【旧版】GOD EATER〜神喰いの冥灯龍転生〜   作:夜無鷹

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GE3、ストーリーが終わってフリーミッションのみとなりました。
無印からやってますが、相変わらずプレイスタイルが乱戦必至の特攻です。
今までと比べるとGE3の乱戦は楽だった気がします。プロの方はどうかわかりませんが、大体十分切ってたので……。単体だと五分掛からなかったり。
ただし灰域種、お前は別だ。


第九話 穏やかな時間

俺の尻尾が白アバドン用の猫じゃらしと化して五分が経った。

振り払われても諦めず噛み付いてくる姿がなんとも……あーもう可愛い!

生きる為なんだろうけどさぁ、健気なんだよなぁホント。

 

こう地面を転がる姿が空気を目一杯入れた風船のようで、ぽよんぽよんと弾んでフワフワと漂いながら戻ってくる。

何この子の反応。クセになるんだけど。

なんて恐ろしい子!

 

また白アバドンが噛み付いてきた時、振っていた尻尾を身体に巻き付けるように曲げて尾先を前に持ってくる。

そのまま動かないでいると、異変を感じた白アバドンがビクッとフグのような身体を震わせた。

 

「ピギィ……?」

 

恐る恐る俺を見上げるような仕草をし、パッと口を離す。

それから逃げ場を探してフワフワと右往左往。崩れ残った壁を見つけるや否や、持ち前の逃げ足を発揮して浮遊移動すると壁の陰から「ひょ◯こりはん」して様子を窺ってくる。いや、「家政婦◯見た」か?

まぁとにかくアイツには悪いが、追っかけ回したい衝動が湧くなぁ。

肉食動物が獲物を追っかける狩猟本能と言うよりは、小さい子供が駅前で鳩を追っかけ回す感覚に近い。

 

しばし観察しようか。

と、地面に腹を付けリラックスモードに入ろうとしたその時。

 

「ピギッ!?」

 

白アバドンが驚きの鳴き声を上げて壁の陰から山なりになって飛ばされ、背中から全身を地面に打ち付け落ちた。

ア、ア、アバドンちゃあああん!!誰だゴルァ!バ◯スすんぞ!三分も待ってやらねぇからなァ!

ひっくり返ったまま動かない白アバドンを捕食しようと出てきたのは、群れるとウザってぇクソゴリラ……おっと失敬。腹立たしいくらい逞しい体躯を持つ猿人の様なアラガミ、コンゴウ。

 

コンゴウは白アバドンの事しか頭に無いらしく、俺は立ち上がって思いっ切り地面を蹴り、警戒を怠っているコンゴウの横っ腹へ渾身の頭突きをかます。

全身全霊。猛牛が突進で人を投げるようにコンゴウを()ね飛ばす。

 

アバドンを愛でる会(会員俺だけ)の恨みじゃボケェェェ!

 

宙を舞ったコンゴウは抵抗出来ず、重力に従い真っ逆さまに落下してくる。

くたばれクソザル!塵も残さずなァ!バ◯ス!

俺はコンボを決めるが如く、コンゴウが地面に落下し背部のパイプ気管が砕けたと同時に、ゼノビームをもってトドメとした。

 

二コンボ!フルボッコだドン!もう粉微塵だドン!

 

……ふぅ、スッキリした。

上司によって溜まりに溜まったストレスが、上司のヅラを引っ剥がして事務机に叩き付けたことで発散された時並みにスッキリした。

まあ、元学生だから上司云々の話は詳しくねぇんだが……。

実際にそんな事したら………ねぇ?学生でも分かるぞ、ある程度。

 

底知れぬ達成感に浸っていると、引っくり返って戦闘不能状態だった白アバドンが、いつの間にか俺の傍でふわふわと漂っていた。

 

「ピギッ!ピギィッ!」

 

白アバドンはどこか嬉しそうにその場で数度跳ねると、今度は俺の周囲を結構な速度で回り始めた。

な、なんだ?喜びの舞い的なヤツか?

二、三回グルグルと回り満足したらしく、次は俺の前脚にスリスリしてくる。

甘えてきてる!アバドンが、甘えてきてる!なんだこの子、チョロいぞ!

