ROCKMAN CROSSLINE   作:じゃすてぃすり~ぐ

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リアルが色々忙しくて、更新が遅れてしまい申し訳ございませんでした。

今回もちょっと駆け足気味のような気がする・・・(汗)


EP2-3「作戦開始」

-翌日、S09地区司令部。

 

「う、んんん・・・」

 

 リツカから用意された部屋でロックは目を覚ます。

 飾り付けは余りしていない簡素な部屋だ。横をみやるとグリフィンの制服が綺麗に畳んであった。

 

「僕、本当にグリフィンに入ったんだな・・・」

 

 制服を見ながら一人呟く。こうなった以上、後戻りは出来ない。・・・まぁ、彼の性分上するつもりはないが。

 

「と、こうしちゃいられないな。もう、皆ブリーフィングルームに集まってるだろうし早く着替えないと・・・」

 

 そう言って、ロックはグリフィンの制服に着替えるべく、今着ている服を脱ぎ始める。

 

-タタタタタタタ・・・。

 

 ふと、小走りでこっちに向かってくる。ロールちゃんだろうか?そう思いながら着替えていると・・・。

 

「ロック君、おはようございます。もうすぐ朝礼が始まります・・・よ?」

 

 ガチャリとドアをあけて入って来たのはM4だった。そして、まだ着替え中のロック(上半身裸)を見てフリーズする。

 

「す、すいません!!着替えてるとは知らなくて・・・」

「い、いいですよ。気にしてませんから・・・」

 

 そう言って互いに顔を背けるM4とロック。逆ラッキースケベな展開に、2人の空気は気まずい。

 

(こうしちゃいられない、早く着替えよう・・・)

 

 そう思い、グリフィンの制服を着る。そして、M4に声をかけた。

 

「M4さん、着替え終わりました。行きましょうか」

「は、はい!行きましょう・・・うわわわわっ!?」

「あっ、危ない!」

 

 勢いよく振り返った拍子に足をもつれさせるM4。助けようと、M4の手を掴むロックもまた、バランスを崩してM4ともども倒れこんでしまった。

 

「いてててて・・・M4さん、大丈・・・ぶ?」

「」

 

 ・・・ロックがM4を押し倒すような形で。

 そんな状態なのでロックは硬直、M4は顔を限界まで真っ赤にさせ・・・、

 

「い、いやあああああああああああああああ!!!!」

 

-バッチィィィィィィィィィン!!!

 

 次の瞬間、M4の叫び声と共に頬を打つ音が響き渡った。

 

 

 

-そして、数分後グリフィンのブリーフィングルーム。

 

「「おはようございます・・・」」

「おはよう、ロックにM4。・・・ってどうしたんだその頬?」

 

 ブリーフィングルームに入り、リツカに挨拶をするロックとM4。リツカも挨拶を返すも、ロックの様子を見て問いかける。

 

「ははは、ちょっと色々ありまして・・・」

「・・・ごめんなさい、ロック君・・・」

「だ、大丈夫。気にしてないよ」

 

 苦笑いしながらロックは答える。・・・その右頬にデカイ紅葉模様を張り付かせて。

 一方のM4は顔を紅くして俯き、ロックに謝っていた。

 

「あっ・・・(察し)うん、あまり深くは聞かないでおくよ」

 

 そんな、2人を見てリツカは何かを察したのか深くは追求せずその話題を打ち切った。

 

-閑話休題・・・。

 

「おはようございます指揮官、今日もよろしくお願いします。一〇〇式はがんばりますから」

「おはよう、今日の予定は考えてきた?」

「うふふ、おはようございます」

 

 その後、しばらくして一〇〇式、FAL、スプリングフィールドと言った部隊の隊長格の人形を皮ぎりに、S09地区に所属している人形達がゾロゾロとブリーフィングルームに集まる。

 

「おはよう、皆。今日はいきなりで悪いが、早朝にヘリアンさんから任務(ミッション)の通達があった」

 

 リツカの言葉に、ざわつく人形達。

 

