「どうして、ブルースはこの小隊に?」
「成り行きでこの小隊に入る事になっただけさ」
嬉しさと驚きの入り混じったロックの問いに、ブルースは肩を竦めながら答えた。
そこへ興味を持ったスコーピオンが問いかける。
「ロックマン、このグラサンの人と知り合い?」
「うん、ブルースって言うんだ。彼には色々と助けられたよ」
答えながら、懐かしそうに昔を思い出すロック。
彼には色々と助けられた。日に日に激化するワイリーとの戦い、絶体絶命のピンチに陥った事は何度かある。彼の助けがなかったら、切り抜けられなかっただろう。
ブルースには感謝しても足りないな。ロックはそう思った。
「へぇ、君がロックマン?」
かけられた声に、過去に浸っていた思考を元に戻し、その方向を向く。
そこには、人懐っこそうな笑みを浮かべたツインテールの少女がいた。
「そうだけど、君は?」
「私UMP9、『ナイン』って皆呼んでるよ。へぇ~、実際に見てみると案外可愛いんだね!」
頷きながら問いかけるロックに、少女・・・ナインはそう言って目を輝かせながら近寄り、色んな角度からロックを見た。
「そうかなぁ?・・・ってうわ!?」
「あーでも、見た目に反して筋肉ついてるんだね!この腕とかカッチカチだし」
イマイチピンと来ないロックは首をかしげるが、突如ナインが腕を触りだした為、驚きの声をあげる。
「ちょっと何してるんですか!?やめてくださいよ!」
「ホアッ!?」
ナインの行動に抗議の声をあげるM4。その際に、ナインが触っていない方の腕を取り、胸に抱き寄せた。ふにょんと柔らかい感触が、ロックの腕にダイレクトアタック。
えもいわれぬ感触に、ロックは思わず変な声を上げた。無論、顔も真っ赤である。
「ど、どうしたのM4さん!?急に抱きついてきて!」
「えっ?・・・あっ!?な、なんでもないです!ごめんなさい!!!」
ロックの言葉でM4は我に返り、パッとロックの腕から離れ謝る。こっちもこっちで、顔が真っ赤だ。
「あっ、ふ~ん(察し)。な~るほどね~」
そんなロックとM4のやり取りを見て、ナインは何かを察したかのような顔になる。そして、
「えいっ♪」
「わわっ!?」
「!?」
イタズラっぽい笑みを浮かべながら、ロックの背後から抱きついた。突然の行動と背中に伝わる柔らかい感触に、ロックは顔を真っ赤にしながら戸惑うばかり。
それはM4も同じである。驚きの表情を浮かべるM4にナインはニヤリ、と笑みを浮かべながらこちらを見た。
―もたもたしてると、ロックマンを取っちゃうよ?♪
と言わんばかりに。
「(ぐ・・・ぐぬぬぬぬぬぬ・・・)わ、私だって!」
「ファッ!?」
そんな挑発的な視線に、苦虫を噛み潰したような表情になりながらナインを睨むM4。そして、再びロックの腕に抱きついた。再び、M4の柔らかいマシュマロのような感触がロックの腕にダイレクトアタック!
―ロック君は、渡しません!
そんな意味を込めて、M4はナインを睨む。そうこなくっちゃ!といわんばかりにナインも睨み返す。
―バチバチバチバチッ!!!
二人の間に物凄い火花が散っていた。
「まさかのライバル登場だねー」
「ロックはどっちを選ぶのかしら?」
「二人は何を言ってるのさ?・・・誰でもいいからこの状況説明して~・・・」
この様子に、SOPとAR-15はワクワクと言った感じで見ている。そんな二人に、ロックは困惑した様子でそう呟いた。
「いい加減になさいナイン、話が進まないじゃない」
そんな状況に待ったをかけたのが、長く伸ばした銀髪の少女。左目の真下に赤い涙を模したタトゥーを入れた何処かクールな印象を持つ少女である。
「え~、いいじゃん『416』」
「ダメだ、話が進まないと一足先に現地にいる『G11』達と合流出来ないだろう?」
「ブルースの言う通りよ」
ナインはむくれながら少女、416に反論するが、ブルース、続けざまに彼女にそう言われしぶしぶロックから離れた。ナインとは入れ違いにUMP45が、ロックに歩み寄る。
「ごめんなさいね、ウチの妹が迷惑かけて」
「いえ、大丈夫ですよ」
微笑みながら謝罪するUMP45に、ロックはそう返した。
「そういう割には、申し訳なさそうに見えるんですが?」
「あら?こう見えても、申し訳なく思ってるわ」
同じくロックから離れ、ジト目で噛み付くM4にUMP45は飄々とした様子で返した。いつもとは違うM4の様子に、ロックはおずおずと問いかける。
「ちょ、ちょっとM4さん。どうしたの?さっきの事といい、今度はいきなり噛み付いたりして・・・」
「別に噛み付いてなんかいません。ロック君の気のせいですよ」
そんなロックに、M4はむくれた様子で答えると、プイ。とそっぽを向いた。
「えぇ・・・(明らかに機嫌が悪いよなぁ、M4さん・・・。一体どうしたんだろう?)」
そんな、あからさまに不機嫌なM4を見て、ロックは困惑するばかりである。
