激戦の予感を感じさせながら・・・。
WARNING!WARNING!
本来ならば、ロックマンの時代よりも未来に登場するハズのキャラが登場します。
「それでも良いよ」と言う方はどうぞお進みください。
2月24日:本文の内容を多少変えました。
―上空。
「こちら、UMP45。聞こえるG11」
『うん、聞こえるよ〜』
M16と先遣隊がいるであろう区域に向かうヘリの中。UMP45は、無線を使って通信していた。
応対しているのは間延びしたような少女の声。G11と呼んでいた少女に、45は問いかけた。
「今、S09の部隊と一緒にそっちに向かってるわ。何か進展はあった?」
『うん、M16の潜伏先を見つけて保護したよ~』
「M16姉さんが!?本当なの、それ!?」
G11の言葉に食いつくM4。そんなM4に、45はまぁ落ち着きなさいな。と制した。
『さっきの声・・・、彼女がM4なんだね。
大丈夫、M16はピンピンしてるよ。45、ちょっとM16と代わっていい?』
「いいわよ」
45がそうG11に答えると、今度は別の女性の声が聞こえてきた。
『あー、今代わったぞ。M16だ、M4聞こえるか?』
「M16姉さんっ・・・!!無事だったのね!?」
女性、M16の声にM4は嬉しさのあまり目を潤ませながら問いかけた。
『当たり前だろう、私がそんな簡単にくたばるタマだと思うか?』
「でも、本当に心配したんだよ・・・?」
ポロポロと涙を流しながらM4は、M16に言う。
そんなM4にM16は、苦笑い気味に泣くなよ。と溢した。
『全く、相変わらず泣き虫なのは変わってないなM4』
「はは・・・容赦ないですね、M16姉さんは・・・」
ぐしぐしと涙を拭いながら、M16に反論するM4。涙を拭い終え、次の言葉を紡ぎだそうとしたその時だ。
「で「でも、あの時と比べて結構成長はしてるのよ。M4は」・・・それ、私が言おうとしてたんだけど」
M4を押しのけながらそう言ったのはAR-15。そんなAR-15に恨みがましくM4がそうぼやいた。
そうそう。とSOPも便乗してM16に言う。
「S09の皆や、ロックマン達と協力して鉄血の屑共をやっつけて、私達と合流したんだから」
『おお、AR-15にSOP。無事だったんだな』
AR-15とSOPの声に、M16は嬉しそうに言った。そんな中、G11から声がかかる。
『ねぇM16、もうそろそろ代わっていい?まだ45と話の途中だし』
『ああ、分かった。じゃあ、そろそろG11と代わるよ。じゃあ合流地点で待ってるぜ』
「あ、M16姉さん・・・」
もっとM16と話したかったM4は寂しそうな表情で、呟く。そんなM4の心情を知ってか、そんな寂しそうな声を出すな。と諭した。
『合流できれば、話なんか幾らでも出来るさ。だから元気を・・・』
『残念だけど、話は出来ないわよ。永遠にね』
「「「!?」」」
M16に割り込むように、聞こえてきた得体の知れない声に、一斉に警戒するM4達。G11も、信じられないと言った声音で言う。
『何で鉄血が!?この無線、そう簡単に傍受できないはずなんだけど・・・』
『この程度、私にとってはお茶の子さいさいなのよ。・・・始めまして、というべきかしら?私は「イントゥルーダー」。鉄血のハイエンドモデルよ』
そうG11に返し、謎の侵入者・・・イントゥルーダーは自己紹介をした。
「イントゥルーダー・・・?聞いたことない名前ね、鉄血の新型かしら?」
『その通り、最新モデルなの。
・・・と言っても、電子戦特化型だから、先輩達のような直接的な戦闘は苦手だけれどね』
M4の呟きに茶目っ気交じりにそう返すイントゥルーダー。彼女の言葉に、45はイントゥルーダーに返す。
「いいの?そんなにあっさり自分の苦手分野バラして」
『ええ。だって「苦手」とは言っても、「全く戦えない」って訳じゃないもの。それよりも、いいのかしら?悠長に私と話をしていて』
「・・・?どう言う意味?」
飄々とした様子で答えるイントゥルーダーに、眉を潜める45。その時、G11の無線から声が聞こえた。
『わわっ!?敵が来た!どうしてここが分かったの!?ちょっとゴメン、通信切る!』
「ッ!?G11!?」
G11の慌てた声と、怒号。そして銃声が無線から聞こえてくる。それはG11が戦闘へ向かうと同時にプツンと途切れた。
『通信を傍受した時に、G11と言ったかしら?彼女が持っている無線を逆探知したの。
そんでもって、その探知ポイントに大量の兵隊を送ったって訳。