「えー!今日は、ロックマンとM4ちゃんに基地内の施設の案内と歓迎会じゃなかったの!?」

「緊急の任務(ミッション)が入った以上、そうもイカンだろう。で?指揮官、その任務(ミッション)はどんなのなんだ?」

 

 不満の声を上げる97式をいさめるのは帽子を被り、桃色の髪を肩まで伸ばした黒いセーラー服姿の少女。一番隊のスナイパーを務める『NTW-20』、周りからはダネルと呼ばれる戦術人形である。

 

「ああ、M4A1が所属していた『AR小隊』、その残りのメンバーである『M4 SOP MODⅡ』、『ST AR-15』、『M16A1』の捜索任務だ。彼女たちを見つけ次第保護する、それが俺達の任務だ。

 AR小隊はM4と同じく俺達(グリフィン)や鉄血にとっても極めて重要な隊である為、鉄血の連中と鉢合わせする可能性が高い。

 ひょっとすればエクスキューショナーのような、・・・いやそれ以上に強力なハイエンドモデルとも交戦しなければならない事態に陥るかもしれない。皆・・・心して任務にかかってくれ」

 

 ダネルの言葉にそう答え、皆に任務の内容を伝える。

 

「はぁ、あんなバケモノレベルの奴と当たる可能性がある・・・かぁ。こんな時、『ベクター』や『トンプソン』がいたら心強いんだけど・・・」

 

 げんなりとした様子で、愚痴るのはUzi。運悪くエクスキューショナーと相対し、ダミーをやられ自身も殺されかけた事を思い出し、ため息をつく。あの時、ロックマンが助けてくれなかったら死んでいたかもしれない。

 ・・・もっとも、グリフィンに所属している戦術人形は一部例外を除き、メンタルデータのバックアップを定期的にしており、万が一戦死したとしても新しく作られた身体(ボディ)にバックアップしてあるデータをインストールすれば、即座に復帰できるのだが、誰だって死にたくはない。

 かつて、この基地で鬼神の如き強さを誇っていた2人の戦術人形。普段チャランポランではあるがやる時はやる銀色の髪に死んだ目をした『白夜叉』の異名を持つサブマシンガンの戦術人形と、人智を超えた握力とタフネスを持ち、前線で身体を張って銃を使うよりかステゴロで相手を蹴散らす『喧嘩師』の異名を持つサブマシンガンの戦術人形。彼女らがこの場にいてくれたらどんなに心強いか・・・。と今はいない2人に想いを馳せる。

 

「ない者ねだりしてもしょうがないわ、Uzi。あの2人は研修で『シープス小隊』の元にいるし、しばらく戻ってこないんだから。私たちで何とかするしかありませんわ」

 

 そんなUziに苦言を呈するスプリングフィールド。だよねぇ、とUziも肩を落とす。

 

-シープス小隊

 

 グリフィン最強と名高い特務部隊であり、普通の戦術人形が小隊を組んでも苦戦する強さを持つ『マンティコア』のような大型機械人形、それを1対1で撃破出来る戦闘力を持つ隊員が多い。

 その戦闘力の高さから正規軍の攻撃から逃れグリフィン統治区に侵入したELIDの殲滅任務等、並みの人間や戦術人形では出来ない任務を任せられるのが多い。

 そんな小隊に研修で身を寄せているのであるから、その2人の戦闘力は凄まじいものであると分かる。

 

「スプリングフィールドの言うとおりだよ。それに、あの2人がいなくてもコッチにはロックマンとM4がいるし、ヘーキヘーキ。何とかなるって」

「アンタは良いわよねスコーピオン。・・・楽観的で」

 

 呑気な事を言うスコーピオンに半眼でそう言って、ため息をつく。

 

「任務の概要は以上だ。では、皆の健闘を祈る」

 

 そんな他愛の無い話をしているうちにブリーフィングが終わり、解散。各々が準備へと取り掛かる事になった。

 

「特殊武器の使用は問題なし・・・、後はラッシュの身体の調子だな」

 

 戦闘形態(ロックマン)へと移行し、特殊武器が使えるかなど入念なチェックをしながらラッシュの様子を見に行くロック。そこへ、

 

