被弾の転生者   作:島夢

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19話 私の勇者様

―――教授、私の勇者様はどんな方なんでしょうか?―――

 

 

 

―――ふむ?そうだね…僕の推理では…もうこの船に乗っているよ?―――

 

 

―――ホントですか!?―――

 

 

 

―――彼は…黒い髪で女性に甘く、だからこそ女たらし…そんな人だよ―――

 

 

―――会えると…いいな―――

 

 

―――会えるさ、僕の推理ははずれたことなんてないのだから…―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鳥のさえずりと、目覚ましの音…寝息が聞こえる朝…。

 目覚ましを止め、そしてまだ寝たりなくて寝返りをうつ…すると柔らかい感触が手に伝わり…。

 というか、この辺で大体わかった…。

 上体を起こし、隣で寝ている黒い髪の少女に声をかける。

 

 

「はぁ…またか?伐乃?」

 

「んぅ…? ふぁ…おはよう、ライム」

 

「なんでここで寝てんだ?」

 

 

 眠たそうにしている伐乃…。いつもいつもなぜ俺のベッドで寝ている?

 というか、お前自分の部屋があるのになぜここに来る?

 疑問ばかりが出てくる。

 

 

「ライムの隣は安心して眠れるからかしらね?」

 

 

 伐乃は笑いながらそういう。

 俺が伐乃にバレないようにベッドから出て、起きるまで放置するとなぜか機嫌が悪くなるんだよなぁ…。

 まあ、いいや。

 

 

「でも、今日はなんだかまだ眠いわ…もう少し寝るわ…」

 

 

 そういって伐乃はすーすーとまた寝息を立て始めた。

 寝顔はとても穏やかで、可愛い。

 

 今はベッドから出ても機嫌を損ねないだろうか?

 まあいいか。そこまで怒ることもないだろう…ということで、外に出よう…。

 

 俺はベッドから出て、服を着替え、部屋の扉を開ける…。

 

 

「ん~、お、重たい…です。ちょっと疲れてしまいました…」

 

 

 俺の部屋の手前で荷物を運ぼうとしている少女がいる。

 人の名前はできるだけ覚えるようにしているからわかるが、確か名前はリサ…リサ・アヴェ・デュ・アンクだったと思う。

 重くて、ここまで運ぶのに疲れたみたいだな。

 大丈夫かな?と、そう思い話しかける。

 

 

「大丈夫か?なんなら手伝おうか?」

 

「!?」

 

 

 いきなり声をかけられたからなのか、ビクッ!と驚いている様子だった。

 

 

「い、いえ…大丈夫です」

 

「女性が困ってたら助けるもんだろう? それが美女なら尚更だ。本当に手伝うのがいやならやめるが?」

 

 

 俺は少しだけ相手を安心させるように微笑みながら言う。

 少しぼーっとしたあと、少女はハッとなって復活して。俺におずおずといった感じだが頼んでくれた。

 

 

「で、では…よろしくお願いします」

 

「ああ、任された」

 

 

 俺は微笑みではなく、笑みを浮かべながら荷物を持って歩き出す。

 荷物はズッシリと重く、確かに女性一人で運ぶには大変な重さだ。

 

 なぜ彼女が運んでいるのだろう? いや、どうでもいいことか…。

 

 

「俺の名前は士咲 来夢だ、よろしく。リサ・アヴェ・デュ・アンク」

 

「私の名前を?」

 

「人の名前はできるだけ早く覚えるようにしているんだ」

 

「モーイ!すごいです!」

 

 

 なぜかすごく褒められた…。

 まあ、褒められて気分が悪くなることなんてないから嬉しい。

 そういえば、この「モーイ」ってのはオランダ語…だよな?

 

 素敵ですとか、綺麗とかの意味を持ってたはず…。

 

 

「そんなに褒められることじゃないぜ?ただの癖だし」

 

「十分褒められるようなことだと思います。事実、私はあなたのことを知りませんでしたから」

 

「人は人、自分は自分だ」

 

 

 俺は荷物を持って歩きながら話す。

 この原潜、イ・ウー(確か、原子力潜水艦ボストークだったか?)でかすぎじゃねぇか?とか考えながら歩く。

 

 

「ここでいいのか?リサ・アヴェ・デュ・アンクさん」

 

「はい、ここです。ありがとうございました」

 

 

 俺がフルネームを言っているのは、なんか名前だけだと馴れ馴れしいかな?とね。

 本人が名前で呼んでいいよって言えば、ちゃんと名前で呼ぶけどさ…。

 深いお辞儀をしながら笑って彼女は言う…。

 

 

「あ、あの…」

 

「何だ?」

 

「リサって呼んでくれませんか?フルネームはなんだか遠い感じがして…」

 

 

 恐る恐るといった感じで彼女は少し上目使いでそういう…。

 可愛いね、うん。

 とか考えていると彼女が慌てている。

 

 

「い、いえあの! ちょっとなれなれしかったですか?ご、ごめんなさい…」

 

 

 どうやら無視されたのかと思ったようだ。

 しゅんとなって、なんだか子犬が落ち込んでいるようにも見えた。

 俺は首を振ってこたえる。

 

 

「いやいや、なれなれしくはねぇよ、リサ。俺のことも来夢でいいぞ?」

 

「では、ライムさんとお呼びしますね」

 

「ん~まあ、いいか」

 

 

 敬称がついたけどいいかな?と思う。

 さてと…そろそろ部屋に戻ろうか?

 伐乃が起きるまでに戻らないとまた機嫌を損ねそうだ。

 

 

「また困ったら言ってくれれば手伝うぜ?」

 

 

 俺はそう言いながら、名刺?のようなものを渡す。

 名前と連絡先が書いた紙だな、簡単に言うと…。

 

 俺は手を少し上げながら自分の部屋へ戻っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの人が…ライムさんが…私の勇者様かな…?そうだったらいいな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょ!?寝起きで機嫌悪いからってナイフ投げんな!」

 

「またほかの女に(うつつ)を抜かしてたでしょう?匂いでわかるもの」

 

「匂いって…ちょっ!あぶねっ!」

 

「すぐにほかの女に手を出すんだから…もう…お仕置きが必要ね」

 

「お前まだ寝ぼけてんだろ!?なあ!ぎゃぁぁああああああああ!!」

 

 

 

 

 

 




 ちなみに、一番最後の方、伐乃さんはほとんど寝ぼけています。
 
 普段なら行動には出ないでしょうけど、寝ぼけていてそのまま感情のままに行動してしまったんでしょうねぇ…。

 嫉妬、独占欲です…。まあ、可愛いもんですこのくらい…来夢さんなら…。

 感想待ってます!

次回も頑張って編みます!
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