ROCKMAN CROSSLINE   作:じゃすてぃすり~ぐ

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遂に第三戦役突入!
こっから、オリジナル展開が盛り沢山の予定となっております。
今回はまだ、導入部ですがどうぞ。


第三戦役 メッセージ ―The Message-
EP3-1「傭兵小隊が来る」


SIDE ???

 

 夢を見ていた。

 俺がまだ人間の■■■■だった頃の記憶、楽しかった頃の記憶の夢だ。

 

『■■■■は、今日何が見たい?』

『僕、劇場版キャプテン・コマンドーが見たい!』

『ははは、本当に■■■■はキャプテン・コマンドーが好きだな』

 

 こうして、手を繋いで一緒に買い物や映画を見に出かけていた。両親は忙しかったけど、それでも俺と一緒に過ごす時間を作ってくれていた。

 

 

 あの時までは。

 

『金を出せ』

 

 映画を観た帰り道、俺達は暴漢に襲われた。父が、咄嗟に前に出て暴漢を取り押さえようとする。

 父はこの時でも強く、暴漢が取り押さえられるのは時間の問題かと思われた。・・・だが、

 

―BLAM!

 

 暴漢が苦し紛れに放った銃弾。それは・・・、

 

『え?・・・あ』

『!?■■■■!!!』

 

 俺の左胸に命中した。

 あふれ出る血と共に、力が抜けていく感覚に囚われながら俺の意識は闇へと堕ちていった・・・。

 

―SIDE OUT

 

―S09地区へと向かうヘリの中。

 

「あ、起きたー?」

 

 眼を開けると、視界いっぱいに人懐っこそうな笑みを浮かべたツインテールの少女の顔。

 

「『ナイン』か、基地にもうすぐ着くのか?」

 

 眠そうな眼を擦り、ツインテールの少女・・・ナインと呼ばれた彼女『UMP9』に青年は問いかけた。何処となく、青年の顔にはロックの面影がある。

 

「そうよ、貴方が『G11』みたいにぐっすり寝てる間にね」

 

 ナインと呼ばれたツインテールの少女の代わりに、彼女に似た少女が答えた。ナインと違うのは長く伸びた髪を一房だけ纏めたような髪型とその絶壁気味な胸部分であろうか。

 

「何か、失礼な事を言われたような気がしたわ」

「気のせいだ、45」

 

 あさっての方を見ながら、不機嫌そうな顔で呟く少女、45こと『UMP45』に青年はそう返した。

 

「まぁ、それはさておき。貴方、寝ている時結構うなされてたみたいに苦しそうな顔だったわよ?まるで悪夢でも見たみたいに」

「・・・バカを言うな、俺は『人形』だぞ。夢なんか見るわけないだろう」

 

 45の言葉に、一瞬辛そうな表情を浮かべるもふん。と鼻で笑いながら青年は45に返した。そんな青年の反応に、イタズラっぽい笑みを崩さず45は続けた。

 

「まぁ、いいわ。『そう言う事』にしておいてあげる」

「そう言う事って・・・」

 

 45の言葉に、ムっとした様子で反論しようとした時、45でもナインでもない声が制止した。

 

「そこまでよ、もうすぐ基地に着くんだから無駄な口論は止めなさい」

 

 声のした方向はコクピット辺り。コクピットのシートからひょっこりと、長い銀髪にベレー帽を被った目元に紅い涙のタトゥーを入れた少女がこちらをのぞいていた。はいはい、分かったわよ416。と45は少女の名前を呼びながら、飄々とした様子で手をひらひらと振った。

 そんな45に、416こと『HK416』は忌々しそうに舌打ちをしながら、青年にあるものを投げ渡した。それは赤いヘルメット、青年のトレードマークだ。

 青年がヘルメットを受け取ったのを見届け416は『彼』の名を呼んだ。

 

「貴方も準備しておきなさい。

 

 

 『ブルース』」

 

 

第三戦役(Third Stage)

『メッセージ ―The Message-』

 

 

―時同じくしてS09地区基地。

 

「皆に集まってもらったのはほかでもない」

 

 基地のブリーフィングルームにて、部下の人形達が集まる中リツカは静かに言った。

 

「AR小隊の最後のメンバーである『M16A1』の所在が判明した。このポイントだ」

 

 リツカの言葉と共に、マップ部分に『×』マークが記される。それを見ながらリツカは続けた。

 

「俺達の任務は、このポイントに赴きM16を救出する事になる。恐らく、鉄血の連中もあの手この手を使って妨害するだろう。

 最悪、エクスキューショナーやハンター同様、強力なハイエンドモデルもと戦闘もありえる。各自、注意して挑んでくれ」

「「「「了解ッ!」」」」

 

 異口同音にそう言って、敬礼する人形達。その中で、M4は決意を秘めた瞳で思う。

 

(必ず、必ず助け出しますからね・・・M16姉さん)

 

