被弾の転生者   作:島夢

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16話 「安心して眠るといい」

「で?なんのようだよシャーロック」

 

 

 俺はいきなりシャーロックに呼び出され、シャーロックの部屋に来た…。

 ここ原潜の中だよな?ってくらい豪華だな。こんなんなら俺の部屋ももっといい部屋にしてくれよ!

 

 と、心の中で叫ぶが、俺はポーカーフェイスを装う。

 

 

「君宛に手紙が来たよ?」

 

 

 そういってシャーロックは俺に手紙を渡す。

 この手紙は…。差出人シャーロックと書いてある…英語で…。

 

 

「差出人あんたじゃねぇか! というか、わざわざ呼んだんだから、手紙じゃなくてもいいだろ!」

 

「ライムくん、これは正式な依頼だよ?」

 

 

 そういわれ俺は立ち止まる…はぁ…とため息をつきつつシャーロックを睨み、どかっと近くの椅子に腰を下ろす…。

 そしてゆっくりと口を開け、質問する。

 

 

「報酬は?」

 

条理予知(コグニス)

 

「?」

 

 

 意味がわからん…。

 いや、条理予知のことは知っている…シャーロックの未来予知と言って良いレベルにまで研ぎ澄まされた優れた推理力…それが条理予知

 

 

「君はここ、イ・ウーに来てまだ何も得ていないだろう?」

 

「まあ…な」

 

 

 そりゃそうだ、俺の戦闘スタイルで見本になるような奴いなかったんだからな…。

 みんななんらかのステルスか、それとも俺とは全く違う戦い方か…まあ、ステルスは強力だとは思うが、覚えるつもりもないし、そもそも覚えることはできないだろう。

 俺はシャーロックみたいにこのイ・ウーにいる全員の能力を覚えるつもりはないんだからな…。

 

 

「だから僕が与えよう…君をほぼ強制的にここに入学させたというのになにも渡さないのは少し気が引けるからね…報酬は先払い、どうだい?悪い条件じゃないだろう?」

 

 

 確かにな…条理予知は貰えるなら欲しい…というか、どうやって受け渡しするんだよ、脳みそでも交換すんのか?

 とかどうでもいいことを考えながらまた口を開く

 

 

「どうやって条理予知を俺に渡す?」

 

「簡単だ、ずっと昔…百年くらい昔かな…?まあ、自分の記憶というか…技術のノウハウを相手に渡すという器用なステルスに会ってね…彼の能力を使えばいい」

 

 

 それってつまり、シャーロックはその人の力を持ってるってことか…多分、こいつとガチでやったら勝てないかもしれない…今の俺じゃあな。

 もしこいつが敵に回ったらどうするか…そしてこいつが全力で俺を殺しに来たらどうするか…。

 

 これはずっと考えてるんだが、逃げるか死ぬのどちらかしか思い浮かばねぇ…。

 逃げても追いつかれそうだしなぁ…。

 そう思いながらシャーロックと会話する。

 

 

「それ…ノウハウを渡すだけならそもそも使える素質がない奴は覚えられないんじゃないのか? 俺はあんたほど頭がよくないぞ?」

 

 

 俺は正直に言う…まあ、長生きしてるから色々知ってはいるけど、別に頭がいいわけじゃない…そこそこ頭の回転は速いとか言われるが、俺の目の前にいる天才に比べたら足元にも及ばないだろう…。

 

 

「ああ、その通り、普通の人に教えても覚えるのは不可能だろう…けど君は頭がいいし、何より…君には僕程度では及びもつかない『経験』がある」

 

 

 ?どういうことだろうか…?

 確かに経験だけならシャーロックよりは上だろうが…。

 それが条理予知となんの関係がある?

 

 

「条理予知は推理によって成り立つが…君の場合は自分が今まで経験したことも推理の材料として使えばいい…そうすれば…戦闘時だけなら僕並か、それ以上の条理予知になるだろう」

 

 

 なるほど…戦闘限定の条理予知か…。確かに条理予知がどんな感覚で使えるのかはわからないが、シャーロックの予知能力みたいなのが戦闘限定で使えるなら、十分な報酬だ。

 とか色々考えているが、シャーロックを相手にこういう頭を使う交渉とかは勝てる見込みはないので、素直に受け取るのが吉か…。

 俺に渡されるというか…教えてもらう条理予知についてもう少し聞いておこうか…。

 

 

「戦闘時以外はまったく使えないのか?」

 

 

 俺が疑問に思い、聞いてみるとシャーロックはくびを横に振り、答えた

 

 

「いいや、それはないね…予知…といえるほどではなくても、名探偵としてやっていけるくらいの推理はできると思うよ…君は元々頭の回転が速いからね」

 

 

 そりゃあいい、もし仕事がなくなったら探偵やるのもありだな…帯銃を認められてる国じゃないとだめだけど…。 

 便利なもんを報酬にしてくれるじゃないかシャーロック。

 

 

「どうだい?この依頼…受けてくれるかい?」

 

「OKだ、その依頼受けてやるよ…強さってのは持っているだけで便利なもんだしな」

 

「そうかい、それはよかった…ちょっと多い知識がいきなり頭に入るから、大概はみんな気絶するし…頭が痛くなるようだが…始めるよ」

 

 

 え?それ危なくねぇ?って聞く前にもうすでにシャーロックは俺の頭に手を置き、なんかしている…俺の頭に置かれた手はピカーっと光って…。

 

 眩しい!そう思ったときにはありえないほどの頭痛が襲ってくる。

 

 

「!!」

 

 

 頭ン中にいきなりなんか突っ込まれた痛さ…。思わず意識を放棄したくなる痛みだが無駄に耐久力が高かったようで意識を手放せない…。

 

 内側から脳みそが膨張して弾け飛ぶんじゃないかって痛みがそれから10分間以上続いた…。

 シャーロックは痛みでうめく俺を見つめていた…こいつこの痛みをなんとかする方法知ってるんじゃないだろうか?

 とかも思ったがそれも一瞬だ…そんな思考は頭痛の濁流に飲み込まれ、消えていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 

 痛かった…今やっと落ち着いた…シャーロック、最初に言えよ…。

 と思い、睨み付けるがシャーロックは悪びれもせず、立ち上がり、なんか知らんが拍手してきた…。

 

 

「いやぁ…気絶しないこともすごかったけれど、悲鳴すら上げないとはね…まあ、大体は推理でわかっていたけど…それにしてもすごいね…普通の人間なら死ぬほどの痛みなのに」

 

 

 おいシャーロック…そんな危険なことしたのか…先にリスクの説明しろよ…!

 そうは思っても口には出さない…というか出せない…しばらくしゃべれそうにない…。

 

 

「そんなに睨まなくてもいいじゃないか…悪かったとは思っているけど、死なないということは推理してわかっていたからね」

 

 

 ああ…やばい…意識が遠のく…もうなんか全身だるい…。

 

 シャーロック…仕事の内容教えなかったな…。

 

 

「ああ、仕事、報酬は先払いといっただろう? この仕事はまだまだ先…一年から二年後くらいに依頼することになる…」

 

 

 そんな先のこと…今…依頼するな…よ……………

 

 

「安心して眠るといい、伐乃くんを呼んであるからね…お休み、ライムくん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




経験による条理予知…戦闘時ならシャーロック並かそれ以上の条理予知が可能とか…
チート化が進みましたね…


感想心よりお待ちしております


次回も頑張って編みます!
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