ROCKMAN CROSSLINE   作:じゃすてぃすり~ぐ

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 皆の未来は僕が守る。
 だからこそ、再び英雄は戦いの道を行く。


EP2-2「決意」

「ここが・・・、グリフィン本部か」

「はえ~・・・大きい」

「来るのは面接以来だなぁ・・・」

 

 グリフィン統治地域S00地区にあるビル、『グリフィンタワー』。グリフィン本部があるその建物に、ロック、リツカ、ライトの3人は来ていた。ちなみに護衛として一〇〇式の率いる一番隊、帰還の報告、コピーしたメモリーを本部に届けにやって来たM4A1も一緒だ。

 理由は言わずもがな、グリフィンから召集命令が来たからだ。

 

「グリフィン本部へようこそ。どういったご用件ですか?」

「すいません、リツカ・フジマルです。こちらの二人はトーマス・ライトとロック・ライト。召集命令を受けて来ました」

 

 タワーの中に入り、ロビーにて受付嬢の自律人形に身分証明書を見せながらここに来た訳を話す。

 

「リツカ・フジマル様、ロック・ライト様、トーマス・ライト様ですね、お待ちしておりました。クルーガー社長は社長室におられます。社長室はエレベーターに乗ってお進み下さい」

「分かりました」

 

 受付嬢の説明を受け、リツカ達はエレベーターに乗り社長室のある階へと向かった。

 

「ねぇねぇ、隊長」

「なんですかグリズリー?」

「なんたって召集命令が来たんだろ?やっぱり昨日の件の事かな?」

「・・・多分、そうでしょうね。恐らく、昨日の事件でロックマンさんが鉄血に対して戦力になる・・・と判断したんでしょう。それで、グリフィンに所属させるつもりなんでしょうね」

 

 エレベーターが目的地の階へと向かう中、首をかしげ問いかけるグリズリーに、一〇〇式は一瞬間を空けながら答える。

 

「ごめんなさい・・・私がヘマをした所為で・・・」

「M4ちゃんが謝る事じゃないよ、私たちが迎撃している隙を狙って侵入されるのは予想外だったし」

 

 それを聞き顔を曇らせながら俯くM4に慌てて慰めるのは黒く長い髪をツーサイドアップにした黒と赤を強調する服を着た少女。一番隊のムードメーカーである戦術人形『97式』である。

 

「それに、誰も怪我なんかしてないんだから。落ち込まないで、ね?」

「・・・ありがとう、ございます」

 

 お礼を言う、M4に97式はそ・れ・に~。とイタズラっぽい笑みを浮かべ続けた。

 

「ロックマンがグリフィンに所属したほうが都合がいいんじゃない?」

「え?!何でそうなるんですか?」

 

 顔を赤らめ戸惑うM4にだってさぁ。と97式は笑みを浮かべながら言う。

 

「M4ちゃんってあの時以来、ロックマンの事チラチラ見てたでしょ?ひょっとして気があるのかな~って」

「そ、そんな事ないですよ!?確かに助けてもらって感謝はしてますけど・・・それとコレとは話は別ですっ!」

 

 更に顔を赤らめさせ、パタパタと手を振るM4。そんな様子を見て、咎める人形が居た。

 

「コラ97式、M4さんが困ってるじゃないの」

 

 黒い髪を長く伸ばし、青いカチューシャをつけた、白と青を強調する服を着た少女。97式の姉である戦術人形『95式』だ。

 

「あはは、ゴメンゴメン。反応が良かったからつい」

 

 95式に叱られ苦笑いしながら、謝る97式。そんな97式に95式は全くもう。と言いたげにため息をついていた。んでもって、M4の方を向き、言う。

 

「ごめんなさいね、M4さん。妹が迷惑をかけちゃって」

「あ、いえ・・・気にしてないですよ」

 

 申し訳なさそうに言う95式に、M4はしどろもどろになりながらもそう返した。

 

「皆、そろそろ着くぞ」

 

 そんな一番隊の面々とM4にそう声をかけるリツカ。それと同時に、

 

 

-チーン。

 

 目的の階についたようで、エレベーターが止まりドアが開く。

 エレベーターから出て、しばらく歩くと、『社長室』と書かれたドアに差し掛かった。

 コンコン。と軽くノックをする。

 

