原作に関わらないようにしたいけど神がそれを許してくれないみたい 作:ヨーグリー
目を開けると目の前には本来なら家族三人で囲っていただろう食卓には一人分の食事しか並べられており小学生5年生くらいの男の子が寂しそうに食事をしていた。
(これは...)
きっと無意識だったんだろう見の前で寂しそうに食事をしていた子供に手を伸ばしてみる。しかし触れる事は出来ずすり抜けてしまう。
「お父さん...お母さん...」
(分かっている。目の前にいる男の子は前世の俺でさっきまで話していた前世の俺の幼い頃の姿)
すると突如周りが真っ白になり、今度は優羽の部屋だろうか優羽が勉強机に座りなにかブツブツと呟きながらただひたすらに教材を睨んでいた。
『勉強、しているのか...』
突然頭の中に先ほどの二つの場面が流れ込んでくる。
『記憶が戻った...』
この頃の俺は一切家から出ないで勉強してたんだった。
『懐かしいなこの記憶...』
するとまた周りが真っ白になり次は制服を着ている優羽が目の前に現れる。
「それじゃあ行ってきます」
優羽が無き親の写真に向かって挨拶をする。今度は時間が飛んだように周りの風景が変わり学校の教室になる。
「なぁ昨日のあれ見た?」
「見た見た!」
「今日どこかあそびに行かねぇ?」
「いいよーどこ行く?」
などと校生活で一度は聞いたことのあるだろう会話が飛び交わっていた。そんな中優羽は誰とも話もせず自分の席で頬杖を付きながら窓を見ていた。
俺も同じように窓の外を見る。すると一人の男子生徒が三人のいかにも不良と言った感じの男子生徒三人に連れていかれていた。
『今時あんなベタな感じの状況ってあったんだな』
優羽も同じのを見ているのだろうかと思い優羽に目を向けるといなくなっていた。
この時の俺ならどうするのであろうと考えながら校舎内を歩いて優羽を探した。しかしどこにも優羽はどこにもおらず廊下の向こうの方からボロボロになったさっきのいかにも不良と行った感じの男子生徒が走ってきた。もちろんここは記憶の中だから俺の事など全く見向きもせず行ってしまった。
『まさか...』
三人が走ってきた方向に進むと体育館通路に出てそのすぐ近くから何やら話声が聞こえた。
「...とう!本当にありがとう!」
声のする方に行くと不良学生に連れていかれていた生徒が泣きながら優羽に抱き着いていた。
「もう大丈夫だよ、怖かったよね、辛かったよね......だから今は好きなだけ泣いていいんだよ」
よく見ると優羽の制服は泥だらけで所々顔に傷も出来ていた。
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そこから数分が経った。
「落ち着いた?」
「うん...あ、ごめんなさい!僕の所為で制服が汚れちゃって...」
「気にしないでこんな汚れクリーニングに出せばすぐ落ちるよ。それより君はあの三人にいつもこんな事されていたのかい?」
「うん...」
「誰かに相談とかしなかったのかい?」
「うん...僕相談とかできる友達もいないから」
「親には相談しなかったのかい?」
「しようとしたけど、最近お父さんとお母さんの仕事が忙しくて、もし二人に相談したら迷惑かなって...」
「そっか...」
今の話を聞いて優羽は何を思ったんだろうか男の子の頭を撫でてこう言った。
「君はすごいねちゃんと自分の親の子とも考えてるなんて。けどねきっと君のお父さんとお母さんは迷惑だなんて思わないよ」
「なんで?」
「そんなの自分の子供がいじめられてて相談に来る事を迷惑なんて思う親は普通はいないよ。それに仕事を休んででも君の事は助けてくれると俺は思うよ。けどもし君の親が助けてくれないなら俺が助ける!何回だって助ける!.....だからもう一人で頑張らなくてもいいんだよ?」
またその男の子は泣き出してしまった。
今の話を聞く限りどうやらこの男の子はさっきの不良学生達にいじめられていてそれを友達もいないから相談もできず親は最近仕事で相談ができなかったらしい。