その中には、マンティコアやマンティスと言った機械人形タイプもいるわ。如何に、少数精鋭の「404小隊」の隊員でもこれはキツイんじゃないかしら?』
そう言って、クスクスと笑うイントゥルーダー。そんな彼女の言葉に、確かにね。と答える。
「そんな代物がいるんじゃあ、私達ではお手上げだわ。「
『・・・何が言いたいのかしら?』
「もしも、そこに『援軍』が来れば戦況はどうなるのかしら?」
―一方その頃・・・。
「う~・・・、眠いよ。キツイよ~」
「泣き言言ってる暇があったら、撃ち続けてろG11!」
廃墟となった市街地。大挙として迫る鉄血の軍勢に、元ガンショップだった一軒屋で篭城している4人の男女がいた。
長く伸びた白髪頭に無造作にキャップを乗せ、全体的に着崩れた感じの見る人によっては「だらしがない」と言う印象を抱かせる少女・・・404小隊所属の戦術人形『G11』の言葉に、オレンジのメッシュが入った黒髪のお下げが特徴の少女・・・AR小隊所属の戦術人形『M16A1』は激を飛ばしながら手に持った自分の名と同じアサルトライフルを構え、鉄血の軍勢に発砲する。
「M16のいうとおりだよ。何とかしてこの状況を打破しないと、君だけじゃなくボクらだって永遠の眠りに着かされる羽目になるんだからさー。
ボクやだよ、こんなマダオと心中するの」
「うっせぇぞ『レッド』、俺だってこんな所でくたばるのはゴメンだ。死ぬのはベッドの上・・・、ナインに看取られながらって決まってんだよ」
「うわ、出たよ『ハチ』のシスコン発言。いい加減妹離れしたら?」
店の商品だったであろうマシンガンを手に応戦しながら赤を強調したアーマーを纏った無邪気と言う言葉が似合う戦術人形の少年・・・『レッド』の軽口に、UMP姉妹が着ているジャケットに袖を通した、一本のアホ毛が目立つボサボサ髪の青年・・・戦術人形『UMP8』こと『ハチ』が反論する。
ハチの言葉に、呆れたようにレッドはそう返す。が、それがカチンと来たのか、ハチは更に反論。
「アホ抜かせ、ナインは俺のマイスイートエンジェルだぞ!いいか!?何処が天使なのかって言うと・・・」
「もうそれ何度も聞いたよ。・・・そんなんだから、ナインから『ごみぃちゃん』って呼ばれるんだよ」
「私もレッドと同意見」
クワッ!(迫真)とレッドを睨みながら力説するハチ。そんなハチにため息混じりに、そう返しボソリと呟いた。便乗するように、G11もハチに言う。
「皆が冷たい・・・」
そんなG11とレッドの言葉に、ずーん。と言う効果音が出そうな感じで落ち込むハチ。
「ま、まぁ落ち着けよ。・・・兎も角、拙いな。
幾ら倒してもキリがない、これじゃあ鉄血の連中片付けるよりこっちが参っちまうぞ」
落ち込むハチを励ましつつ、M16は敵の軍勢を見ながらそうぼやく。今の現状は多勢に無勢、幾らこの廃墟にあった武器があったとしてもいずれは数で押し切られるのは誰の目からも明らかであった。
(銃ばかりじゃなくて手榴弾とかもあれば、何とかなるんだが・・・)
―ガシュン!ガシュン!
「ん?何・・・だ?」
聞きなれぬ音、その音の方向に目を向けM16は絶句した。
その視線の先には、鉄血の軍勢を掻き分けるように現れた二つの巨大な機械人形。『マンティコア』と『マンティス』である。
「マジかよ・・・。たかだか、私ら4人に戦力つぎ込み過ぎだろ」
ただでさえ、切り抜けられるかどうかわからない状況なのに、最低でも戦術人形の小隊を組まねば勝ち目のないマンティコアとマンティスの2体を投入と言う絶望的な状況でM16はそう呟くしかなかった。
「うっへ~・・・、マンティコアにマンティスか。
私達としては、大将の『ブリューナク』が来てくれるかなって思ってたけど・・・ちょっと当てが外れたかな?」
一方のG11は呑気に、そうコメント。その言葉に、M16は怪訝な表情で問いかける。
「その言葉・・・、何かこの絶望的な状況を打破出来る手があるって事なのか?」
「ん~・・・無いね」
―ズルッ!
あまりにもあっけらかんとした、それでいて上げて落とすようなG11の言葉にM16はずっこけた。そして、すぐに起き上がり、抗議する。
「無いんかい!!!!」
「うん。・・・
これまた平然と答えながらも、意味深な発言をするG11。それは一体どう言う意味なのか・・・?M16は訝しんだ。
「今の状況・・・・?それは一体・・・」
―BOOOOOOOM!!!