「S09地区のリツカ・フジマルです」

「・・・入れ」

 

 中にいるであろうクルーガーの声に、失礼します。と言いながら社長室に入るリツカ、ロック、ライト。一番隊とM4は部屋の外で待機である。

 

「よく来た、3人とも」

 

 社長室では、デスクに肘を乗せながらクルーガーが待っていた。その手前には、イスが3つある。

 

「立ち話もなんだから、座りたまえ」

 

 クルーガーにそう言われ、3人はイスに座った。

 しばらくの沈黙、それを破ったのはライトであった。

 

「クルーガー・・・今回、私とロックが呼び出されたのは襲撃事件の事だろう」

「・・・察しが早いな、その通りだよライト」

 

 ライトの言葉に、クルーガーは一瞬間を置いて答えた。

 

「あの襲撃事件で、ロックマン・・・君の活躍が企業連・・・特に企業連でも地位の高い皇神グループの目に止まってね。『グリフィンにロックマンを所属させよ』と、使者が来た」

 

 その使者と言うのはどういう訳か、皇神に技術顧問として雇われたワイリーなのだが、それは伏せておいた。ヘタにワイリーの名を出して混乱させたくないと思ったからである。

 

「私としては、世界の為に充分に戦った君を再び戦場に出すようなマネはしたくない。・・・だが、こうなってしまった以上、ロックマン・・・君も鉄血に狙われる可能性が高い。・・・だから、」

 

 クルーガーは立ち上がり、ロックに頭を下げる。

 

「ロックマン、その力をグリフィンに貸してはくれないだろうか」

「「クルーガーさん・・・」」

「クルーガー・・・」

 

 頭を下げ、頼むクルーガー。そんなクルーガーにロックはイスから立ち上がるとクルーガーに歩み寄り言った。

 

「顔を上げてください、クルーガーさん。勿論、喜んで力を貸しますよ」

「ロックマン・・・」

 

 顔を上げ、ロックを見るクルーガー。そんなクルーガーにロックは、自分の決意を語る。

 

「僕の力で、鉄血との戦争が終わるのなら僕は戦います、皆の未来を守る為に。・・・だから、クルーガーさん・・・僕をグリフィンに入れてくれませんか」

「・・・私としてはロックを戦場に送るのは反対だが、こう言ったら梃子でも動かないからな。私も手を貸すよ、クルーガー」

「俺も、ライト博士と同意見です。俺は戦うことは出来ませんけど出来る限りサポートします」

 

 ロックの決意を聞き、ライトがリツカがそうクルーガーに言う。・・・それを聞き、クルーガーは申し訳なさそうに3人に礼を述べた。

 

「すまない、三人とも・・・感謝する。配属先については彼女が説明する。ヘリアン」

『分かりました、クルーガーさん』

 

 クルーガーがそう言うと、ブゥン。とホログラフが浮かび上がる。ヘリアンだ。

 

『始めまして・・・と言うべきかな、ロックマン。私はヘリアントス・バレンタインだ。ヘリアンと皆は言っている。こんな形で挨拶することになって申し訳ない。少しばかり野暮用で、知り合いのラボにいてな』

「いえ、僕は大丈夫です」

 

 ロックの言葉に、ヘリアンはそうか。と答える。

 

『では、折り入って君の配属先を伝えよう。君はリツカ指揮官が担当している激戦区であるS09地区の司令部に配属となる。そこでリツカ指揮官とその部下達と共にある任務についてもらいたい』

「ある任務?」

 

 ヘリアンの言葉に、ロックは聞き返し、ライトとリツカは顔を見合わせる。

 

『AR小隊のメンバーの捜索任務だよ』

 

 答えようとしたヘリアンを押しのけ、現れたのは白衣の女性。長く伸ばした桃色の髪に、何故かネコミミを生やしている美女・・・なのだが、髪がボサボサだったり、服の身だしなみがなってなかったり、目にクマが出来てたり・・・と色々と台無しである。その女性にリツカとライトは見覚えがあった。

 

