りその時はただ何かを刺すような台座があっただけ。けど二年前俺が住んでいた村のガキんちょどもがその洞窟に入っちまったんだよ。それで」
「その『妖刀飛鳥』が刺さってたわけですね」
「そういうことさ」
「けど今の話と『妖刀飛鳥』が売り物にならなくなった理由と何の関係があるんですか?」
「それはな......こいつを鞘から抜いた奴はみんな『お前じゃない』という声が聞こえた後一時的に気が狂っちまったんだ」
「気が...」
「狂った...」
ベルとエイナさんは今の話を聞いて少し後ずさり冷や汗をかく。
「あ、あれどこかから声が聞こえたってさっきエルも同じ事言ってなかった?」
「なに!?坊主こいつの声が聞こえたのか!」
「は、はい。わたしはここにいる、早く見つけて、私を使って、って聞こえました」
「それは本当か......?」
「はい」
おじちゃんは顎に手を当て下を向き一人でつぶやく。
「まさかこいつが呼んでる?いや、でもけど今までは......」
そして顔を上げて俺の目を見て言う。
「坊主こいつを抜いてみねぇか」
「「な!?」」
おじちゃんの言葉にベルとエイナさんは驚く。
「な、何を言ってるんですか!気が狂うかもしれないんですよ!」
「そうですよ!そんな事エル君にやらせるわけにはいきません!」
ベルとエイナさんは全力で俺に抜かせないようにする。
(もし、もしこの武器が俺を求めてるなら俺はそれに答えたい。それになんでかわからないけどこの武器を見てると強くなれる気がする。それに...)
「この武器を抜いて使えたら俺に合った強さが見つかるかな...」
「え...?」
「エル君...?」
(アイズさんにはあんな風に言ったけど俺は俺に合った強さがまだ見つかってない。この先どんな事が起きるのかもわからないんだ、だからこのままじゃだめだ!だから俺はこの武器を抜く!)
「抜きます!俺その武器を抜いてみせます!」
「お!いい顔じゃあねぇか坊主!今のお前さんならこいつを使えるかもな」
そう言って壁に飾ってある『妖刀飛鳥』持って俺の前に出す。
「本当にいいのエル?気が狂うかもしれないんだよ?」
「大丈夫!一時的っておじちゃんも言ってたし。それに......上手くいく気しかしねぇんだ」
「っ!...わかったよエルが言うなら僕は止めないよ」
「いいのベル君!?」
「はい。確かに心配ですけどエルのあんな真剣な顔を見るのは初めてなんです。あの顔を見たらなんだか僕も大丈夫そうな気がして」
「ベル君...」
(まぁいつもの俺はヘラヘラしてふざけてるからベルが俺の真剣な顔を見るのが初めてなのもわかるわ)
俺は一度ベルとエイナさん二人を見てから深呼吸をして『妖刀飛鳥』に手を掛けるそして。
「俺に力を貸してくれ『飛鳥』!」
一気に鞘から引き抜く。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あれここは?」
一瞬目の前が光り目を開けると何もない真っ白な空間にいた。
「やっと来てくれた!」
突然後ろから声が聞こえ振り向くと肩まで伸びた黒髪とベルと同じくらいの身長の女の子がいた。
「えっと、君は?」
「私は飛鳥!」
「飛鳥?君が?」
(どう見たってただの女の子にしか見えない...)
「あ!今ただの女の子だと思ったでしょ!?」
「え、なんでわかったの?」
「顔にそう書いてあったもん!」
「まじ?顔に書いてあった?」
「うっそー!騙されたー!君って面白い!」
「ちょっ...」
(なんだこの子まるで子供を相手してるようなんだけど)
「うん!やっぱりお兄さんに決めて正解だね!」
「正解?」
「うん!今まで私を抜こうとしてた人達はみんな私を見てかっこよくて興味がわいた程度でしかなかったからね。だからろくな覚悟もない人達ばっかりだったから」
「そうなの?」
「そうなの!だからみんな少しの間おかしくさせちゃった!」
あはは!と笑いながら跳ねる飛鳥。
(この子笑いながらとんでもないこと言ってるぞ...)
