SCP-682とGE世界をゆく   作:ピギュィィ

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もし失踪したらSCP-964-JPに殺されてるのでよろしくお願いします


14話・春【後編】

 

 

 

煉獄の地下街にて

 

 

 

 

(うーむ、この暑さは好きにはなれんな)

「アツツツッ!アッヂャッ!ウオラバッ!チャッチャ!」

(うるさい黙れ)

 

今俺達は絶賛溶岩遊泳中です!どちゃクソアツい!ファッキンホット!誰だよこんな所で戦おうとか言ったやつは!・・・俺だ!HAHAHA!

とまあ、やってみない事にはわからない。やる前から諦めるのは良くないということで、桜シユウを突き飛ばし溶岩にドボンさせたわけなんですが・・・

案の定しっぽ掴まれて自分も溶岩に引きずり込まれましたとさ!

アツイ!

 

(花弁による攻撃は溶岩でほぼ無効化出来ている事以外、この状況はクソだ。そしてこうなった元凶のお前もクソだ)

「アッヅゥイ!」

(・・・早く変われ、変わらぬならしばし寝るぞ・・・もし、助けて欲しかったら懇願しろ。さすれば助けてやらんことも無いぞ)

「誰が頼るかテメェなんぞ!ッツィ!アッツィ!」

 

トカゲの気だるそうなリアクションから察せられる通り、今行われている戦いはお互いに何も出来ない頓着状態なのだ。

桜シユウの末端に生えているような細い枝程度なら、顎を強化し噛みつくことで折る事が出来るのだが、折ってもある程度経つと再生してしまうから意味が無い。

一撃でトドメを刺すにも、肝心のコアがどこにあるかわからない。多分胴体の奥の方にあるのだろうが・・・相手が硬すぎて何も出来ない。

んでもって桜シユウの方も、花弁を使った攻撃が出来ない為か、蹴ったり引っ掻いたりと致命傷には程遠い攻撃を淡々と繰り返している。

目も当てられない泥仕合。

なんだコレ

 

傍から見れば溶岩の中でワニに襲われる桜の木とかいう訳の分からない光景なのだろうか・・・

 

 

 

〜10分後〜

 

 

ここに来て桜シユウが岸に上がろうとし始めた。

陸から花弁を用いた攻撃をし決着をつけたいのだろう・・・だがしかしそれは駄目だ!

必死にもがき陸に上がろうとする桜シユウの腕をしっぽでぐるぐる巻きにする。幸い隻腕で1本しかないから拘束は容易かった。

 

 

〜さらに10分後〜

 

 

問題発生

沈み始めてる

 

拘束したまでは良かったものの、拘束され動けない桜シユウの重みと、泳ぐのに向いてないトカゲの四肢の構造のせいで、どんどんと沈んできている。

ウミガメのようなオール状に変形させてみても粘度の高い溶岩の中ではうまく泳げない。

高速を解いたら解いたで桜シユウに逃げられる可能性があるし・・・

かと言って拘束したままだとどこまで沈んでいくか・・・

 

 

 

 

うーん・・・うん、仕方ない!

プライドなんて捨ててやらぁ!

 

 

「おーい起きてるか〜トカゲさんや〜」

(・・・・・・ん?、なんだ?)

「・・・お願いします、コイツを何とかしてください」

(・・・・・・・・・)

「何卒お願いします、後から好きな荒神探してきますので・・・」

(よし)

 

 

ふっと、意識が現実から遠のく

「アレ?よく良く考えれば頼み込まなくても危機的状況になればトカゲが何とかしてたんじゃ・・・

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

ウイイイィィィイイイン

 

 

(えっ、なにそれは)困惑

 

意識が復活してみればそこには一方的な蹂躙劇が繰り広げられていた

いつの間にかトカゲもシユウも陸に上がっている。そして、桜シユウは下半身を失い、残った片腕で必死に逃げようと地を掻いている

 

顎の筋肉を使って?チェーンソーのように歯を回転できるとかこのトカゲなんでもありかよ(汗)

ちょっと引くわ・・・

 

ミシミシミシッベリベリべリ

 

あっという間に分解されて胃袋に収納されていく桜シユウ

多分この世界基準だととてつもなく強いんだろうけどトカゲが相手ってのが運の尽きだったな・・・

さらば、桜シユウよ

 

 

(ふむ、ほのかな花の香りと後味の良い甘味を感じて美味いな・・・もう1頭探しに行くぞ!)

「え、えぇ・・・」(困惑)

 

 

 

 

 

 





春の次は夏だろ?だから煉獄の地下街だよ

「ハァ?」

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