 そんな中、ポン。と肩に手を置かれる感触があった。振り返るとAR-15がM4の肩に手を置いている。

 

「AR-15・・・」

「肩に力が入ってる、そんなんじゃ成功する作戦も成功しないわよ」

「そ、そうかな・・・?でも、ありがとう」

 

 そう言って気遣うように微笑むAR-15に、まだ固さは抜けないのかぎこちなくM4は礼を言った。

 

「礼なんかいいわ、チームなんだし」

 

 微笑んだままAR-15はそう答え、それに・・・。とイタズラっぽく笑いながら続ける。

 

「気張りすぎて、怪我なんかしたらロックマンも悲しむだろうと思うしね」

「な、何でそこでロック君が出てくるの!?」

 

 AR-15の言葉に、M4は顔を真っ赤にさせて反論する。そんなM4の言葉などそんなの自分で考えなさいといいたげに何処ふく風でAR-15はそっぽを向いた。

 

「ハハ、M4さんとAR-15さんは仲いいなぁ」

 

 二人のやり取りを見ていたロックは、苦笑交じりにそう言った。何処か的外れなロックの言葉に、親であるライトと妹であるロール、そして愛犬であるラッシュは・・・、

 

「鈍感じゃのう」

「鈍感よね」

「クゥーン・・・(訳:鈍感だなぁ・・・)」

 

 そう呟くのであった。

 

「それと、もう一つ。皆に言っておかなければならない事がある。

 今回の任務において、ある小隊と協力して事に当たってくれとの事だ」

 

―ざわ・・・ざわ・・・。

 

 唐突にリツカが放った言葉に、周りがざわつく。そんな彼女達の意見を代弁するかのように、一〇〇式が問いかけた。

 

「指揮官、その小隊とは一体なんですか?」

「残念だけど、俺も急にその小隊と協力しろって言われたからよく分かってないんだ。なんでも、ヘリアンさんが言うには凄腕の精鋭小隊なんだってさ。多分そろそろ着くころだろうと思うけど・・・」

 

 そう答え、う~ん。と時計を見るリツカ。その時だ。

 

『リツカ指揮官殿、ちょっとよろしいですか?』

「何だ?」

 

 基地の管制塔から通信が入って来た。

 

『ヘリが一機こちらに来ております。恐らく、ヘリアン上級代行官の言っていた精鋭小隊かと』

「分かった、通しておいてくれ」

『了解』

 

 そう会話をかわし、通信を切る。その小隊が来るまでの間、ロック達はその事について話し合っていた。

 

「何か、きな臭いよねこの話・・・」

「確かに・・・、素性が分からない小隊、信用していいのかな?」

 

 SOPの言葉に、ロックは頷きながら答える。大丈夫なんじゃない?とそんな二人に声をかけたのはスコーピオンだ。

 

「だって、ヘリアンさんが寄越して来た小隊なんだから信用してもいいと思うよ」

「・・・アンタ、ホント楽天的よねスコーピオン」

 

 スコーピオンの言葉に、呆れ交じりにAR-15は嘆息した。何よー!とぷりぷり怒るスコーピオン。

 そんな時である。

 

「こんにちは~、ここがこの基地のブリーフィングルーム?」

 

 入って来たのは、長い髪を一房だけ結んだ左目に細長い傷をした少女。周りは「誰だ?」と言いたげに少女を見た。そんな視線に気づいてか、少女は笑みを浮かべながら自己紹介をした。

 

「UMP45が来ました、皆さん仲良くやりましょう」

「君が例の小隊の隊長か、俺はリツカ・フジマル。ここの指揮官だ、よろしくな」

「ええ」

 

 45の言葉に、リツカはそう言って握手をする。それに応じ握手しかえす45。

 

「ところで、他の隊員達は?」

「勿論、いるわよ。皆入ってきてー」

 

 リツカの問いに、45はそう答えると、扉の外にいるであろう隊員達に声をかけた。するとどうだろうか。4人程ブリーフィングルームに入って来た。

 その内3人が女性で一人が男である。

 

「なっ!?」

「あっ、君は・・・」

 

 その男の顔を見た瞬間、ライトは驚き、ロックは懐かしそうな表情となった。何故なら男の顔は知っている顔だったからである。

 

「まさか、ここでお前達と会うとはな・・・」

 

 男もまた、ロックたちを見て苦笑交じりにそう言う。そんな男の言葉に、ロックはうん。と頷いた。

 

「僕もビックリしてるよ。・・・久しぶり、『ブルース』」

 

 口笛と共に現れては助けに来てくれる謎の戦術人形『ブルース』とロックは再びめぐり合ったのであった。

 

 

 

NEXT EP3-2・・・




遂に、満を辞してブルース登場!
何故、ブルースが404小隊に身を置いているのか?冒頭の夢は一体誰の夢なのか・・・?そして、M16の安否は?
謎が多い状態で始まる第三戦役・・・、今後の展開にご期待下さい。
ではでは。

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