今の話を聞いて俺はこの子を助けたい、友達になりたいと思った。きっと優羽も同じ気持ちなのだろう。
「そう言えば君の名前はなんて言うの?」
「僕は斎藤翔太」
「翔太か...うん!俺は篠崎優羽!それでさ良かったら俺と友達にならない?」
やっぱりこの時の俺も同じ気持ちだったらしい。
「え、いいの?僕なんて気が弱いし弱虫で臆病で君みたいに強くないしダメダメなんだよ?」
「関係ないよ!そういうの含めて『斎藤翔太』という今の君がいるんだろ?それに俺は他の誰でもない君と友達になりたいんだ!」
「篠崎くん...」
「優羽でいいよ、翔太!」
「っ!うん!」
そしてそこで今の場面が終わりまた周りが真っ白になる。さらにさっきと同じように頭の中に先程の場面が頭の中に流れ込んでくる。いや、記憶が戻る。
『懐かしい...翔太は今何してるのかな?もう一度会いたいな...』
懐かしんでいると突然目の前にさっきまで話していた前世の俺が現れた。
『調子はどうだい?』
『今のところは問題は無いないな』
『そっかそっか』
『それで何しに来たんだ?』
『いや、ただ次の場面からテンポよく変わるかよって教えに来ただけだよ』
『わかった』
『んじゃあ再開するよー』
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一方オラリオでは...
ギルド内のソファーに座るアイズ・ヴァレンシュタインとその横で立っているベルの姿があった。
「この前ダンジョンでオークに襲われてたよね」
「ど、どうしてそれを」
「これ君がいなくなった後落ちてたから返そうと思って」
アイズが渡したのはエイナに買ってもらったいつも左手につける防具だった。
「あ、それじゃああの時助けてくれたのは...」
「ずっと謝りたくて。私が逃したミノタウロスの所為で君の事いっぱい傷つけたから...ごめんなさい」
「ち、違います!ヴァレンシュタインさんは何も悪くなくて助けてもらった命の恩人で...ていうか謝らないといけないのは散々逃げ回っていた僕の方で、ごめんなさい!」
ベルが謝るとアイズは驚いた顔をした後優しく微笑む。それを見てベルは顔を赤くする。エルが居たらきっととこう言うだろう。
「ベルなんて爆発しちまえ」と...
「あ、聞きたいことがって...」
「はい?」
「あ、えっと...」
ここでだいぶ冷静になったベルは気づく。アイズがエルの羽織を持っていることに。
「ヴァレンシュタインさんの持ってるそれってもしかして...」
「エル...のだよ」
「聞きたいことってエルの事ですか?」
「うん」
「まだ目覚めないんです」
「...やっぱり私の所為だ」
「え...?」
「私がエルにあんなこと聞かなければよかったから」
「どういう事ですか」
「実は...」
アイズはエルが気絶した理由を話した。
「そう、だったんですね...」
「だから本当にごめんなさい」
「あ、謝らないでください!きっとエルは気にしてないですよ!」
「でも...」
「エルも気にしないで、と言うはずなんで」
「うん。あとこの羽織?をエルに返しておいてくれないかな?」
そう言ってアイズはベルにエルの羽織を差し出す。
「わかりました」
「エルもそうだけど君もすごいねこんな短期間で十階層にたどり着いて」
「い、いえそんな事ないです強くならなくちゃいけないのにまだまだで、戦い方も素人同然ですし...目標にも手が届かなくて、ほんと全然だめで...えっと...」
「戦い方教えてくれる人いないの?」
「はい...一度エルに教わったんですが全くダメで...エルが戻ってきたら強い僕を見せたいんですが...」
「じゃあ私が教えてあげよっか?」
「え......?えええええええええええ!?」
はい、どうもヨーグリーです。
大変長らくお待たせしました!
もう本当にモチベが上がんないですよねー。
とりあえず1ヶ月以内にもう1話出すように頑張ります!
では、また次回!