「じ、じゃあなんで俺を選んで正解だったんだ?」
「なんか君から特別なものを感じたから!」
「確かに俺もお前を見た時何か感じたけど...」
「一緒だ!」
「それでお前を使わせてくれるのか?」
「お前じゃないよ!飛鳥って名前があるの!」
「お、おう悪かったよ飛鳥」
「よろしい!......それじゃあ...」
「っ!」
一気に周りの空気が変わる。
(な、なんだこの飛鳥から感じる圧は...!今目の前ではしゃいでた同じ奴とは思えないぞ)
「私から呼んで使ってくれなんて言ったけど聞くね。君は私を使う覚悟はある?」
飛鳥が俺に問いかけてくる。それに俺は飛鳥から放たれている圧に耐えながら言う。
「ああ、もちろん覚悟はある!そしていつか俺に合った強さを見つける!もう悲しくて失わないように!」
飛鳥の目を見て力強く言った。だが言ってから俺は気づく。
(今俺はなんて言った?もう悲しくて失わないために......?まるで何かを失ったかのような言い方。この世界に来てから俺は何も失ってないぞ?それに前世だって.....あ、、あれ?おかしい、前世の記憶が思い出せない...)
前世の記憶を思い出そうとしても何も思い出せなかった。
「...い...おーい!大丈夫?」
「お、おう悪いな考え事してた」
「もうしっかりしてよね!私のマスターがこんな調子じゃあ先が思いやられるよぉ」
「悪かったって......ちょい待て今なんて言った?マスターって言わなかったか?」
「言ったよ?だって君は私の使い手でしょ?」
「た、確かにそうだけど他の呼び方とか無いの?」
「うーん他の呼び方かぁ、あ!お兄ちゃん!」
「ブフッ!待て待て待て!その見た目で初めて会った子にお兄ちゃん呼ばわりされるのはさすがにやばいからそれはダメ!」
「えー!じゃあエル!...いや、なんか違うな」
「なんも違くないからね!?」
「うん!やっぱりマスターの方がしっくりくるから呼び方はマスターに決定!」
「もう好きに呼んで...」
これはこの先も苦労するだろうなと思う俺だった。
「てか呼び方のせいで忘れてたけど飛鳥のこと使っていいんだよな?」
「うん!これからよろしくねマスター!」
「おう」
「今から私の使い方とか色々教えたいんだけどいったんここで解散しようか」
「なんで?」
「だってマスター今武器屋でしょ?一応私外の様子とか見れるから」
「確かに今武器屋だわ」
「だから寝る時私を枕元に置いて寝てね。そしたらマスターの意識だけをまたここに呼ぶから」
「わかった」
「あと帰ったらマスターの神様にステータス更新して貰ってね」
「もしかしてスキルとか?」
「うん!」
(また新しいスキルか、今のところヘスティア様俺のステータスを刻んだ時と更新した時叫んでばかりだからな大丈夫かな?)
「わかった」
「それじゃあマスターの意識を戻すね。またね!」
「おう」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
一瞬目の前が光り消えると武器屋に戻っていた。
「お、目が覚めたか坊主」
「あ、おじちゃん」
俺は一度視線を下げて今左手に持っている『飛鳥』を見る。するとさっきは感じなかった嬉しさが込み上げてくる。
「どうやらその様子じゃあ成功したっぽいな」
「わ、わかります?」
「顔がすごく嬉しそうだぜ?」
どうやら顔に嬉しさが出ていたらしくおじちゃんに言われてしまった。
「そいつのこと大事に使ってやってくれよ?」
「もちろんです!ところで他の二人はどこに行きましたか?」
「ああ、時間がかかると思って俺が先に帰らしたぜ?そろそろいい時間だからな」
(なんとこのおじちゃん気も利けるなんていい人すぎる)
「ありがとうございます。じゃあ俺は帰ってやることがあるのでこれで!」
「おう!今度そいつの事よく見せてくれよな!」
「はい!」
そして俺はバベルの塔を出てホームに向けて急いで帰った。
はい、どうもヨーグリーです。
今回も投稿するまでに結構日にちが開いちゃいました。
んで今回は特に書くことも無いので今回はここまで、また次回!