 

俺が何もせずされるがままになっていると、白アバドンは何を思ったかそれなりの速度で俺から離れ、一分もしないうちに急いで戻って来た。

口にはキラキラと光る物を咥えており、それを地面に置くとまた「ピギィッ!ピギィッ!」と鳴いて楽しそうに跳ねる。

小さくてあまり見えなかったため顔を下ろして観察すると、紋様の彫られた金色に輝く硬貨だった。

 

金貨だ。アバドンちゃんが金貨持って来た。宝物的なアレか?助けてもらったお礼に「せめてお名前だけでも」ではなく、宝物の金貨をあげるというある意味間違っちゃいない感謝をしてきた。

だが、貰っても俺は使えない。換金できたら別だったんだけど。神機使いじゃないし、用途がなぁ。

 

「ピギ……?」

 

金貨をどうしようか悩んでいると、不安そうに白アバドンが顔を覗き込んでくる。

おおう……そんな目で見るな。お前からしたらこれも食糧になるんだろうけど、俺は金属を喰おうとは思わないんだよ。

 

さて、この金貨どうしよう。

 

 

◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️

 

 

同日の夜中。

『鉄塔の森』付近で腹ごしらえをし、俺が更地同然にした場所で眠りにつこうとしていた。

結局あの用途のない金貨は受け取らなかった。どうにか俺の意思を身振り手振り首振りで伝え、白アバドン自身に喰べていただくことにしたのだ。

そこで、ふと思う。

 

換金素材を集めるせいで、レアなコアを持っているんじゃなかろうか、と。

全部喰ってるかどうかは別として、光り物を集めるカラスのような習性を持っていそうではある。

ま、コアについて詳しくは知らないからな。そもそもがレアなのか、レアなものになっていくのかなんて正直わからない。

 

俺が身体を丸めて考えている一方、白アバドンは俺の尾先の膜を甘噛みして遊んでいる。

金貨の件が済んだ後、白アバドンはじゃれるように膜を噛んではきゃっきゃっと跳ねていた。

頰の膜だったり、手首の膜だったり、翼膜だったりをひとしきり甘噛みして、最終的に収まったのが尻尾の膜。好みがあるのか?噛まれてる側としてはちょっと複雑……。

 

嫌われるよりはマシか。

 

そうそう、エリック上田氏についてだが、オウガテイル先輩にハンティングされた正確な日時が分からない。

今日が何日何曜日なんてのも知り得ないもんだから、現状希望的観測でしか動けていない。

定期的に『鉄塔の森』が見える場所に行ったり、上空を飛んで様子を窺ったりと、その程度だ。

 

「ピギッピギッ」

 

俺の尻尾で遊んでいた白アバドンが、見て見てと言わんばかりに顔の前で跳ねていた。

ん?何か咥えてるな……。

青白く発光する布のようであって、布ではないもの。あれ?妙に親近感が湧くぞソレ。見覚えが物凄くあるんだが、何だったかな……。

 

そして、何気なく見た尻尾。その先っちょに揺らめく青白い幽膜。左右対称だったはずだが、片方だけ少し欠けたようになっていた。

あれ?もしかして……。

 

「ピギ……ピギィッ!」

 

白アバドンは、発光するソレを咀嚼しながら全て飲み込んだ。

心なしか満足げである。

って、ソレ俺の一部じゃねぇか!コイツじゃれついて幽膜噛み千切った挙句捕食しやがった!えぇ……嘘だろ……。

 

「ピギッ!ピギッ!」

 

白アバドンはその場で飛び跳ねて左右に揺れ、味の感想を全身を使って表しているようだ。

なに?美味かった?そりゃ良かったなって、やかましーわ!

ま、まあ、時間が経てば元通りになるだろうし、白アバドンに害は無さそうだから叱らないでおくか。

つか、捕食はアラガミの専売特許みたいなもんだもんね。仕方ないね。これが普通だよね……。

 

ちょっとしたアクシデントがありつつ、比較的穏やかに夜は更けていった。

 

 

◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️

 

 

時間は遡り、新種のアラガミ『ゼノ・ジーヴァ』が白いアバドン『アモル』から謝礼を渡されていた頃。

極東支部では初となる『新型神機使い』の初陣が、ベテラン討伐班第一部隊のサポートはありつつも初運用にして文句のない成果を挙げた。

訓練所での訓練成績を考慮すると、約束された成果と言える。

 

「今日は新人の初陣記念だ。豪華じゃないが、まあ、飲め飲め」

 

ロビーの出撃ゲート前にある休憩スペースにて、第一部隊長である雨宮リンドウが配給ビールを片手に言った。

テーブルの上には自販機で買ったであろう数本の缶ジュースとスナック菓子。椅子に座るメンバーは各々好きなものに手を伸ばす。

しかし、、一人だけ浮かない顔をしていた。新型神機使いの新人である。

 