何なのかを問いかけようとしたその時、鉄血の軍勢の一部が突如爆ぜた。突然の事に、M16は勿論鉄血の軍勢たちも驚きを隠せない。
そんな状況の中、驚きもしない者がいた。そう、G11、レッド、ハチである。
「来たみたいだね、援軍が」
「うん。・・・これでやっと休めるかな、ファーア・・・」
レッドの言葉に、そう頷きながらG11は欠伸をしたのであった。
―そして、話は変わって鉄血支配区域のブリーフィングルーム。
「ん?こんな時に誰かしら?もしもし」
『イ、イントゥルーダー様ーッ!!!』
UMP45と会話をしている最中、別の機器から通信が入る。慌てた様子の鉄血兵からだ。
「どうかしたの?えらく慌ててるようだけど」
『あ、貴方様の言うとおり、逆探知した場所に向かいそこに隠れてるグリフィンの連中を包囲しようとしたら・・・ロックマンを初めとするS09地区の人形共が何処からとも無く現れました!!!』
「な、何ですって!?」
鉄血兵の口から語られた衝撃の事実に驚きを隠せないイントゥルーダー。
『それに、ロックマンだけじゃなく紅いヘルメットを被ったグラサンの奴を初めとする見慣れない人形達も強くて・・・、このままじゃ全滅です!
ヒ、ヒィ!こっちに来た!ブリューナク様、イントゥルーダー様助けて下さい!たすけ・・・ウギャアーーーーーーッッ!!?』
断末魔の叫びと共に、中断される通信。そんな中、45の勝ち誇った声が聞こえてくる。
『どう?いっぱい食わされた感じは。
「フフフ・・・してやられたわ。
サプライズしてやろうかと思ったら、まさかのサプライズ返しで来るなんて流石ね」
『褒め言葉として受け取っておくわ。じゃ、私達もこっちに来るから降伏の用意しておいてね♪チャオ』
イントゥルーダーの皮肉交じりの言葉に、そう答えるとブツン。と通信を切った。
「おのれ、国賊共めぇ・・・!味な事をしてくれる・・・!!」
通信が終わるや否や、ブリューナクは怒りと悔しさを滲ませた表情でそう呟いた。
「ごめんなさい、まさかこんな事態になるなんて思ってもみなかったわ」
「いや、お前の所為ではない。
あの404小隊であったか、あいつ等の情報網を侮っていた私のミスだ。・・・だからこそ」
そう言って、首にぶら下がっている剣の装飾のペンダントを握り天に掲げた。するとどうだろうか。緑色の光に包まれ、ブリューナクの姿が変わる。
軍服姿だったのが、緑色のクジャクを模したアーマーを纏った姿になった。これが、ブリューナクの戦闘形態である。
「己の失態は己で償わねばならん。私はこれより、戦場に出向き国賊共を殲滅する。留守は任せたぞ、イントゥルーダー」
「・・・了解、武運を祈ってるわね」
ブリューナクはそう言うと、フッと姿がぶれたかと思うと、そのまま消えた。
「・・・まさか、こうも裏をかかれるとはね。だけど、何故情報が・・・?たかだか一介のグリフィン人形にそんな広い情報網があるとは考えられないけど・・・」
誰も居なくなった部屋で、イントゥルーダーは一人何故自分の策が潰されたのかを思案していた。
「・・・」
「・・・ッ、何者!?」
ふと、背後から気配を感じ振り向くも誰もいない。・・・だが、何かが落ちていた。
イントゥルーダーは駆け寄って拾ってみる。
「・・・これは手ぬぐい?・・・ああ、成る程そう言う事か」
手ぬぐいをみながらイントゥルーダーは何かを悟る。
「
そう言って、一人納得をするイントゥルーダー。彼女の手に握られた手ぬぐい。その端にはあるマークがプリントされていた。
『W』のマーク・・・。そう、Dr.ワイリーのマークが・・・。
NEXT EP3-4
いかがだったでしょうか。
とりあえず、オリジナル要素として404小隊の隊員として本来ならば『X7』に登場するはずの『レッド』と、オリ人形の『UMP8』ことハチが登場。
一応、説明をば・・・。
・レッド
本家ロックマンシリーズでは後の『X7』にて自警団『レッドアラート』の団長として登場する(本作ではまだ未定だが)ボスキャラクター・・・の若い頃の姿。容姿云々は『X7』と同様であるが、右目の眼帯(?)が無く両目は健在。顔立ちはまだ若いためか、バーローもといアクセルのような少年みたいな見た目。(勿論、声のほうも大塚=サンみたいな渋い感じではなく高山=サンみたいな声)
・UMP8(ハチ)
404小隊のUMP姉妹と同じ名を持つ、男性人形。極度のシスコンであり妹であるナインを溺愛している。
容姿は、『俺ガイル』の比企谷 八幡と『シルヴァリオ ヴェンデッタ』のゼファー・コールレインを足して2で割ったような容姿。
今回は、あまり活躍は無かったですが、次回明らかにしていきたいなと思っております。
そして、遂に出陣するブリューナク。未知の強敵を前にロックマン達はどう戦うのか?
お楽しみに!それでは~。