「・・・フッ」
「ブルース?」
そんな自分を見て、微笑むブルースにロックは怪訝な表情を見せる。
「いや、お前も罪な男だなと思ってな」
「それって、どう言う意味だよ?」
「こればかりは悪いが言えないな。まぁ、いずれ分かるさロックマン」
「???」
問いかけるも、その答えをあいまいにするブルースに、ロックは頭に疑問符を浮かべた。
「さっ、早くブリーフィングの続きと行きましょうか。ねっ、指揮官さん」
パンパン、と今までの空気を打ち破るように、UMP45が両手を叩きながらそう言うと、リツカの方を向く。
「あ、ああ、そうだな。ところで、一足先に君のメンバーが現場に向かっていると聞いたけど座標は分かるかい?」
「ええ、ここですよ」
そう言って、端末を手に取りそれをブリーフィングルームにあるモニターのコードに接続する。
ブゥン。とモニターに映るマップ。そのとあるポイントに、赤い点が表示される。
「彼女達が、先遣隊として偵察しています。
ひょっとしたら、現場でM16A1の潜伏先を見つけて合流してるかもしれませんし、見つけていなくても何かしらの有力な情報は手に入れていると思いますわ」
「成る程・・・。皆、聞いたな!現場に到着した時にまず優先すべきなのは、先遣隊との合流。
彼女達がM16を保護していれば即座に現場を脱出。合流していなければ、手に入れている情報を元にM16を捜索する!」
「「「「了解ッ!」」」」
UMP45の言葉を聞き、リツカは改めて作戦の内容を説明する。基地内の全員がそれに異口同音で答えると同時に、ブリーフィングは終了。
隊ごとに別れ、大規模な捜索作戦が開始されようとしていた。
―一方その頃・・・。
―コンコン。
「入れ」
「失礼します、『ブリューナク』様」
ここは、とある鉄血占領区域に設立された鉄血拠点基地。その指揮官室にてドアを明け、リッパーが入ってくる。
そして律儀にドアを閉めると目の前の人物に向き直り敬礼した。
黒い軍服姿に身を包んだ短く刈り込んだ緑色の髪をした青年。この基地の防衛を任されているハイエンドモデル『ブリューナク』である。
「先日、エージェント様がおっしゃっていた『サポート』の方がお目見えになりました」
「そうか、通しておいてくれ」
ブリューナクの言葉に、はっ。と敬礼しながら答えるとそそくさと、ドアを明け退出する。リッパーと入れ違いに入って来たのは一人の女性。黒髪のボブカットの女性のハイエンドモデルであった。
「本日より、サポートとしてこの基地に配属になった『イントゥルーダー』よ。よろしくね、先輩・・・と言ったほうがいいかしら?」
「いや、普通に名前呼びでも構わない。我々は志を共にする同志だ、同志に上も下もない。こちらこそよろしくイントゥルーダー、共にこの世界の
にこやかに自己紹介をするイントゥルーダーに、ブリューナクは微かに微笑みながらそう答えた。
「この世界の
「大げさではないさ、エルダーブレイン様こそこの混迷とした世界を真に統治すべき御方だ。
我が物顔で世界にのさばる
大げさすぎるブリューナクの物言いに、苦笑いするイントゥルーダーにブリューナクはそう力説する。・・・が皆まで言うよりも早く、真顔になったイントゥルーダーに遮られ仏頂面になった。
そんなブリューナクに、ごめんなさいね。と再び微笑みながら言う。
「ちょっと無線を傍受してたのよ。どうやら、この区域に『ネズミ』がうろついてるみたいね」
「・・・何?それは本当か?」
イントゥルーダーの言葉に、ブリューナクの表情が鋭くなる。
「ええ、逆探知もしたわ。座標を提示するわね」
そう言って、端末を取出し操作するイントゥルーダー。するとどうだろうか、勝手にモニターが作動し、鉄血が占拠しているエリアのマップが映し出された。その部分に、赤いポイントが表示される。
「ふむ、ここに
「ええ。あ、でも出撃はちょっと待ってもらえるかしら?」
「何故だ?」
ブリューナクの問いに、イントゥルーダーはイタズラっぽい笑みを浮かべながら答えた。
「ちょっとグリフィンの連中に、挨拶がてらのサプライズをしようと思うのよ」
NEXT EP3-3・・・
いかがだったでしょうか?
捜索開始・・・っていうサブタイの割には大半がラブコメ描写だったような気がする(汗)
最初は45姉がロックマンにチョッカイをかける展開でしたが、45姉じゃあ『当ててんのよ』できねぇよな。と思いナインにチョッカイを出させる羽目に。・・・ん?誰か来たようd(ヘッドショット)
今回、後半部分にオリジナルハイエンドである『ブリューナク』が登場。モデルは、とあるゲームのボスキャラの一人です。
元ネタ同様、上への忠誠心がすさまじいキャラになってます。
それと同時に、イントゥルーダーさんとのタッグ。このタッグにロックマン達はどう立ち向かうのか・・・?
次回もお楽しみに、それでは~。