「どうしたんだよショウ?オレ達、いい動きしてたよな!な!」

 

ジュースを飲んで菓子を摘んでと忙しい藤木コウタ。彼は新型神機使いと同時期に神機使いとなった、いわば同期である。

明るく振る舞うコウタの隣には新型神機使いの伊澄ショウが、スナック菓子を少しかじり口を開く。

 

「……全滅した部隊の事がなぁ。訓練のあと少しだけ話をした二人が、その部隊所属だったから……歳が近かったし、色々相談出来るなぁって思ってたんだ」

 

勿論、同じ部隊所属の橘サクヤやリンドウと言ったベテランに教えを乞う事も出来るが、第一世代と第二世代とでは扱い方が異なってくるとやんわりと断られた。

その点で言えば、亡くなった二人も第一世代の神機使いで同じ事になるかもしれない。

しかし、歳が近いことで話しやすさだったり、コウタと話すように何気ない会話が出来たかもしれない。

友人になれるかもしれない、と思っていた。

 

「そっか……。オレも、あの人達と少しだけど話したからさぁ。立ち回り方とか教えてもらったりしてたんだよね……」

「これが、普通なんだな……」

 

はぁ、と二人して深い溜息をつく。

 

「確かに任務に出た部隊が戻って来ないというのは悲しいことよ。だからこそ、あなた達にはこのささやかなパーティーを楽しんでほしいのよ」

「サクヤさん……」

 

ショウの向かいに座るサクヤが、悲しげな顔をしながらも配給ビールをあおる。

パーティーを楽しんでほしい。サクヤから発せられたその言葉には、戦場を生き抜いてきたベテランならではの重みがあった。

さっき言葉を交わした神機使いが数時間後、明日、明後日……もう二度と顔を合わせることが出来なくなる。そんな経験を何度も繰り返してきたのだろう。

自分達よりも、何倍も多く……。

沈んだ空気の中、リンドウは頰を掻き気まずそうに口を開く。

 

「……あー、そうだ。それについて言っておきたい事があってな」

「言っておきたい事?何すか?」

 

コウタが聞き返すと、リンドウは真っ先にショウの目を見据えた。

 

「救援に向かった部隊からの報告だ。『冥灯龍(ゼノ・ジーヴァ)』がアラガミ数十体を殲滅していたらしい。アイツらを喰ったアラガミ全て残さず、な」

「え、結構ヤバいじゃないすか!そのアラガミ!」

 

初観測から一年以上経った今でも、他の個体を発見するに至っていない稀少なアラガミ。

その巨体ゆえウロヴォロスと並ぶ超弩級のアラガミとされ、数ヶ月前に接触禁忌として扱う事も決定した。

攻撃方法、範囲、威力。どれを取っても確実に致命傷となりえる。

 

「直接の人的被害は少ないアラガミだけど、異常とも言える殺傷能力が危険視されている接触禁忌種よ。確かデータベースに載ってるはずだから、あとで読んでみるといいわ。あまり情報はないけれどね」

「そっか……接触禁忌になったのかアイツ……」

 

ショウの呟きは、誰の耳にも拾われることはなかった。

 

その後、初陣記念パーティーはお開きとなった。

リンドウとサクヤは軽く片付けをし、飲み直しだと言って自室へと行った。

 

ロビーに残ったコウタとショウは、ターミナルからデータベースの『冥灯龍(ゼノ・ジーヴァ)』の項を読んでいた。

 

「頭にあるオレンジのコレって目?うわ、多くね……?」

「いや、目じゃねぇよ。そういう模様なんだ」

「えっ!マジで?」

「マジで」

 

サクヤの言っていた通り、載っている情報は外見の特徴や目撃証言、能力に関する推測など、他のアラガミと比べると圧倒的に情報量が少ない。

生態や習性が明確になっていないことが要因でもあるらしい。

コウタと書いてある情報について話し、ショウは最下部の文章を読む。

 

「当アラガミが(ほふ)ったアラガミの総数は数えきれず、また、攻撃自体が防ぐ余地のない殺戮級であるため、最近になり一部のゴッドイーターはこう呼ぶようになった……」

 

 

 

 

『歴戦王』と。




ゴッドイーター達の口調が迷走気味です。コレで合ってるのか……?
勉強する必要がありそうです。
今回、キャラ達に目立った動きは無いようですね。緩い流れになりました。

それでは、また次回。
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