ロックマンはM4を救出できるのか!?
相変わらずの拙い文章ですが、温かい目で応援よろしくお願いします。
「ふぅ・・・これで敵は全滅、ですかね?」
「どうやらそうみたいですね」
倒れ伏し、動かなくなった鉄血人形を見ながら一〇〇式とスプリングフィールドは言葉を交わす。
一番隊が、援護に来てすぐFAL達は攻勢に転じ見事鉄血を撃退したのである。
FALは、離れた所で指揮官であるリツカに通信を送っていた。報告をする為である。
「何ですって!?M4が攫われた!?」
驚きの声を上げるFALに、一〇〇式やスプリングフィールドは勿論、彼女等と共に戦っていた部隊の人形達も「何事か?」とFALを見た。
「・・・そう、ロックマンが今その鉄血人形を追っているのね。・・・了解、んで座標は?OK、了解よ」
リツカとの通信を切り、この場にいる仲間達に言う。
「皆、基地に戻るのは後。今からロックマンと合流・援護するわよ」
―ところ変わって・・・。
「待てッ!」
「待てと言われて待つ者はいませんよ!」
スケアクロウとM4が乗った一台のジープ・・・司令部から盗んだジープが大地を駆ける。その背後でロックマンがラッシュジェットに跨り追いかけていた。
M4を救い出そうとジープに近づくも、そうは問屋がおろさない。
「させませんよ」
「うわっ!?」
近づこうとすればビットのビームが行く手を阻む。
何度かリーフシールドやジュエルサテライトなどのバリア系の武器で強行突破しようとしたが、ビットのビームはバリアを一撃で消してしまうほど威力が高く突破してジープにたどり着くまでにエネルギーが底をついてしまうため諦めた。
バスターでビットを何基か撃ち落すも、一向に減る気配は無い。
(このままじゃジリ貧だ・・・)
この状況をどうにかしようと、思案をめぐらせる。
だが、いくらめぐらせても打開策が見つからない。
(どうすれば・・・)
その時である。
『ロックマン、聞こえるか?』
ヘルメットに内蔵されている無線から声が聞こえた。
リツカの声だ。
「リツカさん!?何で無線のチャンネルを?」
『ライト博士が教えてくれたんだ。この状況を打開するのにいい考えがある』
「いい考え?ですか」
リツカの言葉をオウム返しで問いかけるロックマン。
一体、その考えと言うのは何なのだろうか・・・?
『今スケアクロウが乗っているジープの通行予測コースにFAL、一〇〇式、スプリングフィールドの部隊を配置している。彼女達と連携してM4を救出してくれ!』
「つまり僕と彼女達で挟み討ちって事ですか?」
『ああ』
リツカの出した作戦を聞き、考えるロックマン。
いい考えではあるが、不安も大きい。ひょっとしたら、スケアクロウが予測とは違う方向に行ってしまう可能性がある。
だが、このまま攻めあぐねるままよりもその作戦に賭けてみるのもいい。と判断し、頷く。
「分かりました、それで行きましょう」
『指揮官、ロックマン。聞こえるかしら?』
リツカとは別の声が通信に割り込んでくる。
聞き覚えのある声だった。鉄血の部隊がやってきた時にリツカと通信を取っていた女性の声だ。
『FALか、準備は出来たか?』
『ええ、皆指定のポイントに着いた。ジープに乗った鉄血のクズとM4がバッチリ見えるわ』
『一〇〇式、一番隊準備完了』
『スプリングフィールドの三番隊も大丈夫です』
そうリツカに返すFAL、そして一〇〇式とスプリングフィールド。
『分かった。タイミングは任せるぞFAL』
『了解』
そうこうしているうちに、ジープは指定された位置へと差し掛かろうとしていた。
『今!』
FALがそう言うと共に、ジープに乗っているスケアクロウの眼前に何かが投げ込まれる。
刹那―
カッ!
「くっ!?」
閃光が迸った。
咄嗟に片腕をハンドルから離し、目を庇う。
その瞬間、スケアクロウの注意が逸れた。
「今だ、ラッシュ!全速全身!」
『ワン!』
ラッシュジェットの速度を最大にし、ジープの隣・・・助手席の方へと向かう。
助手席では未だ、M4が気を失っていた。
「ワイヤー発射!」
―バシュッ!