「久しぶりだな、ペルシカ。・・・相変わらずのようだな」

『お久しぶり、先生。そっちも余り変わってないようだね・・・っと、はじめましてになるかな、ロックマン君。私はペルシカリア・ホワイト、ペルシカでいいよ。君のお父さん・・・ライト博士とは教師と教え子の関係さ。あ、ちなみにライト博士が教師で、私が教え子ね』

「は、はぁ・・・はじめまして」

 

 ライトの言葉にそう返すペルシカ。そして、ロックに気づき、自己紹介をする。

 突然の事に少々驚くロック。

 

『っと、話が反れたね。AR小隊って言うのは君の保護したM4が所属してた小隊のことだよ、彼女はそこの隊長だったって訳』

「その事に関してはリツカさんから聞いています、ある作戦で散り散りになってしまったって事も。その残りのメンバーを捜索してくれって事ですか?」

『うん、察しが早くて助かるよ、ロックマン』

『あー・・・ゴホン、私を置いて話を進めないでくれるかペルシカ』

 

 咳払いをしながらヘリアンがペルシカに言う。ゴメンゴメンと謝りながらそそくさと退散するペルシカ。

 それを見届け、ロックに向き直り言う。

 

『先ほど、ペルシカが言ったようにAR小隊の残りのメンバーをリツカ指揮官の部隊、そしてM4A1と協力して捜索して欲しい』

「分かりました、AR小隊のメンバーは必ず見つけ出します」

『うむ、作戦の開始は後日知らせる。・・・幸運を祈ってるぞ、ロックマン』

 

-???

 

「ほう、こいつがロックマンか・・・中々の強さだ」

 

 モニターに映し出されたロックマンの戦いを見て、感嘆の声を漏らす女性がいた。銀髪を一部だけ長く伸ばしそれを紐で結んだシャギーヘアの女性である。

 

『今日も、ロックマンとの交戦記録をみているのですか?「ハンター」』

 

 その女性とは別の声。それと同時に、モニターの画面が切り替わり女性の顔を映す。黒い髪を団子ヘアーにしたメイド風の女性だ。その女性に、ハンターと呼ばれた女性はああ、と答える。

 

(エモノ)を知り、分析する。狩人としての基本だ。奴は必ず我々の前に立ちはだかるだからこそ分析する必要があるのだよ『エージェント』」

『その根拠は何処から来るのです?』

 

 ハンターの言葉に、エージェントは表情は崩さず、呆れたように問いかける。

 

「狩人としての勘って奴だ」

『非科学的ですね』

「それでもコレは良くあたるんだ」

『で、勝算は?万が一、ロックマンと相対した時に勝てるのですか?』

「勿論。奴のパターンは見切った、負ける気はさらさらない」

 

 エージェントの問いに勝ち誇った笑みを浮かべ、ハンターはそう言った。

 

『・・・くれぐれも私を失望させないでくださいましね』

 

 そんなハンターにエージェントは表情を崩さす冷徹にそう言うと、通信を切る。それを見届け、ハンターは腰から拳銃型のレーザーガンをホルスターから抜くと、ある新聞に銃口を向けた。ロックマンの活躍を書いた記事である。

 

「真の狩人は足元を見る。・・・見せてやろう、ロックマン。狩人の戦い方をな」

 

 そう言って引き金を引くハンター。銃口からレーザーが放たれ、新聞に写っていたロックマンの顔面を焼いたのであった。

 

 

 Next EP2-3・・・




今回、書いたヘリアンさんとペルシカさんのファミリーネームの元ネタ。
ヘリアンさんのファミリーネーム『バレンタイン』、カプコンのゲーム『バイオハザード』の主人公の一人『ジル・バレンタイン』から抜粋。
ペルシカさんのファミリーネーム『ホワイト』、ロックマンを手がけた稲船氏が作ったゲーム『マイティナンバー9』に出てくる博士『ウィリアム・ホワイト』から抜粋。
勿論、2人のファミリーネームはこの小説独自の設定です。ドルフロほんへの2人のファミリーネームってなんだろうか・・・?

ドルフロ話となりますが、もうすぐ低体温症なるイベントが始まる模様。・・・どんな風になるのか楽しみですね(wktk)

次回は、AR小隊捜索任務開始です。
お楽しみに!
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