「ロック」

「ん?ロールちゃん、どうしたのその格好?」

 

 ロールが声をかけてきたのでその方を見やると、ロールの服装が変わっていた。グリフィンの制服である。

 

「どう?似合うでしょ、私もオペレーターとしてだけどグリフィンに所属することにしたんだ。似合う?」

「まぁ、似合うといえば似合うけど。でも、どうして?ロールちゃんまでもグリフィンに所属することは無いのに」

 

 そう言って、自分の姿を見せるように言うロールにロックマンは問いかける。

 

「ロックの力になりたいそうなんじゃ」

「あ、ライト博士」

 

 ロックに答えたのはロールではなくDr.ライトであった。

 

「ロールは、お前や他のライトナンバーズと違って、戦闘用に作られてはおらんからな。だが、それでもお前たちの力になりたいと言っておったんじゃ。だから、前線に出る必要の無いオペレーターとしてロックを支えたいとリツカ君に申し出たんじゃよ」

「そうだったんですか・・・。ありがとう、ロールちゃん。オペレートよろしく頼むよ」

 

 ライトの口から経緯を聞かされ、ロックマンはロールにそう言った。ロールもまた、満面の笑みを浮かべ答える。

 

「うん!オペレートは任せて、ロック」

 

 そう言って、互いに拳を合わせ笑いあう。そこに、ライトットがやってきた。

 

「あ、いたいた。おーい、ロックマーン」

「ライトット、ラッシュの調子は?」

「『ラッシュコイル』に『ラッシュジェット』両方とも機能に異常なし、整備は万全ダス。いつでも、出撃できるダスよ」

『ワン』

 

 ライトットの横に現れるラッシュ。調子がいいのか、尻尾をフリフリとしている。

 ロックマンはしゃがみこみ、ラッシュの頭を撫でてやる。ラッシュは気持ち良さそうに目を細めると『ワン!』と嬉しそうに鳴いた。

 

『ヘリコプター整備完了、一番隊、そしてロックマンチームは速やかに出撃準備せよ。くりかえす―』

「あ、もうそんな時間か。それじゃあ博士、皆、行ってきます。行くぞ、ラッシュ」

『ワン!』

 

 唐突に響いたアナウンス。それを聞き、ロックマンは立ち上がるとライト博士たちに言って、ラッシュと共にヘリポートへと向かう。

 ちなみにロックマンチームと言うのはロックマンとM4を主軸に構成された小隊で、構成員はロックマン、M4、スコーピオン、ラッシュの三人と一匹である。

 

「ああ、気をつけてな」

「怪我をしないで戻ってきてね、ロック」

「頑張るダスよー!」

 

 声援を送るライト博士達を背に、ロックマンはヘリポートへと向かう。そして、M4達と合流しヘリで飛び立った。

 

―ヘリの中・・・。

 

「MP5、ここで間違いないんですか?」

『はい。ヘリアンさんから貰った通信ログから、抽出して座標を割り出しました。AR小隊(彼女達)はこの辺りにいると思います』

 

 ヘリの窓から見下ろしながら、無線で一番隊のオペレーター担当である戦術人形『MP5』に問いかける一〇〇式。ですが。と言いながら、MP5は続ける。

 

『ここら辺は鉄血の支配区域。ヘタにAR小隊(彼女達)に無線で呼びかけようとすれば鉄血に居場所を探知されてしまう可能性があります。ですので、一番隊の皆とロックマンチームには速やかに鉄血人形を殲滅、この区域の占拠をお願いします』

「了解」

 

 それと同時に、ヘリが地面に着陸した。それと同時に、一番隊の面々とロックマンチームの面々はヘリから降りる。

 

「では、一番隊ミッションを開始します」

『気をつけてくださいね、皆』

 

 そう言葉をかわし、一番隊は戦場に赴く。

 こうして、ロックマンがグリフィンに所属して初めての任務(ミッション)が始まった。

 

Next EP2-4・・・




次回から、戦闘マシマシで書いていきたいなと思っております。
お楽しみに!

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