ロックバスターからワイヤーが発射され、M4を掴む。
「しまった!?」
「M4さんは返してもらうぜ、スケアクロウ」
スケアクロウが気づいたときには時既に遅し、M4はロックマンに引っ張り上げられている。
ふわりと、宙に浮くM4をロックマンはお姫様抱っこで受け止めた。そして、叫ぶ。
「今だ、皆!」
ロックマンの声と同時に、FALが、一〇〇式が、スプリングフィールドが、彼女達が率いる戦術人形達が一斉にスケアクロウに向けて銃を構える。
―BLALALALALALALALALALALA!!!
「くっ!」
銃撃の雨がスケアクロウに降り注ぐ。
スケアクロウは自分の周りにビットを囲わせ、バリアを展開。それで銃弾を防ぐ。だが、別働隊だけではない。
「僕も居るぞ!」
―バウバウッ!
ロックマンも居る。
ロックバスターが火を噴き、バリアを構成しているビットを破壊した。
「しまっ・・・アァァァァァァァァッ!!!」
当然構成してあるビットが破壊されれば、バリアを維持できない。
そのまま、ジープごと蜂の巣にされ・・・、
―BOOOOOOOM!!!
大爆発をおこした。
爆炎の中から、スケアクロウが吹き飛び地面に転がる。
爆発のダメージでビットは全損、両足は膝から完全に消失、体中も銃撃により蜂の巣という酷い状況であった。
そんな彼女を、グリフィンの戦術人形達が包囲する。
「チェックメイト、ね」
FALがスケアクロウに歩み寄り、告げる。
そんなスケアクロウもニヤリと不敵な笑みを浮かべ答えた。
「そのよう・・・ですね」
「随分と味な真似をしてくれたみたいだけど、これで
そう言ってFALはスケアクロウに向かって銃を突きつけた。
―パァン、パァン!
そして、引き金を引きスケアクロウにトドメを刺したのであった。
「何とか一件落着みたいだね・・・」
FALがスケアクロウにトドメを刺すのを見ながら、ラッシュから降りてロックマンは呟く。M4は未だ気を失ったままであり、お姫様抱っこの状態だ。
「すいません、ロックマンさん・・・戦いにまで巻き込んでしまって」
そこに一〇〇式が申し訳なさそうにロックマンに謝罪する。
「いいよ、気にしなくて。怪我なんてしてないから」
微笑みながら一〇〇式に返す。そんな中、
「ん・・・あれ?・・・私」
「M4さん、気がついた?」
「ロック、君?・・・」
M4が意識を取り戻した。辺りを見回し、自分の置かれている状況を把握。
そして、フリーズ。
「!?!?!?!?!!?」
次の瞬間、顔がトマトのように真っ赤になった。
んでもって、口をぱくぱくさせている。
「え、M4さん?」
「お、降ろして・・・、この体勢・・・恥ずかしいから・・・」
戸惑うロックマンに、M4は消え入りそうな声で言う。
言われてロックマンは自分とM4を見てみる。
今の自分の姿勢はお姫様抱っこでM4を抱えている状態である。
「あっ・・・(察し)うん、ごめん」
「い、いえ・・・大丈夫です・・・」
改めて自分の体勢を見て、ロックマンも顔を真っ赤にしてM4を降ろし謝罪。
M4も俯いてロックマンに言う。
「・・・なんか、ラブコメみたいな雰囲気です」
『・・・クゥ~ン』
そんなロックマンとM4を見て、一〇〇式は一言そんなコメントをし、ラッシュも『おっ、そうだな(同意)』と言わんばかりに頷いたのであった。
「さてと、鉄血のクズは倒したしM4も救出。指揮官に迎えのヘリを用意してもらわないとね」
「そうですね。こちらスプリングフィールド。指揮官、任務完了しました」
FALの言葉にスプリングフィールドは同意。そして、リツカに通信を入れる。
『ああ、こっちからも確認した。今から帰還用のヘリを・・・!?』
「?どうかしましたか?」
リツカの言葉が止まった事に怪訝な表情を見せるスプリングフィールド。
『誰かが高速で接近してくる!コンタクトまで3,2,1・・・来るぞ!』
それと同時に、上空から何かが躍り出、ロックマン達の前に着地する。
長く伸ばした黒い髪、鉄血特有の黒いアーマー。手に持つ獲物はハンドガンタイプのレーザーガンと大型の片刃の大剣を持った美女だった。
ヴェズビット、リッパー、ドラグーン・・・エトセトラ。データーベースにある、鉄血一般兵のそれとは異なる出で立ち。それを見て、ロックマン達は確信する。
こいつはスケアクロウと同じ、ハイエンドモデルである、と。
「「「総員、戦闘配置!」」」
『了解ッ!』
一〇〇式達の行動は早かった。部隊の仲間に指示を飛ばし、そのハイエンドモデルに向けて構える。だが、
「遅い」
彼女達が引き金を引くよりも早くそのハイエンドモデルが動いた。
近くに居た、三番隊の一員である戦術人形『Uzi』のダミーの一体に肉薄する。
―ドスッ!
そしてその大剣をダミーに
「やってくれたわね!」
―BLALALALALALALA!
Uziがそう悪態をつくとともに、構えた銃から銃弾が飛び出す。
続けて仲間の戦術人形達も射撃を開始した。
だが、そのハイエンドモデルは時には回避し、時にはしとめたダミーを盾にして防ぐ。
「シッ!」
そして、そのままUziに肉薄、横薙ぎに切り捨てようとする。
「あ・・・」
「Uzi!」
スプリングフィールドの叫びが聞こえる中、Uziはほうけた表情でそのハイエンドの剣筋を見ていた。
―避けれない・・・。
直感的にそう悟ったからだ。
これが直撃すれば死ぬ。そう思っていても、体が動かなかった。
大剣がスローモーションのようにUziに迫る。
もうダメだ!来るであろう斬撃の痛みに目を瞑る。
その時である。
「タイムストッパー!」
ロックマンの声が響いた。
それと同時に、ドン!と体を押される感触。
そして、
「フレイムソード!」
ロックマンがそう叫ぶと同時に、ガキィンと金属音が響く。
―ドシン!
同時にお尻に衝撃が来た。尻餅をついたようである。
「あ、あれ・・・?」
目を開け、自分の体を確認する。
斬られた後は無い。
どうやら生きてるようだ。
でも、どうやって?
そう思い、前方を見やる。そこには、ハイエンドの大剣をバスターから展開した炎の剣で受け止めるロックマンの姿があった。
「へぇ~、お前がロックマンか。まさか、伝説の英雄サマがこの司令部に居たなんてな・・・ついてるぜ!」
鍔迫り合いの状態でそのハイエンドは嬉しそうに笑いながら言うと、ロックマンを蹴り飛ばし距離を取る。
吹っ飛ばされるも、ロックマンは踏みとどまりフレイムソードを引っ込めバスターを撃つ。
だが、そのハイエンドは大剣でバスターの光弾を切り払った。
そして、返す刀でその大剣から衝撃波を放つ。
「プラントバリ・・・うわあああっ!!?」
後ろにUziが居る為、避けられないと判断。プラントバリアで防ごうとするも、防ぎきれず吹き飛ばされてしまう。
「ロックマン、大丈夫!?」
吹き飛ばされ倒れたロックマンにUziが叫ぶ。
ロックマンは何とか立ち上がるも、衝撃波の威力は凄まじくボロボロであった。
「僕なら大丈夫・・・。だけど、気をつけて・・・あの鉄血人形は強い」
そう言って、目の前のハイエンドを見る。
ハイエンドは大剣を肩に担ぐとロックマン達に向けて名乗りを上げた。
「おっと、自己紹介がまだだったな。オレの名はハイエンドモデル『
果たしてロックマン達はこの強敵を打ち破れるのか!?
待て、次回!
Next EP1-4・・・。
本当ならエクスキューショナー戦もフルで書きたかったのですが、長々と書きすぎるとキリがないなと思い、次回に持ち越しとなりました。本当に申し訳ない・・・(メタルマンに出てくる博士並感)
何で、エクスキューショナー単騎でやってきたのか?と思う読者も居ると思いますが、それは次回、説明させていただきます。
次回はエクスキューショナー戦後半!楽しみに待っていて下さいね、それでは~。